指定基準についての通知 第06:短期入所

令和6年3月29日改正
参考:障発第1206001号│厚生労働省(新しいタブで開きます)

目次

第7 短期入所

1 事業所の種類

指定短期入所の事業は、次の(1)から(3)までのいずれかによるものとする。

(1) 併設事業所

併設事業所とは、指定障害者支援施設、児童福祉施設その他の入浴、排せつ及び食事の介護その他の必要な支援を適切に行うことができる入所施設(以下この第六において「指定障害者支援施設等」という。)に併設され、指定短期入所の事業を行う事業所として当該指定障害者支
援施設等と一体的に運営を行う事業所をいう。併設事業所は、従業者の勤務体制を含め、併設される指定障害者支援施設等(以下「併設本体施設」という。)の事業に支障が生じない場合であって、かつ、専ら指定短期入所の用に供される居室において、指定短期入所を提供する場合に限り、実施できるものである。

なお、「その他の入浴、排せつ及び食事の介護その他の必要な支援を適切に行うことができる施設」には、指定宿泊型自立訓練事業所、指定共同生活援助事業所又は外部サービス利用型指定共同生活援助事業所(以下「指定宿泊型自立訓練事業所等」という。)を含むものとする。

(2) 空床利用型事業所

空床利用型事業所とは、利用者に利用されていない指定障害者支援施設等の全部又は一部の居室において、指定短期入所の事業を行う事業所をいう。

(3) 単独型事業所

単独型事業所とは、指定障害者支援施設等(指定宿泊型自立訓練事業所等を除く。)以外の施設であって、利用者に利用されていない入浴、排せつ及び食事の介護その他の必要な支援を適切に行うことができる施設の居室において、指定短期入所の事業を行う事業所をいう。

2 人員に関する基準

(1)従業者の員数(基準第115条)
  • 併設事業所の場合(第115 条第1項)
    • ア 指定障害者支援施設等(指定宿泊型自立訓練事業所等を除く。)が指定短期入所事業所として併設事業所を設置する場合
      併設事業所に置くべき従業員の員数は、指定短期入所の利用者の数を、併設本体施設の利用者の数とみなした上で、当該併設本体施設として必要とされる数以上とする。

