報酬の留意事項 第四-1:障害児相談支援

【参考】平成24年3月30日障発0330第16号令和6年3月29日改正

目次

第四

第四 児童福祉法に基づく指定障害児相談支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成24年厚生労働省告示第126号)別表障害児相談支援給付費単位数表(以下「障害児相談支援報酬告示」という。
に関する事項

1 障害児相談支援費の算定について

(1) 基本的な取扱いについて

指定障害児相談支援の提供に当たっては、障害児相談支援基準に定める以下の基準のいずれかを満たさない場合には、所定単位数を算定しないものとする。

  • 指定障害児支援利用援助
    1. 障害児支援利用計画の作成に当たってのアセスメントに係る障害児の居宅への訪問による障害児及びその家族への面接等(第15条第2項第6号
    2. 障害児支援利用計画案の障害児及びその家族への説明並びに障害児又は障害児の保護者(以下「障害児等」という。)の文書による同意(同項第8号及び第11号
    3. 障害児支援利用計画案及び障害児支援利用計画の障害児等及び担当者への交付(同項第9号及び第12号)
    4. サービス担当者会議の開催等による担当者への説明及び専門的な意見の聴取(同項第10号)
    5. 指定継続障害児支援利用援助
      • (一)障害児の居宅への訪問による障害児又はその家族への面接等(同条第3項第2号)
      • (二) 障害児支援利用計画の変更についての①の(一)から(四)に準じた手続の実施(同条第3項第3号により準用する同条第2項第6号、第10号から第12号まで)
(2) 機能強化型障害児支援利用援助費(機能強化型継続障害児支援利用援助費)の取扱いについて
  • 趣旨
    機能強化型障害児支援利用援助費(機能強化型継続障害児支援利用援助費を含む。)は、支援困難ケースへの積極的な対応を行うほか、専門性の高い人材を確保し、質の高いマネジメントを実施している事業所を評価し、地域全体のマネジメントの質の向上に資することを目的とするものである。
  • 基本的取扱方針
    当該報酬の対象となる事業所は、以下について強く望まれるものである。
    ・公正中立性を確保し、サービス提供主体からも実質的に独立した事業所であること
    ・常勤かつ専従の相談支援専門員が配置され、どのような支援困難ケースでも適切に支援できる体制が整備されており、市町村や基幹相談支援センター等との連携体制が確保されていること
    ・協議会と連携や参画していること
    本報酬については、こうした基本的な取扱方針を十分に踏まえ、支援困難ケースを含めた質の高いマネジメントを行うという趣旨に合致した適切な運用を図られるよう留意されたい。
  • 具体的運用方針
    児童福祉法に基づく指定障害児相談支援に要する費用の額の算定に関する基準に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第181号。以下「厚生労働大臣が定める基準」という。)における機能強化型障害児支援利用援助費に係る各要件の取扱については、次に定めるところによること。
    • (一) 共通事項
      • ア 共通
        • (ア) 人員配置要件
          • a 総則
            質の高い相談支援の提供を図るため、常勤(機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅳ)を除く。)かつ専従の相談支援専門員を2名から4名以上配置し、そのうち 1 名以上が相談支援従事者現任研修を修了した相談支援専門員(以下「現任研修修了者」という。)であることを要件とする。その他の具体的な取扱いについては、㈡のア、㈢のア、㈣のア及び㈤のアをそれぞれ参照すること。
          • b 兼務の取扱い
            配置される相談支援専門員については、原則専従であることが要件であるが、同一敷地内にある事業所における指定特定相談支援事業所、指定一般相談支援事業所若しくは指定自立生活援助事業所、基幹相談支援センター又は障害者相談支援事業の業務(ただし、基幹相談支援センター又は障害者相談支援事業の業務と兼務する場合については、当該業務を委託する市町村が認める場合に限る。)と兼務しても差し支えないこととしている。
            このほか、当該指定障害児相談支援事業所の業務に支障がない場合は、一部の相談支援専門員につき兼務しても差し支えないものとしている(機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅳ)を除く。)が、具体的な取扱いについては、㈡のア、㈢のア、㈣のア及び㈤のアをそれぞれ参照すること。
        • (イ) 留意事項伝達会議
          「利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議」は、次のaからcまでに掲げる要件をいずれも満たすものでなければならないこと。なお、会議については、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものである。
          • a 議題については、少なくとも次のような議事を含めること。
            • ⒜ 現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針
            • ⒝ 過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策
            • ⒞ 地域における事業者や活用できる社会資源の状況
            • ⒟ 保健医療及び福祉に関する諸制度
            • ⒠ アセスメント及びサービス等利用計画の作成に関する技術
            • ⒡ 利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針
            • ⒢ その他必要な事項
          • b 議事については、記録を作成し、5年間保存しなければならないこと。
          • c 「定期的」とは、概ね週1回以上であること。
            なお、一体的に管理運営を行う事業所であってイの(イ)のaの⒞に定める会議を開催した週については、当該会議をもって本会議を開催したこととして差し支えない。
        • (ウ) 現任研修修了者同行による研修
          現任研修修了者の同行による研修については、当該現任研修修了者が、新規に採用した従業者に対し、適切な指導を行うこと。なお、テレビ電話装置等を活用して行われる研修についても、当該現任研修修了者による適切な指導等が可能な体制が確保されている場合は対象に含めて差し支えない。
          なお、一体的に管理運営を行う事業所の場合、現任研修修了者が配置されていない事業所に新規に採用した従業者がいる場合、他の一体的に管理運営を行う事業所に配置された現任研修修了者により適切な指導を行う必要がある。
        • (エ) 支援困難ケースの受入れ
          自ら積極的に支援困難ケースを受け入れなければならず、そのため、常に基幹相談支援センター、委託相談支援事業所又は協議会との連携を図らなければならないこと。
        • (オ) 事例検討会への参加
          基幹相談支援センター、委託相談支援事業所又は協議会が実施する事例検討会等に参加していること。
        • (カ) 取扱件数
          取扱件数については、当該指定障害児相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定障害児相談支援事業所においてそれぞれ 40 件未満であること。
          また、取扱件数は、1月の当該指定障害児相談支援事業所全体の障害児相談支援対象保護者の数の前6月の平均値(以下「障害児相談支援対象保護者の平均数」という。)を、当該指定障害児相談支援事業所の相談支援専門員(相談支援員については、1人につき相談支援専門員0.5 人とみなして算定する。)の員数の前6月の平均値(以下「相談支援専門員の平均員数」という。)で除して得た数とする。
          なお、当該指定障害児相談支援事業所が指定特定相談支援事業所も一体的に運営している場合は、指定サービス利用支援又は指定継続サービス利用支援を行った障害児相談支援対象保護者の数も取扱件数に含むものとする。
      • イ 複数事業所が協働により体制を確保する場合
        • (ア) 趣旨
          障害児通所支援の利用者が少ないあるいは地域に分散している等により、単独の事業所で機能強化型障害児支援利用援助費の算定要件を満たすことが困難であっても、複数の指定障害児相談支援事業所間で一体的に管理運営を行うための必要な体制を構築した上で、当該事業所全体をもって人員配置及び 24 時間の連絡体制が確保されていることにより、㈡のア及びイ、㈢のア及びイ並びに㈣のアに規定する要件を満たすことを可能とするものである。
        • (イ) 要件
          次のaからcまでに掲げる要件をいずれも満たしているものでなければならない。
          • a 体制要件
            次の⒜から⒞までに掲げる要件をいずれも満たしていること。
            • ⒜ 協働体制を確保する事業所間において、協定を締結していること。
            • ⒝ 機能強化型障害児支援利用援助費に係る各要件を満たしているかについて、協定を締結した事業所間において定期的(月1回)に確認が実施されていること。
            • ⒞ 原則、全職員が参加するケース共有会議、事例検討会等を月2回以上共同して実施していること。なお、会議等については、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものである。
          • b 事業所要件
            次の⒜又は⒝に掲げる要件のいずれかを満たしていること。なお、一体的に管理運営を行う事業所の範囲は、原則として同一市町村又は同一圏域内の地域生活支援拠点等を構成している場合に限る。
            • ⒜ 一体的に管理運営を行う事業所それぞれが、障害児相談支援基準第 19 条に規定する運営規程において、地域生活支援拠点等であることを市町村により位置付けられていることを定めていること。
            • ⒝ 地域生活支援拠点等を構成する関係機関(以下「拠点関係機関」という。)との連携体制を確保するとともに、協議会に定期的に参画していること。
              なお、拠点関係機関との連携体制を確保することについては、支援が必要な者への対応について協議する体制及び緊急時に連絡をとれる体制を確保していることとする。
              また、協議会に定期的に参画していることについては、協議会の構成員として定期的に専門部会等に参加し、個別事例の報告等を行っていることとする。
          • c 人員配置要件(各事業所)
            当該指定障害児相談支援事業所及び一体的に管理運営を行う指定障害児相談支援事業所において、常勤専従の相談支援専門員をそれぞれ 1 名以上配置していること。
    • (二) 機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅰ)について
      • ア 人員配置要件
        常勤かつ専従の相談支援専門員を4名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修修了者であること。
        ただし、3名(現任研修修了者1名を含む。)を除いた相談支援専門員については、当該指定障害児相談支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
        なお、その他の兼務の取扱いについては、㈠のアの(ア)のbを参照すること。
      • イ 24 時間の連絡体制
        24 時間連絡可能な体制とは、営業時間と同様の体制をとることを求めるものではなく、営業時間外においては、利用者が緊急事態に際しても担当者と携帯電話等により連絡を取ることができ、必要に応じて相談に応じることが可能な体制をとる必要があることをいうものである。営業時間外の体制は当該事業所の相談支援専門員の輪番制による対応等によることも可能であること。
      • ウ 協議会への参画
        協議会に構成員として定期的に参画し、他の構成員である関係機関等との連携の緊密化を図るために必要な取組を実施していること。具体的には、定期的に専門部会等に参加し、個別事例の報告等、地域づくりに向けた検討及びそれに伴い必要な取組を当該関係機関等と連携して行うこととする。
      • エ 基幹相談支援センターによる取組への参画
        基幹相談支援センターが行う地域の相談支援体制の強化の取組に参画していること。具体的には、地域生活支援事業通知の別紙 1 地域生活支援事業実施要綱別記 1-3 相談支援事業実施要領の3の(1)のイの(イ)に規定されている基幹相談支援センターによる地域の相談支援体制の強化の取組に協力していることとする。
    • (三) 機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅱ)について
      • ア 人員配置要件
        常勤かつ専従の相談支援専門員を3名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修修了者であること。
        ただし、2名(現任研修修了者1名を含む。)を除いた相談支援専門員については、当該指定障害児相談支援事業所の業務に支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
        なお、その他の兼務の取扱いについては、㈠のアの(ア)のbを参照すること。
      • イ 24 時間の連絡体制
        ㈡のイの規定を準用する。
      • ウ 協議会への参画
        ㈡のウの規定を準用する。
      • エ 基幹相談支援センターによる取組への参画
        ㈡のエの規定を準用する。
    • (四) 機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅲ)について
      • ア 人員配置要件
        常勤かつ専従の相談支援専門員を2名以上配置し、そのうち1名以上が現任研修修了者であること。
        ただし、現任研修修了者1名を除いた相談支援専門員については、指定障害児相談支援事業所の業務に支障がないと市町村が認めた場合においては、同一敷地内にあるそれ以外の他の事業所の職務を兼務しても差し支えないものとする。
        なお、その他の兼務の取扱いについては、㈠のアの(ア)のbを参照すること。
      • イ 協議会への参画
        ㈡のウの規定を準用する。
      • ウ 基幹相談支援センターによる取組への参画
        ㈡のエの規定を準用する。
    • (五) 機能強化型障害児支援利用援助費(Ⅳ)について
      • ア 人員配置要件
        専従の相談支援専門員を 2 名以上配置し、かつ、そのうち 1 名以上が常勤の現任研修修了者であること。本区分については、㈠のアの(ア)のbに規定する職務を除き、同一敷地内にあるそれ以外の他の事業所の業務を兼務することはできないことに留意すること。
    • (六) その他
      • ア 離島等における特例
        • (ア) 趣旨
          特別地域(障害児相談支援報酬告示1の注8に規定する特別地域をいう。以下同じ。)に所在する指定障害児相談支援事業所については、広域で相談支援体制を整備する必要がある場合があることを踏まえ、当該必要性について各事業所が所在する市町村が認めた場合の特例を規定するものである。

