令和6年3月29日改正
参考:障発第1206001号│厚生労働省(新しいタブで開きます)
重度障害者等包括支援
1 人員に関する基準
(1)従業者の員数(基準第127条)
- ①サービス提供責任者
-
基準第127条第2項及び第3項は、指定重度障害者等包括支援事業者は、複数の障害福祉サービスを必要とする重度の利用者の多様なニーズに対して、臨機応変に対応することが求められ、適切な重度障害者等包括支援サービス利用計画(以下「サービス利用計画」という。)の作成や総合的なサービス調整が必要であることから、指定重度障害者等包括支援事業者ごとに、次のいずれの要件にも該当するサービス提供責任者を1人以上置かなければならないこととしたものである。
- ア 相談支援専門員(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定地域相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24 年厚生労働省令第27 号)第3条第2項及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24 年厚生労働省令第28 号)第3条並びに児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24 年厚生労働省令第29 号)第3条に規定する相談支援専門員をいう。)であること。
- イ 重度障害者等包括支援利用対象者(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18 年厚生労働省告示第523 号)別表介護給付費等単位数表第8の重度障害者等包括支援サービス費の注1に規定する利用者の支援の度合に相当する支援の度合にある者をいう。以下同じ。)に対する入浴、排せつ、食事等の介護その他これに準ずる業務に3年以上従事した経験を有する者であること。
なお、その際の必要な実務経験については、業務の範囲通知のうち重度障害者等包括支援利用対象者に関するもの又はこれと同等であると都道府県知事が認める業務とし、併せて、従事した期間は、業務の範囲通知に基づき、3年に換算して認定するものとする。
- ア 相談支援専門員(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定地域相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24 年厚生労働省令第27 号)第3条第2項及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24 年厚生労働省令第28 号)第3条並びに児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準(平成24 年厚生労働省令第29 号)第3条に規定する相談支援専門員をいう。)であること。
- ②管理者との兼務
-
配置されるサービス提供責任者のうち、1人以上は常勤でなければならない。
なお、管理者がサービス提供責任者を兼務することは差し支えないものであること。
また、指定重度障害者等包括支援事業所が、指定計画相談を行う場合において、指定計画相談に従事する相談支援専門員が、サービス提供責任者を兼務することなども差し支えないものであること。
(2)管理者 準用(基準第128条)
基準第6条については、指定重度障害者等包括支援の事業に準用されるものであることから、第3の1の(3)を参照されたい。
指定居宅介護事業所の管理者は常勤であり、かつ、原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するものとする。
ただし、以下の場合であって、当該事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。
なお、管理者は、指定居宅介護の従業者である必要はないものである。
- 当該指定居宅介護事業所の従業者としての職務に従事する場合
- 同一の事業者によって設置された他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合であって、当該他の事業所、施設等の管理者又は従業者としての職務に従事する時間帯も、当該指定居宅介護事業所の利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握し、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を支障なく行うことができ、また、事故発生時等の緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる場合(この場合の他の事業所又は施設等の事業の内容は問わないが、例えば、管理すべき事業所数が過剰であると個別に判断される場合や、併設される指定障害者支援施設等において入所者に対しサービス提供を行う看護・介護職員と兼務する場合(指定障害者支援施設等における勤務時間が極めて限られている場合を除く。)、事故発生時等の緊急時において管理者自身が速やかに利用者へのサービス提供の現場に駆け付けることができない体制となっている場合などは、管理業務に支障があると考えられる。)
2 設備に関する基準(基準第129条)
基準第8条第1項については、指定重度障害者等包括支援の事業に準用されるものであることから、第3の2の(1)から(4)までを参照されたい。
準用:第3の2の(1) 事務室
指定居宅介護事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいが、間仕切りする等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。
なお、この場合に、区分がされていなくても業務に支障がないときは、指定居宅介護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものとする。
準用:第3の2の(2) 受付等のスペースの確保
