「保育・教育等移行支援加算」の概要
障害児が新しい環境で安心して生活を始めるためには、入念な準備が必要です。
「保育・教育等移行支援加算」は、障害福祉サービス事業所が退所後の生活(保育所やをサポートする取り組みに対して適用される加算制度です。
主に、児童発達支援事業所や放課後等デイサービスが対象で、保育所やその他の移行先施設との連携を通じ、退所後の生活をスムーズに進めることを目的としています。これにより、障害児とその家族が新しい環境でも安心して過ごせる仕組みが整えられています。
対象サービス
算定要件など
退所前
- 移行先施設と連携し、退所後の生活準備を行う会議を開催する。
- 助言や環境調整などの援助を行い、支援方法を共有する。
- 障害児と家族の意向を把握し、計画的に実施する。
退所後
- 30日以内に居宅を訪問し、生活課題について相談援助を行う。
- 退所後の移行先施設を訪問し、具体的な助言や調整を行う。
対象外ケース
- 病院への入院や他の社会福祉施設への入所。
- 幼稚園以外の学校への入学。
- 死亡による退所。
※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。
報酬告示と留意事項
報酬告示
※令和6年4月1日現在
入所中2回、退所後2回(居宅と保育所等への訪問を1回ずつ)を限度 | 500単位/回
注1 指定児童発達支援事業所又は共生型児童発達支援事業所の従業者が、障害児が当該指定児童発達支援事業所又は共生型児童発達支援事業所の退所後に通う事となる保育所その他の施設(他の社会福祉施設等を除く。以下この注において「移行先施設」という。)との間で、退所に先立って、退所後の生活に向けた会議を開催し、又は移行先施設に訪問して退所後の生活に関して助言(以下この注において「保育・教育等移行支援」という。)を行った場合に、当該退所した障害児に対して退所した日の属する月から起算して6月以内に行われた当該保育・教育移行支援につき、2回を限度として所定単位数を加算する。
注2 移行先施設に通うことになった障害児に対して、退所後30日以内に居宅等を訪問して相談援助を行った場合に、1回を限度として所定単位数を加算する。
注3 移行先施設との連絡調整を行ったうえで当該施設に通うことになった障害児について、退所後30日以内に当該施設を訪問して助言援助を行った場合に、1回を限度として所定単位数を加算する。
参考:厚生労働省告示第523号
留意事項
通所報酬告示第1の12の4の保育・教育等移行支援加算については、障害児が指定児童発達支援事業所を退所して保育所その他の施設で受け入れられるようになった場合に、移行支援又は退所後の障害児等への相談援助や保育所等への助言・援助について算定するものであり、以下のとおり取り扱うこととする。
- 通所報酬告示第1の12の4の注1に係る保育・教育等移行支援加算を算定する場合
- ア 退所前6月以内に、移行先施設との間で、退所後の生活に向けた会議を開催し、又は移行先施設に訪問して退所後の生活に関して助言援助等(保育・教育等移行支援)を行うこと。
- イ 退所前の保育・教育等移行支援については、移行先施設との間で、こどもや家族の状況や課題の共有を行うとともに、会議においては、移行に向けて必要な取組等の共有や連携調整などを行うこと。また、助言援助においては、必要な環境調整や支援方法の伝達などを行うこと。
- ウ 保育・教育等移行支援については、障害児及び家族の意向や課題を把握し、あらかじめ通所給付決定保護者の同意を得た上で、通所支援計画に位置付けて計画的に実施すること。
- ア 退所前6月以内に、移行先施設との間で、退所後の生活に向けた会議を開催し、又は移行先施設に訪問して退所後の生活に関して助言援助等(保育・教育等移行支援)を行うこと。
- 通所報酬告示第1の12の4の注2に係る保育・教育等移行支援加算を算定する場合
- ア 退所後30日以内に、障害児の居宅等を訪問して相談援助を行うこと。
- イ 相談援助においては、障害児又はその家族等に対して、移行後の生活における課題等に関して相談援助を行うこと。
- 通所報酬告示第1の12の4の注3に係る保育・教育等移行支援加算を算定する場合
- ア 退所後30日以内に、移行先施設を訪問して移行先施設に助言・援助等を行うこと。
- イ 助言援助においては、移行先施設に対して、移行後の生活における課題等に関して助言援助を行うこと。
- 退所前の保育・教育等移行支援、退所後の居宅等を訪問しての相談援助及び退所後の移行先施設を訪問しての助言援助を行った場合は、当該支援又は援助を行った日及びその内容の要点に関する記録を行うこと。
- 本加算は、退所前の保育・教育等移行支援については退所日に、また、退所後の援助については実施日(訪問日)に算定すること。
- ❶から❸に係る保育・教育等移行支援加算は、次のアからエまでのいずれかに該当する場合には、算定できないものであること。
- ア 退所して病院又は診療所へ入院する場合
- イ 退所して他の社会福祉施設等へ入所する場合
- ウ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)へ入学する場合
- エ 死亡退所の場合
参考:障発第1031001号
Q&A
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【Q&A】「情報提供」を行う場合の「心身の状況等」とは具体的に何?│R03,04,08.問37
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【Q&A】居宅介護支援事業所等連携加算、保育・教育等移行支援加算、集中支援加算の連携先はどこまで含まれる?│R03,04,08.問35
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【Q&A】「居宅介護支援事業所等連携加算」における利用終了後6月の算定について、サービスの利用終了後に対象の支援を実施した場合はどのように算定する?│R03,04,08.問33
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【Q&A】令和3年度に創設された加算で、基本報酬を算定していない月でも請求可能な加算はある?│R03,04,08.問30
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【Q&A】記録の作成が必要な加算についてはどのように記録したら良い?│R03,04,08.問28
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\事業者必須!/
まとめ
「保育・教育等移行支援加算」は、障害児とその家族が新しい環境に移行する際の重要な支援制度です。退所前から退所後まで、一貫したサポートを通じて生活の不安を軽減します。
この加算を活用することで、事業所はより質の高い支援を提供でき、障害児と家族の生活の質向上が期待されます。ぜひ、具体的な要件と手続きに基づいて、適切に制度を活用しましょう。