障害福祉事業の「入院時情報連携加算」とは?適用条件と注意点を解説

目次

「入院時情報連携加算」の概要

入院時情報連携加算」は、利用者が病院に入院する際に必要な情報を医療機関へ提供することで得られる加算報酬です。医療と福祉の連携を促進し、利用者のケアの質を向上させることを目的としています。

加算には2つの区分があり、「加算(I)」は医療機関職員と面談した場合に300単位、「加算(II)」はFAXや書面による提供で150単位が算定されます。いずれも1月につき1回が上限です。情報提供に際しては、利用者の基本情報や生活環境、支援の留意点などの詳細を記載した「入院時情報提供書」を医療機関に提出する必要があります。

対象サービス

算定要件など

  • 提供内容:利用者の基本情報、状態、支援の留意点、生活環境、受診・服薬状況。

  • 提供手段:面談、FAX、書面など(記録を5年間保存)。

  • 加算単位:300単位(I)、150単位(II)。月1回限り。

  • 注意点:事業所間連携が必要な場合、共同で情報提供書を作成すること。

※詳細は報酬告示と留意事項を参照ください。

報酬告示と留意事項

報酬告示
イ 加算(Ⅰ)300単位/月
ロ 加算(Ⅱ)150単位/月

 計画相談支援対象障害者等が医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院又は同条第2項に規定する診療所以下「病院等」という。)に入院するに当たり
 別にこども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める基準に従い、当該病院等の職員に対して、当該計画相談支援対象障害者等の心身の状況、生活環境等の当該計画相談支援対象障害者等に係る必要な情報を提供した場合は、次に掲げる区分に応じ、計画相談支援対象障害者等1人につき1月に1回を限度としてそれぞれ次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。
 ただし、次に掲げるいずれかの加算を算定している場合にあっては、次に掲げるその他の加算は算定しない。

イ 入院時情報連携加算(Ⅰ) 300単位
ロ 入院時情報連携加算(Ⅱ) 150単位

参考:厚生労働省告示第523号

留意事項
  1. 趣旨
    計画相談支援報酬告示の 5 の入院時情報連携加算の注中「必要な情報」とは、具体的には、当該利用者の基本情報、利用者の状態支援における留意点等家族・世帯の状況生活の状況受診・服薬の状況等をいう。

    なお、医療機関との連携に当たっては、当該事項を記載した入院時情報提供書を作成し、当該利用者の同意の上、医療機関に提供することを基本とする。
  2. 算定に当たっての留意事項

    当該加算は、次に掲げる区分に応じ、利用者 1 人につき 1 月に 1 回を限度として算定する。
    1. 入院時情報連携加算(I)
      医療機関へ出向いて、当該医療機関の職員と面談し、必要な情報を提供した場合に所定単位数を加算する。
    2. 入院時情報連携加算(II)
      1以外方法により必要な情報を提供した場合に所定単位数を加算する。
  3. 手続

     情報提供を行った日時場所(医療機関へ出向いた場合)、内容提供手段(面談、FAX等)等について記録(基準省令第 30 条第 2 項に規定する記録をいう。以下同じ。)を作成し、5 年間保存するとともに、市町村長等から求めがあった場合については、提出しなければならない。

     なお、当該利用者が重度訪問介護を利用して入院する場合は、当該利用者を支援する重度訪問介護事業所と連携の上当該入院に係る医療機関との連携を行うものとする。

     その際、入院時情報提供書は、当該重度訪問介護事業所と共同で作成すること等も考えられるが、他の事業所が代表して作成した入院時情報提供書を提供することのみをもって入院時情報連携加算(II)を算定することはできない。

参考:障発第1031001号

厚生労働省の関連情報・様式など

様式出典
入院時支援連携加算に関する様式例の提示等について[61KB]別ウィンドウで開く
【別添1】 入院時情報提供書・様式[82KB]別ウィンドウで開く
【別添2】入院時情報提供書・記載例[303KB]別ウィンドウで開く
厚生労働省
医療機関と相談支援事業所の連携に関する一層の取組促進について(PDF)
【別添1】入院時情報提供書(参考様式・記入例)(Excel)
【別添2】通院時情報提供書(参考様式・記入例)(Excel)
【別添3】退院時情報提供書(参考様式・記入例)(Excel)
厚生労働省

Q&A

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まとめ

入院時情報連携加算は、医療と福祉の連携を強化し、利用者の適切なケアを支援する重要な制度です。加算を算定するには、利用者に関する詳細な情報を記録し、適切な形で医療機関に提供する必要があります。また、記録保存や他事業所との連携など、正確な手続きを踏むことが不可欠です。事業者は要件を正しく理解し、制度を有効活用することで、利用者の生活の質向上を目指しましょう。

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