【障害福祉事業の地域展開】都市計画法と建築基準法の関係解説 – 知っておくべきポイントは?

目次

都市計画法との関係

地域について

都市計画法は、地方自治体が基本計画に基づき、その土地の利用や建物の規制に関するルールを定めることができる法律です。

したがって、地方自治体が基本計画に基づき地域ごとに独自に建築できる建物を定めています。

都市計画法では都市を大きく次の2つの区域に分けています。
❶市街化区域:先的かつ計画的に市街化を図るべき地域
➋市街化調整地域:市街化を抑制すべき地域

まずは、市街化調整区域では原則として新たに建物を建築することができませんので、障害福祉サービスの開設はできないということになります。

そして、市街化区域については更に12の区分に分けられています。 これを用途地域といいます。

用途地域ごとに建築できる建物が定められていますが、ほとんどの場合、開設できますが、市町村の都市計画課等で事前確認する必要があります。

建築基準法との関係

建物の用途について

いくつかの障害福祉事業所について、建築基準法上の取り扱いは児童福祉施設等となっています。

建築基準法施行令では、児童福祉施設等というのは、耐火建築物等としなければならない特殊建築物に分類されています。

建物には、使用用途が設定されていて、障害福祉サービス事業を行うには「児童福祉施設等」という使用用途に変更しなければなりません。ただし、使用面積200㎡未満1の場合は用途変更が不要となっています。「使用面積」の解釈については延べ面積や使用面積など、地域によって解釈が異なる場合があるので、申請する自治体の建築部局に確認したほうが安心です。
さらに、建築基準法の基準を満たしていることが前提ですので、「建築確認済証」等があると手続きがスムーズです。

【参考】児童福祉施設とは

児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除く。)、助産所、身体障害者社会参加支援施設(補装具製作施設及び視聴覚障害者情報提供施設を除く。)、保護施設(医療保護施設を除く。)、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホーム又は障害福祉サービス事業(生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を行う事業に限る。)の用に供する施設
引用:建築基準法施行令 第19条 一部抜粋

【参考】建築基準法施行令

第115条の3 法別表第一(い)欄の(二)項から(四)項まで及び(六)項(法第八十七条第三項において法第二十七条の規定を準用する場合を含む。)に掲げる用途に類するもので政令で定めるものは、それぞれ次の各号に掲げるものとする。

 (二)項の用途に類するもの 児童福祉施設等(幼保連携型認定こども園を含む。以下同じ。)
引用:建築基準法施行令 第115条の3 一部抜粋

2方向避難

条件によっては、2か所から避難できる経路が必要となります。
詳しくは建築部局と協議してから、建物の契約をしてください。

建築基準法施行令 第121条 【2以上の直通階段を設ける場合】※一部抜粋
  1. 建築物の避難階以外の階が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その階から避難階又は地上に通ずる二以上の直通階段を設けなければならない。

 …児童福祉施設等の用途に供する階でその階における児童福祉施設等の主たる用途に供する居室の床面積の合計が、それぞれ50㎡を超えるもの

 ホテル、旅館若しくは下宿の用途に供する階でその階における宿泊室の床面積の合計、共同住宅の用途に供する階でその階における居室の床面積の合計又は寄宿舎の用途に供する階でその階における寝室の床面積の合計が、それぞれ100㎡を超えるもの

 前各号に掲げる階以外の階で次のイ又はロに該当するもの

  •  6階以上の階でその階に居室を有するもの(第1号から第4号までに掲げる用途に供する階以外の階で、その階の居室の床面積の合計が100㎡を超えず、かつ、その階に避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの及びその階から避難階又は地上に通ずる直通階段で第123条第2項又は第3項の規定に適合するものが設けられているものを除く。)
  •  五階以下の階でその階における居室の床面積の合計が避難階の直上階にあつては200㎡を、その他の階にあつては100㎡を超えるもの
  1. 主要構造部が準耐火構造であるか、又は不燃材料で造られている建築物について前項の規定を適用する場合には、同項中「50㎡」とあるのは「100㎡」と、「100㎡」とあるのは「200㎡」と、「200㎡」とあるのは「400㎡」とする。
  2. 項の規定により避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設ける場合において、居室の各部分から各直通階段に至る通常の歩行経路のすべてに共通の重複区間があるときにおける当該重複区間の長さは、前条に規定する歩行距離の数値の2分の1をこえてはならない。ただし、居室の各部分から、当該重複区間を経由しないで、避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するものに避難することができる場合は、この限りでない。
  3. 項(第四号及び第五号(第二項の規定が適用される場合にあつては、第四号)に係る部分に限る。)の規定は、階数が三以下で延べ面積が200㎡未満の建築物の避難階以外の階(以下この項において「特定階」という。)(階段の部分(当該部分からのみ人が出入りすることのできる便所、公衆電話所その他これらに類するものを含む。)と当該階段の部分以外の部分(直接外気に開放されている廊下、バルコニーその他これらに類する部分を除く。)とが間仕切壁若しくは次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める防火設備で第112条第19項第2号に規定する構造であるもので区画されている建築物又は同条第十五項の国土交通大臣が定める建築物の特定階に限る。)については、適用しない。
  •  特定階を第一項第四号に規定する用途(児童福祉施設等については入所する者の寝室があるものに限る。)に供する場合 法第二条第九号の二ロに規定する防火設備(当該特定階がある建築物の居室、倉庫その他これらに類する部分にスプリンクラー設備その他これに類するものを設けた場合にあつては、十分間防火設備)
  •  特定階を児童福祉施設等(入所する者の寝室があるものを除く。)の用途又は第一項第五号に規定する用途に供する場合 戸(ふすま、障子その他これらに類するものを除く。)
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