- 指定障害福祉サービス事業の運営に関わっている
- 職員の勤務形態について「常勤」と「非常勤」の違いがよくわからない
- 「常勤換算」の意味や計算方法が知りたい
- 実地指導や指定申請の準備をしていて、人員配置基準が気になる
「常勤」とは?正社員じゃなくても常勤になるってホント?
「常勤」という言葉を聞くと、「正社員=常勤」と思ってしまいがちですが、実は雇用形態(正規/非正規)や給料の形態(月給/時給)とは関係ありません。
例えば…
- 週40時間勤務しているAさん → 常勤
- 週20時間勤務しているBさん → 非常勤
このように、「常勤かどうか」は実際に働いている時間で決まります。
つまり、パートタイムや時給制の職員でも、その職場の常勤職員の所定労働時間(例:週40時間)と同じ時間働いていれば常勤扱いになるのです。
常勤とみなされる最低限の勤務時間は?
厚生労働省の通知(障発第1206001号)では、次のように規定されています。
つまり、週32時間以上働いていれば「常勤」として扱えるということです。
たとえば、週5日勤務の場合:
32時間 ÷ 5日 = 6時間24分/日
実際の運用では「6時間30分/日(6.5時間)」が目安とされることが多いです。
常勤換算とは?どうやって計算するの?
「常勤換算」とは、全職員の勤務時間をもとに、常勤職員の人数に換算する方法です。
通知(障発第1206001号)では、次のように計算するよう定められています。
「事業所の職員の勤務延べ時間数 ÷ 常勤職員が週に勤務すべき時間(※32時間未満の場合は32時間)」
たとえば:
- ある週の職員全体の勤務時間の合計が160時間
- 常勤職員の基準が週40時間
この場合、
160時間 ÷ 40時間 = 常勤換算4人分
一部例外:30時間でも「1人」とカウントできる場合とは?
次のような場合には、週30時間以上勤務していれば「1人分」とカウントできる特例があります。
- 妊娠・出産による「母性健康管理措置」
- 育児休業・介護休業中の短時間勤務
- 治療と仕事の両立支援による短時間勤務 など
これらの事情がある場合、週30時間以上の勤務であれば「常勤換算で1人分」として扱うことが可能です。
厚生労働省の通知(障発第1206001号)
指定障害福祉サービス事業所等の従業者の勤務延べ時間数を当該指定障害福祉サービス事業所等において常勤の従業者が勤務すべき時間数(1週間に勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とする。)で除することにより、当該指定障害福祉サービス事業所等の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法をいうものである。
この場合の勤務延べ時間数は、当該指定障害福祉サービス事業所等の指定等に係る事業のサービスに従事する勤務時間の延べ数であること。
ただし、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第13 条第1項に規定する措置(以下「母性健康管理措置」という。)又は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)第23 条第1項、同条第3項若しくは同法第24 条に規定する所定労働時間の短縮等の措置若しくは厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」に沿って事業者が自主的に設ける所定労働時間の短縮措置(以下「育児、介護及び治療のための所定労働時間の短縮等の措置」という。)が講じられている場合、
30時間以上の勤務で、常勤換算方法での計算に当たり、常勤の従業者が勤務すべき時間数を満たしたものとし、1として取り扱うことを可能とする。
参考:障発第1206001号
常勤換算計算フォーム

まとめ
- 「常勤」は働く時間で判断され、正社員かどうかは関係なし
- 最低でも週32時間の勤務が「常勤」の目安
- 常勤換算は、全体の勤務時間から常勤職員の人数を計算する方法
- 特例で、週30時間勤務でも1人分とカウントされる場合がある
\事業者必須!/