【Q&A】福祉・介護職員等特定処遇改善加算について│R01,05,17.問1~19

福祉・介護職員等特定処遇改善加算

取得要件について

問1
福祉・介護職員等特定処遇改善加算は、勤続 10 年以上の介護福祉士等がいなければ取得できないのか。

福祉・介護職員等特定処遇改善加算については、

  • 現行の福祉・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得していること
  • 福祉・介護職員処遇改善加算の職場環境等要件に関し、複数の取組を行っていること
  • 福祉・介護職員処遇改善加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等を通じた
  • 見える化を行っていること

を満たす事業所が取得できることから、勤続 10 年以上の介護福祉士等がいない場合であって
も取得可能である。

問2 職場環境等要件について、現行の福祉・介護職員処遇改善加算の要件を満たすものとして実施している取組とは別の取組を実施する必要があるのか。

福祉・介護職員等特定処遇改善加算における職場環境等要件については、職場環境等の改善が行われることを担保し、一層推進する観点から、複数の取組を行っていることとし、具体的には、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」及び「その他」の区分ごとに一以上の
取組を行うことが必要である。
これまで福祉・介護職員処遇改善加算を算定するに当たって実施してきた取組をもってこの要件を満たす場合、福祉・介護職員等特定処遇改善加算の取扱いと同様、これまでの取組に加えて新たな取組を行うことまでを求めているものではない。

問3 ホームページ等を通じた見える化については、障害福祉サービス等事業所検索サイトを活用しないことも可能か。

事業所において、ホームページを有する場合、そのホームページを活用し、
福祉・介護職員等特定処遇改善加算の取得状況
・ 賃金改善以外の処遇改善に関する具体的な取組内容
を公表することも可能である。

配分対象と配分ルールについて

問4 経験・技能のある障害福祉人材について、勤続 10 年以上の介護福祉士等を基本とし、勤続 10 年の考え方については、事業所の裁量で設定できることとされているが、どのように考えるのか。

「勤続 10 年の考え方」については、

  • 勤続年数を計算するにあたり、同一法人のみだけでなく、他法人や医療機関等での経験等も通算する
  • すでに事業所内で設けられている能力評価や等級システムを活用するなど、10 年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とする

など、各事業所の裁量により柔軟に設定可能である。

問5 経験・技能のある障害福祉人材に該当する職員がいないこととすることも想定されるのか。その場合、月額8万円の賃金改善となる者又は処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)以上となる者を設定・確保することは必要か。

経験・技能のある障害福祉人材については、勤続年数 10 年以上の介護福祉士等を基本とし、各事業所の裁量において設定することとなり、処遇改善計画書及び実績報告書において、その基準設定の考え方について記載することとしている。

今回、経験・技能のある障害福祉人材に重点化を図りながら、福祉・介護職員の更なる処遇改善を行うという福祉・介護職員等特定処遇改善加算の趣旨を踏まえ、事業所内で相対的に経験・技能の高い障害福祉人材を「経験・技能のある障害福祉人材」のグループとして設定し、その中で月額8万円の賃金改善となる者等を設定することが基本となる。

ただし、介護福祉士等に該当する者がいない場合や、比較的新たに開設した事業所で、研修・実務経験の蓄積等に一定期間を要するなど、職員間における経験・技能に明らかな差がない場合などは、この限りでない。なお、このような「経験・技能のある障害福祉人材」のグループを設定しない理由についても、処遇改善計画書及び実績報告書に具体的に記載する必要がある。

どのような経験・技能があれば「経験・技能のある障害福祉人材」のグループに該当するかについては、労使でよく話し合いの上、事業所ごとに判断することが重要である。

問6 月額8万円の処遇改善を計算するに当たり、現行の福祉・介護職員処遇改善加算による改善を含めて計算することは可能か。

月額8万円の処遇改善の計算に当たっては、福祉・介護職員等特定処遇改善加算による賃金改善分で判断するため、現行の福祉・介護職員処遇改善加算による賃金改善分とは分けて判断することが必要である。

問7 処遇改善後の賃金が、役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)以上かを判断するにあたっての賃金に含める範囲はどこまでか。