          なお、この場合において、都道府県協議会において、当該事業所の適正な運営が図られるように検討するとともに、都道府県が地域生活支援事業の都道府県相談支援体制整備事業の実施等により、当該地域の相談支援体制の整備等に関する助言等を行うことが望ましいため、都道府県及び市町村と必要な連携を図りつつ、事業の運営に努めること。
        • (イ) 一体的に管理運営する事業所の範囲
          一体的に管理運営する事業所で機能強化型障害児支援利用援助費を算定する場合、一体的に管理運営を行う事業所の範囲は、㈠のイの(イ)のbに規定しているところであるが、特例の対象となる指定障害児相談支援事業所については、当該範囲を同一都道府県内とする。
        • (ウ) 現任研修修了者の配置要件
          人員配置要件として、㈡のア、㈢のア、㈣のア及び㈤のアに規定しているとおり、現任研修修了者を1名以上配置することが必要であるが、特例の対象となる指定障害児相談支援事業所については、当該指定障害児相談支援事業所以外の指定障害児相談支援事業所又は指定特定相談支援事業所に配置される現任研修修了者により一定の指導及び助言が行われる体制が確保されていることで足りることとしている。
          具体的には、現任研修修了者が定期的に当該指定障害児相談支援事業所を訪問し、専門的な助言、スーパーバイズ、事例検討等が行われる体制が確保されていることとし、これらの指導及び助言については、主任相談支援専門員により行われることが望ましいものである。
      • イ 経過措置
        • (ア) 拠点関係機関との連携
          令和8年度末までの間、市町村が地域生活支援拠点等を整備していない場合、㈠のイの(イ)のbの⒝に規定する要件については、拠点関係機関との連携体制を確保することに代えて、地域生活支援拠点等の役割の一部である緊急事態等への対処及び地域における生活に移行するための活動に関する取組に協力することで足りるものである。
          なお、当該協力に当たっては、市町村及び基幹相談支援センター(基幹相談支援センターが未設置の場合はその他の地域の中核的な役割を担う相談支援事業所でも可とする)と日頃から利用者の緊急事態に備えた対応や入所施設・病院棟からの地域移行に関する事項について連携を図ること。
        • (イ) 基幹相談支援センターによる取組への参画
          令和8年度末までの間、市町村が基幹相談支援センターを設置していない場合、㈡のエ、㈢のエ及び㈣のウに規定する要件については、基幹相談支援センターが行う地域の相談支援体制の強化の取組に参画していることに代えて、基幹相談支援センターに準ずる地域の相談支援の中核を担う機関が行う地域の相談支援体制の強化の取組に参画していることとする。
          なお、地域の相談支援の中核を担う機関とは、具体的には、主任相談支援専門員配置加算(Ⅰ)を算定する指定障害児相談支援事業所等を想定している。また、地域の相談支援体制の強化の取組については、㈡のエの規定を参照すること。
(3) 障害児支援利用援助費及び継続障害児支援利用援助費の適用について
  • 取扱件数の取扱いについて
    取扱件数(⑵の③の㈠のアの(カ)に規定するところにより算定したものとする。以下同じ。)が40件以上の場合は、40件以上に相当する件数に相談支援専門員の平均員数を乗じた件数(小数点以下の端数は切り捨てる。)が、算定月における障害児支援利用援助費(Ⅱ)又は継続障害児支援利用援助費(Ⅱ)を適用する件数となる。
  • 障害児支援利用援助費及び継続障害児支援利用援助費の割り当てについて
    障害児支援利用援助費(Ⅰ)又は(Ⅱ)及び継続障害児支援利用援助費(Ⅰ)又は(Ⅱ)の利用者ごとの割り当てに当たっては、利用者の契約日が新しいものから順に、(3)において算定した件数分について、障害児支援利用援助費(Ⅱ)又は継続障害児支援利用援助費(Ⅱ)を割り当て、それ以外の利用者について、障害児支援利用援助費(Ⅰ)又は継続障害児支援利用援助費(Ⅰ)を割り当てること。
    なお、当該指定障害児相談支援事業所が指定特定相談支援事業所も一体的に運営している場合は、指定特定相談支援事業所における利用者の契約日が新しいものから順に割り当て、その後に指定障害児相談支援事業所の利用者の契約日が新しいものから順に割り当てること。
(4) 継続障害児支援利用援助費の算定月の取扱いについて