      この場合の「当該併設本体施設として必要とされる数」とは、当該指定障害者支援施設等の指定基準又は最低基準において必要とされる人数をいうものである。
    • イ 指定宿泊型自立訓練事業所等が指定短期入所事業所として併設事業所を設置する場合は、(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる指定短期入所の事業を行う時間帯に応じそれぞれ(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる数とする。
      • (ⅰ)指定宿泊型自立訓練事業所等が指定短期入所と同時に指定宿泊型自立訓練、指定共同生活援助又は外部サービス利用型指定共同生活援助を提供する時間帯においては、当該指定宿泊型自立訓練事業所等の利用者の数及び当該併設事業所の利用者の数の合計数を当該指定宿泊型自立訓練事業所等の利用者の数とみなした場合において、当該指定宿泊型自立訓練事業所等における生活支援員又はこれに準ずる従業者として必要とされる数以上とする。
      • (ⅱ)指定宿泊型自立訓練事業所等が指定短期入所を提供する時間帯であって、(ⅰ)に掲げる時間以外の時間においては、当該日の利用者の数が6名以下の場合においては1以上の生活支援員又はこれに準ずる従業者を配置することとし、当該日の利用者の数が7以上の場合においては、1に当該日の利用者の数が6を超えて6又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上とする。
  • 空床利用型事業所の場合(第115 条第2項)
    空床利用型事業所に置くべき従業者の員数は、①を準用する。なお、介護保険法による指定短期入所生活介護事業所又は基準該当短期入所生活介護事業所について、空床利用型事業所として指定する場合における当該空床利用型事業所に置くべき従業者の員数は、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11 年厚生省令第37 号)第121 条第1項各号に掲げる指定短期入所生活介護事業所に置くべき従業者の員数を確保していれば足りること。
  • 併設事業所及び空床利用型事業所におけるその他の留意事項
    日中、自立訓練(機能訓練)のみを行っている指定障害者支援施設に併設する指定短期入所事業所において、障害の程度が著しく重度の利用者を受け入れる場合など、併設本体施設又は指定障害者支援施設等として置くべき従業者の職種又は員数から、適切な指定短期入所の提供が困難である場合には、又はの規定にかかわらず、他の指定障害福祉サービス事業所等との連携を図りつつ、医師及び看護職員も含め、必要な職種及び員数の従業者が確保されるよう努めること。
  • 単独型事業所の場合(第115 条第3項)
    • ア 指定生活介護事業所、指定自立訓練(機能訓練)事業所、指定自立訓練(生活訓練)事業所、指定宿泊型自立訓練事業所、指定就労移行支援事業所、指定就労継続支援A型事業所、指定就労継続支援B型事業所、指定共同生活援助事業所、外部サービス利用型指定共同生活援助事業所又は児童福祉法第21 条の5の15 第1項に規定する障害児通所支援事業所(以下この④において「指定生活介護事業所等」という。)において指定短期入所の事業(単独型事業所に係るものに限る。)を行う場合は、(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる指定短期入所の事業を行う時間帯に応じそれぞれ(ⅰ)又は(ⅱ)に掲げる数とする。
      • (ⅰ) 指定生活介護事業所等において行われる指定生活介護、指定自立訓練(機能訓練)、指定自立訓練(生活訓練)、指定就労継続支援A型、指定就労継続支援B型、指定共同生活援助、外部サービス利用型指定共同生活援助又は児童福祉法第21 条の5の15 第1項に規定する障害児通所支援事業所のサービス提供時間においては、当該指定生活介護事業所等の利用者の数及び当該単独型事業所の利用者の数の合計数を当該指定生活介護事業所等の利用者の数とみなした場合において、当該指定生活介護事業所等における生活支援員又はこれに準ずる従業者として必要とされる数以上とする。
      • (ⅱ) 指定生活介護事業所等が指定短期入所の事業を行う時間帯であって、(ⅰ)に掲げる時間以外の時間においては、当該日の利用者の数が6名以下の場合においては1以上の生活支援員又はこれに準ずる従業者を配置することとし、当該日の利用者の数が7以上の場合においては、1に当該日の利用者の数が6を超えて6又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上とする。
    • イ 指定生活介護事業所等以外で行われる単独型事業所において指定短期入所の事業を行う場合はアの(ⅱ)を準用する。
    • ウ ア及びイに掲げる生活支援員又はこれに準ずる従業者を配置した場合であっても、障害の程度が著しく重度の利用者を受け入れる場合等については、他の指定障害福祉サービス事業所等との連携を図りつつ、利用者の状況に応じた適切な指定短期入所の提供が行われるよう、生活支援員のほか、医師及び看護職員も含め、必要な職種の従業者が確保されるよう努めること。
(2)管理者(基準第116条)

指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の1の(7)の①を参照されたい。

第4四の1の(7)
①管理者の専従

指定療養介護事業所の管理者は、原則として、専ら当該指定療養介護事業所の管理業務に従事するものである。ただし、以下の場合であって、当該指定療養介護事業所の管理業務に支障がないときは、他の職務を兼ねることができるものとする。

  •  当該指定療養介護事業所のサービス管理責任者又は従業者としての職務に従事する場合
  •  当該指定療養介護事業所以外の他の指定障害福祉サービス事業所又は指定障害者支援施設等の管理者又はサービス管理責任者若しくは従業者としての職務に従事する場合であって、当該他の事業所又は施設等の管理者、サービス管理責任者又は従業者としての職務に従事する時間帯も、当該指定療養介護事業所の利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握し、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を支障なく行うことができ、また、事故発生時等の緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定め、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できる場合
② 管理者の資格要件

指定療養介護事業所は病院であることから、指定療養介護事業所の管理者は医師でなければならない。

3 設備に関する基準

(1) 併設事業所の場合(基準第117条第2項)

