障害児通所支援の基準の解釈通知7:保育所等訪問支援

【参考】児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(平成24年3月30日障発0330第12号)令和6年3月29日改正

目次

第7 保育所等訪問支援

1 人員に関する基準

基準第73条

基準第 73 条は、指定保育所等訪問支援事業所に置くべき従業者の員数を規定したものであるが、特に以下の点について、留意すること。
指定保育所等訪問支援事業所における従業者の員数については、各地域における指定保育所等訪問支援の利用の状況や指定保育所等訪問支援の業務量を考慮し、適切な員数の従業者を確保するものとする。
なお、指定保育所等訪問支援の提供に当たる従業者の要件については、障害児支援に関する知識及び相当の経験を有する児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士又は心理担当職員等であって、集団生活への適応のため専門的な支援の技術を有する者とする。

2 設備に関する基準

(1) 準用(基準第75条)

基準第 75 条により、第 71 条の 10 の規定は、指定保育所等訪問支援の事業について準用されるものであることから、第6の2を参照されたい。

準用:第6の2の(1) 事務室

指定居宅訪問型児童発達支援事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、間仕切りする等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。

なお、この場合に、区分がされていなくても業務に支障がないときは、指定居宅訪問型児童発達支援の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。

準用:第6の2の(2) 受付等のスペースの確保

事務室又は指定居宅訪問型児童発達支援の事業を行うための区画については、利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。

準用:第6の2の(3) 設備及び備品等

指定居宅訪問型児童発達支援事業者は、指定居宅訪問型児童発達支援に必要な設備及び備品等を確保するものとする。

特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮すること。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定居宅訪問型児童発達支援の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。

なお、事務室又は区画、設備及び備品等については、必ずしも事業者が所有している必要はなく、貸与を受けているものであっても差し支えない。

3 運営に関する基準

(1) 準用(基準第 79 条)

基準第 79 条により、第 12 条から第 22 条まで、第 24 条、第 25 条、第 26 条(第 4 項を除く。)、第 26 条の 3、第 27 条から第 30 条まで、第 32 条、第 34 条から第 36 条まで、第 38 条、第 38 条の 2、第 40 条の 2、第 40 条の 3 第 1 項、第 41 条、第 43 条から第 45 条まで、第 47条から第 50 条まで、第 51 条第 1 項、第 52 条から第 54 条まで及び第71 条の 11 から第 71 条の 13 までの規定は、指定保育所等訪問支援の事業について準用されるものであることから、
第3の 3 の(2)から(11)まで、(13)から(15)まで(15 の④を除く。)、(15 の 3)から(19)まで、(21)、(23)から(25)まで、(27)、(28)、(30 の 2)、(30 の 3)の①、(31)、(33)から(35)まで、(37)から(39)まで、(40)の①、(41)から(43)まで及び第六の 3 の(1)から(3)までを参照されたい。
第3の 3(15)⑥を参照するに当たっては、「障害児の保護者による評価(⑦において「保護者評価」という。)」とあるのは「障害児の保護者による評価(⑦において「保護者評価」という。)及び当該事業所の訪問支援員が保育所等訪問支援を行うに当たって訪問する施設(以下「訪問先施設」という。)による評価(以下「訪問先施設評価」という。)」と、「児童発達支援ガイドライン」とあるのは「追ってお示しする「保育所等訪問支援ガイドライン」」と読み替えるものとする。

また、第3の 3(15)⑦を参照するに当たっては、「自己評価、保護者評価」とあるのは「自己評価、保護者評価及び訪問先施設評価」と、「保護者に」とあるのは「保護者及び訪問先施設に」と読み替えるものとする。

第3の 3(16)①を参照するに当たっては、「5 領域との関連性及びインクルージョンの観点を踏まえた」とあるのは「インクルージョンの観点を踏まえた」と読み替えるものとする。

第3の 3(16)②アを参照するに当たっては、「障害児に対する指定児童発達支援の提供に当たる担当者」とあるのは「障害児に対する指定保育所等訪問支援の提供に当たる担当者及び当該障害児に係る訪問先施設の担当者」と読み替えるものとする。

準用:第3の3の(2) 内容及び手続の説明及び同意(基準第12条)

基準第 12 条第 1 項は、指定児童発達支援事業所は、障害児に対し適切な指定児童発達支援を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者に対し、当該指定児童発達支援事業所の運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情解決の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者が施設を選択するために必要な重要事項について、障害児の障害の特性に応じた適切な配慮を心がけ、わかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該指定児童発達支援事業所から指定児童発達支援の提供を受けることにつき、当該利用申込者の同意を得なければならないこととしたものである。
なお、利用申込者及び指定児童発達支援事業所双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましい。

基準第 12 条第 2 項は、利用申込者との間で当該指定児童発達支援の提供に係る契約が成立したときは、障害児の心身の特性に応じた適切な配慮をもって、社会福祉法(昭和 26 年法律第 45 号)第 77 条第 1項の規定に基づき、

  • 当該事業の経営者の名称及び主たる事務所の所在地
  • 当該事業の経営者が提供する指定児童発達支援の内容
  • 当該指定児童発達支援の提供につき通所給付決定保護者が支払うべき額に関する事項
  • 指定児童発達支援の提供開始年月日
  • 指定児童発達支援に係る苦情を受け付けるための窓口を記載した書面

を交付することとしたものである。

なお、利用申込者の承諾を得た場合には、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法、その他の情報通信の技術を利用する方法により提供することができる。

準用:第3の3の(3) 契約支給量の報告等(基準第 13 条)
  • 契約支給量等の受給者証への記載
    指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援の提供に係る契約が成立した時は、通所給付決定保護者の受給者証に当該事業者及びその事業所の名称、当該指定児童発達支援の内容、当該事業者が当該通所給付決定保護者に提供する月当たりの指定児童発達支援の提供量(契約支給量)、契約日等の必要な事項を記載すること。
    なお、当該契約に係る指定児童発達支援の提供が終了した場合にはその年月日を、月途中で終了した場合には当該月で既に提供した指定児童発達支援の量を記載すること。
  • 契約支給量
    基準第 13 条第 2 項は、受給者証に記載すべき契約支給量の総量は、当該通所給付決定保護者の支給量を超えてはならないこととしたものである。
  • 市町村への報告
    同条第 3 項は、指定児童発達支援事業者は、の規定による記載をした場合に、遅滞なく市町村に対して、当該記載事項を報告することとしたものである。
準用:第3の3の(4) 提供拒否の禁止(基準第 14 条)

