人員・設備・運営基準に関する厚労省通知【総論】

目次

総論

(1)従たる事業所の取扱いについて

指定障害福祉サービス事業者等の指定等は、原則として障害福祉サービスの提供を行う事業所ごとに行うものとするが、生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型又は就労継続支援B型(以下「日中活動サービス」という。)については、次の①及び②の要件(特定旧法指定施設における分場であって、平成18年9月30日において現に存するものが行う場合にあっては、「従たる事業所」において専従の従業者が1人以上確保されていること及び②の要件とする。)を満たす場合については、「主たる事業所」のほか、一体的かつ独立したサービス提供の場として、一又は複数の「従たる事業所」を設置することが可能であり、これらを一の事業所として指定することができる取扱いとする。

① 人員及び設備に関する要件

  • ア 「主たる事業所」及び「従たる事業所」の利用者の合計数に応じた従業者が確保されているとともに、「従たる事業所」において常勤かつ専従の従業者が1人以上確保されていること。
  • イ 「従たる事業所」の利用定員が障害福祉サービスの種類に応じて次のとおりであること。
    • (Ⅰ) 児童デイサービス 5人以上
    • (Ⅱ) 生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)又は就労移行支援 6人以上
    • (Ⅲ) 就労継続支援A型又は就労継続支援B型 10人以上
  • ウ 「主たる事業所」と「従たる事業所」との間の距離が概ね30分以内で移動可能な距離であって、サービス管理責任者の業務の遂行上支障がないこと。

② 運営に関する要件

  • ア 利用申込みに係る調整、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。
  • イ 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されていること。必要な場合には随時、主たる事業所と従たる事業所との間で相互支援が行える体制(例えば、当該従たる事業所の従業者が急病の場合等に、主たる事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)にあること。
  • ウ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。
  • エ 事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められていること。
  • オ 人事・給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われるとともに、主たる事業所と当該従たる事業所間の会計が一元的に管理されていること。

(2)出張所等の取扱いについて

指定障害福祉サービス事業者等の指定等は、原則として障害福祉サービスの提供を行う事業所ごとに行うものとするが、例外的に、生産活動等による製品の販売、待機や道具の保管、着替え等を行う出張所等であって、(1)の②の要件を満たすものについては、「事業所」に含めて指定することができる取扱いとする。

(3)多機能型事業所について

基準第2条第16号に規定する多機能型による事業所(以下「多機能型事業所」という。)に係る指定については、当該多機能型事業所として行う障害福祉サービスの種類ごとに行うものとする。なお、多機能型事業所に係る具体的な取扱いについては、第十六を参照されたい。

(4)同一法人による複数の事業所が一又は複数の指定障害福祉サービスを実施する場合の取扱いについて

同一敷地内において複数の事業所が一又は複数の指定障害福祉サービスを実施する場合については、一の指定障害福祉サービス事業所又は一の多機能型事業所として取り扱うこと。なお、特定旧法指定施設に係る例外的な取扱いについては、(5)を参照されたい。

また、同一法人による複数の事業所が複数の指定障害福祉サービスを異なる場所で実施する場合は、(1)の①のイ及びウ並びに②の要件を満たしている場合は、一の多機能型事業所として取り扱うことが可能である。

(5)特定旧法指定施設等が指定障害福祉サービス事業所等へ転換する場合の指定の単位について

① 原則的な指定の単位

特定旧法指定施設が指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合については、原則として、当該特定旧法指定施設としての指定の単位ごとに転換すること。ただし、主たる事業所と従たる事業所に係る取扱いについての要件を満たす複数の特定旧法指定施設が指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合については、当該施設を一の指定障害福祉サービス事業所とすることも差し支えない。

(例) 入所施設にデイサービスセンターが併設している場合

・転換が認められるもの
 デイサービスセンターのみ指定生活介護事業所へ転換

・転換が認められないもの
 デイサービスセンターと入所施設の定員の一部を併せて一の指定生活介護事業所へ転換

② 分場の取扱い

特定旧法指定施設の分場については、原則として、当該特定旧法指定施設の転換の際に、併せて当該特定旧法指定施設の従たる事業所として取り扱うこととなるが、当該分場が、指定障害福祉サービス事業所としての定員規模や人員等に関する基準を満たす場合については、①にかかわらず、当該分場のみが指定障害福祉サービス事業所へ転換することも差し支えない。

③ 同一法人による複数の特定旧法指定施設が同一敷地内において一又は複数の指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合の取扱い

同一法人による複数の特定旧法指定施設が同一敷地内において一又は複数の指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合であって、次に該当する場合については、(4)にかかわらず、当該特定旧法指定施設としての指定の単位ごとに、2以上の独立した指定障害福祉サービス事業所又は多機能型事業所として取り扱うことができるものとすること。