「経験・技能のある障害福祉人材」のうち設定することとしている「月額8万円の処遇改」
又は「処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)以上」の処遇改善となる者に係る処遇改善後の賃金額については、手当等を含めて判断することとなる。
なお、「月額8万円」の処遇改善については、法定福利費等の増加分も含めて判断し、処遇改善後の賃金「440 万円」については、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含まずに判断する。

問8 令和元(2019)年度は 10 月から算定可能となるが、経験・技能のある障害福祉人材について、処遇改善後の賃金が、役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)以上かを判断するにあたり、考慮される点はあるのか。

処遇改善後の賃金が年額 440 万円以上となることが原則であるが、福祉・介護職員等特定処遇改善加算が10月施行であることを踏まえ、令和元(2019)年度の算定に当たっては、6月間又はそれ以下の期間の特定処遇改善加算を加えても年収 440 万円以上を満たすことが困難な場合、12 月間加算を算定していれば年収 440 万円以上となることが見込まれる場合であっても、要件を満たすものとして差し支えない。

問9 その他の職種の440万円の基準を判断するにあたって、賃金に含める範囲はどこまでか。

その他の職種の 440万円の基準については、手当等を含めて判断することとなる。なお、法定福利費等は含めない。

問 10 その他の職種の 440 万円の基準についての非常勤職員の給与の計算はどのように行うのか。

その他の職種の 440 万円の基準についての非常勤職員の給与の計算に当たっては、常勤換算方法で計算し賃金額を判断することが必要である。

問 11 小規模な事業所で開設したばかりである等、設定することが困難な場合に合理的な説明を求める例として、8万円等の賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合が挙げられているが、「一定期間」とはどの程度の期間を想定しているのか。

実際に月額8万円の改善又は年収 440 円となる者を設定するにはこれまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力・処遇を明確化することが必要になるため、時間を要する可能性があるが、規程の整備等については適切にご対応いただきたい。
当該地域における賃金水準や経営状況等、それぞれ状況は異なることから、「一定期間」を一律の基準で定めることや計画を定めて一定の期間で改善を求めることは適切でない。

問 12 各グループの対象人数に関して、「原則として常勤換算方法による」とされているが、どのような例外を想定しているのか。

各グループにおける平均賃金改善額を計算するに当たっては、経験・技能のある障害福祉人材及び他の障害福祉人材については、常勤換算方法による人数の算出を求めている。
一方で、その他の職種については、常勤換算方法のほか、実人数による算出も可能であり、各事業所における配分ルールにも影響することも踏まえ、労使でよく話し合いの上、適切に判断されたい。

問 13 平均改善額の計算にあたり、母集団に含めることができる職員の範囲はどこまでか。

賃金改善を行う職員に加え、賃金改善を行わない職員についても、平均改善額の計算を行うにあたり職員の範囲に含めることとなる。

指定権者への届出について

問 14 実績報告に当たって、積算の根拠となる資料は「求められた場合には、提出できるようにしておく」とあるが、予め提出を求めても差し支えないか。

今後、見込まれる厳しい人材不足の中、障害福祉サービス事業所等の事務負担・文書量の大幅な削減が求められている。
過去の経緯等を踏まえ、特定の事業所に個別に添付書類の提出を求めることは差し支えないが、各事業所における賃金改善の方法や考え方については、処遇改善計画書及び実績報告書において記載を求めており、また職員の個々の賃金改善額は柔軟に決められる一方、各グループの平均賃金改善額のルールを設け、実績報告書に記載を求めるものであり、更に詳細な積算資料(各職員の賃金額や改善額のリスト等)の事前提出を一律に求めることは想定していない。

問 15 福祉・介護職員等特定処遇改善加算については、法人単位の申請が可能とされているが、法人単位での取扱いが認められる範囲はどこまでか。

法人単位での取扱いについては、

  • 月額8万円の処遇改善となる者又は処遇改善後の賃金が役職者を除く全産業平均賃金(440 万円)以上となる者を設定・確保
  • 経験・技能のある障害福祉人材、他の障害福祉人材、その他の職種の設定が可能である。