指定児童発達支援事業者は、原則として、利用申込みに対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、障害の程度や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことができる正当な理由がある場合とは、

  • 当該事業の利用定員を超える利用申込みがあった場合
  • 入院治療の必要がある場合
  • 当該指定児童発達支援事業所が提供する指定児童発達支援の主たる対象とする障害の種類が異なる場合、その他障害児に対し自ら適切な指定児童発達支援を提供することが困難な場合


等である。
なお、支援の不十分さを伝え利用申込者から断らせる等、実質的に障害の程度等により提供を拒否する場合は、正当な理由には当たらないものである。

準用:第3の3の(5) 連絡調整に対する協力(基準第 15 条)

指定児童発達支援事業者は、市町村又は障害児相談支援事業者が行う障害児の紹介、地域におけるサービス担当者会議への出席依頼等の連絡調整等に対し、指定通所支援の円滑な利用の観点から、できる限り協力しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(6) サービス提供困難時の対応(基準第16条)

指定児童発達支援事業者は、基準第 14 条の正当な理由により、利用申込者に係る障害児に対し自ら適切な指定児童発達支援を提供することが困難であると認めた場合には、適当な他の指定児童発達支援事業者の紹介その他の必要な措置を速やかに講じなければならないものである。

準用:第3の3の(7) 受給資格の確認(基準第17条)

指定児童発達支援の利用に係る障害児通所給付費を受けることができるのは、通所給付決定保護者に限られることを踏まえ、指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援の開始に際し、通所給付決定保護者の提示する通所受給者証によって、通所給付決定の有無、通所給付決定された指定通所支援の種類、通所給付決定の有効期間、支給量等を確かめなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(8) 障害児通所給付費の支給の申請に係る援助(基準第18条)
  • 通所給付決定を受けていない者
    基準第 18 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、通所給付決定を受けていない者から利用の申込みを受けた場合には、その者の意向を踏まえて、速やかに障害児通所給付費の支給申請に必要な援助を行うこととするものである。
  • 利用継続のための援助
    同条第 2 項は、指定児童発達支援事業者は、利用障害児に係る通所給付決定の有効期間の終了に伴い、保護者が引き続き指定児童発達支援を受ける意向がある場合には、市町村が通所給付決定に通常要すべき標準処理期間を勘案し、あらかじめ余裕をもって当該保護者が支給申請を行うことができるよう、申請勧奨等の必要な援助を行うことを定めたものである。
準用:第3の3の(9) 心身の状況等の把握(基準第 19 条)

基準第 19 条は、指定児童発達支援事業者は、障害児に対して適切な指定児童発達支援が提供されるようにするため、当該障害児の心身の状況等の把握に努めなければならないことを規定したものである。

また、質の高い指定児童発達支援の提供に資することや当該障害児の生活の継続性を重視する観点から、他の福祉サービス等の利用状況等の把握に努めなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(10) サービスの提供の記録(基準第 21 条)
  • 基準第 21 条第 1 項は、通所給付決定保護者及び指定児童発達支援事業者が、その時点での指定児童発達支援の利用状況等を把握できるようにするため、指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援を提供した際には、当該指定児童発達支援の提供日、提供したサービスの具体的内容、利用者負担額等に係る必要な事項を記録しなければならないこととしたものである。
  • 同条第 2 項は、前項の指定児童発達支援の提供の記録について、指定児童発達支援の提供に係る適切な手続を確保する観点から、通所給付決定保護者からの確認を得なければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(11) 指定児童発達支援事業者が通所給付決定保護者に求めることのできる金銭の支払の範囲等(基準第 22 条)

基準第 22 条は、指定児童発達支援事業者が通所給付決定保護者に金銭の支払いを求めることができるのは、当該金銭の使途が直接障害児の便益を向上させるものであって、当該通所給付決定保護者に支払を求めることが適当であるものに限るものとし、金銭の支払いを求める際には、当該金銭の使途及び額並びに当該通所給付決定保護者に金銭の支払いを求める理由について、書面によって明らかにするとともに同意を得なければならないこととしたものである。

これは障害児やその家族等に対して寄付金を強要することや、曖昧な名目による不適切な金銭の支払いを求めることを禁じる趣旨であるが、障害児の便益を向上させるものについては、一定のルールをもとに通所給付決定保護者に金銭の支払を求めることは差し支えないものである。

準用:第3の3の(13) 通所利用者負担額に係る管理(基準第24条)

基準第 24 条は、指定児童発達支援事業者は、通所給付決定に係る障害児が同一の月に当該指定児童発達支援事業者が提供する指定児童発達支援及び他の指定通所支援を受けたときは、他の指定通所支援に係る通所利用者負担額との合計額を算定しなければならない。

この場合において、当該指定児童発達支援事業者は市町村に報告するとともに、通所給付決定保護者及び他の指定障害児通所支援事業者が必要とする部分について通知しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(14) 障害児通所給付費等の額に係る通知等(基準第25条)
  • 通所給付決定保護者への通知
    基準第 25 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、市町村から法定代理受領を行う指定児童発達支援に係る障害児通所給付費又は肢体不自由児通所医療費の支給を受けた場合には、通所給付決定保護者に対し、障害児通所給付費及び肢体不自由児通所医療費の額を通知することとしたものである。
  • サービス提供証明書の交付
    同条第 2 項は、指定児童発達支援事業者は、基準第 23 条第 2 項の規定による額の支払を受けた場合には、提供した指定児童発達支援の内容、費用の額その他通所給付決定保護者が市町村に対し障害児通所給付費を請求する上で必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を、通所給付決定保護者に交付しなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(15) 指定児童発達支援の取扱方針(基準第26条)
  • 基準第 26 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援が漫然かつ画一的に提供されることがないよう、個々の障害児の身体その他の状況及びその環境に応じた適切な支援を提供しなければならないこととしたものである。

