障害福祉事業の「栄養マネジメント加算」とは?適用条件と注意点を解説!

目次

「栄養マネジメント加算」の概要

「栄養マネジメント加算」は、障害児の健康維持や生活の質向上を目指した加算制度です。施設入所中の障害児を対象に、個別の栄養ケア・マネジメントを実施することで、摂食・嚥下機能や食形態に応じた最適な栄養管理を提供します。

この加算は、栄養不良のリスクが高い障害児の支援を目的とし、医師や看護師、管理栄養士など多職種が連携して行う栄養ケアを評価します。その取り組みは、障害児支援の質を高め、健康状態の改善に貢献するものです。

12単位/日

対象サービス

算定要件など

  • 管理栄養士の配置:施設に常勤で1名以上の管理栄養士を配置。

  • 栄養状態の初期把握:施設入所時に栄養スクリーニングを行う。

  • 個別計画の策定:医療・福祉スタッフが連携して栄養ケア計画を作成。

  • 家族との連携:計画を説明し、家族の同意を得る。

  • モニタリングと見直し:計画の進捗を定期的に評価し、必要に応じて修正。

  • 低栄養リスクの再評価3か月ごとにスクリーニングを実施し計画を更新

  • 記録管理:適切な記録を保存し、サービスの透明性を確保する。

※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。

報酬告示と留意事項

報酬告示

※令和6年4月1日現在

12単位/日

 次に掲げるいずれの基準にも適合するものとして都道府県知事に届け出た指定福祉型障害児入所施設において、指定入所支援を行った場合に、1日につき所定単位数を加算する。

  •  常勤の管理栄養士を1名以上配置していること。
  •  障害児の栄養状態を施設入所時に把握し、医師管理栄養士看護師その他の職種が共同して、障害児ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成していること。
  •  障害児ごとの栄養ケア計画に従い栄養管理を行っているとともに、障害児の栄養状態を定期的に記録していること。
  • ニ 障害児ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直していること。

参考:厚生労働省告示第123号(外部リンク)

留意事項
  • 栄養マネジメント加算は、栄養健康状態の維持や食生活の向上を図るため、個別の障害児の栄養、健康状態に着目した栄養ケア・マネジメントの実施(以下「栄養ケア・マネジメント」という。)を評価しているところである。
  • 栄養ケア・マネジメントとは、障害児ごとに行われる入所支援計画の一環として行われることに留意すること。
    また、栄養ケア・マネジメントは、低栄養状態のリスクにかかわらず原則として障害児全員に対して実施すべきものであること。
  • 施設に常勤の管理栄養士を1名以上配置して行うものであること。
    なお、調理業務の委託先にのみ管理栄養士が配置されている場合は、当該加算を算定できないこと。
  • 常勤の管理栄養士が、同一敷地内の複数の障害福祉サービスの栄養ケア・マネジメントを行う場合は、当該管理栄養士が所属する施設のみ算定できること。
  • 栄養ケア・マネジメントについては、以下のアからキまでに掲げるとおり、実施すること。
    • 障害児ごとの低栄養状態のリスクを、施設入所時に把握すること(以下「栄養スクリーニング」という。)。
    • 栄養スクリーニングを踏まえ、障害児ごとの解決すべき課題を把握すること(以下「栄養アセスメント」という。)。
    • ウ 栄養アセスメントを踏まえ、施設長の管理の下医師管理栄養士看護職員児童発達支援管理責任者その他の職種の者が共同して、障害児ごとに、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法等)、栄養食事相談に関する事項(食事に関する内容の説明等)、解決すべき事項に対し関連職種が共同して取り組むべき事項等を記載した栄養ケア計画を作成すること。
      また、作成した栄養ケア計画については、栄養ケア・マネジメントの対象となる障害児の家族に説明し、その同意を得ること。

      なお、指定福祉型障害児入所施設においては、栄養ケア計画に相当する内容を入所支援計画の中に記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとすること。
    • エ 栄養ケア計画に基づき、障害児ごとに栄養ケア・マネジメントを実施するとともに、栄養ケア計画に実施上の問題(栄養補給方法の変更の必要性、関連職種が共同して取り組むべき事項の見直しの必要性等)があれば直ちに当該計画を修正すること。
    • 障害児ごとの栄養状態に応じて定期的に、障害児の生活機能の状況を検討し、栄養状態のモニタリングを行うこと。
      その際、栄養スクリーニング時に把握した障害児ごとの低栄養状態のリスクのレベルに応じ、それぞれのモニタリング間隔を設定し、障害児ごとの栄養ケア計画に記載すること。

      当該モニタリング間隔の設定に当たっては、低栄養状態のリスクの高い障害児及び栄養補給方法の変更の必要性がある障害児(経管栄養法から経口栄養法への変更等)については、概ね2週間ごと、低栄養状態のリスクが低い障害児については、概ね3月ごとに行うこと。

      なお、低栄養状態のリスクが低い障害児も含め、少なくとも月1回、体重を測定するなど、障害児の栄養状態の把握を行うこと。
    • 障害児ごとに、概ね3月を目途として、低栄養状態のリスクについて、栄養スクリーニングを実施し、栄養ケア計画の見直しを行うこと。
    • 児童福祉法に基づく指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第16号)第15条に規定するサービスの提供の記録において障害児ごとの栄養ケア計画に従い管理栄養士が障害児の栄養状態を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に栄養マネジメント加算の算定のために障害児の栄養状態を定期的に記録する必要はないものとすること。
  • 栄養ケア計画を作成し、障害児の家族に説明し、その同意を得られた日から栄養マネジメント加算は算定を開始するものとすること。

参考:障発0330第16号(外部リンク)

加算の届出様式(厚生労働省)

実際の届出に際しては、指定権者の指定する様式にて届出してください。

出典:厚生労働省│障害福祉分野における手続負担の軽減(指定申請等の様式の標準化等)

Q&A

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まとめ

「栄養マネジメント加算」は、障害児一人ひとりの健康を守る重要な取り組みです。
施設における管理栄養士の配置や多職種連携による計画の作成、家族との密な連携が鍵となります。

これらの要件を満たすことで、障害児の生活の質を向上させるとともに、施設としてのサービスの質を高めることが可能です。

加算を受ける際は、要件をしっかりと確認し、適切な運営を心がけましょう。

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