継続障害児支援利用援助費については、モニタリング期間ごとに指定継続障害児支援利用援助を実施する場合に算定するが、対象者が不在である等により当該期間を踏まえ、市町村が障害児等の心身の状況等を勘案して柔軟かつ適切に設定する期間ごとに設定された指定継続障害児支援利用援助の実施予定月の翌月となった場合であって、市町村がやむを得ないと認めるときは、当該翌月においても継続障害児支援利用援助費を算定できること。なお、機能強化型継続障害児支援利用援助費についても同様である(以下⑸において同じ。)。

(5) 同一の月に指定継続障害児支援利用援助と指定障害児支援利用援助を行う場合について

障害児相談支援費については、通所給付決定の有効期間の終期月等において、指定継続障害児支援利用援助を行った結果、通所給付決定の更新等の申請がなされ、同一の月に当該申請に係る指定障害児支援利用援助を行った場合には、障害児支援利用計画の作成の一連の支援であることから、継続障害児支援利用援助費は算定せず、障害児支援利用援助費のみ算定するものとする。
なお、通所給付決定に当たって指定障害児支援利用援助を行った後、同一の月に当該通所給付決定に係るサービスの利用状況を検証するための指定継続障害児支援利用援助を行った場合には、障害児支援利用援助費及び継続障害児支援利用援助費の両方を算定できるものであること。

2 特別地域加算の取扱いについて

特別地域加算について

障害児相談支援報酬告示1の注8の特別地域加算については、第二の2の(4)の①を準用する。

第二の2の(4)の①

特別地域加算を算定する利用者に対して、指定通所基準第71条の13第5号に規定する通常の事業の実施地域を越えて支援を提供した場合、指定通所基準第71条の12第3項に規定する交通費の支払いを受けることはできないこととする。

3 地域生活支援拠点等機能強化加算の算定について

(1) 趣旨

当該加算は、障害者等の重度化・高齢化や親亡き後を見据え、地域生活障害者等(障害者総合支援法第77条第3項の規定に基づく地域生活障害者等をいう。以下同じ。)の緊急時に備えた相談や緊急時の対応、入院・入所からの地域移行の推進等、地域体制の構築を目的とする地域生活支援拠点等についての機能強化に資する取組を評価するものである。

具体的な算定要件としては、計画相談支援及び障害児相談支援(機能強化型(継続)サービス利用支援費(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定する場合に限る。)と自立生活援助、地域移行支援及び地域定着支援の全てのサービス(以下「拠点機能強化サービス」と総称する。)を一体的に運営していること又は拠点機能強化サービスに係る複数の事業者が、地域生活支援拠点等のネットワークにおいて相互に連携して運営していること、かつ、市町村により地域生活支援拠点等に位置付けられた場合であって、相互の有機的な連携及び調整等の業務に従事する者(以下「拠点コーディネーター」という。 )が常勤で1以上配置されている事業所(拠点コーディネーターが当該事業所以外の拠点関係機関に配置されている場合を含む。以下「拠点機能強化事業所」と総称する。)について加算する。

(2) 拠点コーディネーターの要件及び業務

拠点コーディネーターについては、専ら当該地域生活支援拠点等におけるコーディネート業務に従事することを基本とし、原則として、拠点コーディネーターが他の職務を兼ねることはできない。ただし、障害の特性に起因して生じる事態等における緊急的な支援や、地域生活障害者等の地域移行等に係る支援など、拠点コーディネーターが自ら支援を提供することについて市町村が特に必要と認める場合には、拠点機能強化事業所の他の職務に従事することができるものとする。

なお、拠点コーディネーターの要件及び実施すべき業務については、「地域生活支援拠点・ネットワーク運営推進事業の実施について(令和6年3月29日障発0329第8号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)」を参照すること。

(3) 算定に当たっての留意事項
  • 当該加算については、地域生活支援拠点等に配置された拠点コーディネーター1人当たり、1月につき100回を上限として算定する。この上限については、拠点機能強化事業所の単位における算定回数の合計であることから、相互に連携して運営する拠点機能強化事業所については、事前に毎月の算定回数の目安を共有しておくこと。
  • 拠点機能強化事業所は、1月に1回以上の頻度で、拠点コーディネーター及び拠点機能強化事業所の従業者が参加し、当該加算の算定状況の共有に加え、地域生活支援拠点等における機
    能の整備状況、支援において明らかになった地域課題の抽出及び共有その他地域生活支援拠点等の機能強化を推進するために必要な事項を協議すること。
    また、その協議内容については、市町村の職員出席や書面の提出等の方法により、市町村と共有すること。
  • 当該加算の算定に係る事務処理等の詳細については、この通知に定めるもののほか、「地域生活支援拠点等の機能強化について(令和6年3月29日障障発0329第1号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)」を参照すること。

4 利用者負担上限額管理加算の取扱いについて

利用者負担上限額管理加算について

障害児相談支援報酬告示2の利用者負担上限額管理加算については、第二の2の(1)の⑧を準用する。

第二の2の(1)の⑧

通所報酬告示第1の4の利用者負担上限額管理加算の注中、「通所利用者負担額合計額の管理を行った場合」とは、利用者が、通所利用者負担合計額の管理を行う指定障害児通所支援事業所等以外の障害児通所支援又は障害福祉サービスを受けた際に、上限額管理を行う事業所等が当該通所給付決定保護者(18歳以上の利用者の場合は本人)の負担額合計額の管理を行った場合をいう。
なお、負担額が負担上限額を実際に超えているか否かは算定の条件としない。

5 初回加算の取扱いについて

初回加算の取扱いについて

障害児相談支援報酬告示3の初回加算については、具体的には次のような場合に算定される。

  • 新規に障害児支援利用計画を作成する場合
    なお、指定障害児相談支援を利用せずに障害児通所支援を利用している障害児相談支援対象保護者について障害児支援利用計画を作成する場合についても含まれる。
  • 障害児相談支援対象保護者が障害児通所支援を利用する月の前6月間において障害児通所支援及び障害福祉サービスを利用していない場合
  • 指定障害児相談支援に係る契約をした日から障害児支援利用計画案を交付した日までの期間が3月を超える場合であって、3月が経過する日以後に月2回以上、障害児等に面接した場合
    なお、テレビ電話装置等を活用して面接した場合を含む。
    ただし、月に1回は障害児の居宅を訪問し、面接することを要するものである。この場合においても、障害児等に対して面接方法に係る意向を確認するとともに、居宅を訪問して面接することを希望する場合は、居宅を訪問して面接するよう努めること。

    上記の要件を満たす場合については、その月分の初回加算に相当する額を加えた単位(所定単位数に当該面接を行った月の数(3を限度とする。)を乗じて得た単位数)を加算するものである。

    ただし、初回加算の算定月から、前6月間において保育・教育等移行支援加算を算定している場合は、初回加算を算定できない。

6 主任相談支援専門員配置加算について

(1) 趣旨

当該加算の対象となる事業所は、相談支援従事者主任研修を修了した常勤かつ専従の主任相談支援専門員を1名以上配置し、当該主任相談支援専門員が適切な助言・指導を行うことができる体制が整備されていることが必要となる。
なお、主任相談支援専門員の兼務の取扱いについては、機能強化型障害児支援利用援助費と同趣旨であるため、㈠のアの(ア)のbを参照すること。

(2) 算定にあたっての留意事項

当該加算は、主任相談支援専門員に求められる地域における中核的な役割を踏まえ、次に掲げる区分に応じ、算定する。

  • 主任相談支援専門員配置加算(Ⅰ)
    • (一) 事業所の要件
      基幹相談支援センターの委託を受けている、児童発達支援センターに併設される又は地域の相談支援の中核を担う機関として市町村長が認める指定障害児相談支援事業所に限る。
    • (二) 主任相談支援専門員が行うべき事項
      主任相談支援専門員による地域における中核的な役割として期待される取組を特に評価するため、当該指定障害児相談支援事業所の従業者に加え、当該指定障害児相談支援事業所以外の指定障害児相談支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定一般相談支援事業所の従業者に対しても、その資質の向上のための研修を実施した場合に算定できるものである。