    なお、適切な支援の提供に当たっては、追ってお示しする「保育所等訪問支援ガイドライン」を参考にすることが望ましい。

    また、都道府県等が別途、児童発達支援における支援の質を担保するためのガイドライン等を定めている場合には、当該ガイドライン等を参考にすることは差し支えないこととする。
  • 基準第 26 条第 2 項は、指定児童発達支援が、障害児の意思を尊重し、障害児の最善の利益の保障の下で行われることが重要であることに鑑み、指定児童発達支援事業者は、障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、児童発達支援計画の作成時をはじめ、適時に、日々の支援の内容や将来の生活に関して、障害児及びその保護者の意向を丁寧に把握し、その意思をできる限り尊重するための配慮をしなければならないこととしたものである。

    当該配慮に当たっては追ってお示しする「支援におけるこどもの意思の尊重・最善の利益の優先考慮の手引き」に十分留意すること。
  • 基準第 26 条第 3 項に規定する支援上必要な事項とは、通所支援計画の目標及び内容のほか、行事及び日課等も含むものである。

    また、本人の意思に反する異性介助がなされないよう、個々の障害児の年齢等に応じて、児童発達支援管理責任者等が支援の提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえた支援の提供体制の確保に努めるべきものであること。
  • ※準用除外
  • 基準第 26 条第 5 項は、指定児童発達支援事業者は、自らその提供する指定児童発達支援の質の評価を行うことはもとより、第三者による外部評価の導入を図るよう努め、常にサービスを提供する施設としての質の改善を図らなければならないこととしたものである。
  • 基準第 26 条第 6 項は、指定児童発達支援の質の評価及び改善を行うため、同項第 1 号から第 7 号までに掲げる事項について、指定児童発達支援事業者が当該指定児童発達支援事業所の従業者による評価を受けた上で、自ら評価を行うとともに、当該指定児童発達支援事業者を利用する障害児の保護者による評価(⑦において「保護者評価」という。)及び当該事業所の訪問支援員が保育所等訪問支援を行うに当たって訪問する施設(以下「訪問先施設」という。)による評価(以下「訪問先施設評価」という。)を受けて、その改善を図らなければならないこととしたものである。

    なお、当該評価及び改善を図るに当たっては、保育所等訪問支援ガイドラインを参考にすることが望ましい。また、都道府県等が別途、児童発達支援における支援の質を担保するためのガイドライン等を定めている場合には、当該ガイドライン等を参考にすることは差し支えないこととする。
  • 基準第 26 条第 7 項は、指定児童発達支援事業者は、おおむね1年に1回以上、自己評価、保護者評価及び訪問先施設評価及びこれらの評価を受けて行う改善の内容について、保護者及び訪問先施設に示すとともに、インターネットの利用その他の方法により公表しなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(15の3) インクルージョンの推進(基準第26条の3)

基準第 26 条の 3 は、障害の有無にかかわらず、安心して共に育ち暮らすことができる社会の実現に向けて、こども施策全体の連続性の中で、インクルージョンを推進していくことが重要であることに鑑み、指定児童発達支援事業者は、障害児が指定児童発達支援を利用することにより、地域の保育、教育等の支援を受けることができるようにすることで、障害の有無にかかわらず、全ての児童が共に成長できるよう、インクルージョンの推進に努めなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(16) 児童発達支援計画の作成等(基準第27条)
  • 基準第 27 条においては、児童発達支援管理責任者が作成すべき児童発達支援計画について規定している。

    児童発達支援計画には、通所給付決定保護者及び障害児の生活に対する意向、障害児に対する総合的な支援目標及びその達成時期、生活全般の質を向上させるための課題、(15)の④の インクルージョンの観点を踏まえた指定児童発達の具体的内容(行事や日課等も含む。)、指定児童発達支援を提供する上での留意事項等を記載すること。

    なお、児童発達支援計画の様式については、「児童発達支援ガイドライン」を参考にしつつ、各指定事業所で定めるもので差し支えない。

    また、児童発達支援計画は、障害児の能力、その置かれている環境及び日常生活全般の状況等の評価を通じて通所給付決定保護者及び障害児の希望する生活並びに課題等の把握を行うとともに、障害児の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう、指定障害児相談支援事業者が作成した障害児支援利用計画を踏まえて、障害児の発達を支援する上での適切な支援内容の検討に基づいて立案されるものである。

    「最善の利益が優先して考慮」されるとは、「障害児にとって最も善いことは何か」を考慮することをいう。障害児の意見がその年齢及び発達の程度に応じて尊重すべきものと認められる場合であっても、別の考慮要素と比較衡量して合理的に判断した結果、障害児にとって最善とは言い難いと認められる場合には、障害児の意見とは異なる結論が導かれることはあり得るものである。
  • 児童発達支援管理責任者の役割
    児童発達支援管理責任者は、当該児童発達支援事業所以外の保健医療サービス又はその他の福祉サービス等との連携も含め、児童発達支援計画の原案を作成し、以下の手順により児童発達支援計画に基づく支援を実施するものである。
    • ア 個別支援会議の開催
      障害児の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮される体制を確保した上で、障害児に対する指定保育所等訪問支援の提供に当たる担当者及び当該障害児に係る訪問先施設の担当者等を招集して行う会議(テレビ電話装置等の活用も可能)を開催し、児童発達支援計画の原案について意見を求めること。当該会議の開催に当たっては、障害児の意見を尊重し、障害児の最善の利益を保障することが重要であることに鑑み、当該障害児の年齢や発達の程度に応じて、障害児本人や保護者の意見を聴くことが求められる。そのため、例えば、会議の場に障害児と保護者を参加させることや、会議の開催前に担当者等が障害児や保護者に直接会うことなどが考えられる。なお、その際、年齢や発達の程度により意見を表明することが難しい障害児がいることを考慮し、言葉による表現だけでなく、身体の動きや表情、発声なども観察し、意見を尊重することが重要であること。
    • イ 児童発達支援計画の原案の説明・同意
      児童発達支援計画の作成に当たっては、通所給付決定保護者及び障害児に対し説明し、文書によりその同意を得ること
    • ウ 児童発達支援計画の交付
      通所給付決定保護者及び当該保護者が利用する指定障害児相談支援事業所へ当該児童発達支援計画を交付すること。また、児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の内容も踏まえた障害児支援利用計画の作成その他支援を可能とする観点から、児童発達支援計画の交付先である指定障害児相談支援事業所が実施するサービス担当者会議に参加し、障害児に係る必要な情報を共有するよう努めること。
    • エ モニタリング
      当該児童発達支援計画の実施状況を確認しながら、障害児について解決すべき課題を把握し、児童発達支援計画を見直すべきかどうかについての検討(当該検討は少なくとも 6 月に 1 回以上、必要に応じて児童発達支援計画の変更を行う必要があること。)を行うこと。なお、当該計画の見直しに当たっては担当者の間で会議を開催するとともに、見直しの内容について通所給付決定保
      護者等の同意を得ること。
準用:第3の3の(17) 児童発達支援管理責任者の責務(基準第28条)
  • 児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画の作成のほか、次の業務を担うものである。
    • ア 基準第 29 条に規定する業務を行うこと
    • イ 他の従業者に対して、指定児童発達支援の提供に係る技術的な指導及び助言を行うこと
  • 児童発達支援管理責任者は、業務を行うに当たっては、障害児及びその保護者の意思をできる限り尊重するよう努めなければならないものである。