指定短期入所事業所の設備は、指定短期入所の運営上及びサービス提供上、当然設けなければならないものであるが、併設事業所にあっては、併設本体施設の設備を利用することにより、指定短期入所事業所の効果的な運営が図られ、かつ、当該指定短期入所事業所の利用者及び当該併設本体施設の利用者のサービス提供に支障がない場合には、併設本体施設の設備を指定短期入所の事業の用に供することができる。

ただし、併設本体施設の居室を指定短期入所の用に供することは認められない。

(2) 空床利用型事業所の場合(同条第3項)

空床利用型事業所の設備については、その居室を利用する指定障害者支援施設等として必要とされる設備を有することで足りるものとしたものである。

(3) 単独型事業所の場合(同条第4項)

単独型事業所を設置して指定短期入所を行う場合、その設備の基準は基準第117 条第5号のとおりである。

4 運営に関する基準

(1)指定短期入所の開始及び終了(基準第118条)
①利用期間

指定短期入所事業者は、居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により施設への短期間の入所を必要とする者を対象に、指定短期入所を提供するものとしたものであるが、これは、指定短期入所は、いたずらに長期間利用することがないよう、客観的な利用者の生活状況等を踏まえ、より適切な入所期間とすること。

②保健医療機関等との連携

基準第118条第2項は、利用者が指定短期入所の利用後においても、利用前と同様のサービスを受けられるよう、指定短期入所事業者は、指定障害福祉サービス事業者その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携により、指定短期入所の提供の終了後においても利用者が継続的に保健医療サービス又は福祉サービスを利用できるよう、必要な援助に努めなければならないこととしたものである。

(2)入退所の記録の記載(基準第119条)
①受給者証への必要事項の記載

指定短期入所事業者は、支給量管理の観点から、利用者の入退所の都度、受給者証に入退所年月日等の必要な事項を当該利用者の受給者証に記載することとしたものである。

②受給者証の確認

指定短期入所事業者は、自らの指定短期入所の提供により利用者の

指定短期入所に係る支給量に達した場合は、当該利用者に係る受給者証の指定短期入所の提供に係る部分の写しを市町村に提出しなければならないこととされたが、これは利用者の支給量管理のために定められたものであり、介護給付費等の請求の際に提出することで差し支えない。

(3)利用者負担額等の受領(基準第120条)

① 利用者負担額の受領等
指定居宅介護の規定と同趣旨であるため、第3の3の(11)及びを参照されたい。

第三の3の(11)
①利用者負担額の受領

基準第21条第1項は、指定居宅介護事業者は、法定代理受領サービスとして提供される指定居宅介護についての利用者負担額として、法第 29 条第3項第2号に規定する政令で定める額(政令で定める額よりも、サービス提供に要した費用の1割相当額の方が低い場合は、1割相当額)の支払を受けなければならないことを規定したものである。
なお、法第 31 条の規定により、介護給付費等の額の特例の適用を受ける場合は、市町村が定める額を利用者負担額とする。

②法定代理受領を行わない場合

同条第2項は、指定居宅介護事業者が法定代理受領を行わない指定居宅介護を提供した際には、利用者から、利用者負担額のほか、当該指定居宅介護につき法第29条第3項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該居宅介護に要した費用(法第29条第1項に規定する特定費用を除く。)の額を超えるときは、当該居宅介護に要した費用の額)の支払を受けるものとしたものである。

③ ※準用除外
④領収証の交付

同条第4項は、前3項の規定による額の支払を受けた場合には当該利用者に対して領収証を交付することとしたものである。

⑤利用者の事前の同意

同条第5項は、同条第3項の費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、利用者に対し、当該サービスの内容及び費用について説明を行い、当該利用者の同意を得ることとしたものである。

② その他受領が可能な費用の範囲

基準第120条第3項は、指定短期入所事業者は、前2項の支払を受ける額のほか、指定短期入所において提供される便宜に要する費用のうち、

  • ア 食事の提供に要する費用
  • イ 光熱水費
  • ウ 日用品費
  • エ 日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、支給決定障害者等に負担させることが適当と認められるものの支払を受けることができることとし、介護給付費等の対象となっているサービスと明確に区分されない曖昧な名目による費用の支払を受けることは認めないこととしたものである。

