目次
「要医療児者支援体制加算」の概要
「要医療児者支援体制加算」とは、医療的ケアが必要な障害児者に適切な支援を提供する体制を整備した事業所に支給される加算制度です。この制度の目的は、医療的ケア児等への支援の質を高めることにあります。
この加算制度を活用することで、利用者に安心かつ適切な福祉サービスを提供する環境を整えることが期待されています。
対象サービス
算定要件など
- 研修修了の専門員配置:
医療的ケア児等の支援技法に関する研修を修了した相談支援専門員を常勤で配置。 - 医療行為の確認:
支援対象者が医療行為を必要としているか、定期的に確認。受給者証やスコア表を利用可能。 - 計画相談支援の実施:
対象者に過去6か月以内に指定計画相談支援を実施している記録が必要。 - 提供拒否の禁止:
医療的ケア児等の利用申込みを特性により拒否することは不可。 - 研修内容の条件:
「医療的ケア児等コーディネーター養成研修」または都道府県知事が認めた研修の修了が必要。
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示
※令和6年4月1日現在
イ 加算(Ⅰ) | 60単位/月 |
ロ 加算(Ⅱ) | 30単位/月 |
注 別にこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして市町村長に届け出た指定特定相談支援事業所は、次に掲げる区分に応じ、1月につき所定単位数を加算する。ただし、次に掲げるいずれかの加算を算定している場合にあっては、次に掲げるその他の加算は算定しない。
イ 要医療児者支援体制加算(Ⅰ) 60単位
ロ 要医療児者支援体制加算(Ⅱ) 30単位
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項
- 趣旨
当該加算の対象となる事業所は、人工呼吸器を装着している障害児者その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児者等(以下「医療的ケア児等」という。)に対して適切な計画相談支援を実施するために、医療的ケア児等の障害特性及びこれに応じた支援技法等に関する研修を修了した常勤の相談支援専門員を1名以上配置し、医療的ケア児等へ適切に対応できる体制が整備されていることが必要となる。
ここでいう「医療的ケア児等の障害特性及びこれに応じた支援技法等に関する研修」とは、地域生活支援事業通知の別紙 2 地域生活支援促進事業実施要綱別記 2-10 に定める医療的ケア児等総合支援事業により行われる医療的ケア児等コーディネーター養成研修その他これに準ずるものとして都道府県知事が認める研修をいう。
なお、医療的ケア児等から利用申込みがあった場合に、利用者の障害特性に対応できないことを理由にサービスの提供を拒むことは認めないものとすることに留意すること。 - 算定に当たっての留意事項
- ① 共通事項
第四の 14 の(2)の1と同趣旨であり、適宜「医療的ケア児等」と読み替えること。 - ② 要医療児者支援体制加算(I)
当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を 1 名以上配置し、その旨を公表している場合であって、かつ、(一)に規定する障害者に対して(二)に規定する支援を行っている場合に算定するものである。
- (一) 対象となる障害者
当該区分は、支援対象者にスコア表の項目の欄に掲げるいずれかの医療行為を必要とする状態である者(以下「対象医療的ケア児者」という。)がいる場合に、全ての利用者に対して加算できることとしている。
なお、利用者が対象医療的ケア児等に該当するかについて、一定期間毎に確認すること。また、当該確認にあたって、受給者証の記載(加算対象等)により確認が可能な場合は、これによって確認することも考えられる。 - (二) 対象者への支援
当該区分は、研修を修了した相談支援専門員により、対象医療的ケア児者に対して現に指定計画相談支援を行っていることを要件としているが、「現に指定計画相談支援を行っている」とは、前 6 月に、対象医療的ケア児者に対して指定計画相談支援を行っていることとする。
そのため、対象医療的ケア児者に対する指定計画相談支援の実施状況について管理しておくこと。
なお、研修を修了した相談支援専門員が同一敷地内に所在する指定障害児相談支援事業所の職務を兼務する場合であって、対象医療的ケア児者(18 歳未満の者に限る。)の保護者に対して指定障害児相談支援を行っている場合も当該区分に該当するものである。
- (一) 対象となる障害者
- ③ 要医療児者支援体制加算(II)
当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を1名以上配置し、その旨を公表している場合に算定するものである。
- ① 共通事項
- 手続
第四の14の(2)の規定を準用する。
参考:障発第1031001号
加算の届出様式(厚生労働省)
実際の届出に際しては、指定権者の指定する様式にて届出してください。
出典:厚生労働省│障害福祉分野における手続負担の軽減(指定申請等の様式の標準化等)
Q&A
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【Q&A】相談支援員の業務による加算の算定は可能か?│R6,03,29問79
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【Q&A】各種体制加算の算定要件の支援内容とは?│R6,03,29問73
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【Q&A】各種体制加算は、各加算の対象者のみ?全利用者?│R6,03,29問72
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【Q&A】体制を評価する加算を算定するためにはどのような手続きが必要?│R03,04,08.問29
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【Q&A】「行動障害支援体制加算」を算定していた事業所が月途中で要件を満たさなくなった場合、加算を算定できるのはいつまで?│H30,05,23.問14
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【Q&A】「行動障害支援体制加算」行動障害のある知的障害者や精神障害者以外の利用者に対して支援を行った場合でも算定可能?│H30,05,23.問13
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【Q&A】「行動障害支援体制加算」の対象となる者を配置していても、当該月に強度行動障害の利用者がいない場合は算定できない?│H30,03,30.問91
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【Q&A】「行動障害支援体制加算」の届出が月途中で提出された場合、いつから実施した計画相談支援で加算が算定できる?│H30,03,30.問90
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【Q&A】「行動障害支援体制加算」は、対象となる研修を受講した相談支援専門員以外の者が行った計画相談支援にも加算される?│H30,03,30.問89
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【Q&A】常勤要件の考え方とは?│H27,04,30.問27~29
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まとめ
「要医療児者支援体制加算」は、医療的ケア児等の生活支援において重要な役割を果たす制度です。この加算を受けることで、事業所は適切な支援体制を整えやすくなり、利用者への安心感と福祉の質を向上させることが可能です。
必要な研修や配置要件を満たし、この加算制度を活用することで、福祉サービスの提供者と利用者の双方にメリットをもたらします。