令和6年3月29日改正
参考:障発第1206001号│厚生労働省(新しいタブで開きます)
第15 共同生活援助
1 人員に関する基準
(2)生活支援員(基準第208条第1項第2号)
生活支援員の員数については、常勤換算方法で、当該指定共同生活援助事業所の利用者の障害支援区分ごとに、次のとおり算定して得た数の合計数以上とする。
- 障害支援区分3に該当する利用者の数を9で除して得た数
- 障害支援区分4に該当する利用者の数を6で除して得た数
- 障害支援区分5に該当する利用者の数を4で除して得た数
- 障害支援区分6に該当する利用者の数を2.5で除して得た数
(例)利用者を12人(区分6が2人、区分5が4人、区分4が6人)とし、常勤の勤務時間を1週間4 時間とした場合、当該事業所における指定共同生活援助の提供に従事する勤務時間の延べ数を、1週間の間に、- 区分6:40時間×(2÷2.5)人=32時間
- 区分5:40時間×(4÷4)人=40時間
- 区分4:40時間×(6÷6)人=40時間
延べ合計112時間以上確保する必要がある。
(6)管理者(基準第209条)
指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の1の(7)の①を参照されたい。
2 設備に関する基準(基準第210条)
(1)立地(基準第210条第1項)
指定共同生活援助事業所の立地については、利用者に対して、家庭的な雰囲気の下、指定共同生活援助を提供するとともに、地域との交流を図ることによる社会との連帯を確保する観点から、入所施設や病院の敷地内に立地されるのではなく、住宅地又は住宅地と同程度に家族や地域住民との交流の機会が確保される地域の中に立地されることについて、都道府県知事が確認することを求めたものである。
この場合、開設及び指定申請時においては、都市計画法その他の法令の規定や、土地の所有関係により一律に判断するのではなく、指定共同生活援助事業所を開設しようとする場所の現地調査等により、周辺の環境を踏まえ、地域の実情に応じて適切に判断されるべきものである。
なお、この規定は、平成18年9月30日において現に存する旧指定共同生活援助事業所の調査を改めて行う必要があることを示したものではないこと。
(2)事業所の単位(基準第210条第2項)
指定共同生活援助事業所については、個々の共同生活住居ごとに指定を行うのではなく、一定の地域の範囲内に所在する1以上の共同生活住居(サテライト型住居(当該サテライト型住居を設置しようとする者により設置される当該サテライト型住居以外の共同生活住居であって、当該サテライト型住居に入居する者に対する支援を行うもの(以下「本体住居」という。)と密接な連携を確保しつつ、本体住居とは別の場所で運営される共同生活住居をいう。以下同じ。)を除く。以下この(2)、(3)の①及び③から⑤まで並びに(4)において同じ。)を指定共同生活援助事業所として指定することとし、当該指定共同生活援助事業所における共同生活住居及びサテライト型住居の入居定員の合計が4人以上でなければならないものとする。
なお、この場合の「一定の地域の範囲」とは、いずれの共同生活住居及びサテライト型住居についても、主たる事務所から概ね30分程度で移動できる範囲に所在する場合であって、サービス管理責任者の業務を遂行する上で支障がないなど、指定共同生活援助事業所としての一体的なサービス提供に支障がない範囲をいうものである。
(3)共同生活住居(基準210条第3項から第5項まで)
- 「共同生活住居」とは、複数の居室に加え、居間、食堂、便所、浴室等を共有する1つの建物をいう。
ただし、マンション等の建物において、複数の利用者が共同生活を営むことが可能な広さを有する住戸については、当該住戸を共同生活住居として捉え、ワンルームタイプなど、これに該当しない住戸については、建物内の複数の住戸を共同生活住居として定めるものとする。
なお、マンション等の建物内において、複数の共同生活住居を設置する場合における当該複数の共同生活住居の入居定員の合計数が、基準第210条第4項及び第5項に規定する共同生活住居の入居定員を超える場合にあっては、マンション等の建物内の全ての住戸を共同生活住居とすることは認められないこと。
また、特にワンルームタイプなどの複数の住戸を共同生活住居として認める場合には、共同生活住居の趣旨を踏まえ、利用者が地域の中で家庭的な雰囲気の下、共同して暮らせる環境作りなどに配慮されたい。 - 共同生活住居の配置、構造及び設備については、例えば、車いすの利用者がいる場合は必要な廊下幅の確保や段差の解消を行う等、利用者の障害特性に応じて工夫されたものでなければならない。
- ❶の規定にかかわらず、都市部など土地の取得が極めて困難な地域等であって、次のアからエまでのいずれにも該当するものとして、都道府県知事が特に必要と認めた場合においては、1つの建物の中に複数の共同生活住居を設置することができるものとする。なお、この場合の一のユニットの入居定員は6人以下とすることが望ましいこと。
- ア 指定共同生活援助の提供に加え指定地域定着支援事業や指定短期入所事業を実施すること又は地域生活支援拠点等の拠点コーディネーター及び法第77条第3項第1号に規定する関係機関との連携及び調整に従事する者を配置すること等により、地域で生活している障害者等との常時の連絡体制の確保、緊急一時的な宿泊の場の提供など地域で暮らしている障害者等を支援するための体制を確保すること。
- イ アの機能を当該共同生活住居に付加的に集約して整備することについて、市町村による地域生活支援拠点等の整備の一環として位置づけられていること
- ウ 1つの建物であっても、入り口(玄関)が別になっているなど建物構造上、共同生活住居ごとの独立性が確保されていること
- エ 1つの建物に設置する複数の共同生活住居の入居定員の合計数が20人以下(短期入所(空床利用型を除く。)を行う場合、当該短期入所の利用定員数を含む。)であること
- ア 指定共同生活援助の提供に加え指定地域定着支援事業や指定短期入所事業を実施すること又は地域生活支援拠点等の拠点コーディネーター及び法第77条第3項第1号に規定する関係機関との連携及び調整に従事する者を配置すること等により、地域で生活している障害者等との常時の連絡体制の確保、緊急一時的な宿泊の場の提供など地域で暮らしている障害者等を支援するための体制を確保すること。
- サテライト型住居と一体として運営される本体住居及びサテライト型住居については、サテライト型住居の入居者から適切に通報を受けることができるよう、それぞれの住居に必要な通信機器を設けるものとすること。
なお、当該通信機器については、必ずしも当該本体住居に設置され固定されている必要はなく、携帯電話等であっても差し支えないこと。 - 一の共同生活住居の入居定員は、次のとおりとする。
- ア 平成18年10月1日以降新規に設置する場合
2人以上10 人以下 - イ 既存の建物を共同生活住居として利用する場合
2人以上20人以下 - ウ 都道府県における指定共同生活援助及び外部サービス利用型指定共同生活援助の量が、都道府県障害福祉計画において定める量に満たない地域であって、都道府県知事が特に必要と認めた場合
21人以上30人以下 - エ 都市部等土地の取得が極めて困難な地域において、入居定員が10人以上の既存の共同生活住居を改築する場合であって、近隣の住宅地等に新たに土地を確保できないなど改築後に共同生活住居を複数に分けて設置することが極めて困難であると都道府県知事が認めた場合
2人以上30人以下(ただし、改築後の共同生活住居の入居定員は、改築する時点の当該共同生活住居の入居定員と同数を上限とする)
- ア 平成18年10月1日以降新規に設置する場合
(4)ユニット(基準第210条第6項から第8項まで)
「ユニット」とは、居室及び居室に近接して設けられる相互に交流を図ることができる設備により一体的に構成される生活単位をいい、共同生活住居については、1以上のユニットを設けるものとし、当該ユニットごとに、原則として、風呂、トイレ、洗面所、台所等日常生活を送る上で必要な設備を設けなければならないものとするが、利用者に対して、適切な指定共同生活援助の提供に支障がない場合は、この限りではない。
なお、この場合の留意点は次のとおりである。
- ユニットの入居定員は、2人以上10人以下とする。
- ユニットには、居室のほか、居間、食堂等の利用者が相互交流を図ることができる設備を設けるものとすること。
また、これらの設備(居室を除く。)については、原則として利用者(サテライト型住居を設置する場合は当該サテライト型住居の利用者を含む。)及び従業員が一堂に会するのに十分な広さを確保するものとする。 - 居室の定員については、1人とすること。
ただし、夫婦で居室を利用する場合等、利用者の希望を踏まえ、一の居室を2人で利用することは差し支えないが、指定共同生活介護事業者の都合により一方的に2人部屋とすることは認められないものであること。
なお、2人部屋については、特に居室面積の基準は示していないが、十分な広さを確保しなければならないものとする。 - 居室の面積は、7.43㎡(和室であれば4.5畳)以上とされているが、生活の場であることを基本に、収納設備は別途確保するなど利用者の私物等も置くことができる十分な広さを有するものとすること。
- 居室とは、廊下、居間等につながる出入口があり、他の居室とは明確に区分されているものをいい、単にカーテンや簡易なパネル等で室内を区分しただけと認められるものは含まれないこと。
ただし、一般の住宅を改修している場合など、建物の構造上、各居室間がふすま等で仕切られている場合は、この限りではない。
(5)サテライト型住居(基準第210条第9項)
- サテライト型住居は、本体住居とサテライト型住居の入居者が、日常的に相互に交流を図ることができるよう、サテライト型住居の入居者が通常の交通手段を利用して、本体住居とサテライト型住居の間を概ね20分以内で移動することが可能な距離に設置することを基本とする。
なお、当該距離要件については、移動に要する時間により一律に判断するのではなく、交通基盤の整備状況や気候・地理的な条件等を踏まえつつ、地域の実情に応じて適切に判断すること。 - サテライト型住居は、一の本体住居に2か所の設置を限度とする。
ただし、本体住居の入居定員が4人以下の場合は、1か所の設置を限度とする。
なお、一定の地域の範囲内に所在する複数の共同生活住居を本体住居として、1つの建物に複数のサテライト型住居を集約して設置することは認められないこと。 - サテライト型住居については、当該サテライト型住居ごとに、原則として、風呂、トイレ、洗面所、台所等日常生活を送る上で必要な設備を設けなければならないものとする。
なお、この場合の留意点は次のとおりである。- ア サテライト型住居の入居定員は、1人とする。
- イ サテライト型住居の居室の面積は、7.43㎡(和室であれば4.5畳)以上とされているが、生活の場であることを基本に、収納設備は別途確保するなど利用者の私物等も置くことができる十分な広さを有するものとすること。
3 運営に関する基準
(1)入退居(基準第210条の2)
指定共同生活援助は、共同生活住居への入居を必要とする者(入院治療を要する者を除く。)に提供するものとし、入居及び退居に際しての必要な事項及び居宅における自立した日常生活への移行後の定着に必要な援助に関する事項を定めたものである。