なお、エの費用の具体的な範囲については、「障害福祉サービス等における日常生活に要する費用の取扱いについて(平成18 年12 月6日障発第1206002 号当職通知)(外部リンク)によるものとする。

(4)指定短期入所の取扱方針(基準第121条)
  • 基準第121 条第2項については、指定療養介護と同旨であるため、第4の3の(6)の①を参照されたい。
  • 同条第3項に規定するサービスの提供方法等とは、指定短期入所の内容や利用期間内の行事及び日課等も含むものである。また、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保については、指定居宅介護と同旨であるため、第3の3の(15)の②を参照されたい。
(5)サービスの提供(基準第122条)
① サービス提供の基本方針

指定短期入所の提供に当たっては、利用者の家庭環境等を十分踏まえ、自立している機能の低下が起きないようにするとともに、残存機能の維持又は向上が図られるよう、適切な技術をもって支援すること。

また、同一法人内の複数の指定短期入所事業所において、同一利用者へ短期入所が提供される場合、その利用者の状態や意向等を踏まえることなく、当該事業所間で短期入所が繰り返されることは望ましくない。

なお、サービスの実施に当たっては、利用者の人格に十分に配慮して実施するものとする。

② 入浴の実施

基準第122条第2項で定める入浴の実施に当たっては、利用者の心身の状況を踏まえて適切な方法により実施するものとする。

なお、入浴の実施に当たっては、事前に健康管理を行い、入浴することが困難な場合は、清しきを実施するなど利用者の清潔保持に努めるものとする。

③ 食事の提供
  • ア 栄養管理等
    同条第4項及び第5項に定める食事の提供は、利用者の支援に極めて重要なものであることから、指定短期入所事業所が食事の提供を行う場合については、提供する手段によらず、年齢や障害の特性に応じて、適切な栄養量及び内容の食事を確保するため、栄養士等による栄養管理が行われる必要があるほか、次の点に留意して行うものとする。
    • (Ⅰ) 利用者の嗜好、年齢や障害の特性に配慮するとともに、できるだけ変化に富み、栄養のバランスに配慮したものであること。
    • (Ⅱ) 調理はあらかじめ作成された献立に従って行うとともに、その実施状況を明らかにしておくこと。
    • (Ⅲ) 適切な衛生管理がなされていること。
  • イ 外部委託との関係
    食事の提供を外部の事業者へ委託することは差し支えないが、指定短期入所事業者は、受託事業者に対し、利用者の嗜好や障害の特性等が食事の内容に反映されるよう、定期的に調整を行わなければならないものである。
(6)運営規程(基準第123条)

指定短期入所の事業の適正な運営及び利用者に対する適切な指定短期入所の提供を確保するため、基準第123 条第1号から第10 号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定短期入所事業所ごとに義務付けたものであるが、特に次の点に留意するものとする。

  • 利用定員(第3号)
    空床利用型事業所を除く短期入所事業所にあっては、利用定員は指定短期入所の事業の専用の居室のベッド数と同数とすること。
  • その他運営に関する重要事項(第10 号)
    指定短期入所事業所が市町村により地域生活支援拠点等として位置付けられている場合は、その旨を明記すること。
(7)定員の遵守(基準第124条)

指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の3の(17)(18)を参照されたい。なお、この場合の指定短期入所事業所が定める利用定員は次のとおりとする。

① 併設事業所の場合

併設事業所が行う指定短期入所の専用の用に供される居室のベッド数

② 空床利用型事業所の場合

指定障害者支援施設等の居室のベッド数

③ 単独型事業所の場合

単独型事業所が行う指定短期入所の専用の用に供される居室のベッド数

第4の3の(18)

利用者に対するサービスの提供に支障が生ずることのないよう、原則として、事業所が定める利用定員(指定療養介護の事業の専用の病室のベッド数)を超えた利用者の受入を禁止するものであるが、次に該当する利用定員を超えた利用者の受入については、適正なサービスの提供が確保されることを前提とし、地域の社会資源の状況等から新規の利用者を当該事業所において受け入れる必要がある場合等やむを得ない事情が存する場合に限り、可能とすることとしたものである。

