「精神障害者地域移行特別加算」の概要
精神障害者地域移行特別加算は、精神科病院に長期間入院していた精神障害者の地域移行を支援するための加算制度です。対象となるのは、退院後1年以内の支援活動を行う事業所で、特定の要件を満たした場合に適用されます。この制度は、精神障害者が地域社会で自立した生活を送るために必要な支援を行うことで、地域移行を促進する目的で設けられました。
対象サービス
算定要件など
対象者の条件
- 精神科病院に1年以上入院していた精神障害者
- 退院後1年以内
施設要件
- 精神障害者を対象とする運営規程
- 専門職(社会福祉士等)の配置
支援内容
- アセスメントと計画作成
- 精神科病院との連携
- 定期的な面談と相談支援
- 日中活動の定着支援
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示(例:自立訓練(生活訓練))
※令和6年4月1日現在
300単位/日 |
指定障害福祉サービス基準第171条において準用する指定障害福祉サービス基準第89条に規定する運営規程に定める主たる対象とする障害者の種類に精神障害者を含み、かつ、
指定障害福祉サービス基準第166条の規定により指定自立訓練(生活訓練)事業所に置くべき従業者のうち社会福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師等である従業者を1人以上配置するものとして都道府県知事に届け出た指定宿泊型自立訓練を行う指定自立訓練(生活訓練)事業所において、
当該社会福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師等である従業者が、精神科病院に1年以上入院していた精神障害者であって当該精神科病院を退院してから1年以内のものに対し、自立訓練(生活訓練)計画を作成するとともに、地域で生活するために必要な相談援助や個別の支援等を行った場合に、1日につき所定単位数を加算する。
ただし、5の9の地域生活移行支援特別加算を算定している場合は、算定しない。
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項(例:自立訓練(生活訓練))
報酬告示第11の5の10の精神障害者地域移行特別加算については、次のとおり取り扱うものとする。
- 対象者の要件
精神科病院に1年以上入院していた精神障害者であって、退院してから1年以内の者であること。
また、本加算は、長期入院精神障害者の地域移行を進めることを趣旨としたものであることから、原則として、長期入院精神障害者が精神科病院から退院するに当たり、指定宿泊型自立訓練を行う指定自立訓練(生活訓練)事業所が当該精神障害者の受入れを行うことを想定しており、退院日から 1 年以内について、加算の算定ができるものとすること。
なお、1年以上精神科病院に入院し、退院後、一定期間居宅等で生活した精神障害者であっても、退院から1年以内について、加算を算定できるものである。 - 施設要件
事業所が定める運営規程において、主たる対象とする障害の種類に精神障害者を含む指定宿泊型自立訓練を行う指定自立訓練(生活訓練)事業所であること。
また、当該事業所の従業者として、社会福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師若しくは心理に関する支援を要する者に対する相談、助言、指導等の援助を行う能力を有する者を 1 人以上配置するとともに、精神障害者の地域生活を支援するための体制を確保していること。 - 支援内容
加算の対象となる事業所については、以下の支援を行うものとする。
- ア 社会福祉士、精神保健福祉士又は公認心理師若しくは心理に関する支援を要する者に対する相談、助言、指導等の援助を行う能力を有する者である従業者による、本人、家族、精神科病院その他関係者からの聞き取り等によるアセスメント及び地域生活に向けた自立訓練(生活訓練)計画の作成
- イ 精神科病院との日常的な連携(通院支援を含む)
- ウ 対象利用者との定期及び随時の面談
- エ 日中活動の選択、利用、定着のための支援
- オ その他必要な支援
参考:障発第1031001号
加算の届出様式(厚生労働省)
実際の届出に際しては、指定権者の指定する様式にて届出してください。
出典:厚生労働省│障害福祉分野における手続負担の軽減(指定申請等の様式の標準化等)
Q&A
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まとめ
精神障害者地域移行特別加算は、精神障害者が地域で自立した生活を送るための重要な支援制度です。この加算を活用することで、長期入院を余儀なくされていた精神障害者がスムーズに地域生活に移行できる体制を整え、社会全体の福祉水準を向上させることが期待されています。事業所側もこの制度を正しく理解し、要件を満たすことで、より質の高い支援を提供できるでしょう。