障害者支援施設等感染対策向上加算
障害者支援施設等感染対策向上加算は、障害者支援施設等が感染症対策を強化し、発生時に迅速かつ適切な対応を取れる体制を評価する仕組みです。この制度は、感染症対策の実践度や医療機関との連携状況を基準に、施設に毎月の報酬を加算する形で実施されています。
この加算には2つの区分があります:
- 加算(Ⅰ):感染症対策の計画や医療機関との連携を評価する加算
- 加算(Ⅱ):施設内での感染制御に関する実地指導を受けた施設に適用
障害者支援施設の感染症対策の質を向上させ、利用者の安全確保を目指す重要な取り組みです。
イ 加算(Ⅰ) | 10単位/月 |
ロ 加算(Ⅱ) | 5単位/月 |
対象サービス
算定要件など
■加算(Ⅰ)の要件
- 新興感染症対応に必要な体制を第二種協定指定医療機関と構築すること
- 協力医療機関と連携し、感染症発生時に対応できる計画を策定・実行していること
- 職員が院内感染対策に関する研修または訓練に、少なくとも年1回以上参加すること
■加算(Ⅱ)の要件
- 感染対策加算に関する届出済み医療機関から、3年に1回以上、施設内感染制御の実地指導を受けること
- 実地指導は、感染制御チームの専門職(医師または看護師等)によるもの
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示
※令和6年4月1日現在
イ 加算(Ⅰ) | 10単位/月 |
ロ 加算(Ⅱ) | 5単位/月 |
注1 イについて
イについては、以下の❶から❸までのいずれにも適合するものとして都道府県知事に届け出た指定施設入所支援等の単位において、1月につき所定単位数を加算する。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第17項に規定する第二種協定指定医療機関(以下「第二種協定指定医療機関」という。)との間で、新興感染症(同条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第8項に規定する指定感染症又は同条第9項に規定する新感染症をいう。以下同じ。)の発生時等の対応を行う体制を確保していること。
- 指定障害者支援施設基準第46条第1項に規定する協力医療機関その他の医療機関(以下この⑵において「協力医療機関等」という。)との間で、感染症(新興感染症を除く。以下この⑵において同じ。)の発生時等の対応を取り決めるとともに、感染症の発生時等に、協力医療機関等と連携し適切に対応していること。
- 診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)別表第一医科診療報酬点数表(以下「医科診療報酬点数表」という。)の区分番号A234-2に規定する感染対策向上加算(注2において「感染対策向上加算」という。)又は医科診療報酬点数表の区分番号A000に掲げる初診料の注11及び区分番号A001に掲げる再診料の注15に規定する外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関等が行う院内感染対策に関する研修又は訓練に1年に1回以上参加していること。
注2 ロについて
ロについては、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、3年に1回以上、施設内で感染者が発生した場合の対応に係る実地指導を受けているものとして都道府県知事に届け出た指定施設入所支援等の単位において、1月につき所定単位数を加算する。
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項
㉔障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅰ)について
- 報酬告示第9の 13 の5のイの障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅰ)は、障害者支援施設等における平時からの感染対策の実施や、感染症発生時に感染者の対応を行う医療機関との連携体制を評価するものであること。
- 障害者支援施設等において感染対策を担当する者が、医療機関等が行う院内感染対策に関する研修又は訓練に少なくとも1年に1回以上参加し、指導及び助言を受けること。
院内感染対策に関する研修又は訓練については、診療報酬の算定方法別表第一医科診療報酬点数表の区分番号 A234-2 に規定する感染対策向上加算(以下「感染対策向上加算」という。)又は医科診療報酬点数表の区分番号 A000に掲げる初診料の注 11 及び再診料の注 15 に規定する外来感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関が実施する院内感染対策に関するカンファレンスや職員向けに実施する院内感染対策に関する研修及び訓練、地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスを対象とする。 - 障害者支援施設は、施設入所者が新興感染症に感染した際に、感染者の診療等を行う第二種協定指定医療機関と連携し、新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしており、加算の算定にあたっては、第二種協定指定医療機関との間で、新興感染症の発生時等の対応を行う体制を確保していること。
新興感染症発生時等の対応としては、感染発生時等における相談、感染者の診療、入院の要否の判断等が求められることから、本加算における連携の対象となる第二種協定指定医療機関は診療所、病院に限る。
また、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。
なお、令和6年9月30日までの間は、現に感染対策向上加算又は外来感染対策向上加算の届出を行っている医療機関と連携することでも差し支えないものとする。 - 季節性インフルエンザやノロウイルス感染症、新型コロナウイルス感染症など特に障害者支援施設等において流行を起こしやすい感染症について、協力医療機関等と連携し、感染した入所者に対して適切に医療が提供される体制が構築されていること。
㉕ 障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅱ)について
- 報酬告示第9の 13 の5のロの障害者支援施設等感染対策向上加算(Ⅱ)は、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関から、少なくとも3年に1回以上、施設内で感染者が発生した場合の感染制御等に係る実地指導を受けている場合に、月1回算定するもの。
- 実地指導については、感染対策向上加算に係る届出を行った医療機関において設置された感染制御チームの専任の医師又は看護師等が行うことが想定される。
参考:障発第1031001号
加算の届出様式(厚生労働省)
実際の届出に際しては、指定権者の指定する様式にて届出してください。
・障害者支援施設等感染対策向上加算[77KB](Excelファイル 外部リンク:厚生労働省)
Q&A
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まとめ
障害者支援施設等感染対策向上加算は、障害者支援施設が感染症対策を強化し、感染者への適切な対応を可能にするための重要な制度です。加算には、日々の感染対策の実践や医療機関との緊密な連携が求められます。特に、医療機関からの実地指導や定期的な研修への参加は、施設内の感染制御能力を向上させる大きな役割を果たします。
これらの要件を満たすことで、施設は利用者と職員双方の安全を守りながら、信頼されるサービスを提供できる体制を構築できます。