(2)入退居の記録の記載(基準第210条の3)
指定共同生活援助事業者は、入居又は退居に際しては、当該指定共同生活援助事業者の名称、入居又は退居の年月日その他の必要な事項(以下「受給者証記載事項」という。)を、利用者の受給者証に記載するとともに、遅滞なく市町村に対し報告しなければならないこととしたものである。
(3)利用者負担額等の受領(基準第210条の4)
- 利用者負担額の受領等
指定居宅介護の規定と同趣旨であるため、第3の3の(11)の①、②、④及び⑤を参照されたい。 - その他受領が可能な費用の範囲
基準第210条の4第3項は、指定共同生活援助事業者は、前2項の支払を受ける額のほか、指定共同生活援助において提供される便宜に要する費用のうち、- ア 食材料費
- イ 家賃
- ウ 光熱水費
- エ 日用品費
- オ 日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、支給決定障害者に負担させることが適当と認められるもの
の支払を受けることができることとし、訓練等給付費等の対象となっているサービスと明確に区分されない曖昧な名目による費用の支払を受けることは認めないこととしたものである。なお、オの具体的な範囲については、「障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取扱いについて」(平成18年12月6日障発第1206002号当職通知)(外部リンク)によるものとする。
また、入居前の体験的な利用(以下「体験利用」という。)に係る利用者については、利用日数に合わせて按分する等の方法により適切な額の支払を受けることとする。
- 食材料費の取扱い
食材料費として徴収した額については適切に管理するとともに、結果としてあらかじめ徴収した食材料費の額に残額が生じた場合には、精算して利用者に当該残額を返還することや、当該事業所の利用者に対する今後の食材料費として適切に支出する等により、適正に取り扱う必要がある。
また、食材料費の額やサービスの内容については、サービス利用開始時及びその変更時において利用者に説明し、同意を得るとともに、食材料費の収支について利用者から求められた場合に適切に説明を行う必要がある。
(5)地域との連携等(基準第210条の7)
- 基準第210条の7第1項は、指定共同生活援助の事業が地域に開かれた事業として行われるよう、指定共同生活援助事業者は、地域の住民やボランティア団体等との連携及び協力を行う等の地域との交流を図らなければならないこととしたものである。
- 同条第2項に定める地域連携推進会議は、指定共同生活援助事業所が、利用者及びその家族、地域住民の代表者、福祉や経営について知見を有する者並びに市町村の担当者等に対し、提供しているサービス内容等を明らかにし、地域との連携により、効果的な事業運営、サービスの透明性及び質の確保、利用者の権利擁護等を目的として設置するものであり、各事業所が自ら設置し、おおむね年1回以上開催しなければならない。
この地域連携推進会議は、事業所の指定申請時には、既に設置されているか、確実な設置が見込まれることが必要となるものである。
地域連携推進会議は、ウェブ会議システム等を活用して行うことができるものであるが、厚生労働省「福祉分野における個人情報保護に関するガイドライン」(外部リンク)等を遵守すること。 - 地域連携推進会議の開催のほか、おおむね1年に1回以上、地域連携推進会議の構成員(以下「地域連携推進員」という。)が指定共同生活援助事業所を見学する機会を設けること。なお、当該事業所が複数の共同生活住居(サテライト型住居を含む。)を設置している場合は、全ての住居に外部の目を入れ透明性を確保することが必要であることから、住居ごとにおおむね年1回以上、地域連携推進員が見学する機会を設定しなければならない。
なお、居室の見学については、当該居室の利用者の了承を得た上でなければ、行ってはならないこと。 - 地域連携推進会議における報告等の記録は、同条第4項の規定に基づき、5年間保存しなければならない。
- 同条第5項に規定に基づき、地域連携推進会議の設置等に代えて、外部の者による評価及び当該評価の実施状況の公表等の措置を実施する場合は、サービスの第三者評価等の実施状況(実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果)を公表するとともに、その記録を5年間保存しなければならない。
- 地域連携推進会議の設置等に係る義務付けの適用に当たっては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する命令(令和6年内閣府・厚生労働省令第10号)附則第2条において、1年間の経過措置を設けており、令和7年3月31日までの間は、努力義務とされている。
(6)介護及び家事等(第211条)
- 支援の基本方針
指定共同生活援助事業者は、指定共同生活援助の提供に当たって、利用者の状態に応じ、利用者がその自主性を保ち、意欲的に日々の生活を送ることができるように指定共同生活援助を提供し又は必要な支援を行うものとする。
また、指定共同生活援助の提供に当たっては、利用者の人格に十分に配慮しなければならない。 - 家事等の実施の方法
基準第211条第2項は、利用者が従業者と調理や洗濯、掃除、買物、レクリエーション、行事等を共同で行うことにより、良好な人間関係に基づく家庭的な生活環境の中で日常生活が送れるようにしなければならないこととしたものである。 - 居宅介護等の利用の制限
同条第3項は、指定共同生活援助は、当該指定共同生活援助事業所の従業者でない、いわゆる付添者による介護や居宅介護等の他の障害福祉サービスによる介護を、利用者の負担によって利用させることができないこととしたものである。
ただし、指定共同生活援助事業者の負担により、居宅介護等のサービスを利用させることは差し支えない。
なお、指定重度障害者等包括支援として提供される指定共同生活援助については、この限りではない。 - サテライト型住居の入居者への支援
サテライト型住居の入居者に対しては、共同生活援助計画に基づき、定期的な巡回等により、相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を行うものとする。
なお、この場合の「定期的な巡回等」とは、原則として1日複数回の訪問を行うことを想定しているが、訪問回数及び訪問時間等については適切なアセスメント及びマネジメントに基づき、利用者との合意の下に決定されるべきものであり、サテライト型住居の入居者が本体住居で過ごす時間やその心身の状況等に応じて訪問を行わない日があることを必ずしも妨げるものではないこと。
また、訪問時間については短時間に限らず、必要なケアの内容に応じ柔軟に設定すること。サテライト型住居を設置する指定共同生活援助事業者は、サテライト型住居の入居者が、当該サテライト型住居を退去し、一般住宅等において、安心して日常生活を営むことができるかどうか、他の障害福祉サービス事業者等の関係者を含め、定期的に検討を行うとともに、当該サテライト型住居に入居してから原則として3年の間に、一般住宅等へ移行できるよう、他の障害福祉サービス事業者等との十分な連携を図りつつ、計画的な支援を行うものとする。
ただし、サテライト型住居に入居してから3年を超える場合であっても、引き続き当該住居を利用することにより単身生活への移行が具体的に見込まれる場合等については、市町村審査会における個別の判断により、3年を超える利用を認めること。
また、指定共同生活援助が不要になっても、当該サテライト型住居の契約を事業者からサテライト型住居の入居者個人に切り替えることでそのまま住み慣れた住居で生活し続けることができるようにするなど、柔軟な運用や配慮を行うこと。
(7)社会生活上の便宜の供与(基準第211条の2)
- 他の障害福祉サービス事業者等との連絡調整等
指定共同生活援助事業者は、利用者が充実した日常生活が営めるよう、利用者の就労先や利用する他の日中活動サービス等との連絡調整や、余暇活動等の社会生活上の支援に努めなければならないこととしたものである。 - 手続等の代行
指定共同生活援助事業者は、郵便、証明書等の交付申請等、利用者が必要とする手続等について、利用者又はその家族が行うことが困難な場合は、原則としてその都度、その者の同意を得た上で代行しなければならないこととするものである。
特に金銭に係るものについては書面等をもって事前に同意を得るとともに、代行した後はその都度、本人に確認を得るものとする。 - 家族との連携
指定共同生活援助事業者は、利用者の家族に対し、利用者とその家族が交流できる機会等を確保するよう努めなければならないこととするものである。
(8)運営規程(基準第211条の3)
指定共同生活援助事業所の適正な運営及び利用者に対する適切な指定共同生活援助の提供を確保するため、基準第211条の3第1号から第10号までに掲げる事項を内容とする運営規程を定めることとしたものである。
- 事業の目的及び運営の方針(第1号)
利用者の適切な事業所の選択に資するため、指定共同生活援助事業所であることを明記しておくこと。 - 入居定員(第3号)
入居定員とは、ユニットごとの入居定員、共同生活住居ごとの入居定員(サテライト型住居を設置している場合は当該サテライト型住居の入居定員を別掲する。)及び指定共同生活援助事業所が有する共同生活住居の入居定員の合計数をいうものであり、それぞれ運営規程に定めなければならないものであること。
なお、入居定員には体験利用に係る利用者も含むものであるので、今まで使用してない居室等を活用して体験利用を行う場合は、新たに届け出ること。 - 指定共同生活援助の内容(第4号)
指定共同生活援助の内容とは、利用者に対する相談援助、入浴、排せつ及び食事の介護、健康管理、金銭の管理に係る支援、余暇活動の支援、緊急時の対応、就労先又は他の障害福祉サービス事業者等との連絡調整等の日常生活を営む上で必要な支援をいうものであり、体験利用を提供する際には、その旨明記しておくこと。 - その他運営に関する重要事項(第10号)
指定共同生活援助事業所が市町村により地域生活支援拠点等として位置付けられている場合は、その旨を明記すること。
(9)勤務体制の確保等(基準第212条)
- 従業者の勤務体制
利用者に対する適切な指定共同生活援助の提供を確保するため、従業者の勤務体制等について規定したものであるが、世話人、生活支援員及びサービス管理責任者の日々の勤務体制、常勤・非常勤の別、管理者等との兼務関係等を事業所ごとに明確にすること。
また、基準第212条第2項は、指定共同生活援助の利用者の安定した日常生活を確保する観点から、共同生活住居ごとに担当の世話人を定めるなど、支援の継続性を重視した指定共同生活援助の提供に配慮すべきこととしたものである。 - 生活支援員の業務の外部委託
同条第3項は、指定共同生活援助事業者は原則として、指定共同生活援助事業所ごとに、当該事業所の従業者によって指定共同生活援助を提供しなければならないが、当該指定共同生活援助事業者が業務の管理及び指揮命令を確実に行うことができる場合は、指定共同生活援助に係る生活支援員の業務の全部又は一部を他の事業者(以下「受託者」という。)に委託することができることを定めたものである。
この場合において、受託者が、受託した業務の全部又は一部を再委託することは認められない。なお、警備等の指定共同生活援助に含まれない業務については、同条の規定は適用されない。