      なお、ここでいう「研修を実施した場合」とは次に掲げるいずれの要件も満たす体制が整備されていなければならない。
      • ア 利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議の開催
      • イ 新規に採用した全ての相談支援専門員に対する主任相談支援専門員の同行による研修の実施
      • ウ 当該相談支援事業所の全ての相談支援専門員に対して、地域づくり、人材育成、困難事例への対応などサービスの総合的かつ適切な利用支援等の援助技術の向上等を目的として主任相談支援専門員が行う指導、助言エ 基幹相談支援センターが実施する地域の相談支援事業者の人材育成や支援の質の向上のための取組の支援(日常的な支援方針等を検討する場の設置・運営、事業所の訪問や相談支援従事者の業務への同行等による専門的な助言、研修会の企画・運営(相談支援従事者研修の実習の受入を含む。)等を基幹相談支援センターの職員と共同で実施していること(ただし、市町村が基幹相談支援センターを設置していない場合は、地域の相談支援の中核を担う機関が実施する取組への協力とする。)。
  • 主任相談支援専門員配置加算(Ⅱ)
    当該指定障害児相談支援事業所の従業者又は当該指定障害児相談支援事業所以外の指定障害児相談支援事業所、指定特定相談支援事業所及び指定一般相談支援事業所の従業者に対し、その資質の向上のための研修を実施した場合に算定できるものである。

    なお、ここでいう「研修を実施した場合」とは、①の㈡のアからウに規定する要件に加えて、次に掲げる要件も満たす体制が整備されていなければならない。

    基幹相談支援センターが実施する地域の相談支援事業者の人材育成や支援の質の向上のための取組の支援(日常的な支援方針等を検討する場の設置・運営、事業所の訪問や相談支援従事者の業務への同行等による専門的な助言、研修会の企画・運営(相談支援従事者研修の実習の受入を含む。)等)への主任相談支援専門員の協力(ただし、市町村が基幹相談支援センターを設置していない場合は、地域の相談支援の中核を担う機関が実施する取組への協力とする。)
(3) 手続

この加算を算定する場合は、研修を修了した主任相談支援専門員を配置している旨を市町村へ届け出るとともに、体制が整備されている旨を事業所に掲示するとともに公表する必要があること。
専門員を配置している旨を市町村へ届け出るとともに、体制が整備されている旨を事業所に掲示するとともに公表する必要があること。

7 入院時情報連携加算の取扱いについて

(1) 趣旨

障害児相談支援報酬告示の5の入院時情報連携加算の注中「必要な情報」とは、具体的には、当該障害児等の基本情報、障害児の状態、支援における留意点等、家族・世帯の状況、生活の状況、受診・服薬の状況等をいう。
なお、医療機関との連携に当たっては、当該事項を記載した入院時情報提供書を作成し、当該障害児等の同意の上、医療機関に提供することを基本とする。

(2) 算定に当たっての留意事項

当該加算は、次に掲げる区分に応じ、障害児相談支援対象保護者1人につき1月に1回を限度として算定する。

  • 入院時情報連携加算(Ⅰ)
    医療機関へ出向いて、当該医療機関の職員と面談し、必要な情報を提供した場合に所定単位数を加算する。
  • 入院時情報連携加算(Ⅱ)
    ①以外の方法により必要な情報を提供した場合に所定単位数を加算する。
(3) 手続

情報提供を行った日時、場所(医療機関へ出向いた場合)、内容、提供手段(面談、FAX等)等について記録(基準省令第30条第2項に規定する記録をいう。以下同じ。)を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

8 退院・退所加算の取扱いについて

(1) 趣旨

病院若しくは診療所又は児童福祉施設等へ入院、入所等をしていた障害児が退院、退所し、障害児通所支援を利用する場合において、当該障害児の退院、退所に当たって、当該施設の職員と面談を行い、当該障害児及びその家族に関する必要な情報の提供を得た上で、障害児支援利用計画を作成し、障害児通所支援の利用に関する調整を行い、当該障害児の保護者が障害児通所支援の支給決定を受けた場合に加算するものである。

ただし、初回加算を算定する場合は、当該加算は算定できない。

なお、障害児及びその家族に関する必要な情報とは、第四の7の(1)の入院時情報連携加算において具体的に掲げた内容に加え、入院、入所等の期間中の障害児に係る心身の状況の変化並びに退院、退所に当たって特に配慮等すべき事項の有無及びその内容をいう。

(2) 算定に当たっての留意事項

退院・退所加算については、入院、入所等の期間中に実施した情報収集又は調整等に関して、当該利用者のサービス等利用計画の作成に係るサービス利用支援費の算定に併せて当該入院、入所の開始から退院、退所までの間において3回分を限度に加算を算定できるものであること。

(3) 手続

退院、退所する施設の職員と面談を行い情報の提供を受けた場合には、相手面談日時その内容要旨及び障害児支援利用計画に反映されるべき内容に関する記録を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

9 保育・教育等移行支援加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算は、これまで障害福祉サービス等を利用していた利用者が就学、進学する場合又は通常の事業所に新たに雇用される場合であって、保育所、小学校、特別支援学校、雇用先の事業所又は障害者就業・生活支援センター等(以下9において「関係機関」という。)へ引継ぐ場合において、一定期間を要するものに対し、当該利用者を担当している相談支援専門員が、以下に掲げる業務を行った場合に所定単位数を加算するものである。

  • 関係機関への情報提供
    関係機関に対して障害児に関する必要な情報を提供し、関係機関における障害児の支援内容の検討に協力する場合
  • 障害児等への訪問による面接
    障害児が保育所等に通い、又は通常の事業所に新たに雇用されるに当たり、月2回以上障害児等に面接する場合
  • 関係機関が開催する会議への参加
    障害児が保育所等に通い、又は通常の事業所に新たに雇用され、関係機関による支援を受けるに当たり、関係者が開催する会議に参加する場合
(2) 算定に当たっての留意事項
  • 関係機関への情報提供
    障害児相談支援報酬告示7の保育・教育等移行支援加算の注中(1)の「必要な情報の提供」は文書(この目的のために作成した文書に限る)によるものをいう。

    障害児相談支援報酬告示7の保育・教育等移行支援加算の注中(1)の「支援内容の検討に協力する場合」とは、具体的には、関係機関の職員等が実施するアセスメントに同行することや、当該障害児に関する直近の障害児支援利用計画モニタリング結果等を情報提供した上で、障害児の心身の状況生活環境及びサービスの利用状況等を保育所等の職員等に対して説明を行った場合等をいう。
  • 障害児等への訪問による面接
    同注中⑵の「面接」については、テレビ電話装置等を活用して面接した場合を含む
    ただし、月に1回は障害児の居宅を訪問し、面接することを要するものである。
    この場合においても、障害児等に対して面接方法に係る意向を確認するとともに、居宅を訪問して面接することを希望する場合は、居宅を訪問して面接するよう努めること。
  • 関係機関が開催する会議への参加
    会議への参加については、テレビ電話装置等を活用して行うことができる。
  • 加算の算定方法
    当該加算は、(1)の①から③までに該当する場合、障害福祉サービス等を利用している期間においては、1月につき同注中(1)から(3)までのそれぞれに定める単位数(それぞれ2回を限度とする)を合算した単位数を加算し、障害福祉サービス等の利用を終了した日から起算して6月以内においては、1月につきそれぞれに定める単位数を合算した単位数を加算する。

    例えば、障害児相談支援対象保護者が小学校等に就学するにあたり、1月に居宅を2回以上訪問し、障害児等に面接をし、かつ、小学校等が開催する会議に参加する場合は、それぞれ所定単位を算定できる。

    ただし、複数の関係機関が開催する会議同一日に連続して一体的に開催される場合算定回数は1回とする。

    また、当該加算は、障害児が保育所等に通う場合、通常の事業所等に新たに雇用された場合に算定できるものである。

    ただし、指定障害児支援利用援助費、指定継続障害児支援利用援助費、入院時情報連携加算又は退院・退所加算を算定している月は、当該加算は算定できない(同注中(1)については、指定障害児支援利用援助費又は指定継続障害児支援利用援助費を算定している月でも算定可能である)。
(3) 手続
  • 障害児相談支援報酬告示7の保育・教育等移行支援加算の注中(1)を算定する場合は第4の7の(3)の規定を準用する。
  • 同注中(2)を算定する場合は、面談日時、その内容の要旨に関する記録を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。
  • 同注中(3)を算定する場合は、会議の出席者開催日時、検討した内容の要旨及びそれを踏まえた対応方針に関する記録を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあ
    った場合については、提出しなければならない。

10 医療・保育・教育機関等連携加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算は、障害児が利用する病院等、訪問看護事業所、保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等の関係機関との日常的な連携体制を構築するとともに、障害児の状態や支援方法の共有を行うことを目的とするものであるから、当該加算の算定場面に限らず、関係機関との日常的な連絡調整に努めること。
当該加算の算定が可能な場合は次のとおりである。