事務室又は指定居宅介護の事業を行うための区画については、利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。
準用:第3の2の(3) 設備及び備品等
指定居宅介護事業者は、指定居宅介護に必要な設備及び備品等を確保するものとする。特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮すること。
ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定居宅介護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。
なお、事務室又は区画、設備及び備品等については、必ずしも事業者が所有している必要はなく、貸与を受けているものであっても差し支えない。
準用:第3の2の(4) 設備の特例要件について
1の(8)の①、②及び③に該当する場合の設備要件については、(1)から(3)までに準じて取り扱われたい。
3 運営に関する基準
(2)事業所の体制(基準第131条)
- 基準第131条第1項は、指定重度障害者等包括支援事業所においては、重度の利用者が地域で自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、その時々の支援の度合等に応じて必要となる複数の障害福祉サービスを臨機応変に組み合わせて提供する必要があり、緊急時等における利用者のニーズを即座に反映することが可能となるような体制を確保しなければならないこととしたものである。
- 同条第2項は、重度障害者等包括支援事業所が、複数の障害福祉サービスを組み合わせて提供するものであることにかんがみ、自ら又は第三者に委託することにより、最低2以上の障害福祉サービスを提供できる体制を確保しなければならないこととしたものである。
- 同条第3項は、指定重度障害者等包括支援事業所の利用者に病状の急変が生じた場合等において、適切かつ速やかに対応するため、当該指定重度障害者等包括支援事業所の利用者の状況等に応じて、適当と認められる医療機関(当該指定重度障害者等包括支援事業所が事業の主たる対象とする利用者に関する専門医を有する医療機関、利用者の主治医、その他必要と考えられる医療機関)との協力体制を確保することを規定したものである。
なお、これらの医療機関は、当該指定重度障害者等包括支援事業所から近距離にあることが望ましい。
(3)障害福祉サービスの提供に係る基準(基準第132条)
指定重度障害者等包括支援事業者が、指定重度障害者等包括支援として提供されるサービスの内容、当該サービスの質等について責任を負う仕組みであることから、必ずしも指定重度障害者等包括支援事業所によりサービスが提供される必要はないが、提供される障害福祉サービスに応じて、それぞれ次の要件を満たすこととしたものである。
- 生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援及び自立生活援助については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準(平成18 年厚生労働省令第174 号)又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害者支援施設の設備及び運営に関する基準(平成18 年厚生労働省令第177 号)の規定を満たしていること。
- 居宅介護、重度訪問介護、同行援護及び行動援護については、同居家族によるサービス提供ではないこと。なお、これらの障害福祉サービスの提供をする者については、サービス利用計画に定められた支援を適切に遂行する能力を有すると認められる者であれば足り、研修修了等の資格要件は問わないものであること。
- 短期入所及び共同生活援助(外部サービス利用型指定共同生活援助を除く。)については、基準の規定を満たしていること。
(4)指定重度障害者等包括支援の取扱方針(基準第133条)
- 基準第57 条第2項については、意思決定支援ガイドラインを踏まえて、利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、意思決定支援ガイドラインに掲げる次の基本原則に十分に留意しつつ、利用者の意思決定の支援に配慮すること。
- ア 本人への支援は、自己決定の尊重に基づき行う。
- イ 職員等の価値観においては不合理と思われる決定でも、他者への権利を侵害しないのであれば、その選択を尊重するように努める姿勢が求められる。
- ウ 本人の自己決定や意思確認がどうしても困難な場合は、本人をよく知る関係者が集まって、様々な情報を把握し、根拠を明確にしながら意思及び選好を推定する。また、利用者が経験に基づいた意思決定ができるよう体験の機会の確保に留意するとともに、意思決定支援の根拠となる記録の作成に努めること。
- 同条第3項について、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保については、指定居宅介護と同旨であるため、第3の3の(15)の②を参照されたい。
❷同条第3号については、本人の意思に反する異性介助がなされないよう、サービス提供責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保に努めるべきものであること。
なお、把握した本人の意向については、サービス提供記録や面談記録等に記録するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保について、人員体制の見直し等を含め必要な検討を行った結果、人員体制の確保等の観点から十分に対応することが難しい場合には、その旨を利用者に対して丁寧に説明を行い、理解を得るよう努めること。
- 同条第4項は、指定重度障害者等包括支援事業者自らが、指定重度障害者等包括支援として提供する障害福祉サービスに係る利用者や家族の満足度等について常に評価・点検をすることにより、サービスの改善及び質の向上を図らなければならないとしたものである。
