「特別重度支援加算」の概要
「特別重度支援加算」は、短期入所において、医療的ケアや重篤な健康状態にある利用者を対象とした報酬加算制度です。
この加算は、重度の支援を必要とする利用者のケアを充実させることを目的としており、福祉事業所が安心して支援を提供するための重要な仕組みとなっています。
加算は「特別重度支援加算(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)」の3つに分かれ、それぞれ対象者や加算要件が異なります。例えば、人工呼吸器を使用する方や、頻回の喀痰吸引が必要な方が該当します。この加算は、医療と福祉の連携を促進するための重要な位置づけにあります。
対象サービス
算定要件など
対象者の例として、以下の条件を満たす方が挙げられます。
- 呼吸障害や人工呼吸器を必要とする利用者
- 頻回の喀痰吸引が必要な場合(1日8回以上、20日以上継続)
- 経腸栄養が必要な場合や褥瘡の治療が行われる場合
計画的な医学的管理が必須であり、診療録への記録が求められます。
期間条件として、規定の状態が原則6か月以上の継続が必要です。ただし、特定の場合には短縮も認められます(例: 新生児集中治療室退室後の状態)。
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示
※令和6年4月1日現在
項目 | 単位 |
---|---|
イ 加算(Ⅰ) | 610単位/日 |
ロ 加算(Ⅱ) | 297単位/日 |
ハ 加算(Ⅲ) | 120単位/日 |
注1 イについて
1のロの医療型短期入所サービス費又は1のハの医療型特定短期入所サービス費を算定している指定短期入所事業所が、別にこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める者に対して、指定短期入所を行った場合に、1日につき所定単位数を算定する。
注2 ロについて
1のロの医療型短期入所サービス費又は1のハの医療型特定短期入所サービス費を算定している指定短期入所事業所が、別にこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める者に対して、指定短期入所を行った場合に、1日につき所定単位数を算定する。
ただし、イを算定している場合には、算定しない。
注3 ハについて
1のロの医療型短期入所サービス費又は1のハの医療型特定短期入所サービス費を算定している指定短期入所事業所が、
別にこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める者に対して、指定短期入所を行った場合に、1日につき所定単位数を算定する。
ただし、イ又はロを算定している場合には、算定しない。
参考:厚生労働省告示第523号
報酬の留意事項
- 報酬告示第 7 の 11 のイの特別重度支援加算(Ⅰ)及びロの特別重度支援加算 (Ⅱ)については、以下のとおり取り扱うこととする。
- ア 規定の状態が6か月以上継続する場合であることを原則とするが、新生児集中治療室を退室した児であって当該治療室での状態が引き続き継続する児については、当該状態が 1 か月以上継続する場合とする。
ただし、新生児集中治療室を退室した後の症状増悪、又は新たな疾患の発生についてはその後の状態が6か月以上継続する場合とすること。 - イ 判定スコアの⑴については、毎日行う機械的気道加圧を要するカフマシン・ NIPPV・CPAPなどは、レスピレーター管理に含むものとすること。
- ウ 判定スコアの⑻及び⑼については、経口摂取、経管、腸ろう・腸管栄養のいずれかを選択すること。
- 判定スコアの⒁については、人工膀胱を含むこと。
- ア 規定の状態が6か月以上継続する場合であることを原則とするが、新生児集中治療室を退室した児であって当該治療室での状態が引き続き継続する児については、当該状態が 1 か月以上継続する場合とする。
- 報酬告示第 7 の 11 のハの特別重度支援加算(Ⅲ)については、第556号告示(外部リンク)第8号の別に厚生労働大臣の定める者の状態にある利用者に対して、計画的な医学的管理を行い、指定短期入所を行った場合に、所定単位数を加算する。
当該加算を算定する場合にあっては、当該医学的管理の内容等を診療録に記載しておくこと。
また、当該加算を算定できる利用者は、次のいずれかについて、当該状態が一定の期間や頻度で継続している者であること。
