令和6年3月29日改正
参考:障発第1206001号│厚生労働省(新しいタブで開きます)
第12 就労継続支援B型
1 人員に関する基準
基準第51条及び第186条については、指定就労継続支援B型に準用されるものであることから、第4の1の(7)の①並びに第13の1の(1)及び(2)を参照されたい。
準用:第4の1の(7) 管理者(基準第51条)
- ①管理者の専従
-
指定療養介護事業所の管理者は、原則として、専ら当該指定療養介護事業所の管理業務に従事するものである。
ただし、以下の場合であって、当該指定療養介護事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。- ア 当該指定療養介護事業所のサービス管理責任者又は従業者としての職務に従事する場合
- イ 当該指定療養介護事業所以外の他の指定障害福祉サービス事業所又は指定障害者支援施設等の管理者又はサービス管理責任者若しくは従業者としての職務に従事する場合であって、当該他の事業所又は施設等の管理者、サービス管理責任者又は従業者としての職務に従事する時間帯も、当該指定療養介護事業所の利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握し、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を支障なく行うことができ、また、事故発生時等の緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる場合
- ア 当該指定療養介護事業所のサービス管理責任者又は従業者としての職務に従事する場合
準用:第13の1の(1)職業指導員及び生活支援員(基準第186条第1項第1号)
準用:第13の1の(2)サービス管理責任者(基準第186条第1項第2号)
指定療養介護及び指定生活介護の場合と同趣旨であるため、第4の1の(4)及び第5の1の(4)を参照されたい。
サービス管理責任者は、利用者に対する効果的かつ適切な指定療養介護を行う観点から、適切な方法により、利用者の解決すべき課題を把握した上で、療養介護計画の作成及び提供した指定療養介護の客観的な評価等を行う者であり、指定療養介護事業所ごとに、利用者の数に応じて必要数を置くこととしたものである。
指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の1の(4)を参照されたい。
なお、サービス管理責任者と他の職務との兼務については、次のとおり取り扱うものとする。
指定生活介護事業所の従業者は、原則として専従でなければならず、職種間の兼務は認められるものではない。サービス管理責任者についても、生活介護計画の作成及び提供した指定生活介護の客観的な評価等の重要な役割を担う者であるので、これらの業務の客観性を担保する観点から、原則として、サービス管理責任者と直接サービスの提供を行う生活支援員等とは異なる者でなければならない。
ただし、利用者に対するサービス提供に支障がない場合は、サービス管理責任者が指定生活介護事業所の他の職務に従事することができるものとする。この場合においては、原則として、兼務を行う他の職務に係る常勤換算上、当該サービス管理責任者の当該他の職務に係る勤務時間を算入することはできないものであるが、当該指定生活介護事業所の利用定員が20人未満である場合には、当該他の職務に係る勤務時間を算入することが可能であること。
なお、この例外的な取扱いの適用を受けるため、定員規模を細分化することは認められないものであることに留意されたい。
また、1人のサービス管理責任者は、最大利用者60人までの生活介護計画の作成等の業務を行うことができることとしていることから、この範囲で、指定生活介護事業所のサービス管理責任者が、指定共同生活介護事業所若しくは指定共同生活援助事業所に置くべきサービス管理責任者又は大規模な指定障害福祉サービス事業所等において、専従かつ常勤のサービス管理責任者1人に加えて配置すべきサービス管理責任者を兼務することは差し支えない。
(例) 利用者の数が20人の指定生活介護事業所におけるサービス管理責任者が、利用者の数が10人の指定共同生活介護事業所におけるサービス管理責任者と兼務する場合
2 設備に関する基準
指定生活介護の場合と同趣旨であるため、第5の2を参照されたい。
準用:第5の2の(1)指定生活介護事業所
指定生活介護事業所とは、指定生活介護を提供するための設備及び備品を備えた場所をいう。原則として一の建物につき、一の事業所とするが、利用者の利便のため、利用者に身近な社会資源(既存施設)を活用して、事業所の従業者が当該既存施設に出向いて指定生活介護を提供する場合については、これらを事業所の一部(出張所)とみなして設備基準を適用するものである。
準用:第5の2の(2)訓練・作業室等の面積及び数
指定生活介護事業所における訓練・作業室等、面積や数の定めのない設備については、利用者の障害の特性や機能訓練又は生産活動の内容等に応じて適切な指定生活介護が提供されるよう、適当な広さ又は数の設備を確保しなければならないものとする。
例えば、指定生活介護事業所における生産活動について、複数種類の活動を行う場合には、当該活動の種類ごとに訓練・作業室を区分するとともに、それぞれの活動に適した設備と広さを確保する必要があること。
3 運営に関する基準
(1)工賃の支払等(基準第201条)
利用者それぞれに対し支払われる一月あたりの工賃の平均額は、3,000円を下回ってはならないこと。
ただし、一月あたりの利用者の利用日数が極端に少ない場合については、都道府県知事の判断により、当該影響を排除した計算方法により算出した工賃の平均額をもって本規定を適用することが可能であること。
なお、都道府県(指定都市又は中核市においては、指定都市又は中核市。)は、前年度の工賃の平均額が月額3,000円を下回る場合、工賃を向上させるための指導を行うこと。
また、指定就労継続支援B型事業者は、毎年度、当該年度における目標工賃と、前年度における工賃実績を利用者に通知するとともに、都道府県(指定都市にあっては都道府県及び指定都市、中核市にあっては都道府県及び中核市)に届け出なければならないこと。
なお、具体的な届出方法については「就労移行支援事業、就労継続支援事業(A型、B型)における留意事項について」(平成19年4月2日障障発第0402001号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)(外部リンク)を参照されたい。
(2)準用(基準第202条)
- 第9条から第17条まで、第19条、第20条、第22条、第23条、第28条、第33条の2、第35条の2から第41条まで、第57条から第60条まで、第66条、第68条から第70条まで、第7 条、第75条、第84条、第86条から第92条まで、第159条、第160条、第192条第6項及び第193条から第195条までの規定は、指定就労継続支援B型の事業に準用されることから、
第3の3の(1)、(4)から(7)まで、(9)、(10)、(12)、(13)、(17)、(23)及び(26)から(32)まで並びに
第4の3の(6)から(9)まで、(15)、(17)、(19)、(22)及び(23)並びに