(5)重度障害者等包括支援計画の作成(基準第134条)
- 基本方針
重度障害者等包括支援計画は、サービス等利用計画に位置づけられた障害福祉サービスにおいて行う具体的なサービスの内容等(居宅介護における居宅介護計画や生活介護における個別支援計画等をいう。以下❷において同じ。)に加え、利用者の状態等により発生するニーズに応じて柔軟に支援ができるような体制の確保や、急な支援内容の変更に伴う具体的な調整方法、緊急時における対応方法等を記載した書面である。
重度障害者等包括支援計画の作成に当たっては、利用者の状況を把握・分析し、重度障害者等包括支援の提供によって解決すべき課題を明らかにすること(アセスメント)が重要である。アセスメントに当たっては、利用者が自ら意思を決定することに困難を抱える場合には、適切に意思決定の支援を行うため、当該利用者の意思及び選好並びに判断能力等について丁寧に把握しなければならない。
なお、利用者のサービス等利用計画を作成した相談支援専門員が、当該利用者の重度障害者等包括支援計画を作成することは適当でない点に留意すること。 - 作成の手順
サービス提供責任者は、重度障害者等包括支援の支給決定を受けた障害者が利用を開始する時点において、速やかに、当該障害者のサービス等利用計画に位置付けられた障害福祉サービスの各担当者(以下「担当者」という。)と調整し、❶の内容をとりまとめし、その内容について利用者及びその家族等に説明を行い、遅滞なく利用者及びその家族等並びに利用者に対して指定計画相談支援又は指定障害児相談支援を行う相談支援事業者に交付すること。
また、サービス提供責任者は、サービス等利用計画を踏まえた重度障害者等包括支援計画の作成等を可能とするため、当該相談支援事業者が実施するサービス担当者会議に参加し、利用者に係る必要な情報を共有する等により相互連携を図ること。 - 解決すべき課題の適切な把握
指定重度障害者等包括支援においては、障害福祉サービスを組み合わせることにより、利用者の解決すべき課題に即した適切なサービスを利用者に提供し続けることが重要であ。このため、サービス提供責任者は、利用者の解決すべき課題の変化に留意することが重要であり、重度障害者等包括支援計画の作成後においても、利用者、その家族、サービス等利用計画を作成した指定計画相談事業所及び当該指定重度障害者等包括支援として障害福祉サービスを行う者との連絡を緊密に行うことにより、サービスの提供状況や利用者についての解決すべき課題の把握を行い、必要に応じてサービス等利用計画の変更の勧奨や、重度障害者等包括支援計画の見直しを行うものとする。
その際、モニタリング結果を相互に交付すること、サービス担当者会議及び個別支援会議を合同で開催又は相互の会議に出席する等の方法により連携強化を図るものとする。
(6)運営規程(基準第135条)
指定重度障害者等包括支援の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な障害福祉サービスの提供を確保するため、基準第135条第1号から第9号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定重度障害者等包括支援事業所ごとに義務付けたものであるが、特に次の点に留意するものとする。
- ①指定重度障害者等包括支援を提供できる利用者の数(第3号)
-
指定重度障害者等包括支援事業所におけるサービス提供責任者の配置状況及び事業所の体制等を勘案し、あらかじめ指定重度障害者等包括支援を提供できる利用者の数を定めておく必要があること。
- ②指定重度障害者等包括支援の内容(第4号)
-
「指定重度障害者等包括支援の内容」とは、当該指定重度障害者等包括支援事業所が、自ら又は第三者に委託することにより指定重度障害者等包括支援として提供可能な障害福祉サービスの内容を指すものであること。
- ③事業の主たる対象とする利用者(第7号)
-
指定重度障害者等包括支援の対象者は、Ⅰ類型からⅢ類型に分類される(「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意
事項について」(平成18 年10 月31 日付け障発第1031001 号当職通知)第二の2の(8)の①参照。)が、これらの類型ごとに対象者像は大きく異なり、サービス利用計画を作成する上で、サービス提供責任者に求められる専門性が異なる場合も想定されるため、サービス提供責任者の適性や配置状況等によっては、専門性を確保する観点から、事業の主たる対象を、これらの類型のうち一部に特定して事業を実施することも差し支えないこと。 - ④ その他運営に関する重要事項(第9号)
-
指定重度障害者等包括支援事業所が市町村により地域生活支援拠点等として位置付けられている場合は、その旨を明記すること。
(7)準用(基準第136条)
基準第9条から第21 条まで、第23 条、第28 条、第29 条、第30 条第4項、第33 条(第1項及び第2項を除く。)から第42 条まで及び第66条の規定は、重度障害者等包括支援に準用されるものであることから、第3の3の(1)から(11)まで((3)の②を除く。)、(13)、(17)、(18)、(22)の2及び(25)から(32)まで並びに第4の3の(15)を参照されたい。
以下、準用
準用:第3の3の(1) 内容及び手続の説明及び同意(基準第9条)
指定居宅介護事業者は、利用者に対し適切な指定居宅介護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者に対し、当該指定居宅介護事業所の運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、利用者の障害の特性に応じ、適切に配慮されたわかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定居宅介護の提供を受けることにつき、当該利用申込者の同意を得なければならないこととしたものである。
なお、利用者及び指定居宅介護事業所双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