①1日当たりの利用者の数
  • ア 利用定員50人以下の指定療養介護事業所の場合
    1日当たりの利用者の数(複数の指定療養介護の単位が設置されている場合にあっては、当該指定療養介護の単位ごとの利用者の数。イ及び②において同じ。)が、利用定員(複数の指定療養介護の単位が設置されている場合にあっては、当該指定療養介護の単位ごとの利用定員。イ及び②において同じ。)に110%を乗じて得た数以下となっていること。
  • イ 利用定員51人以上の指定療養介護事業所の場合
    1日当たりの利用者の数が、利用定員から50を差し引いた数に105%を乗じて得た数に、55を加えて得た数以下となっていること。
②過去3月間の利用者の数

過去3月間の利用者の延べ数が、利用定員に開所日数を乗じて得た数に105%を乗じて得た数以下となっていること。

(8)準用(基準第125条)

第9条、第11 条から第17 条、第19 条、第20 条、第22 条、第23 条、第28 条、第29 条、第33 条の2、第35 条の2から第42 条まで、第60条、第66 条、第68 条、第70 条、第74 条、第87 条及び第90 条から第92 条までの規定は、指定短期入所の事業について準用されるものであることから、第三の3の(1)、(3)から(7)まで((3)の②を除く。)、(9)、(10)、(12)、(13)、(17)、(18)、(23)及び(26)から(33)まで並びに第四の3の(9)、(15)、(17)、(19)
及び(22)並びに第五の3の(6)、(9)から(11)を参照されたい。

準用:第3の3の(1) 内容及び手続の説明及び同意(基準第9条)

指定居宅介護事業者は、利用者に対し適切な指定居宅介護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者に対し、当該指定居宅介護事業所の運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者がサービスを選択するために必要な重要事項について、利用者の障害の特性に応じ、適切に配慮されたわかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明を行い、当該事業所から指定居宅介護の提供を受けることにつき、当該利用申込者の同意を得なければならないこととしたものである。
なお、利用者及び指定居宅介護事業所双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものである。
また、利用者との間で当該指定居宅介護の提供に係る契約が成立したときは、利用者の障害の特性に応じた適切な配慮をもって、社会福祉法(昭和 26 年法律第 45 号)第 77 条第1項の規定に基づき、

  1. 当該事業の経営者の名称及び主たる事務所の所在地
  2. 当該事業の経営者が提供する指定居宅介護の内容
  3. 当該指定居宅介護の提供につき利用者が支払うべき額に関する事項
  4. 指定居宅介護の提供開始年月日
  5. 指定居宅介護に係る苦情を受け付けるための窓口

を記載した書面を交付すること。

なお、利用者の承諾を得た場合には当該書面に記載すべき事項を電子情報

準用:第3の3の(3) 提供拒否の禁止(基準第11条)

事業者は、原則として、利用申込みに対して応じなければならないことを規定したものであり、特に、障害程度区分や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものである。提供を拒むことのできる正当な理由がある場合とは、

  1. 当該事業所の現員からは利用申込みに応じきれない場合
  2. ※準用除外
  3. 当該事業所の運営規程において主たる対象とする障害の種類を定めている場合であって、これに該当しない者から利用申込みがあった場合、その他利用申込者に対し自ら適切な指定居宅介護を提供することが困難な場合
  4. 入院治療が必要な場合

である。

準用:第3の3の(4) 連絡調整に対する協力(基準第12条)

指定居宅介護事業者は、市町村又は相談支援事業者が行う利用者の紹介、地域におけるサービス担当者会議への出席依頼等の連絡調整等に対し、指定障害福祉サービスの円滑な利用の観点から、できる限り協力しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(5) サービス提供困難時の対応(基準第13条)

事業者は、基準第11条の正当な理由により、利用申込者に対し自ら適切なサービスを提供することが困難であると認めた場合には、基準第13条の規定により、適当な他の事業者等の紹介その他の必要な措置を速やかに講じなければならないものである。