同条第4項の規定は、当該委託を行う指定共同生活援助事業者(以下「委託者」という。)は、当該受託者に対する当該業務の管理及び指揮命令の確実な実施を確保するため、その業務の実施状況を定期的に確認、記録しなければならないことを定めたものである。
指定共同生活援助事業者は、同条の規定による業務の実施状況の確認、記録を行うため、当該委託に係る契約を締結するに当たって、次に掲げる事項を文書により取り決めておくとともに、イ(Ⅰ)及び(Ⅲ)の確認の結果を記録しなければならない。- ア 委託に係る業務(以下②において「委託業務」という。)の範囲
- イ 委託業務の実施に当たり遵守すべき条件
- (Ⅰ)受託者の従業者により、当該委託業務が基準第十四章第四節の運営に関する基準に従って、適切に行われていることを委託者が定期的に確認する旨
- (Ⅱ)委託者が当該委託業務に関し、受託者に対し、指示を行い得る旨。なお、当該指示については、文書により行わなければならないこと。
- (Ⅲ)委託者が当該委託業務に関し、改善の必要を認め、所要の措置を講じるよう(Ⅱ)の指示を行った場合において、当該措置が講じられたことを委託者が確認する旨
- (Ⅳ)受託者が実施した当該委託業務により、入居者に賠償すべき事故が発生した場合における責任の所在
- (Ⅴ)その他当該委託業務の適切な実施を確保するために必要な事項
- 研修への参加
同条第5項は、当該指定共同生活援助事業所の従業者の質の向上を図るため、研修への参加の機会を計画的に確保することを規定したものである。 - 同条第6項の規定は、基準第33条第4項の規定と基本的に同趣旨であるため、第3の3の(22)を参照されたいこと。
利用者に対する適切な指定居宅介護の提供を確保するため、従業者の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。
- 基準第33条第1項は、指定居宅介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、従業者については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提供責任者である旨等を明確にすることを定めたものであること。
- 同条第2項は、当該指定居宅介護事業所の従業者によって指定居宅介護を提供するべきことを規定したものであるが、指定居宅介護事業所の従業者とは、雇用契約その他の契約により、当該事業所の管理者の指揮命令下にある従業者を指すものであること。
- 同条第3項は、当該指定居宅介護事業所の従業者の質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該指定居宅介護事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することとしたものであること。
- 同条第4項は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第11条第1項及び労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第30条の2第1項の規定に基づき、指定居宅介護事業者には、職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント(以下「職場におけるハラスメント」という。)の防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務づけられていることを踏まえ、規定したものである。
指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的内容及び指定居宅介護事業者が講じることが望ましい取組については、次のとおりとする。なお、セクシュアルハラスメントについては、上司や同僚に限らず、利用者やその家族等から受けるものも含まれることに留意すること。
- ア 指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的内容
指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的な内容は、
事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)及び
事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号。以下「パワーハラスメント指針」という。)において規定されているとおりであるが、特に留意されたい内容は以下のとおりである。
- a 指定居宅介護事業者の方針等の明確化及びその周知・啓発職場におけるハラスメントの内容及び職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業者に周知・啓発すること。
- b 相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備と。相談に対応する担当者をあらかじめ定めること等により、相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、従業者に周知するこ
- a 指定居宅介護事業者の方針等の明確化及びその周知・啓発職場におけるハラスメントの内容及び職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業者に周知・啓発すること。
- イ 指定居宅介護事業者が講じることが望ましい取組について
パワーハラスメント指針においては、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)の防止のために、事業主が雇用管理上の配慮として行うことが望ましい取組の例として、
①相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、
②被害者への配慮のているので参考にされたいための取組(メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して1人で対応させない等)及び
③被害防止のための取組(マニュアル作成や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)が規定されているので参考にされたい。
- ア 指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的内容
(10)支援体制の確保(基準第212条の2)
指定共同生活援助事業所は、サービスの提供体制の確保、夜間における緊急時の対応等のため、地方公共団体や社会福祉法人等であって、障害福祉サービス等を経営する者や他の関係施設の機能を活用すること等により、支援体制が確立できると見込まれる者との間の連携及び支援の体制を整えなければならない旨を規定したものである。
(11)定員の遵守(基準第212条の3)
運営規程において定められた居室、ユニット及び共同生活住居の入居定員を超えて、利用者を入居させてはならないこととしたものである。
(12)協力医療機関等(基準第212条の4)
- 基準第212条の4第1項及び第2項の協力医療機関及び協力歯科医療機関は、共同生活住居から近距離にあることが望ましい。
- 新興感染症発生時等の対応を行う医療機関との連携(第3項)
共同生活住居の利用者における新興感染症の発生時等に、感染者の診療等を迅速に対応できる体制を平時から構築しておくため、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律法第6条第17項に規定する第二種協定指定医療機関である病院又は診療所との新興感染症発生時等における対応を取り決めるよう努めることとしたものである。
取り決めの内容としては、流行初期期間経過後(新興感染症の発生の公表後4か月程度から6か月程度経過後)において、共同生活住居の利用者が新興感染症に感染した場合に、相談、診療、入院の要否の判断、入院調整等を行うことが想定される。
なお、第二種協定指定医療機関である薬局や訪問看護ステーションとの連携を行うことを妨げるものではない。 - 協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合(第4項)
協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合には、当該協力機関との間で、新興感染症の発生時等における対応について協議を行うことを義務付けるものである。協議の結果、当該協力医療機関との間で新興感染症の発生時等の対応の取り決めがなされない場合も考えられるが、当該協力医療機関とは日頃から連携しており、新興感染症の発生時等にも連携して対応を行うことになることから、取り決めまで行うことが望ましい。
(13)準用(基準第213条)
基準第9条、第11条、第12条、第14条から第17条まで、第20条、第23条、第28条、第33条の2、第35条の2から第41条まで、第53条の2、第58条、第60条、第66条、第70条、第75条、第88条、第90条、第92条及び第170条の2の規定は、指定共同生活援助の事業について準用されるものであることから、
第3の3の(1)、(3)(②を除く。)、(4)、(6)、(7)、(10)、(13)、(17)、(23)及び(26)から(32)まで並びに
第4の3の(2)、(7)、(9)、(15)、(19)、(21)及び(23)並びに
第5の3の(7)及び(9)並びに
第9の3の(3)を参照されたい。
なお、指定共同生活援助の事業について準用される基準第75条については、共同生活援助における食材料費に関して一定の透明性を確保する観点から、利用者から徴収した食材料費にかかる記録を含むものとすること。
準用:第3の3の(1)内容及び手続の説明及び同意(基準第9条)
指定居宅介護事業者は、利用者に対し適切な指定居宅介護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者に対し、当該指定居宅介護事業所の運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、利用者の障害の特性に応じ、適切に配慮されたわかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定居宅介護の提供を受けることにつき、当該利用申込者の同意を得なければならないこととしたものである。
なお、利用者及び指定居宅介護事業所双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
また、利用者との間で当該指定居宅介護の提供に係る契約が成立したときは、利用者の障害の特性に応じた適切な配慮をもって、社会福祉法 第77条第1項の規定に基づき、
- 当該事業の経営者の名称及び主たる事務所の所在地
- 当該事業の経営者が提供する指定居宅介護の内容
- 当該指定居宅介護の提供につき利用者が支払うべき額に関する事項
- 指定居宅介護の提供開始年月日
- 指定居宅介護に係る苦情を受け付けるための窓口
を記載した書面を交付すること。
なお、利用者の承諾を得た場合には当該書面に記載すべき事項を電子情報処