  • ア 複数の異なる種別の特定旧法指定施設から複数の同一種別又は異なる種別の指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合及び複数の同一種別の特定旧法指定施設から複数の異なる種別の指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合であること。この場合、別々の敷地に立地する特定旧法指定施設が片方の敷地へ移築される場合も含むものとする。
  • イ 指定障害福祉サービス事業所ごとに必要な設備が備えていること。ただし、レクリエーション等を行う多目的室など、利用者のサービス提供に直接的な関わりのない設備については、共用して差し支えない。
  • ウ 指定障害福祉サービス事業所ごとに必要な従業者が確保されていること。
    ただし、管理者については、兼務して差し支えない。

(例) 同一敷地内にA通所施設とB通所施設が併設している場合
指定障害福祉サービス事業所への転換に当たって次のいずれの形態も可能である。
・A通所施設とB通所施設が指定生活介護と指定自立訓練(機能訓練)を行う多機能型事業所へ転換
・A通所施設が指定生活介護事業所へ転換し、B通所施設が指定自立訓練(機能訓練)事業所へ転換

④ 障害者デイサービス事業所が指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合の取扱い

平成18年9月30日において現に存する障害者デイサービス事業所であって、特定旧法指定施設等に併設されるものについては、利用定員が10人以上であれば、指定障害福祉サービス事業所へ転換することができることとしているが、これは、当該特定旧法指定施設等が指定障害者支援施設等へ転換した場合、当該指定障害者支援施設の昼間実施サービスの利用定員と当該障害者デイサービスの利用定員との合計が20人以上となることが明らかであることを踏まえた経過措置であることから、当該指定障害者支援施設の転換の際に、当該障害者デイサービス事業所から転換した指定障害福祉サービス事業所を廃止し、当該指定障害者支援施設の昼間実施サービスの一部として取り扱うこと。

⑤ 小規模作業所等が指定障害福祉サービス事業所へ転換する場合の取扱い

「障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第174号)基準附則第5条第2項の規定により、「将来的にも利用者の確保の見込がないものとして都道府県知事が認める地域」に存在する小規模作業所又は地域活動支援センターであって、平成24年3月31日までの間に障害福祉サービス事業(生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援B型及び多機能型事業所)へ転換する場合は、利用定員の合計は10人以上とすることができる。

用語の定義(基準第2条)

(1)「常勤換算方法」

指定障害福祉サービス事業所等の従業者の勤務延べ時間数を当該指定障害福祉サービス事業所等において常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)で除することにより、当該指定障害福祉サービス事業所等の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。この場合の勤務延べ時間数は、当該指定障害福祉サービス事業所等の指定等に係る事業のサービスに従事する勤務時間の延べ数であること。

(2)「勤務延べ時間数」

勤務表上、指定障害福祉サービス等の提供に従事する時間として明確に位置付けられている時間又は当該指定障害福祉サービス等の提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む。)として明確に位置付けられている時間の合計数とする。なお、従業者1人につき、勤務延べ時間数に算入することができる時間数は、当該指定障害福祉サービス事業所等において常勤の従業者が勤務すべき勤務時間数を上限とすること。

(3)「常勤」

指定障害福祉サービス事業所等における勤務時間が、当該指定障害福祉サービス事業所等において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)に達していることをいうものである。

当該指定障害福祉サービス事業所等に併設される事業所の職務であって、当該指定障害福祉サービス事業所等の職務と同時並行的に行われることが差し支えないと考えられるものについては、それぞれに係る勤務時間の合計が常勤の従業者が勤務すべき時間に達していれば、常勤の要件を満たすものであることとする。

例えば、一の指定障害福祉サービス事業者によって行われる指定生活介護事業所と指定就労継続支援B型事業所が併設されている場合、当該指定生活介護事業所の管理者と当該指定就労継続支援B型事業所の管理者とを兼務している者は、これらの勤務時間の合計が所定の時間に達していれば、常勤要件を満たすこととなる。

(4)「専ら従事する」「専ら提供に当たる」「専従」

原則として、サービス提供時間帯を通じて指定障害福祉サービス等以外の職務に従事しないことをいうものである。この場合のサービス提供時間帯とは、従業者の指定障害福祉サービス事業所等における勤務時間(療養介護、生活介護及び児童デイサービスについては、サービスの単位ごとの提供時間)をいうものであり、当該従業者の常勤・非常勤の別を問わない。

(5)「前年度の平均値」

この項目については👇の記事をご覧ください

【参考】障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準について 平成19年1月26日障発第1206001号

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