  • 福祉サービス等提供機関の職員との面談等
    福祉サービス等提供機関(障害児通所支援事業者及び障害福祉サービス等事業者を除く。以下10において同じ。)の職員との面談又は会議により、障害児に関する必要な情報の提供を受けた上で指定障害児支援利用援助又は指定継続障害児支援利用援助を行った場合
  • 障害児への通院同行
    障害児が病院等に通院するに当たり、病院等を訪問し、当該病院等の職員に対して利用者に係る必要な情報を提供した場合
  • 福祉サービス等提供機関への情報提供
    福祉サービス等提供機関からの求めに応じて障害児に関する必要な情報を提供した場合
(2) 算定に当たっての留意事項
  • 連携の対象機関
    指定障害児相談支援の実施に当たっては、障害児相談支援基準上、障害児通所支援等事業者と連携することが求められているところ、障害児通所支援等事業者以外の福祉サービス等提供機関との連携も望ましいとしている。
    当該加算は、医療・保育・教育機関をはじめとする各福祉サービス等提供機関との連携をさらに促進することを目的とするものであることから、連携の対象機関については、障害児通所支援等事業者以外の福祉サービス等提供機関と規定しているものである。具体的には、病院等、訪問看護事業所、児童相談所、企業、保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等が対象となる。
  • 福祉サービス等提供機関の職員との面談等
    福祉サービス等提供機関の職員との会議については、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものである。
    また、様々な専門的見地からの意見等を踏まえて障害児支援利用計画を作成するため、サービス担当者会議には障害児通所支援等の担当者のみならず必要な本人の生活に関係する者や支援関係者が参加するように努めることとしていることから、サービス担当者会議において福祉サービス等提供機関の職員から必要な情報の提供を受ける場合も、医療・保育・教育機関等連携加算の算定が可能である。なおこの場合において、サービス担当者会議実施加算の算定はできない。
    なお、当該加算は、初回加算を算定する場合又は退院・退所加算を算定し、かつ、退院又は退所する施設の職員のみから情報の提供を受けている場合は算定することができないものであること。
  • 利用者への通院同行
    当該加算は、単に障害児の病院等への通院に同行することを評価するものではなく、通院に同行した上で、病院等の職員等に対して、当該障害児の基本情報、障害児の状態、支援における留意点等、家族・世帯の状況、生活の状況、受診・服薬の状況、サービスの利用状況及び障害児支援利用計画の内容等の必要な情報を提供し、連携の強化を図ることを趣旨とするものである。そのため、例えば、障害児の状態に変化があった場合又は障害児の治療や療養上病院等と在宅生活の支援に係る関係機関等が連携する必要がある場合並びに利用するサービス及び障害児支援利用計画に変更があった場合等に算定することを想定している。
    なお、情報提供に当たっては、入院時情報提供書等を参考にした上で行うこと。
  • 福祉サービス等提供機関への情報提供
    次の区分ごとにそれぞれ 1 月に 1 回を限度に算定するものとしている。
    • ㈠ 病院等、訪問看護事業所
    • ㈡ ㈠以外の福祉サービス等提供機関
      なお、㈠に掲げる機関への情報提供に当たっては、入院時情報提供書等を参考にした上で行うこと。
      また、病院等への情報提供と同じ月において、同病院等に対して通院同行により情報提供している場合、重複して算定することはできないが、異なる病院等に対して情報提供を行う場合はそれぞれで算定することが可能である。
  • 加算の算定方法
    当該加算は、⑴の②から④までに該当する場合、1 月につきそれぞれに定める単位数を合算した単位数を加算する。
    例えば、福祉サービス等提供機関の職員と面談し、かつ、利用者への通院同行する場合は、それぞれ所定単位数を算定できる。
(3) 手続

第四の8の(3)の規定を準用する。

第四の8の(3)

退院、退所する施設の職員と面談を行い情報の提供を受けた場合には、相手や面談日時、その内容の要旨及び障害児支援利用計画に反映されるべき内容に関する記録を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

11 集中支援加算について

(1) 趣旨

当該加算は計画決定月及びモニタリング対象月以外において、以下に掲げるいずれかの業務を行ったものである。
なお、当該加算は、定期的なモニタリングの場面以外で支援の必要が生じた場合において、緊急的、臨時的に対応したことを評価するものであるため、頻回に算定が必要となる利用者については、モニタリング期間を改めて検証する必要があることに留意すること。

  • 障害児等への訪問による面接
    障害児等又は市町村等の求めに応じ月2回以上、障害児等に面接する場合
  • サービス担当者会議の開催
    サービス担当者会議を開催し、障害児支援利用計画の変更等について検討を行う場合
  • 関係機関が開催する会議への参加
    福祉サービス等提供機関が開催する会議に参加し、関係機関相互の連絡調整を行った場合
  • 障害児への通院同行
    障害児が病院等に通院するに当たり、病院等を訪問し、当該病院等の職員に対して障害児に係る必要な情報を提供した場合
  • 福祉サービス等提供機関への情報提供
    福祉サービス等提供機関からの求めに応じて障害児に関する必要な情報を提供した場合
(2) 算定にあたっての留意事項
  • 連携の対象機関
    (1)のとおり、当該加算は、定期的なモニタリングの場面以外で支援の必要が生じた場合において、緊急的、臨時的に対応したことを評価するものであるため、連携の対象機関については、障害児支援利用計画に位置付けられている又は位置付けられることが見込まれる福祉サービス等提供機関であり、具体的には、障害福祉サービス事業者、一般相談支援事業者、障害児通所支援事業者、障害児入所施設、指定発達支援医療機関、病院等、企業、地方自治体等をいう。
  • 障害児等への訪問による面接
    障害児相談支援報酬告示9の集中支援加算の注中(1)の「障害児相談支援対象保護者又は市町村等」とは、障害児等、市町村、福祉サービス等の事業を行う者等をいう。
    「面接」については、第四の9の⑵の②の規定を準用する。
  • サービス担当者会議の開催
    サービス担当者会議の開催に当たっては、障害児等も出席し、利用するサービスに対する意向等を確認しなければならない。
  • 関係機関が開催する会議への参加
    福祉サービス等を提供する機関等からの求めに応じた会議参加については、保育・教育等移行支援加算における会議参加と会議の趣旨、つなぎ先等が同様で、保育・教育等移行支援加算を算定する場合、本加算は算定できないことに留意すること。
    また、入院時情報連携加算(Ⅰ)又は退院・退所加算を算定している場合においても当該加算は算定できない。
  • 利用者への通院同行
    第四の 10 の(2)の③の規定を準用する。
  • 福祉サービス等提供機関への情報提供
    第四の 10 の(2)の④の規定を準用する。
  • 加算の算定方法
    当該加算は、(1)の①から⑤までに該当する場合、1月につきそれぞれに定める単位数を合算した単位数を加算する。
    例えば、1月に2回以上障害児等に面接し、かつ、障害児への通院同行を行う場合は、それぞれ所定単位数を算定できる。
    なお、②から⑥のいずれの場合も、指定障害児支援利用援助費又は指定継続障害児支援利用援助費を算定している場合は、当該加算は算定できない。
(3) 手続
  • 障害児相談支援報酬告示9の集中支援加算の注中(1)を算定する場合は、第四の9の(3)の②の規定を準用する。
  • 同注中(2)を算定する場合は、サービス担当者会議の出席者や開催日時、検討した内容の要旨及びそれを踏まえた対応方針に関する記録を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。
  • 同注中(3)を算定する場合は、第四の9の(3)の③の規定を準用する。

12 サービス担当者会議実施加算の取扱いについて

(1) 趣旨

継続障害児支援利用援助の実施時において、障害児の居宅等を訪問し障害児等に面接することに加えて、障害児支援利用計画に位置付けた福祉サービス等の担当者を招集してサービス担当者会議を開催し、相談支援専門員が把握した障害児支援利用計画の実施状況(障害児相談支援対象保護者についての継続的な評価を含む。)について説明を行うとともに、担当者から専門的な見地からの意見を求め、障害児支援利用計画の変更その他必要な便宜の提供について検討を行った場合に加算するものである。

(2) 算定に当たっての留意事項

サービス担当者会議の開催に係る取扱いについては、障害児相談支援基準第15条第2項第10号に規定するとおりとする。
サービス担当者会議において検討した結果、障害児支援利用計画の変更を行った場合は、障害児支援利用援助費を算定することとなるため、当該加算は算定できないものであること。
また、障害児相談支援報酬告示8の医療・保育・教育機関等連携加算の注中⑴を算定する場合も、同加算においてサービス担当者会議の開催等に係る業務を評価していることから、当該加算は算定できない。