    また、児童発達支援管理責任者は、従業者に対しても、障害児及びその保護者の意思をできる限り尊重する観点から必要な助言・指導等を行うことが求められるものである。

    なお、児童発達支援管理責任者については、当該必要な助言・指導等を適切に行うため、都道府県が実施する児童発達支援管理責任者を対象にした専門コース別研修の意思決定支援コース及び障害児支援コースを受講することが望ましい。
準用:第3の3の(18) 相談及び援助(基準第29条)

基準第 29 条における相談及び援助については、常に障害児の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、常時必要な相談及び援助を行い得る体制を取ることにより、積極的に障害児の生活の質の向上を図ることを趣旨とするものである。

準用:第3の3の(19) 支援(基準第30条)
  • 基準第 30 条第1項から第3項までは、指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援の提供に当たっては、児童発達支援計画に基づき、日常生活における基本的な習慣の確立や社会生活での適応性の確保を目指し、さらに地域での生活を念頭において行うことが基本であり、障害児の心身の状況に応じて、適切な技術をもって支援を行わなければならないこととしたものである。

    なお、支援の実施に当たっては、障害児の人格に十分配慮して実施するものとする。
  • 同条第 4 項に規定する「常時 1 人以上の従業者を支援に従事させる」とは、適切な支援を行うことができるように従事する従業者の勤務体制を定めておくとともに、少なくとも常時 1 人以上の従業者を従事させることを規定したものである。
準用:第3の3の(21) 社会生活上の便宜の供与等(基準第32条)
  • 基準第 32 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は画一的な支援を行うのではなく、障害児の年齢や発達段階に応じた教養娯楽設備を備えるほか、スポーツ、文化的活動等のレクリエーション行事を行うこととしたものである。
  • 同条第 2 項は、指定児童発達支援事業者は障害児の家族に対し、当該事業所の会報の送付、当該事業所が実施する行事への参加の呼びかけ等によって障害児とその家族が交流できる機会等を確保するよう努めなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(23) 緊急時等の対応(基準第34条)

基準第 34 条は、指定児童発達支援事業所の従業者は、現に指定児童発達支援の提供を行っているときに、障害児の病状に急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき、医療機関への連絡を行うなどの必要な措置を講じなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(24) 通所給付決定保護者に関する市町村への通知(基準第35条)

基準第 35 条は、法第 57 条の 2 の規定により、市町村は、偽りその他不正な手段により障害児通所給付費等の支給を受けた者があるときは、その者から、その支給を受けた額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができることに鑑み、指定児童発達支援事業者は、障害児通所給付費等の適正支給の観点から、遅滞なく市町村に意見を付して通知しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(25) 管理者の責務(基準第36条)

基準第 36 条は、指定児童発達支援事業所の管理者の責務について規定したものであり、管理者は、当該児童発達支援事業所の従業者の管理及び当該事業の実施状況の把握その他の管理を一元的に行うとともに、当該指定児童発達支援事業所の従業者に基準第 2 章第 4 節(運営に関する基準)を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。

準用:第3の3の(27) 勤務体制の確保等(基準第38条)

障害児に対する適切な指定児童発達支援の提供を確保するため、従業者の勤務体制等について規定したものであるが、このほか次の点に留意するものとする。

  • 基準第 38 条第 1 項は、指定児童発達支援事業所ごとに、原則として月ごとに勤務表を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との業務関係等を明確にすることを定めたものであること。
  • 同条第 2 項は、指定児童発達支援事業者は、原則として当該事業の従業者によって指定児童発達支援を提供すべきであるが、障害児の支援に直接影響を及ぼさない業務については、第三者への委託等を行うことを認めるものであること。
  • 同条第 3 項は、指定児童発達支援事業所の従業者の資質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することを定めたものであること。
  • 同条第 4 項は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和 47 年法律第 113 号)第 11 条第 1 項及び労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和 41 年法律第 132 号)第 30 条の 2 第 1 項の規定に基づき、指定児童発達支援事業者には、職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント(以下「職場におけるハラスメント」という。)の防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務づけられていることを踏まえ、規定したものである。

    指定児童発達支援事業者が講ずべき措置の具体的内容及び指定児童発達支援事業者が講じることが望ましい取組については、次のとおりとする。

    なお、セクシュアルハラスメントについては、上司や同僚に限らず、保護者等から受けるものも含まれることに留意すること。また、障害児による従業者に対する問題行動については、従業者の就業環境が害されることを防止するため、従業者からの相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備等を講じることが望ましい。

    さらに、障害児の問題行動が逓減し、障害児の心身が健やかに成長・発達等するよう支援をしていくことが必要であることに留意すること。
    • ア 指定児童発達支援事業者が講ずべき措置の具体的内容指定児童発達支援事業者が講ずべき措置の具体的な内容は、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号)及び事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和 2 年厚生労働省告示第 5 号。以下「パワーハラスメント指針」という。)において規定されているとおりであるが、特に留意されたい内容は以下のとおりである。
      • a 指定児童発達支援事業者の方針等の明確化及びその周知・啓発
        職場におけるハラスメントの内容及び職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業者に周知・啓発すること。
      • b 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備相談に対応する担当者をあらかじめ定めること等により、相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、従業者に周知すること。
    • イ 指定児童発達支援事業者が講じることが望ましい取組の例
      パワーハラスメント指針においては、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)の防止のために、事業主が雇用管理上の配慮として行うことが望ましい取組の例として、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、被害者への配慮のための取組(メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して 1 人で対応させない等)及び③被害防止のための取組(マニュアル作成や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)
      が規定されているので参考にされたい。
準用:第3の3の(28) 業務継続計画の策定等(基準第38条の2)
  • 基準第 38 条の 2 は、指定児童発達支援事業者は、感染症や災害が発生した場合にあっても、利用者が継続して指定児童発達支援の提供を受けられるよう、指定児童発達支援の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定するとともに、当該業務継続計画に従い、従業者に対して、必要な研修及び訓練(シミュレーション)を実施しなければならないこととしたものである。