また、利用者との間で当該指定居宅介護の提供に係る契約が成立したときは、利用者の障害の特性に応じた適切な配慮をもって、社会福祉法(昭和 26 年法律第 45 号)第 77 条第1項の規定に基づき、
- 当該事業の経営者の名称及び主たる事務所の所在地
- 当該事業の経営者が提供する指定居宅介護の内容
- 当該指定居宅介護の提供につき利用者が支払うべき額に関する事項
- 指定居宅介護の提供開始年月日
- 指定居宅介護に係る苦情を受け付けるための窓口
を記載した書面を交付すること。
なお、利用者の承諾を得た場合には当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により提供することができる。
準用:第3の3の(2) 契約支給量の報告等(基準第10条)
- ①契約支給量等の受給者証への記載
-
指定居宅介護事業者は、指定居宅介護の提供に係る契約が成立した時は、利用者の受給者証に当該事業者及びその事業所の名称、当該指定居宅介護の内容、当該事業者が当該利用者に提供する月当たりの指定居宅介護の提供量(契約支給量)、契約日等の必要な事項を記載すること。
なお、当該契約に係る指定居宅介護の提供が終了した場合にはその年月日を、月途中で終了した場合には当該月で既に提供した指定居宅介護の量を記載することとしたものである。
- ②契約支給量
-
基準第10条第2項は、受給者証に記載すべき契約支給量の総量は、当該利用者の支給量を超えてはならないこととしたものである。
- ③市町村への報告
-
同条第3項は、指定居宅介護事業者は、①の規定による記載をした場合に、遅滞なく市町村に対して、当該記載事項を報告することとしたものである。
準用:第3の3の(3) 提供拒否の禁止(基準第11条)
事業者は、原則として、利用申込みに対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、障害程度区分や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、
- 当該事業所の現員からは利用申込みに応じきれない場合
- ※準用除外
- 当該事業所の運営規程において主たる対象とする障害の種類を定めている場合であって、これに該当しない者から利用申込みがあった場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定居宅介護を提供することが困難な場合
- 入院治療が必要な場合
である。
準用:第3の3の(4) 連絡調整に対する協力(基準第12条)
事業者は、市町村又は相談支援事業者が行う利用者の紹介、地域におけるサービス担当者会議への出席依頼等の連絡調整等に対し、指定障害福祉サービスの円滑な利用の観点から、できる限り協力しなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(5) サービス提供困難時の対応(基準第13条)
準用:第3の3の(6) 受給資格の確認(基準第14条)
サービスの利用に係る介護給付費を受けることができるのは、支給決定障害者等に限られるものであることを踏まえ、事業者は、サービスの提供の開始に際し、利用者の提示する受給者証によって、支給決定の有無、支給決定の有効期間、支給量等を確かめなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(7) 介護給付費の支給の申請に係る援助(基準第15条)
準用:第3の3の(8) 身分を証する書類の携行(基準第18条)
利用者が安心して指定居宅介護の提供を受けられるよう、指定居宅介護事業者は、当該指定居宅介護事業所の従業者に身分を明らかにする証書や名札等を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならないこととしたものである。
なお、この証書等には、当該指定居宅介護事業所の名称、当該従業者の氏名を記載するものとし、当該従業者の写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましい。
準用:第3の3の(9) サービスの提供の記録(基準第19条)
準用:第3の3の(10) 支給決定障害者等に求めることのできる金銭の支払の範囲等(基準第20条)
準用:第3の3の(11) 利用者負担額等の受領(基準第21条)
- ①利用者負担額の受領
-
基準第21条第1項は、指定居宅介護事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定居宅介護についての利用者負担額として、法第29条第3項第2号に規定する政令で定める額(政令で定める額よりも、サービス提供に要した費用の1割相当額の方が低い場合は、1割相当額)の支払を受けなければならないことを規定したものである。
なお、法第 31 条の規定により、介護給付費等の額の特例の適用を受ける場合は、市町村が定める額を利用者負担額とする。 - ②法定代理受領を行わない場合
-
同条第2項は、指定居宅介護事業者が法定代理受領を行わない指定居宅介護を提供した際には、利用者から、利用者負担額のほか、当該指定居宅介護につき法第29条第3項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護に要した費用(法第29条第1項に規定する特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該居宅介護に要した費用の額)の支払を受けるものとしたものである。
- ③交通費の受領
-
同条第3項は、指定居宅介護の提供に関して、前2項の支払を受ける額のほか、利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定居宅介護を行う場合の交通費(移動に要する実費)の支払を利用者から受けることができることとしたものである。
- ④領収証の交付
-
同条第4項は、前3項の規定による額の支払を受けた場合には当該利用者に対して領収証を交付することとしたものである。
- ⑤利用者の事前の同意
-