- ア 第556号告示第 8 号⑴の「常時頻回の喀痰吸引を実施している状態」とは 当該月において1日当たり8回(夜間を含め約3時間に1 回程度)以上実施している日が20日を超える場合をいうものであること。
- イ 第556号告示第8号⑵の「呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態」については、当該月において 1 週間以上人工呼吸又は間歇的陽圧呼吸を行っていること。
- ウ 第556号告示第 8 号⑶の「中心静脈注射を実施している状態」については、 中心静脈注射により薬剤の投与をされている利用者又は中心静脈栄養以外に栄養維持が困難な利用者であること。
- エ 第 556 号告示第 8 号⑷の「人工腎臓を実施しており、かつ、重篤な合併症を有する状態」については、人工腎臓を各週 2 日以上実施しているものであり、 かつ、下記に掲げるいずれかの合併症をもつものであること。
- a 透析中に頻回の検査、処置を必要とするインスリン注射を行っている糖尿病
- b 常時低血圧(収縮期血圧が90mmHg以下)
- c 透析アミロイド症で手根管症候群や運動機能障害を呈するもの
- d 出血性消化器病変を有するもの
- e 骨折を伴う2次性副甲状腺機能亢進症のもの
- f うっ血性心不全(NYHA Ⅲ度以上)のもの
- オ 第556号告示第六号(5)の「重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態」については、持続性心室性頻拍や心室細動等の重症不整脈発作を繰り返す状態、収縮期血圧90mmHg以下が持続する状態、又は酸素吸入を行っても動脈血酸素飽和度が90%以下の状態で、常時、心電図、血圧、動脈血酸素飽和度のいずれかを含むモニタリングを行っていること。
- カ 第556号告示第六号(6)の「膀胱又は直腸の機能障害の程度が身体障害者福祉法施行規則別表第5号に掲げる身体障害者障害程度等級表の4級以上に該当し、かつ、ストーマの処置を実施している状態」については、当該利用者に対して、皮膚の炎症等に対するケアを行った場合に算定できるものであること。
- キ 第556号告示第六号(7)の「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態」については、経口摂取が困難で経腸栄養以外に栄養維持が困難な利用者に対して、経腸栄養を行った場合に算定できるものであること。
- ク 第556号告示第六号(8)の「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、以下の分類で第三度以上に該当し、かつ、当該褥瘡に対して必要な処置を行った場合に限る。
- 第一度:皮膚の発赤が持続している部分があり、圧迫を取り除いても消失しない(皮膚の損傷はない)
- 第二度:皮膚層の部分的喪失(びらん、水疱、浅いくぼみとして表れるもの)
- 第三度:皮膚層がなくなり潰瘍が皮下組織にまで及ぶ。深いくぼみとして表れ、隣接組織まで及んでいることもあれば、及んでいないこともある
- 第四度:皮膚層と皮下組織が失われ、筋肉や骨が露出している
- ケ 第556号告示第六号(9)の「気管切開が行われている状態」については、気管切開が行われている利用者について、気管切開の医学的管理を行った場合に算定できるものであること。
- ア 第556号告示第 8 号⑴の「常時頻回の喀痰吸引を実施している状態」とは 当該月において1日当たり8回(夜間を含め約3時間に1 回程度)以上実施している日が20日を超える場合をいうものであること。
参考:障発第1031001号
Q&A
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まとめ
特別重度支援加算は、医療的ケアが必要な重度の障害者に対して適用される、障害福祉サービスにおける重要な報酬加算制度です。この制度は、事業所が十分な支援を提供し、利用者の生活の質を向上させるために不可欠な存在です。加算の適用には、医療行為や診療録の記載など、厳格な要件が設けられています。
障害福祉事業所においては、利用者の状態に応じた適切なサービス提供が求められます。本記事を通じて、特別重度支援加算の意義とその詳細について理解を深め、適切な運用に役立ててください。