    なお、業務継続計画の策定、研修及び訓練の実施については、同条に基づき指定児童発達支援事業者にその実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。

    また、感染症や災害が発生した場合には、従業者が連携して取り組むことが求められることから、研修及び訓練の実施に当たっては、全ての従業者が参加できるようにすることが望ましい。
  • 業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。なお、各項目の記載内容については、「障害福祉サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」及び「障害福祉サービス事業所等における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症及び災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。
    • ア 感染症に係る業務継続計画
      • a 平時からの備え(体制構築・整備、感染症防止に向けた取組の実施、備蓄品の確保等)
      • b 初動対応
      • c 感染拡大防止体制の確立(保健所との連携、濃厚接触者への対応、関係者との情報共有等)
    • イ 災害に係る業務継続計画
      • a 平常時の対応(建物・設備の安全対策、電気・水道等のライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄等)
      • b 緊急時の対応(業務継続計画発動基準、対応体制等)
      • c 他施設及び地域との連携
  • 研修の内容は、感染症及び災害に係る業務継続計画の具体的内容を職員間に共有するとともに、平常時の対応の必要性や、緊急時の対応にかかる理解の励行を行うものとする。
    職員教育を組織的に浸透させていくために、定期的(年 1 回以上)な教育を開催するとともに、新規採用時には別に研修を実施することが望ましい。

    また、研修の実施内容についても記録すること。

    なお、感染症の業務継続計画に係る研修については、感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施することも差し支えない。
  • 訓練(シミュレーション)においては、感染症や災害が発生した場合において迅速に行動できるよう、業務継続計画に基づき、指定児童発達支援事業所内の役割分担の確認、感染症や災害が発生した場合に実践する支援の演習等を定期的(年 1 回以上)に実施するものとする。

    なお、感染症の業務継続計画に係る訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えない。

    訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
準用:第3の3の(30の2) 安全計画の策定等(基準第40条の2)

基準第 40 条の 2 第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、障害児の安全の確保を図るため、指定児童発達支援事業所ごとに、当該事業所の設備の安全点検、事業所外での活動等を含めた事業所での生活等における安全に関する指導、従業者の研修及び訓練等についての計画(以下「安全計画」という。)を策定し、当該安全計画に従い必要な措置を講じなければならないこととしたものである。

なお、安全計画の策定等に当たっては、追ってお示しする「安全確保の手引き」を参考にされたい。

準用:第3の3の(30の3) 自動車を運行する場合の所在の確認(基準第40条の3)
  • 基準第 40 条の3第1項は、指定児童発達支援事業者は、障害児の通所や事業所外での活動等のための移動のために自動車を運行するときは、障害児の乗降時の際に、点呼等の障害児の所在を確実に把握することができる方法により、障害児の所在を確認しなければならないこととしたものである。
  • ※準用除外
準用:第3の3の(31) 衛生管理等(基準第41条)
  • 基準第 41 条は、指定児童発達支援事業者は、従業者の清潔の保持及び健康状態の管理に努めるべきであり、特に従業者が感染源になることを予防し、また従業者を感染の危険から守るため、手指を洗浄するための設備や使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じることを規定したものであり、このほか次の点に留意するものとする。
    • ア 指定児童発達支援事業者は、感染症又は食中毒の発生及びまん延を防止するための措置等について、必要に応じ保健所の助言、指導を求めるとともに、密接な連携を保つこと。
    • イ 特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これにも基づき適切な措置を講じること。
    • ウ 空調設備等により施設内の適温の確保に努めること。
  • 同条第 2 項に規定する感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように講ずるべき措置については、具体的には次のアからエまでの取扱いとすること。
    ア 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会当該指定児童発達支援事業所における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(以下「感染対策委員会」という。)であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、児童指導員、栄養士又は管理栄養士)により構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の感染対策を担当する者(以下「感染対策担当者」という。)を決めておくことが必要である。感染対策委員会は、入所者の状況など指定児童発達支援事業所の状況に応じ、おおむね 3 月に 1 回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。
    • イ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
      指定児童発達支援事業所における「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針」には、平常時の対策及び発生時の対応を規定する。

      平常時の対策としては、指定児童発達支援事業所内の衛生管理(環境の整備、排泄物の処理、血液・体液の処理等)、日常の支援にかかる感染対策(標準的な予防策(例えば、血液・体液・分泌液・排泄物(便)などに触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるときどのようにするかなどの取り決め)、手洗いの基本、早期発見のための日常の観察項目)等、発生時の対応としては、発生状況の把握、感染拡大の防止、医療機関や保健所、市町村における事業所関係課等の関係機関との連携、医療処置、行政への報告等が想定される。

      また、発生時における指定児童発達支援事業所内の連絡体制や前記の関係機関への連絡体制を整備し、明記しておくことも必要である。

      なお、それぞれの項目の記載内容の例については、「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」も踏まえて検討すること。
    • ウ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修
      従業者に対する「感染症の予防及びまん延の防止のための研修」の内容は、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定児童発達支援事業所における指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的な支援の励行を行うものとする。職員教育を組織的に浸透させていくためには、当該指定児童発達支援事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年 2 回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず感染対策研修を実施することが重要である。また、調理や清掃などの業務を委託する場合には、委託を受けて行う者に対しても、指定児童発達支援事業所の指針が周知されるようにする必要がある。

      また、研修の実施内容についても記録することが必要である。

      研修の実施は、厚生労働省「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」等を活用するなど、指定児童発達支援事業所内で行うものでも差し支えなく、当該指定児童発達支援事業所の実態に応じ行うこと。
    • エ 感染症の予防及びまん延の防止のための訓練
      平時から、実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応について、訓練(シミュレーション)を定期的(年 2 回以上)に行うことが必要である。