第の3の(3)及び(5)から(11)まで並びに
第8の3の(1)及び(2)並びに
第10の3の(1)、(5)及び(7)並びに
第11の3の(5)から(7)までを参照されたい。この場合において第8の3の(2)の②の「2以上の生活支援員」とあるのは、「2以上の職業指導員及び生活支援員」と、「常時1人以上の常勤の生活支援員」とあるのは、「常時1人以上の常勤の職業指導員又は生活支援員」とそれぞれ読み替えるものとする。 - 基準第202条の規定により準用される第10条については、第5の3の(12)の②のとおり取り扱うものとする。
- 同条の規定により準用される第69条については、第5の3の(12)の③のとおり取り扱うものとする。
準用:第3の3の(1)内容及び手続の説明及び同意(基準第9条)
指定居宅介護事業者は、利用者に対し適切な指定居宅介護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者に対し、当該指定居宅介護事業所の運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、利用者の障害の特性に応じ、適切に配慮されたわかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定居宅介護の提供を受けることにつき、当該利用申込者の同意を得なければならないこととしたものである。
なお、利用者及び指定居宅介護事業所双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
また、利用者との間で当該指定居宅介護の提供に係る契約が成立したときは、利用者の障害の特性に応じた適切な配慮をもって、社会福祉法第77条第1項の規定に基づき、
- 当該事業の経営者の名称及び主たる事務所の所在地
- 当該事業の経営者が提供する指定居宅介護の内容
- 当該指定居宅介護の提供につき利用者が支払うべき額に関する事項
- 指定居宅介護の提供開始年月日
- 指定居宅介護に係る苦情を受け付けるための窓口
を記載した書面を交付すること。
なお、利用者の承諾を得た場合には当該書面に記載すべき事項を電子情報処
準用:第3の3の(4)連絡調整に対する協力(基準第12条)
事業者は、市町村又は相談支援事業者が行う利用者の紹介、地域におけるサービス担当者会議への出席依頼等の連絡調整等に対し、指定障害福祉サービスの円滑な利用の観点から、できる限り協力しなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(5)サービス提供困難時の対応(基準第13条)
準用:第3の3の(6)受給資格の確認(基準第14条)
サービスの利用に係る介護給付費を受けることができるのは、支給決定障害者等に限られるものであることを踏まえ、事業者は、サービスの提供の開始に際し、利用者の提示する受給者証によって、支給決定の有無、支給決定の有効期間、支給量等を確かめなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(7)介護給付費の支給の申請に係る援助(基準第15条)
準用:第3の3の(9)サービスの提供の記録(基準第19条)
- ①記録の時期
-
基準第19条第1項は、利用者及び事業者が、その時点でのサービスの利用状況等を把握できるようにするため、事業者は、サービスを提供した際には、当該サービスの提供日、提供したサービスの具体的内容(例えば、身体介護と家事援助の別等)、実績時間数、利用者負担額等の利用者へ伝達すべき必要な事項を、後日一括して記録するのではなく、サービスの提供の都度記録しなければならないこととしたものである。
- ②利用者の確認
-
同条第2項は、同条第1項のサービスの提供の記録について、サービスの提供に係る適切な手続を確保する観点から、利用者の確認を得なければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(10)支給決定障害者等に求めることのできる金銭の支払の範囲等(基準第20条)
事業者は、基準第21条第1項から第3項に規定する額の他曖昧な名目による不適切な費用の徴収を行うことはできないこととしたものであるが、利用者の直接便益を向上させるものについては、次の要件を満たす場合に、利用者等に金銭の支払を求めることは差し支えないものである。
- サービス提供の一環として行われるものではないサービスの提供に要する費用であること。
- 利用者等に求める金額、その使途及び金銭の支払を求める理由について記載した書面を利用者に交付し、説明を行うとともに、当該利用者の同意を得ていること。
準用:第3の3の(12)利用者負担額に係る管理(基準第22条)
指定居宅介護事業者は、支給決定障害者等の依頼を受けて、利用者負担額等に係る管理を行うこととされたが、その具体的な取扱いについては、別に通知するところによるものとする。
準用:第3の3の(13)介護給付費の額に係る通知等(基準第23条)
準用:第3の3の(17)緊急時の対応(基準第28条)
従業者が現に指定居宅介護の提供を行っているときに、利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき、速やかに医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(23)業務継続計画の策定等(基準第33条の2)
- 基準第33条の2は、指定居宅介護事業者は、感染症や災害が発生した場合にあっても、利用者が継続して指定居宅介護の提供を受けられるよう、指定居宅介護の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定するとともに、当該業務継続計画に従い、従業者に対して、必要な研修及び訓練(シミュレーション)を実施しなければならないこととしたものである。
なお、業務継続計画の策定、研修及び訓練の実施については、基準第33条の2に基づき指定居宅介護事業者に実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。
また、感染症や災害が発生した場合には、従業者が連携して取り組むことが求められることから、研修及び訓練の実施にあたっては、全ての従業者が参加できるようにすることが望ましい。 - 業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。
なお、各項目の記載内容については、「障害福祉サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」及び「障害福祉サービス事業所等における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。
また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症及び災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。
- ア 感染症に係る業務継続計画
- a 平時からの備え(体制構築・整備、感染症防止に向けた取組の実施、備蓄品の確保等)
