地域移行促進加算
地域移行促進加算は、障害福祉サービス利用者が施設から地域生活に移行する際の支援を目的とした加算制度です。障害者総合支援法に基づき、施設職員が利用者の地域生活への移行を支援するための相談援助や、体験的な宿泊支援を提供する際に適用されます。
この制度の特徴は、利用者が地域での生活を体験しながら自立に向けた準備を行える点にあります。たとえば、単身生活を見据えた短期宿泊支援や、地域の活動や公共交通機関の利用体験など、日常生活を想定した支援が含まれます。これにより、利用者は新しい環境に適応するスキルを身につけ、より安心して地域生活を始められるようになります。
地域移行促進加算は、「Ⅰ」と「Ⅱ」の2つに分けられ、それぞれ支援内容や算定条件が異なります。以下では、この加算の詳細な要件について解説します。
(Ⅰ) | イ 加算120単位/日 |
(Ⅱ) | ロ 加算60単位/回(月3回を限度) |
対象サービス
算定要件など
■地域移行促進加算の種類
- (Ⅰ): 体験的な宿泊支援を通じて利用者の地域生活を促進。支援に必要な情報共有や相談援助が条件。
- (Ⅱ): 宿泊を伴わず、地域活動や生活スキルの向上を目的とした支援。例として、地域イベントへの参加や買い物の体験が挙げられる。
■加算(Ⅰ)の要件
- 地域生活支援拠点として位置づけられ、連携担当者の配置。
- 施設障害福祉サービス計画に基づき、体験的な宿泊支援について指定地域移行支援事業者との連絡調整その他の相談援助。
※詳細は留意事項を参照
■加算(Ⅱ)の要件
- (Ⅱ):地域生活支援拠点と連携。指定障害者支援施設の職員が同行。
※詳細は留意事項を参照
■算定における注意点
- 宿泊支援の初日および最終日は加算対象外。
- 体験的宿泊支援中も入院・外泊時加算を併用可能。
■連携要件
- 市町村や拠点機関との日常的な情報連携。
- 緊急時対応に加え、平時から地域生活支援拠点としての機能を果たす活動。
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示
※令和6年4月1日現在
(Ⅰ) | イ 加算120単位/日 |
(Ⅱ) | ロ 加算60単位/回(月3回を限度) |
注1
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして都道府県知事に届け出た指定障害者支援施設等に入所する利用者が、指定地域移行支援の体験的な宿泊支援(指定相談基準第23条第1項に規定する体験的な宿泊支援のうち単身での生活に向けたものをいう。以下この注1において同じ。)を利用する場合において、
当該指定障害者支援施設等に置くべき従業者が、体験的な宿泊支援に係る指定地域移行支援事業者(指定相談基準第3条第2項に規定する指定地域移行支援事業者をいう。以下同じ。)との連絡調整その他の相談援助を行った場合に、所定単位数に代えて算定する。
注2 ロについて
ロについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして都道府県知事に届け出た指定障害者支援施設等に入所する利用者に対して、地域生活への移行に向けた支援(宿泊を伴わないものに限る。)を実施した場合に、1月につき3回を限度として所定単位数を算定する。
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項
- 報酬告示第 9 の 8 の 2 のイの地域移行促進加算(Ⅰ)については、市町村により地域生活支援拠点等に位置づけられていること並びに市町村及び拠点関係機関との連携担当者を1名以上配置していることを都道府県知事に届け出た指定障害者支援施設等において算定するものであるが、以下のとおり取り扱うこととする。
- ア 施設障害福祉サービス計画に基づき、以下に掲げる体験的な宿泊支援に係る指定地域移行支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行った場合に算定するものであること(当該支援を行った場合には当該支援の内容を記録すること。)。
- (ア) 体験的な宿泊支援を行うに当たっての指定地域移行支援事業者との留意点等の情報共有その他必要な連絡調整
- (イ) 体験的な宿泊支援を行った際の状況に係る指定地域移行支援事業者との情報共有や当該状況を踏まえた今後の支援方針の協議等
- (ウ) 利用者に対する体験的な宿泊支援に係る相談援助
- (ア) 体験的な宿泊支援を行うに当たっての指定地域移行支援事業者との留意点等の情報共有その他必要な連絡調整
- イ 地域移行促進加算(Ⅰ)については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定地域相談支援に要する費用に関する基準(平成24年厚生労働省告示第124 号。以下「地域相談支援報酬告示」という。)第 1 の 5 の地域移行促進加算(Ⅰ)を算定している期間に限り、1 日につき所定単位数に代えて算定できるものであること。
地域移行促進加算(Ⅰ)の算定期間中にあっては、施設入所支援の外泊に位置付けられるものとし、入院・外泊時加算を併せて算定できるものであること。
なお、外泊の期間に初日及び最終日は含まないので、体験的な宿泊支援の利用開始日及び終了日は体験宿泊支援加算を算定しないものであること。 - ウ 地域移行促進加算(Ⅰ)を算定する日においては、特定障害者特別給付費(補足給付)の算定が可能であること。
- エ 市町村が当該指定障害者支援施設等を地域生活支援拠点等として位置付けるに当たっては、地域生活支援拠点等の整備主体である市町村と指定障害者支援施設等とで事前に協議し、当該指定障害者支援施設等から市町村に対して地域生活支援拠点等の機能を担う届出等を提出した後に、市町村から指定障害者支援施設等に対して地域生活支援拠点等の機能を担うことを通知等により確認するとともに、市町村及び指定障害者支援施設等は、協議会等の協議の場で共有するなど、地域生活支援拠点等に位置付けられたことを積極的に周知すること。
さらに、連携担当者は、緊急時の対応における連携のみではなく、平時から地域生活支援拠点等のコーディネート機能を担う相談支援事業所等の拠点関係機関との情報連携に努めることとし、行政機関や拠点コーディネーターとの日常的な情報連携や地域における地域生活支援拠点等に係る会議体や協議会へ積極的に参画すること。
- ア 施設障害福祉サービス計画に基づき、以下に掲げる体験的な宿泊支援に係る指定地域移行支援事業者との連絡調整その他の相談援助を行った場合に算定するものであること(当該支援を行った場合には当該支援の内容を記録すること。)。
- 報酬告示第 9 の 8 の 2 のロの地域移行促進加算(Ⅱ)については、地域生活支援拠点等と連携の上、以下に例示するような地域生活への移行に向けた支援(宿泊を伴わないものに限る。)を、指定障害者支援施設の職員が同行した上で実施した場合に加算するものであること。
指定障害者支援施設の昼間実施サービスの時間帯に入所者に対して実施したものについても加算の対象とする。
(例)
参考:障発第1031001号
Q&A
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まとめ
地域移行促進加算は、障害福祉サービスを利用する人が施設から地域生活に円滑に移行できるよう支援する重要な制度です。この加算を活用することで、施設利用者が自立した地域生活を目指しやすくなるだけでなく、地域社会全体の福祉環境も向上します。
加算を受けるためには、体験的な宿泊支援や地域活動支援を適切に行い、指定地域移行支援事業者との連携や記録作成を徹底する必要があります。また、市町村や地域生活支援拠点との密接な連携が不可欠です。
制度を理解し、活用することで、利用者と地域双方にとってより良い環境を築く一助となるでしょう。