      訓練においては、感染症発生時において迅速に行動できるよう、発生時の対応を定めた指針及び研修内容に基づき、指定児童発達支援事業所内の役割分担の確認や、感染対策をした上での支援の演習などを実施するものとする。

      訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
準用:第3の3の(33) 掲示(基準第43条)
  • 基準第 43 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、運営規程の概要、従業者の勤務体制、協力医療機関、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を指定児童発達支援事業所の見やすい場所に掲示することを規定したものであるが、次に掲げる点に留意する必要がある。
    • ア 指定児童発達支援事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
    • イ 従業者の勤務体制については、職種ごと、常勤・非常勤ごと等の人数を掲示する趣旨であり、従業者の氏名まで掲示することを求めるものではないこと。
  • 同条第 2 項は、重要事項を記載したファイル等を利用者又はその家族等が自由に閲覧可能な形で当該指定児童発達支援事業所内に備え付けることで同条第 1 項の掲示に代えることができることを規定したものである。
準用:第3の3の(34) 身体拘束等の禁止(基準第44条)
  • 基準第 44 条第 1 項及び第 2 項は、障害児又は他の障害児の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の障害児の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。

    なお、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、一時性の3つの要件全てを満たし、かつ、組織としてそれらの要件の確認等の手続を行った旨を記録しなければならないこと。
  • 同条第 3 項第 1 号の「身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」(以下「身体拘束適正化検討委員会」という。)は、事業所に従事する幅広い職種により構成する。構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の身体拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。身体拘束適正化検討委員会には、第三者や専門家の活用に努めることとし、その方策として、医師(精神科専門医等)、看護職員等の活用が考えられる。また、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置も可能であるため、事業所の規模に応じた対応を検討すること。

    なお、身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも 1 年に 1 回は開催することが必要であるが、虐待防止委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営すること(虐待防止委員会において、身体拘束等の適正化について検討する場合も含む。)も差し支えない。

    指定児童発達支援事業所が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体拘束等の適正化について、事業所全体で情報共有し、不適切な身体拘束等の再発防止や身体拘束等を行わない支援方法の検討につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。

    身体拘束適正化検討委員会における具体的な対応は、次のようなことを想定している。なお、身体拘束適正化検討委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
    • ア 身体拘束等について報告するための様式を整備すること。
    • イ 従業者は、身体拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、身体拘束等について報告すること。
    • ウ 身体拘束適正化検討委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。なお、イにより報告された事例がない場合にも、身体拘束等の未然防止の観点から、障害児に対する支援の状況等を確認することが必要である。
    • エ 事例の分析に当たっては、身体拘束等の発生時の状況等を分析し、身体拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と廃止に向けた方策を検討すること。
    • カ 廃止に向けた方策を講じた後に、その効果について検証すること。
  • 同条同項第 2 号の指定児童発達支援事業所が整備する「身体拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
    • ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
    • イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
    • ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
    • エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
    • オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
    • カ 障害児又はその家族等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
    • キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
  • 同条同項第 3 号の従業者に対する身体拘束等の適正化のための研修の実施に当たっては、身体拘束等の適正化の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定児童発達支援事業所における指針に基づき、適正化の徹底を図るものとする。
  • 職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定児童発達支援事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修を実施(年 1 回以上)するとともに、新規採用時には必ず身体拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。
  • また、研修の実施内容について記録することが必要である。なお、研修の実施に当たっては、事業所内で行う職員研修で差し支えなく、他の研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合、例えば、虐待防止に関する研修において身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えない。
準用:第3の3の(35) 虐待等の禁止(基準第45条)

基準第 45 条は、指定児童発達支援事業所の従業者の、障害児に対する虐待等の行為を禁止したものである。

  • 同条第 2 項第 1 号の虐待防止委員会の役割は、以下の3つがある。
    ア 虐待防止のための計画づくり(虐待防止の研修、労働環境・条件を確認・改善するための実施計画づくり、指針の作成)
    イ 虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)
    ウ 虐待発生後の検証と再発防止策の検討(虐待やその疑いが生じた場合、事案検証の上、再発防止策を検討、実行)の 3 つがある。

    虐待防止委員会の設置に向けては、構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の虐待防止担当者(必置)を決めておくことが必要であり、虐待防止委員会の構成員には、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者等も加えるよう努めることとする。

    なお、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置も可であるため、事業所の規模に応じた対応を検討すること。

    虐待防止委員会の開催に必要となる人数については事業所の管理者や虐待防止担当者(必置)が参画していれば最低人数は問わないが、委員会での検討結果を従業者に周知徹底することが必要である。

    なお、虐待防止委員会は、少なくとも 1 年に 1 回は開催することが必要であるが、身体拘束等適正化検討委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営することも差し支えない。

    指定児童発達支援事業所が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、虐待の防止のための対策について、事業所全体で情報共有し、今後の未然防止、再発防止につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。

    具体的には、次のような対応を想定している。なお、虐待防止委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
    ア 虐待(不適切な対応事例も含む)が発生した場合、当該事案について報告するための様式を整備すること。
    イ 従業者は、虐待の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、虐待について報告すること。
    ウ 虐待防止委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。
    エ 事例の分析に当たっては、虐待の発生時の状況等を分析し、虐待の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の再発防止策を検討すること。
    オ 労働環境・条件について確認するための様式を整備するとともに、当該様式に従い作成された内容を集計、報告し、分析すること。
    カ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
    キ 再発防止策を講じた後に、その効果について検証すること。
  • 指定児童発達支援事業所は次のような項目を定めた「虐待防止のための指針」を作成することが望ましい。
    ア 事業所における虐待防止に関する基本的な考え方
    イ 虐待防止委員会その他施設内の組織に関する事項
    ウ 虐待防止のための職員研修に関する基本方針
    エ 施設内で発生した虐待の報告方法等の方策に関する基本方針
    オ 虐待発生時の対応に関する基本方針
    カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
    キ その他虐待防止の適正化の推進のために必要な基本方針
  • 同条同項第 2 号の従業者に対する虐待防止のための研修の実施に当たっては、虐待防止の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、指針を作成した事業所においては当該指針に基づき、虐待防止の徹底を図るものとする。