- b 初動対応
- c 感染拡大防止体制の確立(保健所との連携、濃厚接触者への対応、関係者との情報共有等)
- イ 災害に係る業務継続計画
- a 平常時の対応(建物・設備の安全対策、電気・水道等のライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄等)
- b 緊急時の対応(業務継続計画発動基準、対応体制等)
- c 他施設及び地域との連携
- ア 感染症に係る業務継続計画
- 従業者の内容は、感染症及び災害に係る業務継続計画の具体的内容を職員間に共有するとともに、平常時の対応の必要性や、緊急時の対応にかかる理解の励行を行うものとする。
従業者教育を組織的に浸透させていくために、定期的(年1回以上)な教育を開催するととも、新規採用時には別に研修を実施することが望ましい。
また、研修の実施内容についても記録すること。
なお、感染症の業務継続計画に係る研修については、感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施することも差し支えない。 - 訓練(シミュレーション)においては、感染症や災害が発生した場合において迅速に行動できるよう、業務継続計画に基づき、指定居宅介護事業所内の役割分担の確認、感染症や災害が発生した場合に実践する支援の演習等を定期的(年1回以上)に実施するものとする。
なお、感染症の業務継続計画に係る訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えない。
訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
準用:第3の3の(26)身体拘束等の禁止(基準第35条の2)
- 基準第35条の2第1項及び第2項は、利用者又は他の利用者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
なお、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、一時性の三つの要件全てを満たし、かつ、組織としてそれらの要件の確認等の手続きを行った旨を記録しなければならないこと。 - 同条第3項第1号の「身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」(以下「身体拘束適正化検討委員会」という。)は、事業所に従事する幅広い職種により構成する。
構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の身体拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。
身体拘束適正化検討委員会には、第三者や専門家の活用に努めることとし、その方策として、医師(精神科専門医等)、看護職員等の活用が考えられる。
また、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置も可能であるため、事業所の規模に応じた対応を検討すること。
なお、身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも1年に1回は開催することが必要であるが、虐待防止委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営すること(虐待防止委員会において、身体拘束等の適正化について検討する場合も含む。)も差し支えない。
指定居宅介護事業所が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体拘束等の適正化について、事業所全体で情報共有し、不適切な身体拘束等の再発防止や身体拘束等を行わない支援方法の検討につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。
身体拘束適正化検討委員会における具体的な対応は、次のようなことを想定している。なお、身体拘束適正化検討委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
- ア 身体拘束等について報告するための様式を整備すること。
- イ 従業者は、身体拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、身体拘束等について報告すること。
- ウ 身体拘束適正化検討委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。なお、イにより報告された事例がない場合にも、身体拘束等の未然防止の観点から、利用者に対する支援の状況等を確認することが必要である。
- エ 事例の分析に当たっては、身体拘束等の発生時の状況等を分析し、身体拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と廃止へ向けた方策を検討すること。
- オ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
- カ 廃止へ向けた方策を講じた後に、その効果について検証すること。
- 同条同項第2号の指定居宅介護事業所が整備する「身体拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
- ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
- イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
- ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
- エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
- オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
- カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
- 同条同項第3号の従業者に対する身体拘束等の適正化のための研修の実施に当たっては、身体拘束等の適正化の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定居宅介護事業所における指針に基づき、適正化の徹底を図るものとする。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修を実施(年一回以上)するとともに、新規採用時には必ず身体拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。
また、研修の実施内容について記録することが必要である。なお、研修の実施に当たっては、事業所内で行う職員研修で差し支えなく、他の研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合、例えば、虐待防止に関する研修において身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えない。