(3) 手続

第四の11の(3)の②の規定を準用する。

13 サービス提供時モニタリング加算の取扱いについて

(1) 趣旨

継続障害児支援利用援助の実施時又はそれ以外の機会において、障害児支援利用計画に位置付けた障害児通所支援を提供する事業所又は当該障害児通所支援の提供場所を訪問し、支援の提供場面を直接確認することにより、支援の提供状況について詳細に把握し、確認結果の記録を作成した場合に加算するものである。
なお、支援提供時のモニタリングを実施するに当たっては次のような事項を確認し、記録するものとする。
① 障害児通所支援の事業所等における支援の提供状況
② 支援提供時の障害児の状況
③ その他必要な事項

(2) 算定に当たっての留意事項

1人の相談支援専門員が1月に請求できる当該加算の件数は39件(相談支援員の場合は19件)を限度とし、当該障害児が利用する障害児通所支援事業所等の業務と兼務している場合であって、かつ当該事業所における支援提供場面のみを確認した場合は、加算は算定できないものであること。
障害児通所支援の提供場所等が特別地域に所在する場合であって、指定障害児相談支援事業所との間に一定の距離がある場合は、訪問に代えてテレビ電話装置等を活用して支援提供場面を確認することも可能である。
なお、一定の距離については、障害児通所支援の提供場所等への訪問に片道概ね1時間を要する距離とする。
また、当該時間については、交通機関の運行頻度が少ない等により、合理的経路かつ最短時間となる移動方法を選択した場合の待機時間も含むものであること。

(3) 手続

(1)における記録を作成し、5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

14 行動障害支援体制加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算の対象となる事業所は、行動障害のある障害児に対して適切な障害児相談支援を実施するために、各都道府県が実施する強度行動障害支援者養成研修(実践研修)又は行動援護従業者養成研修を修了した常勤の相談支援専門員を1名以上配置し、行動障害のある障害児への支援を現に実施している又は行動障害のある障害児について適切に対応できる体制が整備されていることが必要となる。
なお、強度行動障害を有する障害児の保護者から利用申込みがあった場合に、障害特性に対応できないことを理由にサービスの提供を拒むことは認めないものとすることに留意すること。

(2) 算定に当たっての留意事項
  • 共通事項
    当該加算は行動障害のある障害児に対して適切な障害児相談支援を実施するための体制を整備することを評価するものであることから、強度行動障害を有する障害児のみならず、当該指定障害児相談支援事業所における全ての障害児の保護者に対して指定障害児支援利用援助又は指定継続障害児支援利用援助を実施する場合に加算することができるものである。
  • 行動障害支援体制加算(Ⅰ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を1名以上配置し、その旨を公表している場合であって、かつ、(一)に規定する障害児に対して(二)に規定する支援を行っている場合に算定するものである。
    • (一) 対象となる障害児
      当該区分は、支援対象者の要件を児基準の合計点数が20点以上である者(以下「強度行動障害を有する児」という。)としている。そのため、障害児が強度行動障害を有するかについて、一定期間毎に確認すること。
      なお、当該確認にあたって、受給者証の記載(加算対象等)により確認が可能な場合は、これによって確認することも考えられる。
    • (二) 対象者への支援
      当該区分は、研修を修了した相談支援専門員により、強度行動障害を有する児に対して現に指定障害児相談支援を行っていることを要件としているが、「現に指定障害児相談支援を行っている」とは、前6月に、強度行動障害を有する児に対して指定障害児相談支援を行っていることとする。

      そのため、強度行動障害を有する児に対する指定障害児相談支援の実施状況について管理しておくこと。

      なお、研修を修了した相談支援専門員が同一敷地内に所在する指定特定相談支援事業所の職務を兼務する場合であって、強度行動障害を有する者(障害支援区分3以上に該当しており、かつ、行動関連項目の合計点数が10点以上である者)又は強度行動障害を有する児に対して指定計画相談支援を行っている場合も当該区分に該当するものである。
  • 行動障害支援体制加算(Ⅱ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を1名以上配置し、その旨を公表している場合に算定するものである。
(3) 手続

当該加算を算定する場合は、研修を修了した相談支援専門員を配置している旨を市町村へ届け出るとともに、体制が整備されている旨を事業所に掲示するとともに公表する必要があること。

15 要医療児者支援体制加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算の対象となる事業所は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児(以下「医療的ケア児等」という。)に対して適切な障害児相談支援を実施するために、医療的ケア児等の障害特性及びこれに応じた支援技法等に関する研修を修了した常勤の相談支援専門員を1名以上配置し、医療的ケア児等への支援を現に実施している又は医療的ケア児等について適切に対応できる体制が整備されていることが必要となる。

ここでいう「医療的ケア児等の障害特性及びこれに応じた支援技法等に関する研修」とは、医療的ケア児等総合支援事業により行われる医療的ケア児等コーディネーター養成研修その他これに準ずるものとして都道府県知事が認める研修をいう。
なお、医療的ケアが必要な障害児の保護者から利用申込みがあった場合に、利用者の障害特性に対応できないことを理由にサービスの提供を拒むことは認めないものとすることに留意すること。

(2) 算定に当たっての留意事項
  • 共通事項
    第四の 14 の(2)の①と同趣旨であり、適宜「医療的ケア児等」と読み替えること。
  • 要医療児者支援体制加算(Ⅰ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を 1 名以上配置し、その旨を公表している場合であって、かつ、(一)に規定する障害児に対して(二)に規定する支援を行っている場合に算定するものである。
    • (一) 対象となる障害児
      当該区分は、支援対象者の要件を医療的ケアスコア表の項目の欄に掲げるいずれかの医療行為を必要とする状態である児童(以下「対象医療的ケア児」という。)としている。そのため、障害児が対象医療的ケア児に該当するかについて、一定期間毎に確認すること。なお、当該確認にあたって、受給者証の記載(加算対象等)により確認が可能な場合は、これによって確認することも考えられる。
    • (二) 対象者への支援
      当該区分は、研修を修了した相談支援専門員により、対象医療的ケア児に対して現に指定障害児相談支援を行っていることを要件としているが、「現に指定障害児相談支援を行っている」とは、前6月に、対象医療的ケア児に対して指定障害児相談支援を行っていることとする。そのため、対象医療的ケア児に対する指定障害児相談支援の実施状況について管理しておくこと。

      なお、研修を修了した相談支援専門員が同一敷地内に所在する指定特定相談支援事業所の職務を兼務する場合であって、医療的ケアスコア表の項目の欄に掲げるいずれかの医療行為を必要とする状態である者に対して指定特定相談支援を行っている場合も当該区分に該当するものである。
  • 要医療児者支援体制加算(Ⅱ
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員 1 名以上配置し、その旨を公表している場合に算定するものである。
(3) 手続

第四の14の(2)の規定を準用する。

16 精神障害者支援体制加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算の対象となる事業所は、精神科病院等に入院する障害児及び地域において生活等をする精神障害のある障害児に対して、適切な障害児相談支援を実施するために、精神障害者等の障害特性及びこれに応じた支援技法等に関する研修を修了した常勤相談支援専門員を1名以上配置し、精神に障害を有する児童への支援を現に実施しており、かつ、障害児が通院する病院等若しくは障害児が利用する訪問看護事業所における保健師、看護師若しくは精神保健福祉士等と必要
な連携をとっている又は精神に障害を有する児童について適切に対応できる体制が整備されていることが必要となるものである。

ここでいう「精神障害者の障害特性及びこれに応じた支援技法等に関する研修」とは、地域生活支援事業通知の別紙1地域生活支援事業実施要綱別記1―17に定める精神障害関係従事者養成研修事業若しくは精神障害者支援の障害特性と支援技法を学ぶ研修事業又は同通知の別紙2地域生活支援促進事業実施要綱別記2―18に定める精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業において行われる精神障害者の地域移行関係職員に対する研修事業により行われる研修その他これに準ずるものとして都道府県知事が認める研修をいう。

なお、精神に障害を有する児童の保護者から利用申込があった場合に、障害特性に対応できないことを理由にサービスの提供を拒むことは認めないものとすることに留意すること。