同条第5項は、同条第3項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、当該利用者の同意を得ることとしたものである。
準用:第3の3の(13) 介護給付費の額に係る通知等(基準第23条)
準用:第3の3の(17) 緊急時の対応(基準第28条)
従業者が現に指定居宅介護の提供を行っているときに、利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき、速やかに医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(18) 支給決定障害者等に関する市町村への通知(基準第29条)
法第8条第1項の規定により、市町村は、偽りその他不正な手段によって自立支援給付費の支給を受けた者があるときは、その者から、その支給を受けた額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができることにかんがみ、指定居宅介護事業者は、その利用者が偽りその他不正な手段によって自立支援給付費の支給を受け、又は受けようとしたときは、自立支援給付費の適正化の観点から、遅滞なく、意見を付して市町村に通知しなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(22) 勤務体制の確保等(基準第33条)
利用者に対する適切な指定居宅介護の提供を確保するため、従業者の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
- ※準用除外
- 同条第2項は、当該指定居宅介護事業所の従業者によって指定居宅介護を提供するべきことを規定したものであるが、指定居宅介護事業所の従業者とは、雇用契約その他の契約により、当該事業所の管理者の指揮命令下にある従業者を指すものであること。
- ※準用除外
- ※準用除外
準用:第3の3の(25)掲示(基準第3 条)
- 基準第35条第1項は、指定居宅介護事業者は、運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を指定居宅介護事業所の見やすい場所に掲示することを規定したものであるが、次に掲げる点に留意する必要がある。
- ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
- イ 従業者の勤務体制については、職種ごと、常勤・非常勤ごと等の人数を掲示する趣旨であり、従業者の氏名まで掲示することを求めるものではないこと。
- ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
- 同条第2項は、重要事項を記載したファイル等を利用者又はその家族等が自由に閲覧可能な形で当該指定居宅介護事業所内に備え付けることで同条第1項の掲示に代えることができることを規定したものである。
準用:第3の3の(26)身体拘束等の禁止(基準第 35 条の2)
- 基準第35条の2第1項及び第2項は、利用者又は他の利用者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
なお、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、一時性の三つの要件全てを満たし、かつ、組織としてそれらの要件の確認等の手続きを行った旨を記録しなければならないこと。 - 同条第3項第1号の「身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」(以下「身体拘束適正化検討委員会」という。)は、事業所に従事する幅広い職種により構成する。構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の身体拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。
身体拘束適正化検討委員会には、第三者や専門家の活用に努めることとし、その方策として、医師(精神科専門医等)、看護職員等の活用が考えられる。
また、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置も可能であるため、事業所の規模に応じた対応を検討すること。
なお、身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも1年に1回は開催することが必要であるが、虐待防止委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営すること(虐待防止委員会において、身体拘束等の適正化について検討する場合も含む。)も差し支えない。
指定居宅介護事業所が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体拘束等の適正化について、事業所全体で情報共有し、不適切な身体拘束等の再発防止や身体拘束等を行わない支援方法の検討につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。
身体拘束適正化検討委員会における具体的な対応は、次のようなことを想定している。なお、身体拘束適正化検討委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
- ア 身体拘束等について報告するための様式を整備すること。
- イ 従業者は、身体拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、身体拘束等について報告すること。
- ウ 身体拘束適正化検討委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。なお、イにより報告された事例がない場合にも、身体拘束等の未然防止の観点から、利用者に対する支援の状況等を確認することが必要である。
