障害福祉事業の「中核機能強化事業所加算」とは?適用条件と注意点を解説!

目次

「中核機能強化事業所加算」の概要

市町村が地域の障害児支援の中核拠点として位置付ける児童発達支援事業所において、専門人材を配置して、自治体や地域の障害児支援事業所・保育所等を含む関係機関等との連携体制を確保しながら、こどもと家族に対する専門的な支援・包括的な支援の提供に取り組んだ場合に加算

「中核機能強化事業所加算」とは、障害児とその家族に対する支援を地域全体で強化するために設けられた加算制度です。この制度の狙いは、専門的な支援を提供できる事業所を地域の中核として位置づけることで、支援体制を広げ、持続可能な地域支援を実現することです。

市町村から「中核事業所」として認められた児童発達支援事業所放課後等デイサービス事業所では、専門人材を配置し、自治体や地域機関と連携しながら、障害児支援の中核的役割を担います。この取り組みにより、地域全体での包括的支援の充実やインクルージョンの推進が期待されています。

対象サービス

算定要件など

  • 市町村と連携し、中核的役割を担う事業所として認められること。

  • 障害児支援の専門資格を持つ常勤専任職員を配置すること。

  • 地域全体の支援体制の強化を目的とし、発達支援や家族支援を包括的に提供すること。

  • 取り組み状況を年に1回以上公表し、地域に透明性を持たせること。

  • 自己評価を外部機関の客観的な意見を基に実施し、改善を図ること。

※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。

報酬告示と留意事項

報酬告示

※令和6年4月1日現在

別にこども家庭庁長官が定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定児童発達支援事業所(児童発達支援センターを除く。)が、指定児童発達支援を行った場合にあっては、中核機能強化事業所加算として、利用定員に応じ、1日につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。

イ 法第6条の2の2第2項に規定する内閣府令で定める施設において障害児に対し指定児童発達支援を行った場合(ロに該当する場合を除く。)

利用定員単位
(1)10人以下187単位
(2)11~20人125単位
(3)21人~75単位

ロ 主として重症心身障害児を通わせる法第6条の2の2第2項に規定する内閣府令で定める施設において障害児に対し重症心身障害児に対し指定児童発達支援を行った場合

利用定員単位
(1)5人374単位
(2)6人312単位
(3)7人267単位
(4)8人234単位
(5)9人208単位
(6)10人187単位
(7)11人~125単位

参考:厚生労働省告示第122号(外部リンク)

留意事項

通所報酬告示第1の注7の2の中核機能強化事業所加算については、障害児とその家族に対する支援の充実とあわせて、地域全体の障害児支援体制の充実強化を図るため、市町村が地域の障害児支援の中核拠点として位置付ける児童発達支援事業所児童発達支援センターを除く。)において、専門人材を配置して、自治体や地域の障害児支援事業所、保育所等を含む関係機関等との連携体制を確保しながら、障害児とその家族に対する専門的な支援及び包括的な支援の提供に取り組んだ場合に算定するものであり、以下のとおり取り扱うこととする。

  • 以下のアからキまでに掲げるいずれの要件も満たすこと。
    • 市町村により中核的な役割を果たす児童発達支援事業所として位置付けられていること。具体的には、所在する市町村と事前協議を行ったうえで、当該加算の要件を満たすもの及び中核的機関として位置付けられているものと市町村が認めていること。
    • イ 市町村及び地域の関係機関との連携体制を確保していること。
      具体的には、市町村と定期的に情報共有の機会を設けることや地域の協議会こどもの専門部会を含む)へ参画する等の取組を行っていること。

      地域に中核機能強化加算又は中核機能強化事業所加算を算定する事業所が複数ある場合には、市町村及びこれらの事業所間で日常的な相互連携を図ること。
    • ウ 専門的な発達支援及び家族支援を提供する体制を確保していること。
      市町村が地域資源の状況も踏まえながら、特定の分野に専門的な知識・経験を有する指定児童発達支援事業所を中核的機関として位置付けることができるものとする。
    • 地域の障害児通所事業所との連携インクルージョンの推進、早期の相談支援等の中核的な役割を果たす機能を有していること。

      市町村が地域資源の状況も踏まえながら、地域全体で中核機能を提供できる支援体制を確保するために、地域の中で本加算を算定する事業所に求められる役割に応じて、地域の障害児通所事業所との連携、インクルージョンの推進、早期の相談支援等のうち特定の役割を果たす機能を求めることができるものとする。
    • 地域の障害児に対する支援体制の状況及びイからエまでの取組の実施状況年に1回以上公表していること。
      インターネット等を活用し、広く公表すること。
      なお、地域の障害児に対する支援体制の状況については、市町村及び地域に中核機能強化加算又は中核機能強化事業所加算を算定する事業所が複数ある場合にあっては他の加算取得事業所との連携により、共同で作成・公表すること。
    • カ 自己評価の項目について、外部の者による評価を概ね年に1回以上受けていること。
      具体的には、運営基準に定められる自己評価を実施するに当たり、自治体職員、利用児童や家族の代表、当事者団体、地域の障害児通所支援事業所等の第三者の同席を求め、客観的な意見を踏まえて自己評価を行っていること。
      第三者評価等、外部の評価機関による外部評価を受審している場合は本要件を満たすものとする。
    • 主としてイからエまでの体制の確保等を行う中核機能強化職員として、児童発達支援給付費の算定に必要とする員数(児童指導員等加配加算又は専門支援体制加算を算定している場合においては、当該加算の算定に必要となる従業者の員数を含む。)に加え、専門人材を常勤専任で1以上配置し、これらの取組を行っていること。

      中核機能強化職員として配置する専門人材は、理学療法士作業療法士言語聴覚士看護職員保育士児童指導員又は心理担当職員であって、資格取得後(児童指導員又は心理担当職員にあっては当該職務に配置された以後)、障害児通所支援、障害児入所支援又は障害児相談支援の業務に従事した期間が通算して5年以上のものとすること。
  • 中核機能強化職員については、支援を提供する時間帯は事業所で支援に当たることを基本としつつ、支援の質を担保する体制を確保した上で、地域支援にあたることができること。
    ただし、保育所等訪問支援の訪問支援員との兼務はできないこと。

参考:障発0330第16号(外部リンク)

Q&A

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まとめ

「中核機能強化事業所加算」は、地域の障害児支援体制を強化するために不可欠な制度です。
この加算を活用することで、専門的な人材を配置した事業所が中心となり、自治体や地域の関係機関と連携して障害児支援を進める仕組みが整います。

また、地域全体で包括的な支援体制を構築することが可能になります。中核事業所が果たすべき役割を理解し、制度の適切な運用を進めることが、高品質な福祉サービスの提供につながるでしょう。

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