準用:第3の3の(27)秘密保持等(基準第36条)
- 基準第36条第1項は、事業所の従業者及び管理者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務付けたものである。
- 同条第2項は、事業者に対して、過去に当該事業所の従業者及び管理者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務付けたものであり、具体的には、事業者は、当該事業所の従業者等が、従業者等でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決めるなどの措置を講ずべきこととするものである。
- 同条第3項は、従業者が利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、他の指定障害福祉サービス事業者と共有するためには、事業者等は、あらかじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
準用:第3の3の(28)利益供与等の禁止(基準第38条)
- 基準第38条第1項は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等による障害福祉サービス事業者等の紹介が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等に対し、利用者に対して当該指定居宅介護事業者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。
- 同条第2項は、利用者による一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等の選択が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等から、当該事業所を利用する利用者やサービス提供が終了した利用者等を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。
準用:第3の3の(29)苦情解決(基準第39条)
- 基準第39条第1項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情解決の体制及び手順等当該事業所における苦情を解決するための措置を講ずることをいうものである。当該措置の概要については、利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載し、事業所に掲示することが望ましい。
- 同条第2項は、苦情に対し事業所が組織として迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定居宅介護事業所が提供したサービスとは関係のないものを除く。)の受付日、内容等を記録することを義務付けたものである。
また、事業所は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うべきである。 - 同条第3項は、住民に最も身近な行政庁である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村が、指定居宅介護事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
- 同条第7項は、社会福祉法上、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会が福祉サービスに関する苦情の解決について相談等を行うこととされたことを受けて、運営適正化委員会が行う同法第85条に規定する調査又はあっせんにできるだけ協力することとしたものである。
準用:第3の3の(30)事故発生時の対応(基準第40条)
利用者が安心してサービスの提供を受けられるよう、事業者は、利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合は、都道府県、市町村及び当該利用者の家族等に対して連絡を行うとともに必要な措置を講じ、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。
このほか、次の点に留意するものとする。
- 利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定居宅介護事業者が定めておくことが望ましいこと。
また、事業所に自動体外式除細動器(AED)を設置することや救命講習等を受講することが望ましいこと。
なお、事業所の近隣にAEDが設置されており、緊急時に使用できるよう、地域においてその体制や連携を構築することでも差し支えない。 - 事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくことが望ましいこと。
- 事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。なお、「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針」(平成14年3月28日福祉サービスにおける危機管理に関する検討会)(外部リンク)が示されているので、参考にされたい。
準用:第3の3の(31)虐待の防止(基準第40条の2)
- 基準第40条の2第1号の虐待防止委員会の役割は、以下の3つがある。
・ 虐待防止のための計画づくり(虐待防止の研修、労働環境・条件を確認・改善するための実施計画づくり、指針の作成)
・ 虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)
・ 虐待発生後の検証と再発防止策の検討(虐待やその疑いが生じた場合、事案検証の上、再発防止策を検討、実行)
虐待防止委員会の設置に向けては、構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の虐待防止担当者(必置)を決めておくことが必要であり、虐待防止委員会の構成員には、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者等も加えるよう努めるものとする。
具体的には、次のような対応を想定している。 なお、虐待防止委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
- ア 虐待(不適切な対応事例も含む。)が発生した場合、当該事案について報告するための様式を整備すること。
- イ 従業者は、虐待の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、虐待について報告すること。
- ウ 虐待防止委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。
- エ 事例の分析に当たっては、虐待の発生時の状況等を分析し、虐待の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の再発防止策を検討すること。
