障害福祉事業の「看護職員加配加算」とは?適用条件と注意点を解説!

目次

「看護職員加配加算」の概要

障害福祉サービスの「看護職員加配加算」とは、医療的ケア児を対象にした支援体制を整えるための加算制度です。

この制度は、看護職員を増員することで、安心・安全な支援環境を提供することを目的としています。主に、重症心身障害児が通う施設を対象とし、(Ⅰ)と(Ⅱ)の2種類が用意されています。
(Ⅰ)では看護職員1名以上、スコア40点以上、
(Ⅱ)では看護職員2名以上、スコア72点以上という基準が設けられています。
これにより、医療的ケア児の発達支援が充実し、施設の支援能力が向上することが期待されています。

対象サービス

算定要件など

  • 対象施設
    重症心身障害児を主に支援する施設であること。

  • 看護職員配置
    (Ⅰ)は1名以上、(Ⅱ)は2名以上を常勤換算で配置。

  • 医療的ケアスコア
    前年度の利用実績を基に算出。新設施設は過去3か月のデータで計算可能。

  • 公表基準
    支援可能である旨をインターネット等で公表。

※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。

報酬告示と留意事項

報酬告示

※令和6年4月1日現在

別にこども家庭庁長官が定める施設基準に適合するものとして都道府県知事に届け出た指定児童発達支援事業所において、指定児童発達支援を行った場合に、看護職員加配加算として、1日につき次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。
ただし、次に掲げるいずれかの加算を算定しているときは、次に掲げるその他の加算は算定しない。

イ 看護職員加配加算(Ⅰ)

(1) 主として重症心身障害児を通わせる法第6条の2の2第2項に規定する内閣府令で定める施設において重症心身障害児に対し指定児童発達支援を行った場合

利用定員単位
(1)5人400単位
(2)6人333単位
(3)7人286単位
(4)8人250単位
(5)9人222単位
(6)10人200単位
(7)11人~133単位

ロ 看護職員加配加算(Ⅱ)

(1) 主として重症心身障害児を通わせる法第6条の2の2第2項に規定する内閣府令で定める施設において重症心身障害児に対し指定児童発達支援を行った場合

利用定員単位
(1)5人800単位
(2)6人666単位
(3)7人572単位
(4)8人500単位
(5)9人444単位
(6)10人400単位
(7)11人~266単位

参考:厚生労働省告示第122号(外部リンク)

留意事項

通所報酬告示第1の1の注10の看護職員加配加算については、次のとおり取り扱うこととする。

  1. 看護職員加配加算(Ⅰ)
    以下のア及びイを満たす場合に算定すること。
    • 主として重症心身障害児を通わせる児童福祉法第6条の2の2第2項に規定する内閣府令で定める施設にあっては、指定通所基準に定める員数に加え、看護職員を1名以上配置(常勤換算による配置)し、医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアを合計した数が40点以上であるものとして都道府県知事に届け出た事業所について加算するものであること。
    • 医療的ケアが必要な障害児に対して支援を提供することができる旨を公表していること。なお、公表方法については、インターネットの利用その他の方法により広く公表するものであること。
  2. 看護職員加配加算(Ⅱ)
    以下のア及びイを満たす場合に算定すること。
    • 主として重症心身障害児を通わせる児童福祉法第6条の2の2第2項に規定する内閣府令で定める施設にあっては、指定通所基準に定める員数に加え、看護職員を2名以上配置(常勤換算による配置)し、医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアを合計した数が72点以上であるものとして都道府県知事に届け出た事業所について加算するものであること。
    • 医療的ケアが必要な障害児に対して支援を提供することができる旨を公表していること。
      なお、公表方法については、インターネットの利用その他の方法により広く公表するものであること。
  3. 及びについては、いずれか1つを算定するものであること。
  4. 及びにおける障害児の医療的ケアスコアの合計の点数の算出方法については、以下のとおり取り扱うこととする。
    • 当該年度の前年度毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる年度とする。以下同じ。)の医療的ケア児の利用日数医療的ケアスコアを用いる。
    • 当該指定児童発達支援事業所を利用する医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアに、当該医療的ケア児の当該年度の前年度の延べ利用日数を乗じ、当該数を当該前年度の開所日数で除して得た数とする。
      なお、この割合の算出に当たっては、小数点第2位以下を切り上げるものとする。
    • 児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所における医療的ケア児については、医療的ケアスコアを合算して算出すること。
    • 新設、増改築等(現に存する事業所であって直近1か年に看護職員加配加算を算定していないものを含む。以下このエにおいて同じ。)の場合の医療的ケアスコアについては、
      • (ⅰ) 新設又は増改築等を行った場合に関して、前年度において1年未満の実績しかない場合前年度の実績が全くない場合を含む。)の医療的ケアスコアの数は、
        新設又は増改築等の時点から3月未満の間は、新設又は増改築等の時点から体制届の提出までの間の在籍者数(契約者数)のうち、医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアを合計した数により判断することとし、
        新設又は増改築の時点から3月以上1年未満の間は、新設又は増改築の時点から3月間における医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアに、当該医療的ケア児の延べ利用日数を乗じ、当該数を3月間の開所日数で除して得た数とする。

        また、新設又は増改築の時点から1年以上経過している場合は、直近1年間における医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアに、当該医療的ケア児の延べ利用日数を乗じ、当該数を1年間の開所日数で除して得た数とする。
      • (ⅱ) 定員を減少する場合には、減少後の実績が3月以上あるときは、減少後3月における医療的ケア児のそれぞれの医療的ケアスコアに、当該医療的ケア児の延べ利用日数を乗じ、当該数を3月間の開所日数で除して得た数とする。
      • (ⅲ) これにより難い合理的な理由がある場合であって、都道府県知事が認めた場合には、他の適切な方法により、障害児の数を推定することができるものとする。

参考:障発0330第16号(外部リンク)

Q&A

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まとめ

看護職員加配加算は、障害福祉サービス事業において医療的ケア児への支援体制を整える重要な仕組みです。

施設が加算を受けるためには、看護職員の配置や医療的ケアスコアの算定方法、公表基準をクリアする必要があります。この加算制度を活用することで、施設はより質の高い支援を提供し、利用者の満足度向上を目指すことができます。

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