- エ 事例の分析に当たっては、身体拘束等の発生時の状況等を分析し、身体拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と廃止へ向けた方策を検討すること。
- オ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
- カ 廃止へ向けた方策を講じた後に、その効果について検証すること。
- 同条同項第2号の指定居宅介護事業所が整備する「身体拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
- ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
- イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
- ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
- エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
- オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
- カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
- 同条同項第3号の従業者に対する身体拘束等の適正化のための研修の実施に当たっては、身体拘束等の適正化の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定居宅介護事業所における指針に基づき、適正化の徹底を図るものとする。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修を実施(年一回以上)するとともに、新規採用時には必ず身体拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。
また、研修の実施内容について記録することが必要である。なお、研修の実施に当たっては、事業所内で行う職員研修で差し支えなく、他の研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合、例えば、虐待防止に関する研修において身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えない。
準用:第3の3の(27)秘密保持等(基準第36条)
- 基準第36条第1項は、事業所の従業者及び管理者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務付けたものである。
- 同条第2項は、事業者に対して、過去に当該事業所の従業者及び管理者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務付けたものであり、具体的には、事業者は、当該事業所の従業者等が、従業者等でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決めるなどの措置を講ずべきこととするものである。
- 同条第3項は、従業者が利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、他の指定障害福祉サービス事業者と共有するためには、事業者等は、あらかじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
準用:第3の3の(28)利益供与等の禁止(基準第38条)
- 基準第38条第1項は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等による障害福祉サービス事業者等の紹介が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等に対し、利用者に対して当該指定居宅介護事業者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。
- 同条第2項は、利用者による一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等の選択が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等から、当該事業所を利用する利用者やサービス提供が終了した利用者等を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。
準用:第3の3の(29)苦情解決(基準第39条)
- 基準第39条第1項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情解決の体制及び手順等当該事業所における苦情を解決するための措置を講ずることをいうものである。当該措置の概要については、利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載し、事業所に掲示することが望ましい。
- 同条第2項は、苦情に対し事業所が組織として迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定居宅介護事業所が提供したサービスとは関係のないものを除く。)の受付日、内容等を記録することを義務付けたものである。
また、事業所は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うべきである。 - 同条第3項は、住民に最も身近な行政庁である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村が、指定居宅介護事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
- 同条第7項は、社会福祉法上、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会が福祉サービスに関する苦情の解決について相談等を行うこととされたことを受けて、運営適正化委員会が行う同法第85条に規定する調査又はあっせんにできるだけ協力することとしたものである。