- オ 労働環境・条件について確認するための様式を整備するとともに、当該様式に従い作成された内容を集計、報告し、分析すること。
- カ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
- キ 再発防止策を講じた後に、その効果について検証すること。
- 指定居宅介護事業所は次のような項目を定めた「虐待防止のための指針」を作成することが望ましい。
- ア 事業所における虐待防止に関する基本的な考え方
- イ 虐待防止委員会その他施設内の組織に関する事項
- ウ 虐待防止のための職員研修に関する基本方針
- エ 施設内で発生した虐待の報告方法等の方策に関する基本方針
- オ 虐待発生時の対応に関する基本方針
- カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- キ その他虐待防止の適正化の推進のために必要な基本方針
- 同条第2号の従業者に対する虐待防止のための研修の実施に当たっては、虐待防止の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、指針を作成した事業所においては当該指針に基づき、虐待防止の徹底を図るものとする。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所の虐待防止委員会が作成した研修プログラムを実施し、定期的な研修を実施(年1回以上)するとともに、新規採用時には必ず虐待防止の研修を実施することが重要である。
また、研修の実施内容について記録することが必要である。
なお、研修の実施は、施設内で行う職員研修及び協議会又は基幹相談支援センター等が実施する研修に事業所が参加した場合でも差し支えない。 - 同条第3号の虐待防止のための担当者については、サービス提供責任者等を配置すること。なお、当該担当者及び管理者は、「地域生活支援事業の実施について」(平成18年8月1日障発第0801002号)(外部リンク)の別紙2「地域生活支援促進事業実施要綱」の別記2-4の3(3)の都道府県が行う研修に参加することが望ましい。
準用:第3の3の(32)会計の区分(基準第41条)
指定居宅介護事業者は、指定居宅介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定居宅介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものである。
準用:第5の3の(3)生産活動(基準第84条)
生産活動を実施するに当たっては、次の事項について留意すること。
- 生産活動の内容(基準第84条第1項)
生産活動の内容については、地域の実情、製品及びサービスの需給状況及び業界の動向を常時把握するよう努めるほか、利用者の心身の状況、利用者本人の意向、適性、障害の特性、能力などを考慮し、多種多様な生産活動の場を提供できるように努めなければならないものとしたものである。 - 生産活動による利用者の疲労軽減等への配慮(基準第84条第2項)
指定生活介護事業者は、生産活動の機会を提供するに当たっては、利用者の障害の特性、能力などに配慮し、生産活動への参加が利用者の過重な負担とならないよう、生産活動への従事時間の工夫、休憩時間の付与、効率的に作業を行うための設備や備品の活用等により、利用者の負担ができる限り軽減されるよう、配慮しなければならないものである。 - 障害特性を踏まえた工夫(基準第84条第3項)
指定生活介護事業者は、生産活動の機会を提供するに当たり、実施する生産活動の能率の向上が図られるよう常に作業設備、作業工具、作業の工程などの改善に努めなければならないものである。 - 生産活動の安全管理(基準第84条第4項)
指定生活介護事業者は、生産活動の機会を提供するに当たっては、利用者が行う生産活動の安全性を確保するため、必要な措置を講ずる義務があるものである。
準用:第5の3の(5)食事の提供(基準第86条)
- ①栄養管理等
-
食事の提供は、利用者の支援に極めて重要なものであることから、指定生活介護事業所が食事の提供を行う場合については、提供する手段によらず、年齢や障害の特性に応じて、適切な栄養量及び内容の食事を確保するため、栄養士等による栄養管理が行われる必要があるほか、次の点に留意して行うものとする。
- ア 利用者の嗜好、年齢や障害の特性に配慮するとともに、できるだけ変化に富み、栄養のバランスに配慮したものであること。
- イ 調理はあらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況を明らかにしておくこと。
- ウ 適切な衛生管理がなされていること。
- ア 利用者の嗜好、年齢や障害の特性に配慮するとともに、できるだけ変化に富み、栄養のバランスに配慮したものであること。
- ②外部委託との関係
-
食事の提供を外部の事業者へ委託することは差し支えないが、指定生活介護事業者は、受託事業者に対し、利用者の嗜好や障害の特性等が食事の内容に反映されるよう、定期的に調整を行わなければならないものである。
準用:第5の3の(6)健康管理(基準第87条)
準用:第5の3の(7)支給決定障害者に関する市町村への通知(基準第88条)
準用:第5の3の(9)衛生管理等(基準第90条)
指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の3の(20)を参照されたい。
- 基準第71条は、指定療養介護事業者は、従業者の清潔の保持及び健康状態の管理に努めるべきであり、特に、従業者が感染源となることを予防し、また従業者を感染の危険から守るため、手指を洗浄するための設備や使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じるべきことを規定したものであり、このほか、次の点に留意するものとする。
- ア 指定療養介護事業者は、感染症又は食中毒の発生及びまん延を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。
- イ 特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これに基づき、適切な措置を講じること。
- ウ 空調設備等により事業所内の適温の確保に努めること。
- ア 指定療養介護事業者は、感染症又は食中毒の発生及びまん延を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。
- 基準第71条第2項に規定する感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように講ずるべき措置については、具体的には次のアからエまでの取扱いとすること。
- ア 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会