また、法人単位で月額8万円の処遇改善となる者等の設定・確保を行う場合、法人で一人ではなく、一括して申請する事業所の数に応じた設定が必要である。なお、事業所の中に、設
定することが困難な事業所が含まれる場合は、実態把握に当たりその合理的理由を説明することにより、設定の人数から除くことが可能である。
なお、取得区分が(Ⅰ)、(Ⅱ)と異なる場合であっても、福祉・介護職員等特定処遇改善加算取得事業所間においては、一括の申請が可能である(加算未取得事業所や処遇改善加算の非対象サービスの事業所、障害福祉サービス等制度外の事業所については一括した取扱いは認められない。)。

配分対象における職員分類の変更特例について

問 16 配分対象における職員分類の変更特例について、「当該特例の趣旨に沿わない計画(特段の理由がない職員分類の変更や、職員分類の変更特例に例示されていない特性かつ同じ特性により多数の職員の分類変更を行う場合等)については、詳細な理由の説明を求めることとする。」とされているが、具体的にどのような計画を指しているか。

福祉・介護職員等特定処遇改善加算は、新しい経済政策パッケージに基づき

  • 経験・技能のある障害福祉人材への重点化
  • 障害福祉人材の更なる処遇改善
  • 障害福祉人材の更なる処遇改善という趣旨を損なわない程度の柔軟運用

という趣旨で創設されたものである。

しかし、通常の職員分類では、経験若しくは技能等を鑑みて、上記趣旨を踏まえた適正な評価ができない職員の特性を考慮し、職員分類の変更特例を設けたものである。したがって、「当該特例の趣旨に沿わない計画」とは、

  • 経験・技能等を鑑みず、職種で一律に変更特例を行うような事例
  • 経験・技能等を鑑みず、雇用形態で一律に変更特例を行うような事例

などが考えられる。

なお、障害福祉サービス事業所等の事務負担・文書量の大幅な削減が求められているため、変更特例の適用について一律に説明を求めることは想定していない。
また、詳細な理由の説明を求めた結果、提出された「職員分類の変更特例に係る報告」に記載されていない事由があった場合は、その事由を追記(または資料添付)することとする。

その他

問 17 福祉・介護職員特定処遇改善加算の配分以上に賃金改善を行う場合で、処遇改善計画書及び実績報告書において、加算配分以上の賃金改善分を含めると配分ルールを満たせなくなる場合は、どのように取り扱えばよいか。

福祉・介護職員特定処遇改善加算の額を上回る賃金改善を行う場合であって、全ての賃金改善を含めた場合、処遇改善計画書及び実績報告書において配分ルールを満たせなくなる場合は、福祉・介護職員特定処遇改善加算の配分を上回る賃金改善分を除いて、処遇改善計画書及び実績報告書を作成して差し支えない。

問 18 平成 21 年9月25日に発出された「福祉・介護人材の処遇改善事業に係る Q&A(追加分)」の問4において、就労継続支援B型事業所の目標工賃達成指導員が対象となる旨の回答がなされており、福祉・介護職員処遇改善加算においても同様の取扱いがなされているが、福祉・介護職員等特定処遇改善加算においても、福祉・介護職員と同様の取扱いとしてよいか。

お見込のとおり取り扱って差し支えない。

問19 法人単位の処遇改善計画書の提出が可能とされているが、事業所ごとに賃金改善額が加算額を上回る必要があるのか。

福祉・介護職員等特定処遇改善加算及び福祉・介護職員処遇改善加算並びに福祉・介護職員処遇改善特別加算について、原則、各事業所において処遇改善計画書を作成し、賃金改善されることとしており、複数の事業所等を有する法人においても各事業所において賃金改善されることが望ましいものの、事業所等ごとの届出が実態に鑑み適当でない場合は、法人が処遇改善計画書を一括して作成することを特例として認めているところ。
そのため、法人単位で一括作成された処遇改善計画書及び実績報告書においては、法人単位で加算額以上の賃金改善が行われていることが確認されれば、足りるものとする。
なお、加算を取得していない事業所や処遇改善加算の非対象サービスの事業所、障害福祉サービス等制度外の事業所については、一括した取扱いは認められない。

出典:2019年度Q&A VOL.1(令和元年5月17日)

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