準用:第3の3の(30)事故発生時の対応(基準第40条)
利用者が安心してサービスの提供を受けられるよう、事業者は、利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合は、都道府県、市町村及び当該利用者の家族等に対して連絡を行うとともに必要な措置を講じ、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。
このほか、次の点に留意するものとする。
- 利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定居宅介護事業者が定めておくことが望ましいこと。
また、事業所に自動体外式除細動器(AED)を設置することや救命講習等を受講することが望ましいこと。
なお、事業所の近隣にAEDが設置されており、緊急時に使用できるよう、地域においてその体制や連携を構築することでも差し支えない。 - 事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくことが望ましいこと。
- 事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。なお、「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針」(平成14年3月28日福祉サービスにおける危機管理に関する検討会)(外部リンク)が示されているので、参考にされたい。
準用:第3の3の(31)虐待の防止(基準第40条の2)
- 基準第40条の2第1号の虐待防止委員会の役割は、以下の3つがある。
・ 虐待防止のための計画づくり(虐待防止の研修、労働環境・条件を確認・改善するための実施計画づくり、指針の作成)
・ 虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)
・ 虐待発生後の検証と再発防止策の検討(虐待やその疑いが生じた場合、事案検証の上、再発防止策を検討、実行)
虐待防止委員会の設置に向けては、構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の虐待防止担当者(必置)を決めておくことが必要であり、虐待防止委員会の構成員には、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者等も加えるよう努めるものとする。
具体的には、次のような対応を想定している。
なお、虐待防止委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
- ア 虐待(不適切な対応事例も含む。)が発生した場合、当該事案について報告するための様式を整備すること。
- イ 従業者は、虐待の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、虐待について報告すること。
- ウ 虐待防止委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。
- エ 事例の分析に当たっては、虐待の発生時の状況等を分析し、虐待の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の再発防止策を検討すること。
- オ 労働環境・条件について確認するための様式を整備するとともに、当該様式に従い作成された内容を集計、報告し、分析すること。
- カ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
- キ 再発防止策を講じた後に、その効果について検証すること。
- 指定居宅介護事業所は次のような項目を定めた「虐待防止のための指針」を作成することが望ましい。
- ア 事業所における虐待防止に関する基本的な考え方
- イ 虐待防止委員会その他施設内の組織に関する事項
- ウ 虐待防止のための職員研修に関する基本方針
- エ 施設内で発生した虐待の報告方法等の方策に関する基本方針
- オ 虐待発生時の対応に関する基本方針
- カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- キ その他虐待防止の適正化の推進のために必要な基本方針
- 同条第2号の従業者に対する虐待防止のための研修の実施に当たっては、虐待防止の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、指針を作成した事業所においては当該指針に基づき、虐待防止の徹底を図るものとする。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所の虐待防止委員会が作成した研修プログラムを実施し、定期的な研修を実施(年1回以上)するとともに、新規採用時には必ず虐待防止の研修を実施することが重要である。
また、研修の実施内容について記録することが必要である。
なお、研修の実施は、施設内で行う職員研修及び協議会又は基幹相談支援センター等が実施する研修に事業所が参加した場合でも差し支えない。 - 同条第3号の虐待防止のための担当者については、サービス提供責任者等を配置すること。なお、当該担当者及び管理者は、「地域生活支援事業の実施について」(平成 18 年8月1日障発第 0801002 号)(外部リンク)の別紙2「地域生活支援促進事業実施要綱」の別記2-4の3(3)の都道府県が行う研修に参加することが望ましい。
準用:第3の3の(32)会計の区分(基準第41条)
指定居宅介護事業者は、指定居宅介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定居宅介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものである。
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