準用:第3の3の(3)提供拒否の禁止(基準第11条)
事業者は、原則として、利用申込みに対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、障害程度区分や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、
- 当該事業所の現員からは利用申込みに応じきれない場合
- ※準用除外
- 当該事業所の運営規程において主たる対象とする障害の種類を定めている場合であって、これに該当しない者から利用申込みがあった場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定居宅介護を提供することが困難な場合
- 入院治療が必要な場合
である。
準用:第3の3の(4)連絡調整に対する協力(基準第12条)
事業者は、市町村又は相談支援事業者が行う利用者の紹介、地域におけるサービス担当者会議への出席依頼等の連絡調整等に対し、指定障害福祉サービスの円滑な利用の観点から、できる限り協力しなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(6)受給資格の確認(基準第14条)
サービスの利用に係る介護給付費を受けることができるのは、支給決定障害者等に限られるものであることを踏まえ、事業者は、サービスの提供の開始に際し、利用者の提示する受給者証によって、支給決定の有無、支給決定の有効期間、支給量等を確かめなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(7)介護給付費の支給の申請に係る援助(基準第15条)
準用:第3の3の(10)支給決定障害者等に求めることのできる金銭の支払の範囲等(基準第20条)
事業者は、基準第21条第1項から第3項に規定する額の他曖昧な名目による不適切な費用の徴収を行うことはできないこととしたものであるが、利用者の直接便益を向上させるものについては、次の要件を満たす場合に、利用者等に金銭の支払を求めることは差し支えないものである。
- サービス提供の一環として行われるものではないサービスの提供に要する費用であること。
- 利用者等に求める金額、その使途及び金銭の支払を求める理由について記載した書面を利用者に交付し、説明を行うとともに、当該利用者の同意を得ていること。
準用:第3の3の(13)介護給付費の額に係る通知等(基準第23条)
準用:第3の3の(17)緊急時の対応(基準第28条)
従業者が現に指定居宅介護の提供を行っているときに、利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき、速やかに医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
準用:第3の3の(23)業務継続計画の策定等(基準第33条の2)
- 基準第33条の2は、指定居宅介護事業者は、感染症や災害が発生した場合にあっても、利用者が継続して指定居宅介護の提供を受けられるよう、指定居宅介護の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定するとともに、当該業務継続計画に従い、従業者に対して、必要な研修及び訓練(シミュレーション)を実施しなければならないこととしたものである。
なお、業務継続計画の策定、研修及び訓練の実施については、基準第33条の2に基づき指定居宅介護事業者に実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。
また、感染症や災害が発生した場合には、従業者が連携して取り組むことが求められることから、研修及び訓練の実施にあたっては、全ての従業者が参加できるようにすることが望ましい。 - 業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。
なお、各項目の記載内容については、「障害福祉サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」及び「障害福祉サービス事業所等における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。
また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。
なお、感染症及び災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。
- ア 感染症に係る業務継続計画
- a 平時からの備え(体制構築・整備、感染症防止に向けた取組の実施、備蓄品の確保等)
- b 初動対応
- c 感染拡大防止体制の確立(保健所との連携、濃厚接触者への対応、関係者との情報共有等)
- イ 災害に係る業務継続計画
- a 平常時の対応(建物・設備の安全対策、電気・水道等のライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄等)
- b 緊急時の対応(業務継続計画発動基準、対応体制等)
- c 他施設及び地域との連携
- ア 感染症に係る業務継続計画
- 従業者の内容は、感染症及び災害に係る業務継続計画の具体的内容を職員間に共有するとともに、平常時の対応の必要性や、緊急時の対応にかかる理解の励行を行うものとする。
従業者教育を組織的に浸透させていくために、定期的(年1回以上)な教育を開催するととも、新規採用時には別に研修を実施することが望ましい。
また、研修の実施内容についても記録すること。
なお、感染症の業務継続計画に係る研修については、感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施することも差し支えない。 - 訓練(シミュレーション)においては、感染症や災害が発生した場合において迅速に行動できるよう、業務継続計画に基づき、指定居宅介護事業所内の役割分担の確認、感染症や災害が発生した場合に実践する支援の演習等を定期的(年1回以上)に実施するものとする。
なお、感染症の業務継続計画に係る訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えない。
訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
準用:第3の3の(26)身体拘束等の禁止(基準第35条の2)
- 基準第35条の2第1項及び第2項は、利用者又は他の利用者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。
なお、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、一時性の三つの要件全てを満たし、かつ、組織としてそれらの要件の確認等の手続きを行った旨を記録しなければならないこと。 - 同条第3項第1号の「身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」(以下「身体拘束適正化検討委員会」という。)は、事業所に従事する幅広い職種により構成する。構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の身体拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。
身体拘束適正化検討委員会には、第三者や専門家の活用に努めることとし、その方策として、医師(精神科専門医等)、看護職員等の活用が考えられる。
また、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置も可能であるため、事業所の規模に応じた対応を検討すること。
なお、身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも1年に1回は開催することが必要であるが、虐待防止委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営すること(虐待防止委員会において、身体拘束等の適正化について検討する場合も含む。)も差し支えない。
指定居宅介護事業所が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体拘束等の適正化について、事業所全体で情報共有し、不適切な身体拘束等の再発防止や身体拘束等を行わない支援方法の検討につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。
身体拘束適正化検討委員会における具体的な対応は、次のようなことを想定している。なお、身体拘束適正化検討委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
- ア 身体拘束等について報告するための様式を整備すること。
- イ 従業者は、身体拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、身体拘束等について報告すること。
- ウ 身体拘束適正化検討委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。なお、イにより報告された事例がない場合にも、身体拘束等の未然防止の観点から、利用者に対する支援の状況等を確認することが必要である。
- エ 事例の分析に当たっては、身体拘束等の発生時の状況等を分析し、身体拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と廃止へ向けた方策を検討すること。
- オ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
- カ 廃止へ向けた方策を講じた後に、その効果について検証すること。
- 同条同項第2号の指定居宅介護事業所が整備する「身体拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
- ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
- イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
- ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
- エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
- オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
- カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
- 同条同項第3号の従業者に対する身体拘束等の適正化のための研修の実施に当たっては、身体拘束等の適正化の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定居宅介護事業所における指針に基づき、適正化の徹底を図るものとする。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修を実施(年一回以上)するとともに、新規採用時には必ず身体拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。