(2) 算定に当たっての留意事項
  • 共通事項
    第四の 14 の(2)の①と同趣旨であり、適宜「精神に障害を有する児童」と読み替えること。

    【第四の 14 の(2)の①】
    当該加算は行動障害のある知的障害者や精神障害者に対して適切な計画相談支援を実施するための体制を整備することを評価するものであることから、強度行動障害を有する利用者のみならず、当該指定特定相談支援事業所における全ての利用者に対して指定サービス利用支援又は指定継続サービス利用支援を実施する場合に加算することができるものである。

  • 精神障害者支援体制加算(Ⅰ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を 1 名以上配置し、その旨を公表している場合であって、かつ、㈠に規定する障害児に対して㈡に規定する支援を行っており、㈢に規定する連携体制が構築されている場合に算定するものである。
    • (一) 対象となる障害児
      当該区分は、支援対象者の要件を児童福祉法第4条第2項に規定する精神に障害のある児童(以下「精神に障害のある児童」という。)としている。
      そのため、障害児が精神に障害のある児童に該当するかについて、一定期間毎に確認すること。
      なお、当該確認にあたっては、精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療(精神通院医療)の受給者証診断書、医療機関からの診療情報提供書等によって確認することが考えられる。
    • (二) 対象者への支援
      当該区分は、研修を修了した相談支援専門員により、精神に障害のある児童に対して現に指定障害児相談支援を行っていることを要件としているが、「現に指定障害児相談支援を行っている」とは、前6月に、精神に障害のある児童の保護者に対して指定障害児相談支援を行っていることとする。そのため、精神に障害のある児童に対する指定障害児相談支援の実施状況について管理しておくこと。
      なお、研修を修了した相談支援専門員が同一敷地内に所在する指定特定相談支援事業所の職務を兼務する場合であって、障害者総合支援法第4条第1項に規定する精神障害者に対して指定特定相談支援を行っている場合も当該区分に該当するものである。
    • (三) 病院等における保健師、看護師又は精神保健福祉士との連携体制
      当該区分は、精神疾患を有する患者であって重点的な支援を要するものに対して支援を行う病院等又は訪問看護事業所であって、障害児が通院又は利用するものの保健師、看護師又は精神保健福祉士と連携する体制が構築されていることを要件としている。

      保健師、看護師又は精神保健福祉士と連携する体制が構築されていることとは、少なくとも1年に1回以上研修を修了した相談支援専門員保健師看護師又は精神保健福祉士との間で面談又は会議を行い、精神に障害のある児童に対する支援に関して検討を行っていることとする。

      また、精神疾患を有する患者であって重点的な支援を要するものに対して支援を行う病院等又は訪問看護事業所とは、療養生活継続支援加算を算定している病院等又は精神科重症患者支援管理連携加算の届出をしている訪問看護事業所をいうものであり、障害児が通院又は利用するとは、障害児が前1 年以内に通院又は利用していることとする。
  • 精神障害者支援体制加算(Ⅱ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を1名以上配置し、その旨を公表している場合に算定するものである。
(3) 手続

第四の14の(2)の規定を準用する。

第四の 14 の(2)
  • (2) 算定に当たっての留意事項
    • 共通事項
      当該加算は行動障害のある知的障害者や精神障害者に対して適切な計画相談支援を実施するための体制を整備することを評価するものであることから、強度行動障害を有する利用者のみならず、当該指定特定相談支援事業所における全ての利用者に対して指定サービス利用支援又は指定継続サービス利用支援を実施する場合に加算することができるものである。
    • 行動障害支援体制加算(I)
      当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を1名以上配置し、その旨を公表している場合であって、かつ、(一)に規定する障害者に対して(二)に規定する支援を行っている場合に算定するものである。
      • (一) 対象となる障害者
        当該区分は、支援対象者に障害支援区分3以上に該当しており、かつ、行動関連項目合計点数が10点以上である者(以下「強度行動障害者」という。)がいる場合に、全ての利用者に対して加算できることとしている。

        なお、利用者が強度行動障害児者に該当するかについて、一定期間毎に確認すること。

        また、当該確認にあたって、受給者証の記載(障害支援区分、利用サービス、加算対象等)により確認が可能な場合は、これによって確認することも考えられる。
      • (二) 対象者への支援
        当該区分は、研修を修了した相談支援専門員により、強度行動障害児者に対して現に指定計画相談支援を行っていることを要件としているが、「現に指定計画相談支援を行っている」とは、前6月に、強度行動障害児者に対して指定計画相談支援を行っていることとする。

        そのため、強度行動障害児者に対する指定計画相談支援の実施状況について管理しておくこと。

        なお、研修を修了した相談支援専門員が同一敷地内に所在する指定障害児相談支援事業所の職務を兼務する場合であって、強度行動障害児(児童福祉法に基づく指定障害児相談支援に要する費用の額の算定に関する基準に基づきこども家庭庁長官が定める基準(平成 27年厚生労働省告示第181号)第 6 号のイの(3)に規定する表(児基準)の合計点数が 20 点以上である児童)の保護者に対して指定障害児相談支援を行っている場合も当該区分に該当するものである。
    • 行動障害支援体制加算(II)
      当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を1名以上配置し、その旨を公表している場合に算定するものである。

17 高次脳機能障害支援体制加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算の対象となる事業所は、脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認され、かつ、日常生活又は社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害等の認知障害である者 (以下「高次脳機能障害者」という。)であって満18歳に満たないもの(以下「高次脳機能障害児」という。)に対して適切な障害児相談支援を実施するために、高次脳機能障害支援者養成に関する研修を修了した常勤相談支援専門員を 1 名以上配置し、高次脳機能障害児への支援を現に実施している又は高次脳機能障害児について適切に対応できる体制が整備されていることが必要となる。

ここでいう「高次脳機能障害支援者養成に関する研修」とは、地域生活支援事業通知の別紙1地域生活支援事業実施要綱別記1-12に定める「高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業」として行われる高次脳機能障害支援者養成に関する研修(基礎研修及び実践研修)又はこれに準ずるものとして、同研修におけるカリキュラムで示された研修内容と同等以上のものとして都道府県知事が認める研修をいう。

なお、高次脳機能障害児の保護者から利用申込みがあった場合に、障害特性に対応できないことを理由にサービスの提供を拒むことは認めないものとすることに留意すること。

(2) 算定に当たっての留意事項
  • 共通事項
    第四の 14 の(2)の①と同趣旨であり、適宜「高次脳機能障害児」と読み替えること。

    (第四の 14 の(2)の1)
    当該加算は行動障害のある知的障害者や精神障害者に対して適切な計画相談支援を実施するための体制を整備することを評価するものであることから、強度行動障害を有する利用者のみならず、当該指定特定相談支援事業所における全ての利用者に対して指定サービス利用支援又は指定継続サービス利用支援を実施する場合に加算することができるものである。


  • 高次脳機能障害支援体制加算(Ⅰ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員 1 名以上配置し、その旨を公表している場合であって、かつ、(一)に規定する障害児に対して(二)に規定する支援を行っている場合に算定するものである。
    • (一) 対象となる障害児
      当該区分は、支援対象者の要件を高次脳機能障害児としている。そのため、障害児が高次脳機能障害児に該当するかについて、一定期間毎に確認すること。
      また、当該確認に当たっては、以下のいずれかの書類において高次脳機能障害の診断の記載があることを確認する方法によること。
      • 障害児通所支援等の支給決定における医師の意見書
      • 精神障害者保健福祉手帳の申請における医師の診断書
      • その他医師の診断書等(原則として主治医が記載したものであること。)
    • (二) 対象者への支援
      当該区分は、研修を修了した相談支援専門員により、高次脳機能障害児の保護者に対して現に指定障害児相談支援を行っていることを要件としているが、「現に指定障害児相談支援を行っている」とは、前6月に、高次脳機能障害児に対して指定障害児相談支援を行っていることとする。
      そのため、高次脳機能障害児の保護者に対する指定障害児相談支援の実施状況について管理しておくこと。
      なお、研修を修了した相談支援専門員が同一敷地内に所在する指定障害児相談支援事業所の職務を兼務する場合であって、高次脳機能障害者に対して指定特定相談支援を行っている場合も当該区分に該当するものである。
  • 高次脳機能障害支援体制加算(Ⅱ)
    当該区分は、研修を修了した相談支援専門員を 1 名以上配置し、その旨を公表している場合に算定するものである。
(3) 手続