当該指定療養介護事業所における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(以下「感染対策委員会」という。)であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、生活支援員、栄養士又は管理栄養士)により構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の感染対策を担当する者(以下「感染対策担当者」という。)を決めておくことが必要である。感染対策委員会は、入所者の状況など施設の状況に応じ、おおむね3月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。
感染対策委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。
ただし、障害のある者が参加する場合には、その障害の特性に応じた適切な配慮を行うこと。
この際、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」(外部リンク)等を遵守すること。
なお、感染対策委員会は、運営委員会など指定療養介護事業所内の他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。感染対策担当者は看護師であることが望ましい。
ま た、指定療養介護事業所外の感染管理等の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。 - イ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
指定療養介護事業所における「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針」には、平常時の対策及び発生時の対応を規定する。平常時の対策としては、指定療養介護事業所内の衛生管理(環境の整備、排泄物の処理、血液・体液の処理等)、日常の支援にかかる感染対策(標準的な予防策(例えば、血液・体液・分泌液・排泄物(便)などに触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるときどのようにするかなどの取り決め)、手洗いの基本、早期発見のための日常の観察項目)等、発生時の対応としては、発生状況の把握、感染拡大の防止、医療機関や保健所、市町村における事業所関係課等の関係機関との連携、医療処置、行政への報告等が想定される。
また、発生時における指定療養介護事業所内の連絡体制や前記の関係機関への連絡体制を整備し、明記しておくことも必要である。
なお、それぞれの項目の記載内容の例については、「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」(外部リンク)も踏まえて検討すること。 - ウ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修
従業者に対する「感染症の予防及びまん延の防止のための研修」の内容は、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定療養介護事業所における指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的な支援の励行を行うものとする。
職員教育を組織的に浸透させていくためには、当該指定療養介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず感染対策研修を実施することが重要である。
また、調理や清掃などの業務を委託する場合には、委託を受けて行う者に対しても、施設の指針が周知されるようにする必要がある。
また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、厚生労働省「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」(外部リンク)等を活用するなど、指定療養介護事業所内で行うものでも差し支えなく、当該指定居宅介護事業所の実態に応じ行うこと。 - エ 感染症の予防及びまん延の防止のための訓練
平時から、実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応について、訓練(シミュレーション)を定期的(年2回以上)に行うことが必要である。
訓練においては、感染症発生時において迅速に行動できるよう、発生時の対応を定めた指針及び研修内容に基づき、指定療養介護事業所内の役割分担の確認や、感染対策をした上での支援の演習などを実施するものとする。
訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
- ア 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会
準用:第5の3の(10)協力医療機関等(基準第91条)
協力医療機関は、指定生活介護事業所から近距離にあることが望ましいものであること。
準用:第5の3の(11)掲示(基準第92条)
基準第92条の規定は、基準第35条と基本的に同趣旨であるため、第4の3の(21)を参照されたい。
基準第72条の規定は、基準第35条と基本的に同趣旨であるため、第3の3の(25)を参照されたい。
- 基準第35条第1項は、指定居宅介護事業者は、運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を指定居宅介護事業所の見やすい場所に掲示することを規定したものであるが、次に掲げる点に留意する必要がある。
- ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
- イ 従業者の勤務体制については、職種ごと、常勤・非常勤ごと等の人数を掲示する趣旨であり、従業者の氏名まで掲示することを求めるものではないこと。
- ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
- 同条第2項は、重要事項を記載したファイル等を利用者又はその家族等が自由に閲覧可能な形で当該指定居宅介護事業所内に備え付けることで同条第1項の掲示に代えることができることを規定したものである。
準用:第8の3の(1)利用者負担額等の受領(基準第159条)
- ①利用者負担額の受領等
-
指定居宅介護の規定と同趣旨であるため、第3の3の(11)の①、②、④及び⑤を参照されたい。
第三の3の(11)利用者負担額等の受領(基準第21条)- ①利用者負担額の受領
-
基準第21条第1項は、指定居宅介護事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定居宅介護についての利用者負担額として、法第29条第3項第2号に規定する政令で定める額(政令で定める額よりも、サービス提供に要した費用の1割相当額の方が低い場合は、1割相当額)の支払を受けなければならないことを規定したものである。
なお、法第31条の規定により、介護給付費等の額の特例の適用を受ける場合は、市町村が定める額を利用者負担額とする。 - ②法定代理受領を行わない場合
-
