共同生活援助(グループホーム)の開業を考えるうえで採算がとれるかどうかをきっちり見極める必要があります。ここでは報酬や人件費についてまとめています。
目次
共同生活援助の報酬
共同生活援助サービス費
令和3年度の共同生活援助の基本報酬です。【表1】の単位に【表2】の地域区分を乗じたものが報酬金額となります。
区分6 | 区分5 | 区分4 | 区分3 | 区分2 | 区分1以下 | |
---|---|---|---|---|---|---|
(Ⅰ)4:1 | 667単位 | 552単位 | 471単位 | 381単位 | 292単位 | 243単位 |
(Ⅱ)5:1 | 616単位 | 500単位 | 421単位 | 331単位 | 243単位 | 198単位 |
(Ⅲ)6:1 | 583単位 | 467単位 | 387単位 | 298単位 | 209単位 | 170単位 |
(Ⅳ)体験利用 | 697単位 | 582単位 | 501単位 | 411単位 | 322単位 | 272単位 |
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夜間支援等体制加算
夜間支援等体制加算は、夜勤か宿直かによって分かれます。
「夜勤」と「宿直」について
- 夜勤
-
- 法定時間内の勤務で22時~翌5時までで、割増賃金(+25%)となります
- 通常の業務も課される
- 宿直
-
- 法定時間外で、待機業務となり通常の業務は課されない
- 労働基準監督署長の許可で、許可が無い場合は賃金(+25%含む)を支払う。許可がある場合、宿直手当を支払う(通常勤務の3分の1以上が目安)
宿直の許可要件- 常態として、ほとんど労働をする必要のない勤務であること
- 通常の労働の継続でないこと
- 相当の睡眠設備が設置されていること
- 宿直手当が支払われていること
- 宿直が1週間に1回以内であること
その他の加算
福祉専門職員配置等加算 Ⅰ:10単位/日 Ⅱ:7単位/日 Ⅲ:
収支について
シミュレーション
基本報酬(Ⅰ)、利用者が区分4×4名、地域区分4級地の10.73円としてみましょう。
条件
- 基本報酬(Ⅰ) 4:1
- 利用者 区分4×4名
- 地域区分 4級地(10.73円)
- 夜間 夜勤で対象利用者4名
1日あたりの報酬
基本報酬
\20,215(4名)
+
夜間支援加算(Ⅰ)
\14,420(4名)
=
報酬(1日あたり)
\34,635
1カ月(30日)の報酬
報酬(1日あたり)
\34,635
×30日
=
基本報酬
\1,039,050
支出(人件費)
- 管理者・サービス管理責任者(兼任)
- 生活支援員 1名以上
- 世話人 1名以上
上記からあらっぽく考えて試算してみます。
1:管理者・サビ管 240,000円/月と想定
2:生活支援員&世話人 1日あたり20時間いずれかを配置するとして、
時給1,300円×20時間×30日=780,000円/月
合計すると、1,020,000円/月となります。
収支
報酬
1,039,050円
–
人件費
1,020,000円
=
利益
19,050円
粗削りな計算なだけに上記のような結果となりました。若干のプラスです。実際には食事提供の加算や、処遇改善加算などもありますし、人員を配置する時間をもう見直すなどできるかもしれません。
まとめ
シミュレーションの結果を見ると人件費等はカバーできそうですが、報酬で建物の維持費まで賄うことは厳しいです。この辺りは居住費として利用者からの自費負担で、ということになります、利用者3~5名程度であれば採算ベースの乗りそうです。