また、研修の実施内容について記録することが必要である。なお、研修の実施に当たっては、事業所内で行う職員研修で差し支えなく、他の研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合、例えば、虐待防止に関する研修において身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えない。
準用:第3の3の(27)秘密保持等(基準第36条)
- 基準第36条第1項は、事業所の従業者及び管理者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務付けたものである。
- 同条第2項は、事業者に対して、過去に当該事業所の従業者及び管理者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務付けたものであり、具体的には、事業者は、当該事業所の従業者等が、従業者等でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決めるなどの措置を講ずべきこととするものである。
- 同条第3項は、従業者が利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、他の指定障害福祉サービス事業者と共有するためには、事業者等は、あらかじめ、文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
準用:第3の3の(28)利益供与等の禁止(基準第38条)
- 基準第38条第1項は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等による障害福祉サービス事業者等の紹介が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等に対し、利用者に対して当該指定居宅介護事業者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。
- 同条第2項は、利用者による一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等の選択が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等から、当該事業所を利用する利用者やサービス提供が終了した利用者等を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。
準用:第3の3の(29)苦情解決(基準第39条)
- 基準第39条第1項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情解決の体制及び手順等当該事業所における苦情を解決するための措置を講ずることをいうものである。当該措置の概要については、利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載し、事業所に掲示することが望ましい。
- 同条第2項は、苦情に対し事業所が組織として迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定居宅介護事業所が提供したサービスとは関係のないものを除く。)の受付日、内容等を記録することを義務付けたものである。
また、事業所は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うべきである。 - 同条第3項は、住民に最も身近な行政庁である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村が、指定居宅介護事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
- 同条第7項は、社会福祉法上、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会が福祉サービスに関する苦情の解決について相談等を行うこととされたことを受けて、運営適正化委員会が行う同法第85条に規定する調査又はあっせんにできるだけ協力することとしたものである。
準用:第3の3の(30)事故発生時の対応(基準第40条)
利用者が安心してサービスの提供を受けられるよう、事業者は、利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合は、都道府県、市町村及び当該利用者の家族等に対して連絡を行うとともに必要な措置を講じ、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。
このほか、次の点に留意するものとする。
- 利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定居宅介護事業者が定めておくことが望ましいこと。
また、事業所に自動体外式除細動器(AED)を設置することや救命講習等を受講することが望ましいこと。
なお、事業所の近隣にAEDが設置されており、緊急時に使用できるよう、地域においてその体制や連携を構築することでも差し支えない。 - 事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくことが望ましいこと。
- 事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。なお、「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針」(平成14年3月28日福祉サービスにおける危機管理に関する検討会)(外部リンク)が示されているので、参考にされたい。
準用:第3の3の(31) 虐待の防止(基準第40条の2)
- 基準第40条の2第1号の虐待防止委員会の役割は、以下の3つがある。
・ 虐待防止のための計画づくり(虐待防止の研修、労働環境・条件を確認・改善するための実施計画づくり、指針の作成)
・ 虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)
・ 虐待発生後の検証と再発防止策の検討(虐待やその疑いが生じた場合、事案検証の上、再発防止策を検討、実行)
虐待防止委員会の設置に向けては、構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の虐待防止担当者(必置)を決めておくことが必要であり、虐待防止委員会の構成員には、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者等も加えるよう努めるものとする。
具体的には、次のような対応を想定している。
なお、虐待防止委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
- ア 虐待(不適切な対応事例も含む。)が発生した場合、当該事案について報告するための様式を整備すること。
- イ 従業者は、虐待の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、虐待について報告すること。
- ウ 虐待防止委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。
- エ 事例の分析に当たっては、虐待の発生時の状況等を分析し、虐待の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の再発防止策を検討すること。
- オ 労働環境・条件について確認するための様式を整備するとともに、当該様式に従い作成された内容を集計、報告し、分析すること。
- カ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
- キ 再発防止策を講じた後に、その効果について検証すること。
- 指定居宅介護事業所は次のような項目を定めた「虐待防止のための指針」を作成することが望ましい。
- ア 事業所における虐待防止に関する基本的な考え方
- イ 虐待防止委員会その他施設内の組織に関する事項
- ウ 虐待防止のための職員研修に関する基本方針
- エ 施設内で発生した虐待の報告方法等の方策に関する基本方針
- オ 虐待発生時の対応に関する基本方針
- カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
- キ その他虐待防止の適正化の推進のために必要な基本方針
- 同条第2号の従業者に対する虐待防止のための研修の実施に当たっては、虐待防止の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、指針を作成した事業所においては当該指針に基づき、虐待防止の徹底を図るものとする。
職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所の虐待防止委員会が作成した研修プログラムを実施し、定期的な研修を実施(年1回以上)するとともに、新規採用時には必ず虐待防止の研修を実施することが重要である。
また、研修の実施内容について記録することが必要である。
なお、研修の実施は、施設内で行う職員研修及び協議会又は基幹相談支援センター等が実施する研修に事業所が参加した場合でも差し支えない。 - 同条第3号の虐待防止のための担当者については、サービス提供責任者等を配置すること。なお、当該担当者及び管理者は、「地域生活支援事業の実施について」(平成18年8月1日障発第0801002号)(外部リンク)の別紙2「地域生活支援促進事業実施要綱」の別記2-4の3(3)の都道府県が行う研修に参加することが望ましい。
準用:第3の3の(32)会計の区分(基準第41条)
指定居宅介護事業者は、指定居宅介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定居宅介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものである。
準用:第4の3の(2)サービスの提供の記録(基準第53条の2)
準用:第4の3の(7)療養介護計画の作成等(基準第58条)
- ①療養介護計画
-
基準第58条においては、サービス管理責任者が作成すべき療養介護計画について規定している。
療養介護計画は、利用者及びその家族の生活に対する意向、総合的な支援の方針、生活全般の質を向上させるための課題、指定障害福祉サービスの目標及びその達成時期、指定療養介護を提供する上での留意事項等を記載した書面である。
また、療養介護計画は、利用者の置かれている環境及び日常生活全般の状況等の評価を通じて利用者の希望する生活や課題等の把握を行うとともに、利用者の自己決定の尊重及び意思決定の支援に配慮しつつ、利用者が自立した日常生活を営むことができるよう支援する上での適切な支援内容の検討に基づいて立案されるものである。
アセスメントに当たっては、利用者が自ら意思を決定することに困難を抱える場合には、適切に意思決定の支援を行うため、当該利用者の意思及び選好並びに判断能力等について丁寧に把握しなければならない。 - ②サービス管理責任者の役割