同条第2項は、指定居宅介護事業者が法定代理受領を行わない指定居宅介護を提供した際には、利用者から、利用者負担額のほか、当該指定居宅介護につき法第29条第3項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護に要した費用(法第29条第1項に規定する特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該居宅介護に要した費用の額)の支払を受けるものとしたものである。
- ③※準用除外
- ④領収証の交付
-
同条第4項は、前3項の規定による額の支払を受けた場合には当該利用者に対して領収証を交付することとしたものである。
- ⑤利用者の事前の同意
-
同条第5項は、同条第3項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、当該利用者の同意を得ることとしたものである。
- ②その他受領が可能な費用の範囲
-
基準第159条第3項は、指定自立訓練(機能訓練)事業者は、前2項の支払を受ける額のほか、指定自立訓練(機能訓練)において提供される便宜に要する費用のうち、
ア 食事の提供に要する費用
イ 日用品費
ウ 日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、利用者に負担させることが適当と認められるものの支払を受けることとし、訓練等給付費等の対象となっているサービスと明確に区分されない曖昧な名目による費用の支払を受けることは認めないこととしたものである。なお、ウの具体的な範囲については、別に通知するところによるものとする。
準用:第8の3の(2)訓練(基準第160条)
- ①基本方針
-
指定自立訓練(機能訓練)の提供に当たっては、利用者の人格に十分配慮し、自立訓練(機能訓練)計画によるサービスの目標等を念頭において行うことが基本であり、利用者の心身の状況に応じて、適切な技術をもって訓練又は必要な支援を行うものとする。
ま た、指定自立訓練(機能訓練)は、単に身体機能の維持又は向上のための訓練を行うのみならず、利用者が当該指定自立訓練(機能訓練)の訓練期間経過後、地域において自立した日常生活又は社会生活を営めるよう、当該利用者の生活全般にわたる諸課題を解決するための訓練も含め、総合的な支援を行うものでなければならないこと。
- ②職員体制
-
基準第160条第3項に規定する「常時1人以上の従業者を訓練に従事させる」とは、適切な訓練を行うことができるように訓練に従事する生活支援員等の勤務体制を定めておくとともに、2以上の職業指導員及び生活支援員の勤務体制を組む場合は、それぞれの勤務体制において常時1人以上の常勤の職業指導員又は生活支援員の配置を行わなければならないものである。
なお、指定自立訓練(機能訓練)の提供に当たっては、提供内容に応じて、職員体制を適切に組むものとする。
準用:第10の3の(1)提供の拒否の禁止(第11条)
指定就労移行支援事業者は、原則として、利用申込みに対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、障害支援区分や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、
- 当該事業所の現員からは利用申込みに応じきれない場合
- 当該事業所の運営規程において主たる対象とする障害の種類を定めている場合であって、これに該当しない者から利用申込みがあった場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定居宅介護を提供することが困難な場合
- 入院治療が必要な場合
である。
なお、指定就労移行支援については、前年度及び前々年度の実績(就労定着者の割合)に応じて基本報酬が決定されるため、就労定着者の割合を高めるために、利用者を選別することは認められず、就労移行支援の支給決定を受けた障害者に対しては、原則としてサービスを提供しなければならないものである。
また、正当な理由がなく、指定就労移行支援事業所がサービスの提供を拒否した場合は、勧告、命令、取消等の対象となるとともに、市町村において、障害者に就労移行支援の支給決定を行う際には、指定就労移行支援事業所には正当な理由がない限りサービスの提供を拒否できないことを十分に周知し、サービスの提供を拒否された場合には当該事業所の連絡先を開示するなど、当該規定の違反があったことを把握できるようにすることが重要であること。
準用:第10の3の(5)職場への定着のための支援等の実施(基準第195条)
指定生活介護の場合と同趣旨であるため、第5の3の(4)の2を参照されたい。
ただし、「6月」とあるのは、通常の就労移行支援を利用し、企業等に新たに雇用された後も、通常の事業所に雇用されている65歳未満の者若しくは65歳以上の者であって、通常の事業所に新たに雇用された後の労働時間の延長若しくは休職からの復職の際に就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするものとして引き続き就労移行支援を利用する障害者(以下第十において「一時利用対象者」という。)に対しては、「企業等に新たに雇用された日(就職日)」ではなく、一時的な就労移行支援の利用が終了した日(以下「サービス終了日」という。)から少なくとも6月以上の間、障害者就業・生活支援センターや職場適応援助者等と連携を図りながら、事業主に対する助言、サービス終了日以降に生じた職場不適応への対応等について、職場訪問や家庭訪問等による適切な相談支援等を行うこと。
指定生活介護事業者は、当該指定生活介護を受けて、企業等に新たに雇用された障害者が円滑に職場に定着できるよう、障害者が就職してから、少なくとも6月以上の間(労働時間の延長又は休職からの復職の際に就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするものとして指定生活介護、指定自立訓練、指定就労移行支援等若しくは指定就労継続支援(「就労移行支援等」という。)を受けた障害者については、当該就労移行支援等を受けた後、就労を継続している期間が少なくとも6月以上の間)、障害者就業・生活支援センターや職場適応援助者等と連携を図りながら、事業主に対する助言、就職後に生じた職場不適応への対応等について、職場訪問や家庭訪問等による適切な相談支援等を行うこと。
また、当該障害者に就労定着支援に係る利用の意向を確認し、希望があるとき、当該指定生活介護事業者において一体的に指定就労定着支援事業を実施している場合には、当該指定生活介護事業者は就職後6月経過後(労働時間の延長又は休職からの復職の際に就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするものとして就労移行支援等を受けた障害者については、当該就労移行支援等を受けた後、就労を継続している期間が6月経過後)に円滑な就労定着支援の利用が開始できるよう、当該指定就労定着支援事業者、指定特定計画相談支援事業者その他関係機関との連絡調整を図った上で、当該指定就労定着支援事業者による職場への定着のための支援に繋げるよう努めること。
当該生活介護事業者において指定就労定着支援事業を実施していない場合には、指定特定計画相談支援事業者その他関係機関との連絡調整を図った上で、当該指定生活介護事業者以外が実施する指定就労定着支援事業者による職場への定着のための支援に繋げるよう努めること。
