「提供拒否の禁止」と、正当な理由とは? – どのような場合に提供を拒否できるのか│障害福祉事業における基本原則

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提供拒否の禁止とは?

条文提供拒否の禁止(第11条)(平成18年厚生労働省令第171号)
事業者は、正当な理由がなく、サービスの提供を拒んではならない。
対象サービス全サービス

提供拒否の禁止は、障害福祉事業の重要な原則です。
これは、利用申込みに対して原則として応じなければならないことを規定しています。
しかし、提供を拒むことができる正当な理由も存在します。その1つは、当該施設の利用定員を超える場合です。

提供拒否の禁止には、障害福祉事業の公平性と利用者の権利保護が重要な要素として含まれています。

この原則は、利用者が適切な支援を受ける権利を保障するために不可欠です。
しかしながら、利用定員超過や施設の能力不足など、特定の状況下では提供を拒むことが正当化される場合もあります。

提供拒否の正当な理由とは?

厚生労働省の規定(障発第0126001号)では以下のように定められています。

基準の解釈通知(居宅介護の例)

指定居宅介護事業者は、原則として、利用申込みに対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、障害程度区分や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、

  1. 当該事業所の現員からは利用申込みに応じきれない場合
  2. 利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合
  3. 当該事業所の運営規程において主たる対象とする障害の種類を定めている場合であって、これに該当しない者から利用申込みがあった場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定居宅介護を提供することが困難な場合
  4. 入院治療が必要な場合

である。

※参考:障発第1206001号

5利用定員超過や適切な支援が困難な場合、提供拒否の正当な理由が生じます。このような状況では、施設や関係機関が迅速かつ適切な対応を行うことが求められます。

利用者の権利と公平性を確保しつつ、必要なサービス提供が行われるよう努めることが重要です。

実地指導においてのチェックポイント

実地指導時のチェックポイントとして、下記の通り定められています。

※居宅介護の例

着眼点確認文書
指定居宅介護事業者は、正当な理由がなく指定居宅介護の提供を拒んでいないか。適宜必要と認める資料

👉その他の実地指導のチェックポイント

まとめ

障害福祉事業における提供拒否の禁止は、利用者の権利保護と公平性の確保に向けた重要な取り組みです。

しかしながら、特定の状況下では正当な理由に基づき、提供を拒否することも認めらています。その場合においても、利用者が適切な支援を受けられるよう配慮することが必要です。

これにより、利用者が必要な支援を適切に受けられる環境を整えることができます。

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