-
サービス管理責任者は、当該事業所以外の保健医療サービス又はその他の福祉サービス等との連携も含めて、療養介護計画の原案を作成し、以下の手順により療養介護計画に基づく支援を実施するものである。
- ア 個別支援会議の開催
利用者及び当該利用者に対する指定療養介護の提供に当たる担当者を招集して行う会議を開催し、当該利用者の希望する生活及びサービスに対する意向等を改めて確認するとともに、療養介護計画の原案について意見を求めること。
個別支援会議は、意思決定支援ガイドラインにおける意思決定支援会議と一体的に行われることが考えられるが、意思決定支援会議をより丁寧に実施するために、個別支援会議とは別に開催することも差し支えない。
なお、個別支援会議については、原則として利用者が同席した上で行わなければならないものである。ただし、例えば当該利用者の病状により、会議への同席自体が極めて困難な場合等、やむを得ない場合については、例外的にテレビ電話装置の活用等、同席以外の方法により希望する生活及びサービスに対する意向等を改めて確認することで差し支えない。 - イ 療養介護計画の原案の説明・同意
当該療養介護計画の原案の内容について、利用者及びその家族に対して説明し、文書により当該利用者の同意を得ること。 - ウ 療養介護計画の交付
利用者及び利用者等に対して指定計画相談支援又は指定障害児相談支援を行う相談支援事業者へ当該療養介護計画を交付すること。
また、サービス管理責任者は、サービス等利用計画を踏まえた療養介護計画の作成等を可能とするため、当該相談支援事業者が実施するサービス担当者会議に参加し、利用者に係る必要な情報を共有する等により相互連携を図ること。 - エ モニタリング
当該療養介護計画の実施状況の把握及び療養介護計画の見直すべきかどうかについての検討(当該検討は少なくとも3月に1回以上行われ、必要に応じて療養介護計画の変更を行う必要があること。)を行うこと。
なお、モニタリングに際しても相談支援事業者との相互連携を図ることが求められるものであり、モニタリング結果を相互に交付すること、サービス担当者会議及び個別支援会議を合同で開催又は相互の会議に出席する等の方法により連携強化を図ること。
- ア 個別支援会議の開催
準用:第4の3の(9)相談及び援助(基準第60条)
基準第60条は、常に利用者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、常時必要な相談及び援助を行い得る体制をとることにより、積極的にサービスを利用する利用者の生活の質の向上を図ることを趣旨とするものである。
準用:第4の3の(15)管理者の責務(基準第66条)
指定療養介護事業所の管理者の責務を、法の基本理念を踏まえた利用者本位のサービス提供を行うため、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、従業者及び業務の管理を一元的に行うとともに、当該指定療養介護事業所の従業者に基準第三章第四節(運営に関する基準)の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。
準用:第4の3の(19)非常災害対策(基準第70条)
- 非常災害に際して必要な諸設備の整備や具体的計画の策定、関係機関への通報及び連携体制の整備、避難、救出訓練の実施等その対策に万全を期さなければならないこととしたものである。
- 「消火設備その他の非常災害に際して必要な設備」とは、消防法その他法令等に規定された設備を指しており、それらの設備を確実に設置しなければならない。
- 「非常災害に関する具体的計画」とは、消防法施行規則第3条に規定する消防計画(これに準ずる計画を含む。)及び風水害、地震等の災害に対処するための計画をいう。この場合、消防計画の策定及びこれに基づく消防業務の実施は、消防法第8条の規定に基づき定められる者に行わせるものとする。
- 「関係機関への通報及び連携体制の整備」とは、火災等の災害時に、地域の消防機関へ速やかに通報する体制をとるよう職員に周知徹底するとともに、日頃から消防団や地域住民との連携を図り、火災等の際に消火・避難等に協力してもらえるような体制作りを求めることとしたものである。
- 基準第70条第3項は、指定療養介護事業者が前項に規定する避難、救出その他の訓練の実施に当たって、できるだけ地域住民の参加が得られるよう努めることとしたものであり、そのためには、日頃から地域住民との密接な連携体制を確保するなど、訓練の実施に協力を得られる体制づくりに努めることが必要である。訓練の実施に当たっては、消防関係者の参加を促し、具体的な指示を仰ぐなど、より実効性のあるものとすること。
準用:第4の3の(21)掲示(基準第92条)
基準第92条の規定は、基準第35条と基本的に同趣旨であるため、第3の3の(25)を参照されたい。
- 基準第 35 条第1項は、指定居宅介護事業者は、運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を指定居宅介護事業所の見やすい場所に掲示することを規定したものであるが、次に掲げる点に留意する必要がある。
- ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
- イ 従業者の勤務体制については、職種ごと、常勤・非常勤ごと等の人数を掲示する趣旨であり、従業者の氏名まで掲示することを求めるものではないこと。
- ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
- 同条第2項は、重要事項を記載したファイル等を利用者又はその家族等が自由に閲覧可能な形で当該指定居宅介護事業所内に備え付けることで同条第1項の掲示に代えることができることを規定したものである。
準用:第4の3の(23)記録の整備(基準第75条)
指定療養介護事業者は、従業者、設備、備品及び会計等に関する諸記録を文書により整備しておく必要があること。
なお、基準第75条第2項により、指定療養介護事業者は、指定療養介護の提供に関する諸記録のうち、少なくとも次に掲げる記録については、当該療養介護を提供した日から、少なくとも5年以上保存しておかなければならないとしたものである。
準用:第5の3の(7)支給決定障害者に関する市町村への通知(基準第88条)
指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の3の(14)を参照されたい。
法第8条第1項の規定により、市町村は、偽りその他不正な手段によって自立支援給付費の支給を受けた者があるときは、その者から、その支給を受けた額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができることにかんがみ、事業者は、その利用者が偽りその他不正な手段によって自立支援給付費の支給を受け、又は受けようとしたときは、自立支援給付費の適正化の観点から遅滞なく、意見を付して市町村に通知しなければならないこととしたものである。
準用:第5の3の(9)衛生管理等(基準第90条)
指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の3の(20)を参照されたい。
- 基準第71 条は、指定療養介護事業者は、従業者の清潔の保持及び健康状態の管理に努めるべきであり、特に、従業者が感染源となることを予防し、また従業者を感染の危険から守るため、手指を洗浄するための設備や使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じるべきことを規定したものであり、このほか、次の点に留意するものとする。
- ア 指定療養介護事業者は、感染症又は食中毒の発生及びまん延を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。
- イ 特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これに基づき、適切な措置を講じること。
- ウ 空調設備等により事業所内の適温の確保に努めること。
- ア 指定療養介護事業者は、感染症又は食中毒の発生及びまん延を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。
- 基準第71条第2項に規定する感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように講ずるべき措置については、具体的には次のアからエまでの取扱いとすること。
- ア 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会当該指定療養介護事業所における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(以下「感染対策委員会」という。)であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、生活支援員、栄養士又は管理栄養士)により構成する。
構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の感染対策を担当する者(以下「感染対策担当者」という。)を決めておくことが必要である。
感染対策委員会は、入所者の状況など施設の状況に応じ、おおむね3月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。
感染対策委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。
ただし、障害のある者が参加する場合には、その障害の特性に応じた適切な配慮を行うこと。
この際、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」(外部リンク)等を遵守すること。
なお、感染対策委員会は、運営委員会など指定療養介護事業所内の他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。感染対策担当者は看護師であることが望ましい。
また、指定療養介護事業所外の感染管理等の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。 - イ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
指定療養介護事業所における「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針」には、平常時の対策及び発生時の対応を規定する。
平常時の対策としては、指定療養介護事業所内の衛生管理(環境の整備、排泄物の処理、血液・体液の処理等)、日常の支援にかかる感染対策(標準的な予防策(例えば、血液・体液・分泌液・排泄物(便)などに触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるときどのようにするかなどの取り決め)、手洗いの基本、早期発見のための日常の観察項目)等、発生時の対応としては、発生状況の把握、感染拡大の防止、医療機関や保健所、市町村における事業所関係課等の関係機関との連携、医療処置、行政への報告等が想定される。
