利用定員とは
障害福祉サービスの事業所には利用定員が定められています。利用者一人当たりに対しての必要な居室面積等は基準で定められています。スタッフの人員も「利用者:スタッフ」の比率も細かく定められており、利用者一人一人が適切なサービスを受けれるように配慮されて設定されています。
利用定員と基本報酬の関係
利用定員は事業立ち上げの際に事業者側が設定し、その利用定員に適合するように施設の面積・人員体制等を決めていきます。
そして利用定員に応じて報酬単位も変わっていきます。利用定員が多くなるほど一人当たりの報酬単価は減少していく設定になっています。これは利用者が増えるほど、固定費の比率がさがっているために調整されていると思われます。ですので、事業者側としては建物の広さから設定できる最大の利用定員よりも、実際の利用者に合わせて利用定員を設定したほうが良いと言えます。
▼報酬算定構造には下表の通りとなっています。利用定員が増えるごとに報酬が減少していきます。その中でも「20人以下」から「21~40人」が一番減少幅が大きく、12%減となります。
実際の利用者が「利用定員」を超える判定は?
実際の利用者が「利用定員」を超えるかどうかの判定はどのようにするのか?月の平均値もしくは日別なのか?不透明であったため、役所に確認しました。
回答としては、日別で判断することになるとのことでした。
超えた場合どうなるか
定員超過になった場合、「×70/100」減算(つまり30%減額)が設定されています。
この減産は一日単位で適用されます。ただし、細かい条件をみると、「利用定員の150%を超えた場合」となっています。
定員20名 × 150% = 30人
定員を超えたとしても、30人を超えない場合は減産が無い?ということになります。では、21人~30人の利用があった場合どうなのか、何も罰則がないのか?役所に問い合わせてみました。
利用定員を超えた時点で、「違反」にはなりますが、減算のペナルティまでは無い状態ということでした。やはり利用定員は厳守すべきです。
▼役所とのやりとりの一部
【管理人】
利用定員から減算までの人数に乖離がありますが、その間の利用者数の場合の取り扱いはどうなりますか?
【市役所担当者】
利用定員を超えた時点で、「違反」にはなりますが、減算のペナルティまでは無い状態になりますので、利用定員は守って頂くことになります。
対策
短期的
利用者の利用計画などを確認して、定員をオーバーしそうな場合は利用を控えてもらう等の対策をしたほうが良いでしょう。ペナルティは無いにしても違反であることには変わり有りません。
長期的な対策
利用者数を把握して、近い将来定員をオーバーしそうなのであれば、早めに定員を増やす手続きをしましょう。※面積・人員の要件は当然満たす必要があります。
もし、現在の事業所で面積が満たせないのであれば、新たな事業所開設の準備を始めるなどを計画しましょう。経営者としては常に先を見据えた行動が必要となります。
まとめ
1人でも定員超過となった時点で、即減算とはならないものの、事業者側としては、利用者へのサービスという観点からも利用定員は厳守するべきです。特に設定した利用定員に実際の利用者数が近づいてきた場合は毎日要注意です。