障害福祉事業の「開所時間減算」とは?適用条件と注意点を解説

目次

「開所時間減算」の概要

障害福祉事業における「開所時間減算」は、事業所の営業時間や利用者の利用時間が基準を満たさない場合に適用される報酬減額制度です。この制度は、短時間利用の利用者の割合や、運営規程で定めた営業時間によって発生します。

対象サービス

適用条件など

サービス共通

  • 営業時間が6時間未満の場合 
    ×50~70/100単位(開所時間により段階あり)

さらに、共生型生活介護基準該当生活介護について

  • 利用時間が5時間未満の利用者が全体の50%以上を占める場合
    ×50~70/100単位

    ※送迎のみの時間は除外。
    ※やむを得ない事情(送迎の長時間化等)は考慮される。

報酬告示と留意事項

生活介護

※令和6年4月1日現在

開所時間が4時間未満×50/100単位
開所時間が4時間以上6時間未満×70/100単位

ロ(共生型生活介護)及びハ(基準該当生活介護)については、指定障害福祉サービス基準第93条の5及び第223条第1項において準用する指定障害福祉サービス基準第89条第3号に規定する運営規程に定める営業時間が、別に厚生労働大臣が定める基準に該当する場合には、所定単位数に別に厚生労働大臣が定める割合を乗じて得た数を算定する。

参考:厚生労働省告示第523号

報酬の留意事項

  1. 共生型生活介護サービス費又は基準該当生活介護サービス費における営業時間が6時間未満に該当する場合の所定単位数の算定について 運営規程に定める営業時間が6時間未満である場合は、減算することとしているところであるが、以下のとおり取り扱うこととする。

  2. 利用時間が5時間未満の利用者等の割合が、事業所の利用者全体の100分の50以上に該当する場合の所定単位数の算定について

    利用時間が5時間未満の利用者等の割合が、事業所の利用者全体の100分の50以上に該当する場合の減算については、以下のとおり取り扱うこととする。
    • ここでいう「利用時間」には、送迎のみを実施する時間は含まれないものであること。
    • 送迎に長時間を要する利用者については、利用時間が 5 時間未満の利用者の割合の算定から除く。
      なお、利用時間が 5 時間未満の利用者の割合の算定に当たっては、やむを得ない事情により 5 時間未満の利用となった利用者を除く。
    • ウ 算定される単位数は、所定単位数の100分の70とする。
      なお、当該所定単 位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計 数ではないことに留意すること。
  3. 及びの双方の減算事由に該当する場合の取扱いについて 
    及びの双方の減算事由に該当する場合の報酬の算定については、減算となる単位数が大きい方についてのみ減算する。減算となる単位数が同じ場合は、 いずれか一方の事由のみに着目して、減算を行うこと。

参考:障発第1031001号

児童発達支援

※令和6年4月1日現在

開所時間が4時間未満×70/100単位
開所時間が4時間以上6時間未満×85/100単位

営業時間(指定児童発達支援事業所共生型児童発達支援事業所又は基準該当児童発達支援事業所(指定通所基準第54条の10から第54条の12までの規定による基準該当児童発達支援事業所(以下「みなし基準該当児童発達支援事業所」という。)を除く。以下「指定児童発達支援事業所等」という。)の場合には指定通所基準第37条(指定通所基準第54条の5及び第54条の9において準用する場合を含む。)に規定する運営規程に定める営業時間を、みなし基準該当児童発達支援事業所の場合にはこれに準ずるものをいう。)が、別にこども家庭庁長官が定める基準に該当する場合には、所定単位数に別にこども家庭庁長官が定める割合を所定単位数に乗じて得た額を算定する。

【参考】平成24年3月14日厚生労働省告示第122号(令和6年3月15日改正):子ども家庭庁PDF

報酬の留意事項

(六) 営業時間が6時間未満に該当する場合の所定単位数の算定について
運営規程等に定める営業時間が6時間未満である場合は、減算することとしているところであるが、以下のとおり取り扱うこととする。

  • ア ここでいう「営業時間」には、送迎のみを実施する時間は含まれないものであること。
  • イ 個々の障害児の実利用時間は問わないものであり、例えば、6時間以上開所しているが、障害児の事情等によりサービス提供時間が6時間未満となった場合は、減算の対象とならないこと。また、5時間開所しているが、利用者の事情等によりサービス提供時間が4時間未満となった場合は、4時間以上6時間未満の場合の割合を乗ずること。
  • ウ 算定される単位数は4時間未満の場合は所定単位数の100分の70とし、4時間以上6時間未満の場合には所定単位数の100分の85とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数ではないことに留意すること。

【参考】平成24年3月30日障発0330第16号

放課後等デイサービス

※令和6年4月1日現在

開所時間が4時間未満×70/100単位
開所時間が4時間以上6時間未満×85/100単位

※イについて学校休業日のみ

(休業日に指定放課後等デイサービスを行う場合に限る。)、口の(2) ハの(2)又はニの(1)の(二)若しくは(2)の(二)に係る放課後等デイサービス給付費の算定に当たって、営業時間(指定放課後等デイサービス事業所、共生型放課後等デイサービス事業所又は基準該当放課後等デイサービス事業所(指定通所基準第71条の6において準用する指定通所基準第54条の10から第54条の12までの規定による基準該当放課後等デイサービス事業所(以下「みなし基準該当放課後等デイサービス事業所」という。)を除く。以下「指定放課後等デイサービス事業所等」という。)の場合には指定通所基準第71条、第71条の2又は第71条の6において準用する指定通所基準第37条に規定する運営規程に定める営業時間を、みなし基準該当放課後等デイサービス事業所の場合にはこれに準ずるものをいう。)が、別にこども家庭庁長官が定める基準に該当する場合には、所定単位数に別にこども家庭庁長官が定める割合を乗じて得た数を算定する。

【参考】平成24年3月14日厚生労働省告示第122号(令和6年3月15日改正):子ども家庭庁PDF

報酬の留意事項

(六) 営業時間が6時間未満に該当する場合の所定単位数の算定について
運営規程等に定める営業時間が6時間未満である場合は、減算することとしているところであるが、以下のとおり取り扱うこととする。

  • ア ここでいう「営業時間」には、送迎のみを実施する時間は含まれないものであること。
  • イ 個々の障害児の実利用時間は問わないものであり、例えば、6時間以上開所しているが、障害児の事情等によりサービス提供時間が6時間未満となった場合は、減算の対象とならないこと。また、5時間開所しているが、利用者の事情等によりサービス提供時間が4時間未満となった場合は、4時間以上6時間未満の場合の割合を乗ずること。
  • ウ 算定される単位数は4時間未満の場合は所定単位数の100分の70とし、4時間以上6時間未満の場合には所定単位数の100分の85とする。なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数ではないことに留意すること。

【参考】平成24年3月30日障発0330第16号

Q&A

関連記事

事業者必須!令和6年改正対応

まとめ

障害福祉事業における「開所時間減算」は、適正なサービス提供時間の確保を目的とした基準です。営業時間や利用者の利用時間が基準を満たさない場合、報酬が減額される仕組みとなっています。事業所運営においては、これらの基準を遵守し、サービスの質を維持することが求められます。

減算基準の詳細や計算方法を正しく理解し、適切に対応することで、事業所の信頼性を高めるとともに、利用者への支援を充実させることが可能です。

あわせて読みたい

サービス横断メニュー

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次