また、発生時における指定療養介護事業所内の連絡体制や前記の関係機関への連絡体制を整備し、明記しておくことも必要である。なお、それぞれの項目の記載内容の例については、「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」(外部リンク)も踏まえて検討すること。 - ウ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修
従業者に対する「感染症の予防及びまん延の防止のための研修」の内容は、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定療養介護事業所における指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的な支援の励行を行うものとする。職員教育を組織的に浸透させていくためには、当該指定療養介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず感染対策研修を実施することが重要である。
また、調理や清掃などの業務を委託する場合には、委託を受けて行う者に対しても、施設の指針が周知されるようにする必要がある。
また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、厚生労働省「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」(外部リンク)等を活用するなど、指定療養介護事業所内で行うものでも差し支えなく、当該指定居宅介護事業所の実態に応じ行うこと。 - エ 感染症の予防及びまん延の防止のための訓練
平時から、実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応について、訓練(シミュレーション)を定期的(年2回以上)に行うことが必要である。
訓練においては、感染症発生時において迅速に行動できるよう、発生時の対応を定めた指針及び研修内容に基づき、指定療養介護事業所内の役割分担の確認や、感染対策をした上での支援の演習などを実施するものとする。
訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
- ア 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会当該指定療養介護事業所における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(以下「感染対策委員会」という。)であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、生活支援員、栄養士又は管理栄養士)により構成する。
準用:第9の3の(3)利用者負担額に係る管理(基準第170条の2)
指定自立訓練(生活訓練)事業者は、支給決定障害者が同一の月に、指定自立訓練(生活訓練)以外の指定障害福祉サービスを受けたときは、当該月における利用者負担額合計額を算定しなければならない(ただし、指定宿泊型自立訓練を受ける者及び厚生労働大臣が定める者以外の者である場合は、支給決定障害者の依頼を受けて算定する。)こととされたが、その具体的な取扱いについては、別に通知するところによるものとする。
4 日中サービス支援型指定共同生活援助の事業の基本方針並びに人員、設備及び運営に関する基準
(1)人員に関する基準
- 世話人及び生活支援員(基準第213条の4第1項第1号及び第2号)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、1の(2)及び(3)を参照されたい。
なお、日中サービス支援型指定共同生活援助事業所における世話人の員数については、常勤換算方法で、当該日中サービス支援型指定共同生活援助事業所の利用者の数を5で除して得た数以上とする。 - サービス管理責任者(基準第213条の4第1項第3号)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、1の(4)及び(5)を参照されたい。 - 夜間支援従事者(基準第213条の4第2項)
日中サービス支援型指定共同生活援助は、夜間及び深夜の時間帯においても、利用者の状態に応じた介護等の支援を行う体制を確保するため、当該夜間及び深夜の時間帯を通じて、共同生活住居ごとに夜勤を行う夜間支援従事者を1人以上配置するものとする。
なお、既存の建物を共同生活住居とする場合であって、当該共同生活住居の入居定員を11人以上とする場合は、原則ユニットごとに夜間支援従事者を1人以上配置する必要があること。 - 準用(基準第213条の5)
指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の1の(7)の①を参照されたい。
(2)設備に関する基準
- 事業所の立地及び単位(基準第213条の6第1項)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、2の(1)を参照されたい。
なお、日中サービス支援型指定共同生活援助は、利用者に対し、共同生活住居において昼夜を通じた介護等の支援を行うものであることから、例えば、同一敷地内に複数の共同生活住居を設置するなど、一定の地域に共同生活住居を集約して立地することによって、2の(1)に掲げる事項に支障が生ずることのないよう、留意すること。 - 事業所の単位(基準第213条の6第2項)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、2の(2)(サテライト型住居に係る要件を除く。)を参照されたい。 - 共同生活住居(基準第213条の6第3項から第6項まで)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、2の(3)の①、②、⑤を参照されたい。
なお、①の規定にかかわらず、1つの建物であっても、入り口(玄関)が別になっているなど建物構造上、共同生活住居ごとの独立性が確保されており、共同生活住居の趣旨を踏まえ、利用者が地域の中で家庭的な雰囲気の下、共同して暮らせる環境づくりに配慮されたものである場合には、1つの建物に複数の共同生活住居を設置することができるものとする。
この場合において、1つの建物に設置する複数の共同生活住居の入居定員の合計は20人以下とする。 - ユニット(基準第213条の6第7項から第9項まで)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、2の(4)(サテライト型住居に係る要件を除く。)を参照されたい。
なお、居間、食堂等の利用者が相互交流を図ることができる設備については、利用者の状況や昼夜を通じた介護等の支援を行うことを考慮した上で、十分な広さを確保するものとする。
また、1つの建物に複数の共同生活住居を設置する場合においても、共同生活住居ごとに、利用者が日常生活を営む上で必要とされる設備を設けることとするが、従業者のみ使用する設備については、共有して差し支えないものとする。
(3)運営に関する基準
- 指定短期入所の併設(基準第213条の7)
日中サービス支援型指定共同生活援助事業者は、日中サービス支援型指定共同生活援助事業所の入居定員のほか、地域で生活する障害者の緊急一時的な支援等に応じるため、指定短期入所(空床型を除く。以下この①において同じ。)を行うこととしたものである。
なお、指定短期入所を行うに当たっては、原則として当該日中サービス支援型指定共同生活援助事業所と併設又は同一敷地内において行うものとし、併設の場合にあっては、指定短期入所の従業者が、当該日中サービス支援型指定共同生活援助事業所の夜間支援従事者を兼ねても差し支えないものとする。
また、指定短期入所の利用定員は、日中サービス支援型指定共同生活援助事業所の入居定員の合計が20人又はその端数を増すごとに1人以上5人以下とすること。 - 介護及び家事等(基準第213条の8)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、3の(6)(④を除く。)を参照されたい。
なお、日中サービス支援型指定共同生活援助は、常時介護を要する者に対して、常時の支援体制を確保した上で、利用者の状況に応じた介護等の支援を行うものであることから、共同生活住居ごとに、1日を通じて1人以上の世話人又は生活支援員を配置しなければならないものである。
また、既存の建物を共同生活住居とする場合であって、当該共同生活住居の入居定員を11人以上とする場合は、夜間及び深夜の時間帯以外の時間帯においても、原則ユニットごとに世話人又は生活支援員を1人以上の配置する必要があること。 - 社会生活上の便宜の供与等(基準第213条の9)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、3の(6)を参照されたい。
なお、日中活動サービス等を利用することができず、日中を共同生活住居で過ごす利用者の支援に当たっては、当該利用者の意向を踏まえた日中サービス支援型共同生活援助計画に基づき、日常の介護はもとより、当該利用者が充実した地域生活を送ることができるよう外出や余暇活動等の社会生活上の支援に努めなければならないこととしたものである。
また、利用者の意向に反して日中活動サービス等の利用が制限されることなく、個々の利用者に対して適切な障害福祉サービス等の利用が図られるよう、特定相談支援事業を行う者又は他の障害福祉サービスの事業を行う者と緊密な連携を図ることとするものである。 - 地域との連携等(基準第213条の10)
- ア 基準第213条の10第1項から第5項まで(地域連携推進会議等)は、指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、3の(5)を参照されたい。
- イ 日中サービス支援型指定共同生活援助を行う事業者は、日中サービス支援型指定共同生活援助事業所を地域に開かれたサービスとすることにより、当該サービスの質の確保を図る観点から、法第89条の3第1項に規定する協議会又は都道府県若しくは市町村職員、障害福祉サービス事業所、医療関係者、相談支援事業所等が参加して障害者の地域生活等の検討を行う会議(以下「協議会等」という。)に対し、定期的に日中サービス支援型指定共同生活援助の実施状況及びアの地域連携推進会議における報告、要望、助言等又はサービスの第三者評価等の結果等を報告し、当該実施状況等について当該協議会等による評価を受けるとともに、当該協議会等から必要な要望、助言等を聴く機会を設けなければならないこととしたものである。
なお、都道府県知事が必要と認める場合には、事業指定の申請にあたり、規則第34条の19第1項第18号に規定する事項として、日中サービス支援型指定共同生活援助を行おうとする者は、協議会等に対し、運営方針や活動内容等を説明し、当該協議会等による評価を受け、その内容を都道府県知事に提出するものとする。
また、当該協議会等における報告等の記録は、基準第213条の11において準用する基準第75条第2項の規定に基づき、5年間保存するとともに、個人情報の保護に留意しつつ、当該記録や事業の運営状況を積極的に公表するものとする。