    職員教育を組織的に徹底させていくためには、指定児童発達支援事業所の虐待防止委員会が作成した研修プログラムを実施し、定期的な研修を実施(年 1 回以上)するとともに、新規採用時には必ず虐待防止の研修を実施することが重要である。

    また、研修の実施内容について記録することが必要である。

    なお、研修の実施は、施設内で行う職員研修及び協議会又は基幹相談支援センター等が実施する研修に事業所が参加した場合でも差し支えない。
  • 同条同項第 3 号の虐待防止のための担当者については、児童発達支援管理責任者等を配置すること。なお、当該担当者及び管理者については、「地域生活支援事業の実施について」(平成 18 年8月1日障発第 0801002 号)の別紙2「地域生活支援促進事業実施要綱」の別記2-4の3(3)の都道府県が行う研修を受講することが望ましい。
準用:第3の3の(37) 秘密保持等(基準第47条)
  • 同条第 3 項は、従業者が障害児の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、他の指定障害福祉サービス事業者と共有するためには、指定児童発達支援事業者は、あらかじめ、文書により障害児又はその家族の同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に支給決定保護者等から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
  • 基準第 47 条第 1 項は、指定児童発達支援事業所の従業者及び管理者に、その業務上知り得た障害児又はその家族の秘密の保持を義務づけたものである。
  • 同条第 2 項は、指定児童発達支援事業者に対して、過去に当該指定児童発達支援事業所の従業者及び管理者であった者が、その業務上知り得た障害児又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定児童発達支援事業者は、当該指定児童発達支援事業所の従業者等が、従業者等でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者の雇用時等に取り決めるなどの措置を講ずべきこととするものである。
準用:第3の3の(38) 利益供与等の禁止(基準第49条)
  1. 基準第 49 条第 1 項は、障害児相談支援事業者又は障害福祉サービスの事業者等による指定児童発達支援事業者の紹介が公正中立に行われるよう、指定児童発達支援事業者は、障害児相談支援事業者若しくは障害福祉サービス事業者等又はその従業者に対し、障害児又はその家族に対して当該指定児童発達支援事業者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。
  2. 同条第 2 項は、保護者による障害児相談支援事業者又は障害福祉サービスの事業者等の選択が公正中立に行われるよう、指定児童発達支援事業者は、障害児相談支援事業者若しくは障害福祉サービス事業者等又はその従業者から、当該事業に係る障害児等を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。
準用:第3の3の(39) 苦情解決(基準第50条)
  • 基準第 50 条第 1 項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情解決の体制及び手順等当該施設等における苦情を解決するための措置を講ずることをいうものである。当該措置の概要については、通所給付決定保護者等にサービスの内容を説明する文書に記載し、当該事業所に掲示することが望ましい。
  • 同条第 2 項は、苦情に対し指定児童発達支援事業者が組織として迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定児童発達支援事業者が提供したサービスとは関係のないものを除く。)の受付日、内容等を記録することを義務付けたものである。また、指定児童発達支援事業者は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うべきである。
  • 同条第 5 項は、社会福祉法上、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会が福祉サービスに関する苦情の解決について相談等を行うこととされたことを受けて、運営適正化委員会が行う同法第 85条に規定する調査又はあっせんにできるだけ協力することとしたものである。
準用:第3の3の(40) 地域との連携等(基準第51条)
  • 基準第 51 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、地域に開かれたものとして運営されるよう地域の住民やボランティア団体等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならないこととしたものである。
  • ※準用除外
準用:第3の3の(41) 事故発生時の対応(基準第52条)

障害児が安心して指定児童発達支援の提供を受けられるよう、指定児童発達支援事業者は、障害児に対する指定児童発達支援の提供により事故が発生した場合は、速やかに都道府県、市町村及び当該障害児の家族等に対して連絡を行うとともに必要な措置を講じ、障害児に対する指定児童発達支援の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。このほか、以下の点に留意するものとする。

  • 指定児童発達支援事業者は、(30 の 2)の安全計画の策定等とあわせて、障害児に対する指定児童発達支援の提供により事故が発生した場合の対応方法をあらかじめ定めておくことが望ましいこと。

    また、事業所に自動体外式除細動器(AED)を設置することや救命講習等を受講することが望ましいこと。
    なお、事業所の近隣にAEDが設置されており、緊急時に使用できるよう、地域においてその体制や連携を構築することでも差し支えない。
  • 指定児童発達支援事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくことが望ましいこと。
  • 指定児童発達支援事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。なお、「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針」(平成 14 年 3 月 28 日福祉サービスにおける危機管理に関する検討会)が示されているので、参考にされたい。
準用:第3の3の(42) 会計の区分(基準第53条)

基準第 53 条は、指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援事業所ごとに経理を区分するとともに、指定児童発達支援ごとに事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(43) 記録の整備(基準第54条)

指定児童発達支援事業者は、従業者、設備、備品及び会計等に関する諸記録を文書により整備しておく必要があること。なお、基準第 54条第 2 項により、指定児童発達支援事業者は、指定児童発達支援の提供に関する諸記録のうち、少なくとも次に掲げる記録については、当該指定児童発達支援を提供した日から、5 年以上保存しておかなければならないこととしたものである。

  • 児童発達支援に関する記録
    • ア 基準第 21 条第 1 項に規定する提供した指定児童発達支援に係る必要な事項の提供の記録
    • イ 児童発達支援計画
    • ウ 基準第 44 条第 2 項に規定する身体拘束等の記録
    • エ 基準第 50 条第 2 項に規定する苦情の内容等の記録
    • オ 基準第 52 条第 2 項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
  • 基準第 35 条の規定による市町村への通知に係る記録
準用:第6の3の(1) 身分を証する書類の携行(基準第71条の11)

障害児等が安心して指定居宅訪問型児童発達支援の提供を受けられるよう、指定居宅訪問型児童発達支援事業者は、当該指定居宅訪問型児童発達支援事業所の従業者に身分を明らかにする証書や名札等を携行させ、初回訪問時及び障害児、通所給付決定保護者又は当該障害児の家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならないこととしたものである。

なお、この証書等には、当該指定居宅訪問型児童発達支援事業所の名称、当該従業者の氏名を記載するものとし、当該従業者の写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましい。