なお、就労定着支援に係る利用の希望がない場合においても、利用者に対する適切な職場への定着のための相談支援等が継続的に行われるよう、指定特定計画相談支援事業者等と必要な調整に努めること。
準用:第10の3の(7)利益供与等の禁止(第38条)
- 基準第38条第1項は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等による障害福祉サービス事業者等の紹介が公正中立に行われるよう、指定就労移行支援事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等に対し、利用者に対して当該指定就労移行支援事業者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。
- 同条第2項は、利用者による一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等の選択が公正中立に行われるよう、指定就労移行支援事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等から、当該事業所を利用する利用者やサービス提供が終了した利用者等を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。
- 障害福祉サービスは、障害者が自立した日常生活又は社会生活が営むことができるよう、障害者が自ら障害福祉サービスのサービス内容や質に基づき利用の可否を判断するものである。
このため、障害者の意思決定を歪めるような金品授受による利用者誘因行為や就労斡旋行為を指定就労移行支援事業者は行ってはならない。
具体的には、
「利用者が友人を紹介した際に、紹介した利用者と紹介された友人に金品を授与すること」、
「障害福祉サービスの利用を通じて通常の事業所に雇用されるに至った利用者に対し祝い金を授与すること」、
「障害福祉サービスの利用開始(利用後一定期間経過後も含む。)に伴い利用者に祝い金を授与すること」、
「利用者の就職を斡旋した事業所に対し金品の授与を行うこと」など、
おおよそ障害福祉サービスのサービス内容には含まれないと考えられる内容があげられる。
準用:第11の3の(5)実習の実施(基準第193条)
指定就労移行支援の場合と同趣旨であるため、第10の3の(3)を参照されたい。
実習については、就労移行支援計画に基づき、利用者の心身の状況及びその希望に応じた適切な受入先が複数確保できるよう、就労支援員が中心となり、その開拓に努めること。
なお、実習時において、指定就労移行支援事業所における就労支援員等の職員が随行しない期間がある場合には、当該期間中に、実習先における利用者の状況について、利用者本人や実習先事業者からの聞き取りを行うことにより、日報を作成するとともに、少なくとも1週間ごとに、当該聞き取りの内容等を元に、就労移行支援計画の内容の確認及び必要に応じた見直しを行うよう努めること。
また、受入先の確保に当たっては、公共職業安定所、障害者就業・生活支援センター、特別支援学校等の関係機関と連携して行うこと。
準用:第11の3の(6)求職活動の支援等の実施(基準第194条)
準用:第11の3の(7)職場への定着のための支援等の実施(基準第195条)
指定生活介護の場合と同趣旨であるため、第5の3の(4)の2を参照されたい。
指定生活介護事業者は、当該指定生活介護を受けて、企業等に新たに雇用された障害者が円滑に職場に定着できるよう、障害者が就職してから、少なくとも6月以上の間(労働時間の延長又は休職からの復職の際に就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするものとして指定生活介護、指定自立訓練、指定就労移行支援等若しくは指定就労継続支援(「就労移行支援等」という。)を受けた障害者については、当該就労移行支援等を受けた後、就労を継続している期間が少なくとも6月以上の間)、障害者就業・生活支援センターや職場適応援助者等と連携を図りながら、事業主に対する助言、就職後に生じた職場不適応への対応等について、職場訪問や家庭訪問等による適切な相談支援等を行うこと。
また、当該障害者に就労定着支援に係る利用の意向を確認し、希望があるとき、当該指定生活介護事業者において一体的に指定就労定着支援事業を実施している場合には、当該指定生活介護事業者は就職後6月経過後(労働時間の延長又は休職からの復職の際に就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするものとして就労移行支援等を受けた障害者については、当該就労移行支援等を受けた後、就労を継続している期間が6月経過後)に円滑な就労定着支援の利用が開始できるよう、当該指定就労定着支援事業者、指定特定計画相談支援事業者その他関係機関との連絡調整を図った上で、当該指定就労定着支援事業者による職場への定着のための支援に繋げるよう努めること。
当該生活介護事業者において指定就労定着支援事業を実施していない場合には、指定特定計画相談支援事業者その他関係機関との連絡調整を図った上で、当該指定生活介護事業者以外が実施する指定就労定着支援事業者による職場への定着のための支援に繋げるよう努めること。
なお、就労定着支援に係る利用の希望がない場合においても、利用者に対する適切な職場への定着のための相談支援等が継続的に行われるよう、指定特定計画相談支援事業者等と必要な調整に努めること。
4 基準該当障害福祉サービスに関する基準
(1)運営規程(基準第204条)
基準該当就労継続支援B型の利用定員については、運営規程において定める必要がないこと。
(2)準用(基準第206条)
- 第9条から第12条まで、第14条から第17条まで、第19条、第20条、第23条(第1項を除く。)、第28条、第33条の2、第35条の2から第41条まで、第51条、第57条から第60条まで、第68条、第70条、第74条、第75条、第84条、第87条、第88条、第90条から第92条まで、第159条(第1項を除く。)、第160条、第192条第6項、第193条から第195条まで及び第198条の規定は、基準該当就労継続支援B型の事業に準用されることから、第三の3の(1)、(4)、(6)、(7)、(9)、(10)、(13)(①を除く。)、(17)、(23)及び(26)から(32)まで並びに第四の1の(7)、3の(6)から(9)まで、(17)、(19)、(22)及び(23)並びに第五の3の(3)、(6)、(7)、(9)から(11)まで並びに第八の3の(1)(第三の3の(11)の①を除く。)及び(2)並びに第十の3の(1)、(5)及び(7)並びに第十一の3の(5)から(7)までを参照されたい。
- 同条の規定により準用される第10条については、第五の3の(12)の②のとおり取り扱うものとする。
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解釈通知一覧
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