- ア 基準第213条の10第1項から第5項まで(地域連携推進会議等)は、指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、3の(5)を参照されたい。
- 準用(基準第213条の11)
基準第9条、第11条、第12条、第14条から第17条まで、第20条、第23条、第28条、第33条の2、第35条の2から第41条まで、第53条の2、第58条、第60条、第66条、第70条、第75条、第88条、第90条、第92条、第170条の2、第210条の2から第210条の6まで及び第211条の3から第212条の4までの規定は、日中サービス支援型指定共同生活援助の事業について準用されるものであることから、
第3の3の(1)、(3)(②を除く。)、(4)、(6)、(7)、(10)、(13)、(17)、(23)及び(26)から(32)まで並びに
第4の3の(2)、(7)、(9)、(15)、(19)、(21)及び(23)並びに
第5の3の(7)及び(9)並びに
第9の3の(3)並びに3の(1)から(4)まで及び(8)から(12)までを参照されたい。
5 外部サービス利用型指定共同生活援助の事業の基本方針並びに人員、設備及び運営に関する基準
(2)設備に関する基準(基準第213条の16)
基準第210条については、外部サービス利用型指定共同生活援助について準用されるものであることから、2を参照されたい。
(3)運営に関する基準
- 内容及び手続きの説明及び同意(基準第213条の17)
外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は、利用者に対し適切な外部サービス利用型指定共同生活援助を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者に対し、当該外部サービス利用型指定共同生活援助事業所の運営規程の概要、従業者の勤務体制、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者と受託居宅介護サービス事業者の業務の分担の内容、受託居宅介護サービス事業者及び受託居宅介護サービス事業者が受託居宅介護サービスの事業を行う事業所の名称、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、利用者の障害の特性に応じ、適切に配慮されたわかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から外部サービス利用型指定共同生活援助の提供を受けることにつき、当該利用申込者の同意を得なければならないこととしたものである。
なお、利用者及び外部サービス利用型指定共同生活援助事業所双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
また、利用者との間で当該外部サービス利用型指定共同生活援助の提供に係る契約が成立したときは、利用者の障害の特性に応じた適切な配慮をもって、社会福祉法第77条第1項の規定に基づき、
- ア 当該事業の経営者の名称及び主たる事務所の所在地
- イ 当該事業の経営者が提供する外部サービス利用型指定共同生活援助の内容
- ウ 当該外部サービス利用型指定共同生活援助の提供につき利用者が支払うべき額に関する事項
- エ 外部サービス利用型指定共同生活援助の提供開始年月日
- オ 外部サービス利用型指定共同生活援助に係る苦情を受け付けるための窓口を記載した書面を交付すること。
なお、利用者の承諾を得た場合には当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により提供することができる。
- 受託居宅介護サービスの提供(基準第213条の18)
- ア 適切かつ円滑な受託居宅介護サービス提供のための必要な措置
基準第213条の18第1項は、利用者に対し、受託居宅介護サービス事業者による受託居宅介護サービスを適切かつ円滑に提供するため、必要な措置を講じなければならないこととしたものである。
「必要な措置」とは、例えば、外部サービス利用型指定共同生活援助事業所及び受託居宅介護サービス事業所の従業者による会議を開催し、利用者への受託居宅介護サービスの提供等に関する情報伝達、外部サービス利用型共同生活援助計画と居宅介護計画が整合を図りつつ作成されるよう、協議等を行うことである。 - イ 受託居宅介護サービス提供に係る文書による報告
基準第213条の18第2項は、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が受託居宅介護サービス事業者による受託居宅介護サービス提供の実施状況を把握するため、受託居宅介護サービス提供の日時、時間、具体的なサービスの内容等を文書により報告させることとしたものである。
- ア 適切かつ円滑な受託居宅介護サービス提供のための必要な措置
- 運営規程(基準第213条の19)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、3の(8)を参照されたい。
なお、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は、指定共同生活援助事業者が運営規程に定める事項に加えて、受託居宅介護サービス事業者及び受託居宅介護サービス事業所の名称及び所在地に関する事項を運営規程に定めることが必要である(第5号)。 - 受託居宅介護サービス事業者への委託(基準第213条の20)
基準第213条の20は、利用者に対する適切な外部サービス利用型指定共同生活援助の提供を確保するため、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が、受託居宅介護サービス事業者に受託居宅介護サービスの提供に係る業務を委託する方法等を規定したものであるが、このほか次の点に留意するものとする。
- ア 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は、受託居宅サービス事業者に対する委託に係る業務の管理及び指揮命令の確実な実施を確保するため、当該委託契約において次に掲げる事項を文書により取り決めなければならない。この場合において、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は受託居宅介護サービス事業者に委託した業務を再委託させてはならない。
- a 当該委託の範囲
- b 当該委託に係る業務(以下④において「委託業務」という。)の実施に当たり遵守すべき条件
- c 受託居宅介護サービス事業者の従業者により当該委託業務が基準第十六章第六節第四款の運営に関する基準に従って適切に行われていることを外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が定期的に確認する旨外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が当該委託業務に関し受託居宅介護サービス事業者に対し指示を行い得る旨
- e 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が当該委託業務に関し改善の必要を認め、所要の措置を講じるようdの指示を行った場合において、当該措置が講じられたことを外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が確認する旨
- f 受託居宅介護サービス事業者が実施した当該委託業務により入居者に賠償すべき事故が発生した場合における責任の所在
- g その他当該委託業務の適切な実施を確保するために必要な事項
- イ 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者はアのc及びeの確認の結果の記録を作成しなければならないこと。
- ウ 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が行うアのdの指示は、文書により行わなければならないこと。
- エ 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は、基準第213条の22において準用する基準第75条第2項の規定に基づき、アのc及びeの確認の結果の記録を5年間保存しなければならないこと。
- オ 1の受託居宅介護サービスを提供する受託居宅介護サービス事業者は、複数の事業者とすることも可能であること。なお、この場合、居宅介護サービス事業者ごとにその役割分担を明確にしておくこと。
- カ 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は、事業の開始に当たっては、居宅介護サービス事業者と予め契約し、法第36条第1項及び規則第34条の19第1項の規定に基づき、当該受託居宅介護サービス事業者及び当該受託居宅介護サービス事業所の名称及び所在地を記載した書類を都道府県知事に提出しなければならないこと。
- キ 基準第213条の20第5項は、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者が、受託居宅介護サービス事業者に、業務について必要な指揮命令をすることを規定しているが、当該指揮命令には、基準第213条の22により準用される第28条の緊急時の対応、第36条の秘密保持等、第40条の事故発生時の対応及び第35条の2の身体拘束等の禁止の規定において求められている内容が、当該外部サービス利用型指定共同生活援助の提供に当たる受託居宅介護サービス事業者の従業者によっても遵守されることを確保する旨が含まれていること。
- ア 外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は、受託居宅サービス事業者に対する委託に係る業務の管理及び指揮命令の確実な実施を確保するため、当該委託契約において次に掲げる事項を文書により取り決めなければならない。この場合において、外部サービス利用型指定共同生活援助事業者は受託居宅介護サービス事業者に委託した業務を再委託させてはならない。
- 勤務体制の確保等(基準第213条の21)
指定共同生活援助の場合と同趣旨であるため、3の(9)の①及び③を参照されたい。 - 準用(基準第213条の22)
基準第11条、第12条、第14条から第17条まで、第20条、第23条、第28条、第33条の2、第35条の2から第41条まで、第53条の2、第58条、第60条、第66条、第70条、第74条、第75条まで、第88条、第90条、第92条、第170条の2、第210条の2から第210条の7まで、第211条、第211条の2及び第212条の2から第212条の4までの規定は、外部サービス利用型指定共同生活援助の事業について準用されるものであることから、
第3の3の(3)(②を除く。)、(4)、(6)、(7)、(10)、(13)、(17)及び(24)から(28)まで並びに
第4の3の(2)、(7)、(9)、(15)、(19)及び(21)から(23)まで並びに
第5の3の(7)及び(9)並びに
第9の3の(3)並びに
第13の3の(1)から(7)まで及び(10)から(12)までを参照されたい。
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