書類保管期間について【会社法編】

株主総会議事録や取引に関する記録、決算書など会社法に規定されている書類の保管期間をまとめました。

目次

永久保存(推奨)

法律で永久保存が義務付けられてないものの、事業を継続する限り永久保存が必要と考えられる書類です。

永久保存(推奨)一覧
  • 定款、株主名簿、新株予約権原簿、端株原簿、社債原簿、株券喪失登録簿
  • 訴訟関係書類、登記済証
  • 官公署への提出文書、官公署からの許可書、認可書、通達などで重要な書類
  • 知的所有権に関する書類
  • 効力の永続する契約に関わる書類
  • 会計監査に関する文書
  • 製品の開発、設計に関わる重要な書類(特許書類等)
  • 決算に関する書類

10年保存

名称(起算日/根拠法令)

株主総会議事録(起算日:株主総会の日/会社法318条)

会社法 第318条

株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
株式会社は、株主総会の日から10年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
株式会社は、株主総会の日から5年間、第1項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 第1項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面又は当該書面の写しの閲覧又は謄写の請求
二 第1項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第1項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。

  • 取締役会議事録(取締役会の日/会社法371条)
  • 監査役会議事録(監査役会の日/会社法394条)
  • 監査等委員会議事録(監査等委員会の日/会社法399条-11)
  • 指名委員会等議事録(指名委員会等の日/会社法413条)
  • 重要会議記録(作成日)
  • 満期または解約となった契約書(満期、解約の日)
  • 計算書類および附属明細書(作成日/会社法435条)

会計帳簿および事業に関する重要書類(帳簿閉鎖の日/会社法432条)

会社法 第432条

(会計帳簿の作成及び保存)
第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。

・製品の製造、加工、出荷、販売の記録(引き渡し日/会社法432条)

・計算書類および附属明細書(帳簿閉鎖の日/会社法432条)

会社法 第435条

(計算書類等の作成及び保存)

第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。

 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。

 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。

 株式会社は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類及びその附属明細書を保存しなければならない。

7年保存

  • 取引に関する帳簿(現金出納帳、仕訳帳、固定資産台帳、買掛帳、売掛帳など)
  • 決算に関して作成された書類
  • 現金の収受、払出し、預貯金の預入れ、引出しに際して作成された取引証憑書類(領収書、借用書、預金中朝など)
  • 有価証券の取引に際して作成された証憑書類
  • 取引証憑書類(請求書、契約書、見積書、仕入伝票、注文清書など)
  • 電子取引の取引情報に係る電磁的記録
  • 源泉徴収簿
  • 課税仕入等の税額の控除に係る帳簿、請求書など
  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書
  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、給与所得者の配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書

5年保存

  • 従業員の身元保証書
  • 誓約書等の書類
  • 事業報告
  • 有価証券届出書、有価証券報告書および添付書類、訂正届出書の写し
  • 産業廃棄物管理表の写し
  • 産業廃棄物処理の委託契約書
  • 契約期限を伴う覚書、念書、協定書などの文書
  • 重要な内容の受信、発信文書
  • 監査報告
  • 会計監査報告
  • 会計参与が備えおくべき計算書類、附属明細書、会計参与報告
  • 非課税貯蓄申込書、同申告書、同限度額変更申込書、同異動申告書、同勤務先異動申告書、同廃止申告書などの写し
  • 海外転勤者の財産形成非課税住宅貯蓄継続適用申告書、海外転勤者の国内勤務申告書などの写し
  • 退職等に関する通知書

3年保存

  • 四半期報告書、半期報告書およびその訂正報告書の写し
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 雇入れ、解雇、退職に関する書類
  • 労災保険に関する書類
  • 労働保険の徴収、納付等の関係書類
  • 派遣元管理台帳
  • 派遣先管理台帳
  • 身体障害者等であることを明らかにすることができる書類

2年保存

  • 雇用保険に関する書類(被保険者に関する書類は4年 労働保険の納付は3年)
  • 健康保険、厚生年金保険に関する書類

別途、労基法で5年保管が義務づけられているものがありますので注意が必要です

第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃 金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。

労働基準法 109条

1年保存

  • 臨時報告書、自己株券買付状況報告書およびそれらの訂正報告書の写し
  • 当直日誌
  • 軽易な往復文書、受信、発信文書
  • 住所、姓名変更届
  • 休暇届、欠勤願および休暇使用記録票

保管期間終了後

10年経過後は保管義務はありませんが、定款の変更など会社にとって重要な内容が含まれていますので永久に保存しておくことが望ましいと考えます。

電磁的記録での作成

電磁的記録で保存しておくこともできます。物理的な保存場所に苦慮することがなくなるので、安易に廃棄せずPDF等で保存しておくこともおすすめします

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