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「入所時特別支援加算」の概要
障害福祉サービスにおける「入所時特別支援加算」は、施設に新たに入所する利用者が適応支援を受ける初期段階において、施設側が1日あたり30単位の加算を受けられる制度です。この制度の導入背景には、施設生活への適応を支える特別な支援が必要であるとの考えがあります。
入所当初は、利用者が新しい生活リズムや環境に慣れるため、施設職員の支援が不可欠です。そのため、加算は入所から30日間に限定され、利用者が実際に利用した日数のみが算定の対象となります。この仕組みにより、利用者が安心して新生活を始められるよう、質の高い支援が提供されています。
入所日から30日を限度として | 30単位/日
対象サービス
算定要件など
算定要件
- 加算日数: 入所日から30日間。実際に利用した日数のみが対象。
注意点:
- 過去3か月以内に同一施設に入所歴がある場合、加算対象外。
- 短期入所利用者が継続して入所する場合、短期入所日数を差し引いて算定。
- 病院入院後の再入所時、併設施設の場合は算定対象外となることもある。
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示
※令和6年4月1日現在
入所日から30日を限度として | 30単位/日
新たに入所者を受け入れた日から起算して30日以内の期間において、指定施設入所支援等の提供を行った場合に、1日につき所定単位数を加算する。
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項
入所時特別支援加算の取扱いについて
報酬告示第9の5の入所時特別支援加算の取扱いについては、以下のとおりとする。
- 入所者については、指定障害者支援施設へ入所した当初には、施設での生活に慣れるために様々な支援を必要とすることから、入所日から 30 日間に限って、1 日につき 30 単位を加算することとする。
- 入所時特別支援加算は、日中活動サービスの初期加算に相当する加算である。
- 初期加算に係る2の⑹の⑧の規定は、施設入所支援に係る入所時特別支援加算について準用する。
2の⑹の⑧初期加算
- 報酬告示第6の5の初期加算については、サービスの利用の初期段階においては、利用者の居宅を訪問し、生活状況の把握等を行うなど、特にアセスメント等に手間を要することから、サービスの利用開始から30日の間、加算するものであること。
なお、この場合の「30日の間」とは、暦日で30日間をいうものであり、加算の算定対象となるのは、30日間のうち、利用者が実際に利用した日数となることに留意すること。
なお、初期加算の算定期間が終了した後、同一の敷地内の他の指定障害福祉サービス事業所等へ転所する場合にあっては、この加算の対象としない。 - 指定障害者支援施設等における過去の入所及び短期入所との関係
初期加算は、利用者が過去3月間に、当該指定障害者支援施設等に入所したことがない場合に限り算定できることとする。
なお、当該指定障害者支援施設等の併設又は空床利用の短期入所を利用していた者が日を空けることなく、引き続き当該指定障害者支援施設等に入所した場合(短期入所から退所した翌日に当該指定障害者支援施設等に入所した場合を含む。)については、初期加算は入所直前の短期入所の利用日数を30日から差し引いて得た日数に限り算定するものとする。 - 30日(入院・外泊時加算が算定される期間を含む。)を超える病院又は診療所への入院後に再度利用した場合には、初期加算が算定されるものであること。
ただし、指定生活介護事業所等の同一の敷地内に併設する病院又は診療所へ入院した場合についてはこの限りではない。 - 旧法施設支援における「入所時特別支援加算」が算定されていた特定旧法受給者については、「入所時特別支援加算」が初期加算と同趣旨の加算であることから、初期加算の対象とはならないものであること。
なお、特定旧法指定施設において、旧法施設支援における「入所時特別支援加算」を算定する者が利用している場合であって、当該「入所時特別支援加算」の算定期間中に指定障害者支援施設へ転換した場合にあっては、30日間から「入所時特別支援加算」を算定した日数を差し引いた残りの日数について、初期加算を算定して差し支えない。
参考:障発第1031001号
Q&A
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まとめ
「入所時特別支援加算」は、障害福祉施設において、利用者が新しい環境に適応するための支援を評価する重要な制度です。利用者の安心・安全な施設生活のスタートを支えるための仕組みとして、初期段階での特別な配慮が求められます。