1. 電磁的記録とは?
電磁的記録とは、電子計算機(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)による情報処理の用に供される記録を指します。紙の書類ではなく、デジタルデータとして保存・管理されるのが特徴です。
主な電磁的記録の例
- テキストデータ(Word、PDF、テキストファイルなど)
- 画像データ(JPEG、PNGなど)
- 音声データ(MP3、WAVなど)
- 映像データ(MP4、AVIなど)
2. 電磁的記録による保存方法
事業者が電磁的記録を保存する方法は主に以下の2つに分類されます。
① 電子情報処理組織による保存
ネットワークに接続された電子計算機(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)を利用して保存する方法です。クラウドストレージやデータベース管理システムを活用する場合が多く、リアルタイムでの情報共有や検索が可能になります。
② 物理メディアによる保存
電磁的記録を以下のようなメディアに保存する方法です。
- USBメモリや外付けSSDやHDD
- CD-ROM
- DVD、Blu-rayディスク
- フロッピーディスク(現在ではほぼ使用されていない)
3. 電磁的方法による交付
電磁的記録を利用者に交付する方法には、以下のような手段があります。
① 電気通信回線を通じた送信
事業者の電子計算機と利用申込者の電子計算機を接続し、電気通信回線を通じて電磁的記録を送信する方法です。具体例としては、電子メールでファイルを添付して送信する手法が挙げられます。
② ホームページへの掲載
事業者が重要事項をホームページに掲載し、利用申込者やその家族が閲覧・ダウンロードできる状態にする方法です。これにより、利用者は必要な情報を随時取得できます。
③ 物理メディアでの交付
CD-ROM、DVD、Blu-rayなどのメディアに記録し、郵送や直接手渡しで交付する方法です。この方法は、電子メールやWebページでの交付が難しい場合に有効です。
④ プリントアウト可能な形式での交付
利用申込者が交付された電磁的記録を紙に出力できる形式で提供する必要があります。たとえば、PDFやWordファイル形式で交付することが一般的です。
4. 電磁的方法による同意の取得
電磁的方法で重要事項を交付する場合、事前に利用申込者の同意を得る必要があります。
① ファイル形式の選択
事前に、どのファイル形式で交付するかを利用者と合意しておく必要があります。例えば、
- テキストファイル(.txt)
- ドキュメントファイル(.docx, .pdf)
- スプレッドシート(.xlsx)
② 文書の成立の真正性の確保
押印が不要となった今、文書の真正性を証明する方法が重要になります。電子署名やタイムスタンプを活用することで、文書の信頼性を担保することが可能です。
参考資料:「押印についてのQ&A(令和2年6月 19 日内閣府・法務省・経済産業省)」

まとめ
電磁的記録の取り扱いは、情報のデジタル化が進む現代においてますます重要になっています。保存や交付の方法を適切に選択し、利用者にとって分かりやすく、利便性の高い対応を行うことが求められます。また、電子文書の真正性を確保するための措置も忘れずに講じることが重要です。