準用:第6の3の(2) 通所利用者負担額の受領(基準第71条の12)

指定児童発達支援の場合と同趣旨であるため、第3の3の(12)を参照されたい。

第3の3の(12)
  • 通所利用者負担額の受領
    基準第 23 条第 1 項は、指定児童発達支援事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定児童発達支援についての利用者負担額として、通所給付決定保護者の家計の負担能力等をしん酌して児童福祉法施行令(昭和 23 年政令第 74 号)において定める額の支払いを受けなければならないことを規定したものである。
  • 法定代理受領を行わない場合
    同条第 2 項は、指定児童発達支援事業者は法第 24 条の 3 第 8 項に規定する法定代理受領を行わない指定児童発達支援を提供した際には、通所給付決定保護者から通所利用者負担額のほか、障害児通所給付費(肢体不自由のある児童に対して治療を行う場合は、障害児通所給付費及び肢体不自由児通所医療費)の支払いを受けるものとすることとしたものである。
  • その他受領が可能な費用の範囲
    同条第 3 項は、指定児童発達支援事業者は、前 2 項の支払いを受ける額のほか、指定児童発達支援において提供される便宜に要する費用のうち、次に掲げる費用の支払を受けることができることとしたものである。
    • (ア) 食事の提供に要する費用(児童発達支援センターである指定児童発達支援事業所に係るものに限る。)
    • (イ) 日用品費
    • (ウ) 日常生活において通常必要となるものに係る費用であって、通所給付決定保護者に負担させることが適当と認められるものなお、(ウ)の具体的な範囲については、「障害児通所支援又は障害児入所支援における日常生活に要する費用の取扱いについて」(平成 24 年 3 月 30 日付け障発 0330 第 31 号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)によるものとする。
  • 領収証の交付
    同条第 5 項は、同条第 1 項から第 3 項までの規定による費用の支払を受けた場合には当該費用を支払った通所給付決定保護者に対して領収証を交付することとしたものである。
  • 通所給付決定保護者の同意
    同条第 6 項は、同条第 3 項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、通所給付決定保護者に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、通所給付決定保護者の同意を得なければならないこととしたものである。
準用:第6の3の(3) 運営規程(基準第71条の13)

指定児童発達支援の場合と同趣旨であるため、第3の3の(26)①から⑤まで、⑦、⑧を参照されたい。

第3の3の(26)

基準第 37 条は、指定児童発達支援の事業の適正な運営及び障害児に対する適切な指定児童発達支援の提供を確保するため、同条第 1 号から第 12 号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定児童発達支援事業所ごとに義務づけたものであるが、特に次の点に留意するものとする。

  • 従業者の職種、員数及び職務の内容(基準第 37 条第 2 号)
    従業者の「員数」は日々変わりうるものであるため、業務負担軽減等の観点から、規程を定めるに当たっては、基準第 5 条において置くべきとされている員数を満たす範囲において、「0 人以上」と記載することも差し支えない(基準第 12 条に規定する重要事項を記した文書に記載する場合についても、同様とする。)(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。
  • 利用定員(基準第 37 条第 4 号)
    利用定員は、指定児童発達支援事業所において、同時に指定児童発達支援の提供を受けることができる障害児の数の上限をいうものであること。なお、複数の指定児童発達の単位が設置されている場合にあっては、当該指定児童発達支援の単位ごとに利用定員を定める必要があること。また、基準第 11 条に規定する「利用定員」とは、異なる概念であることに留意すること。(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。
  • 指定児童発達支援の内容並びに通所給付決定保護者から受領する費用の種類及びその額(基準第 37 条第 5 号)
    「指定児童発達支援の内容」については、支援の内容はもとより、行事及び日課等のサービスの内容を指すものであること。

    また、「通所給付決定保護者から受領する費用の種類及びその額」とは、基準第 23 条第 3 項により支払を受けることが認められている費用の種類及びその額を指すものであること。(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。
  • 通常の事業の実施地域(基準第 37 条第 6 号)
    通常の事業の実施地域は客観的にその区域が特定されるものとすること。

    なお、通常の事業の実施地域は、利用申込みに係る調整等の観点からの目安であり、当該地域を越えてサービスが行われることを妨げるものではないこと。(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。

    また、障害の程度等により自ら通所することが困難な障害児に対しては、円滑な指定児童発達支援の利用が図られるよう、指定児童発達支援事業所が送迎を実施するなどの配慮を行う必要があるが、障害児の自立能力の獲得を妨げないようにしなければならないこと。
  • サービスの利用に当たっての留意事項(基準第 37 条第 7 号)
    障害児が指定児童発達支援の提供を受ける際に、障害児及び通所給付決定保護者が留意すべき事項(設備の利用上の留意事項等)を指すものであること。(以下、他のサービス種類についても同趣旨。)。
  • ※準用除外
  • 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合の当該障害の種類(基準第 37 条第 10 号)
    指定児童発達支援事業者は、障害種別にかかわらず障害児を受け入れることを基本とするが、指定児童発達支援の提供に当たっては、障害児の障害の特性に応じた専門性に十分配慮する必要があることから、提供する支援の専門性を確保するため、特に必要がある場合において、あらかじめ、障害種別により「主たる対象者」を定めることができることとしたものである。

    この場合、当該対象者から指定児童発達支援の利用に係る申込みがあった場合には、正当な理由なく指定児童発達支援の提供を拒んではならないものであること。
  • 虐待の防止のための措置に関する事項(基準第 37 条第 11 号)
    「虐待の防止のための措置」については、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(平成 23 年法律第 79号)において、障害児虐待を未然に防止するための対策及び虐待が発生した場合の対応について規定しているところであるが、より実効性を担保する観点から、指定児童発達支援においても、利用者に対する虐待を早期に発見して迅速かつ適切な対応が図られるための必要な措置について、あらかじめ運営規程に定めることとしたものである。具体的には、
    • ア 虐待防止に関する担当者の設置
    • イ 苦情解決体制の整備
    • ウ 従業者に対する虐待防止啓発のための定期的な研修の実施(研修方法や研修計画など)
    • エ 基準第 45 条第 2 項第 1 号の虐待の防止のための対策を検討する委員会(以下「虐待防止委員会」という。)の設置等に関すること等を指すものであること。
  • ※準用除外

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