第四の14の(2)の規定を準用する。

18 ピアサポート体制加算の取扱いについて

ピアサポート体制加算について

障害児相談支援報酬告示15のピアサポート体制加算については、都道府県又は指定都市が実施する障害者ピアサポート研修基礎研修及び専門研修を修了した次の者をそれぞれ常勤換算方法で0.5以上配置する事業所であって、当該者によりその他の従業者に対して障害者に対する配慮等に関する研修が年1回以上行われている場合に算定することができる。

  • 障害者又は障害者であったと市町村が認める者(以下この16において「障害者等」という。)であって、相談支援専門員相談支援員その他指定障害児相談支援に従事する者
  • 管理者相談支援専門員相談支援員その他指定障害児相談支援に従事する者

なお、上記の常勤換算方法の算定に当たっては、併設する事業所(指定自立生活援助事業所、指定地域移行支援事業所、指定地域定着支援事業所又は指定計画相談支援事業所に限る。)の職員を兼務する場合は当該兼務先を含む業務時間の合計が常勤換算方法で0.5以上になる場合を含むものとする。

(1) 算定に当たっての留意事項
  • ア 研修の要件
    「障害者ピアサポート研修」とは、地域生活支援事業通知の別紙1地域生活支援事業実施要綱別記1―17に定める障害者ピアサポート研修事業として行われる基礎研修及び専門研修をいう。
  • イ 障害者等の確認方法
    当該加算の算定要件となる研修の課程を修了した「障害者等」については、以下の書類又は確認方法により確認するものとする。
    • (ア) 身体障害者
      身体障害者手帳
    • (イ) 知的障害者
      • ① 療育手帳
      • ② 療育手帳を有しない場合は、市町村が必要に応じて知的障害者更生相談所に意見を求めて確認する。
    • (ウ) 精神障害者
      以下のいずれかの証書類により確認する(これらに限定されるものではない。)。
      • ① 精神障害者保健福祉手帳
      • ② 精神障害を事由とする公的年金を現に受けていること又は受けていたことを証明する書類(国民年金、厚生年金などの年金証書等)
      • ③ 精神障害を事由とする特別障害給付金を現に受けている又は受けていたことを証明する書類
      • ④ 自立支援医療受給者証(精神通院医療に限る。)
      • ⑤ 医師の診断書(原則として主治医が記載し、国際疾病分類ICD―10コードを記載するなど精神障害者であることが確認できる内容であること) 等
    • (エ) 難病等対象者
      医師の診断書、特定医療費(指定難病)受給者証、指定難病に罹患していることが記載されている難病医療費助成の却下通知等
    • (オ) その他市町村が認める書類又は確認方法
(2) 手続

当該加算を算定する場合は、研修を修了した従業者を配置している旨を市町村へ届け出るとともに、体制が整備されている旨を事業所に掲示するとともに公表する必要があること。

なお、ピアサポーター等の本人の氏名の公表を求めるものではなく、加算の算定要件を満たすピアサポーター等を配置している事業所である旨を公表することを求める趣旨であること。

また、当該旨の公表に当たっては、あらかじめピアサポーターである障害者等の本人に対し、公表の趣旨(※)を障害特性に配慮しつつ丁寧に説明を行った上で、同意を得ることが必要である。

ピアサポートによる支援を希望する者に対し、事業所の選択の重要な情報として知ってもらうために公表するものである。

19 地域生活支援拠点等相談強化加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算は、地域生活支援拠点等の必要な相談機能として、地域の生活で生じる障害児等やその家族の緊急事態において、迅速・確実な相談支援の実施及び短期入所等の活用により、地域における生活の安心感を担保することを目的とするものであり、この加算の対象となる事業所については、地域生活支援拠点等であることを十分に踏まえ、当該加算の趣旨に合致した適切な運用を図られるよう留意されたい。

(2) 算定に当たっての留意事項

当該加算は、障害の特性に起因して生じた緊急の事態その他の緊急に支援が必要な事態が生じた障害児の保護者からの要請に基づき、速やかに指定短期入所事業者に対して当該要支援者に関する必要な情報の提供及び当該指定短期入所の利用に関する調整(以下「連絡・調整」という。)を行った場合に障害児相談支援対象保護者1人につき1月に4回を限度として加算するものである。

また、当該加算は、他の指定障害児相談支援事業所において指定障害児相談支援を行っている障害児等やその家族からの要請に基づき連絡・調整を行った場合は算定できない。

ただし、当該障害児が指定短期入所を含む障害福祉サービス及び障害児通所支援を利用していない場合においては、当該指定障害児相談支援事業所により障害児支援利用計画の作成を行った場合は、当該計画作成に係る障害児支援利用援助費の算定に併せて算定できるものであること。

(3) 手続

当該加算の対象となる連絡・調整を行った場合は、要請のあった時間、要請の内容、連絡・調整を行った時刻及び地域生活支援拠点等相談強化加算の算定対象である旨を記録するものとする。

なお、作成した記録は5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

20 地域体制強化共同支援加算の取扱いについて

(1) 趣旨

当該加算は、指定障害児相談支援事業所が把握した障害児の個別の課題から地域の課題を抽出し、協議会に参画した上で、地域の様々なニーズに対応出来うるサービス提供体制の確保や、地域の社会資源の連携体制の構築に向けた検討を推進することを目的とするものであることから、そのことを十分に踏まえ、当該加算の趣旨に合致した適切な運用を図られるよう留意されたい。

(2) 算定に当たっての留意事項

当該加算は、支援が困難な障害児に対して、当該指定障害児相談支援事業所の相談支援専門員又は相談支援員と福祉サービスを提供する事業者の職員等(以下「支援関係者」という。)が、会議により情報共有及び支援内容を検討し、在宅での療養又は地域において生活する上で必要となる説明等の必要な支援を共同して実施するとともに、地域課題を整理し、協議会に報告を行った場合に加算するものである。
当該加算の対象となる事業所については、以下のいずれかとする。なお、第四の1の(2)の③の(一)のイの(イ)のbの⒝の規定を準用する。

  • 運営規程において、地域生活支援拠点等であることを市町村により位置付けられていることを定めていること。
  • 拠点関係機関との連携体制を確保するとともに、協議会に定期的に参画していること。なお、令和8年度末までの間、市町村が地域生活支援拠点等を整備していない場合は、第四の1の(2)の③の(六)のイの(ア)の規定を準用する。

    また、当該加算で協議会へ報告する事例として想定しているものとしては、利用者の支援に当たり、広く地域の関係者間で検討する必要性がある課題があるものであるため、事例の選定に当たってはその点に留意すること。

    なお、当該加算は、支援が困難な利用者に係る支援等を行う指定障害児相談支援事業所のみが算定できるものであるが、当該指定障害児相談支援事業所の支援等に係る業務負担のみを評価するものではなく、その他の支援関係者の業務負担も評価する趣旨のものである。そのため、その他の支援関係者が支援等を行うに当たり要した費用については、当該指定障害児相談支援事業所が負担することが望ましいものであること。

    なお、協議会等への報告の内容等詳細については、「(自立支援)協議会の設置・運営ガイドライン」(令和6年3月29日厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活・発達障害者支援室)を参照すること。
(3) 手続

当該加算の対象となる会議を行った場合及び利用者に対する説明等の必要な支援を行った場合は、その内容を記録するものとする。なお、作成した記録は5年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

21 遠隔地訪問加算

(1) 趣旨

当該加算は、特別地域に所在し、指定障害児相談支援事業所との間に一定の距離がある障害児等の居宅その他機関を訪問して所定の支援等を行う場合、当該訪問に相当な時間及び費用の負担が生じることを踏まえて算定を可能とするものである。

(2) 算定に当たっての留意事項
  • 対象となる加算
    当該加算は、以下に掲げる加算と合わせて算定するものである。
  • 対象区域
    当該加算の算定対象となる訪問先については、指定障害児相談支援事業所との間に一定の距離がある障害児等の居宅その他機関であるが、一定の距離については、障害児等の居宅その他機関への訪問に概ね片道1時間を要する距離とする。

    また、当該時間については、交通機関の運行頻度が少ない等により、合理的経路かつ最短時間となる移動方法を選択した場合の待機時間も含むものであること。
  • 加算の算定方法
    当該加算の算定に当たっては、300単位に①の(一)から(六)までの算定回数の合計を乗じて得た単位数を算定するものとする。
    ただし、初回加算については、第四の5の(3)に規定する場合に該当する月数(3を限度とする。)を算定回数とする。
    例えば、当該月数が2の場合、当該加算は300単位に2を乗じて600単位を算定するものとする。

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