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「移動介護緊急時支援加算」の概要
「移動介護緊急時支援加算」とは、重度訪問介護において緊急時の支援が必要な場合に適用される加算制度です。この加算では、介護従業者が自身の運転する車両で利用者を移送中、必要に応じて車両を安全に停車し、喀痰吸引や体位交換、行動制御などの支援を行った際に算定が可能です。
この制度は、利用者の命や安全を守るための迅速な対応を支援するもので、1人につき1日1回の算定が認められています。また、複数の事業者が関わる場合でも適用できる柔軟性があります。
対象サービス
算定要件など
対象者と状況:
- 重度訪問介護従業者が、利用者を自ら運転する車両に乗車させ、移動中に必要な支援を提供した場合。
具体的な支援内容:
- 喀痰吸引、体位交換、行動制御などの緊急対応。
- 支援の背景として、利用者の障害特性に起因する安全上の必要があること。
関連法規:
- 道路運送法をはじめとする関連法令を遵守する必要がある。
算定ルール:
- 同一利用者に対し、複数事業者が算定する場合はそれぞれが1回ずつ算定可能。
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示
※令和6年4月1日現在
240単位/日 |
従業者が、利用者を自らの運転する車両に乗車させて走行する場合であって、外出時における移動中の介護を行う一環として、当該利用者からの要請等に基づき、当該車両を駐停車して、喀痰吸引、体位交換その他の必要な支援を緊急に行った場合に、利用者1人に対し、1日につき加算。
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項
- 本加算は、重度訪問介護従業者が利用者を自らの運転する車両に乗車させて 走行させる場合であって、当該車両を駐停車して、必要な支援を緊急に行った場合のものであり、所定単位数を算定するに当たっては、道路運送法等他の法令等に留意すること。
- 「その他の必要な支援」とは、常時介護を要する者の障害の特性に起因して生じうる緊急の支援であり、例えば、重度の知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者に対する制御的対応などをいう。
- 1 日に複数の事業者が同一利用者に対して、移動介護緊急時支援加算を算定する場合は、事業者がそれぞれ所定単位数を算定する。
参考:障発第1031001号
Q&A
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\事業者必須!/
まとめ
「移動介護緊急時支援加算」は、障害福祉サービスの現場で必要とされる緊急対応を評価する重要な仕組みです。算定の際には、喀痰吸引や体位交換などの具体的な支援内容だけでなく、法令の遵守や複数事業者による適用ルールなども考慮することが重要です。
障害福祉サービスの現場でより充実した支援を提供するために、この加算の活用をぜひ検討してください。