準用:第3の3の(6) 受給資格の確認(基準第14条)

サービスの利用に係る介護給付費を受けることができるのは、支給決定障害者等に限られるものであることを踏まえ、事業者は、サービスの提供の開始に際し、利用者の提示する受給者証によって、支給決定の有無、支給決定の有効期間支給量等を確かめなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(7) 介護給付費の支給の申請に係る援助(基準第15条)  
①支給決定を受けていない利用者

基準第15条第1項は、支給決定を受けていない者から利用の申込みを受けた場合には、その者の意向を踏まえて速やかに介護給付費の支給申請に必要な援助を行うこととするものである。

②利用継続のための援助

同条第2項は、利用者の支給決定に係る支給期間の終了に伴い、引き続き当該利用者が当該事業者のサービスを利用する意向がある場合には、市町村の標準処理期間を勘案し、あらかじめ余裕をもって当該利用者が支給申請を行うことができるよう申請勧奨等の必要な援助を行うことを定めたものである。

準用:第3の3の(9) サービスの提供の記録(基準第19条)
①記録の時期

基準第19条第1項は、利用者及び事業者が、その時点でのサービスの利用状況等を把握できるようにするため、事業者は、サービスを提供した際には、当該サービスの提供日、提供したサービスの具体的内容(例えば、身体介護と家事援助の別等)、実績時間数利用者負担額等の利用者へ伝達すべき必要な事項を、後日一括して記録するのではなく、サービスの提供の都度記録しなければならないこととしたものである。

②利用者の確認

同条第2項は、同条第1項のサービスの提供の記録について、サービスの提供に係る適切な手続を確保する観点から、利用者の確認を得なければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(10)支給決定障害者等に求めることのできる金銭の支払の範囲等(基準第20条)

事業者は、基準第21条第1項から第3項に規定する額の他曖昧な名目による不適切な費用の徴収を行うことはできないこととしたものであるが、利用者の直接便益を向上させるものについては、次の要件を満たす場合に、利用者等に金銭の支払を求めることは差し支えないものである。

  1. サービス提供の一環として行われるものではないサービスの提供に要する費用であること。
  2. 利用者等に求める金額、その使途及び金銭の支払を求める理由について記載した書面を利用者に交付し、説明を行うとともに、当該利用者の同意を得ていること。
準用:第3の3の(12)利用者負担額に係る管理(基準第22条)

指定居宅介護事業者は、支給決定障害者等の依頼を受けて、利用者負担額等に係る管理を行うこととされたが、その具体的な取扱いについては、別に通知するところによるものとする。

準用:第3の3の(13) 介護給付費の額に係る通知等(基準第23条)
①利用者への通知

基準第23条第1項は、事業者は、市町村から法定代理受領を行う指定居宅介護に係る介護給付費の支給を受けた場合には、利用者に対し、当該利用者に係る介護給付費の額を通知することとしたものである。

②サービス提供証明書の利用者への交付

同条第2項は、基準第21条第2項の規定による額の支払を受けた場合には、提供したサービスの内容、費用の額その他利用者が市町村に対し介護給付費を請求する上で必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を利用者に交付しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(17) 緊急時の対応(基準第28条)

従業者が現に指定居宅介護の提供を行っているときに、利用者に病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき、速やかに医療機関への連絡を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(18) 支給決定障害者等に関する市町村への通知(基準第29条)

法第8条第1項の規定により、市町村は、偽りその他不正な手段によって自立支援給付費の支給を受けた者があるときは、その者から、その支給を受けた額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができることにかんがみ、指定居宅介護事業者は、その利用者が偽りその他不正な手段によって自立支援給付費の支給を受け、又は受けようとしたときは、自立支援給付費の適正化の観点から、遅滞なく意見を付して市町村に通知しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(23)業務継続計画の策定等(基準第33条の2)
  • 基準第 33 条の2は、指定居宅介護事業者は、感染症や災害が発生した場合にあっても、利用者が継続して指定居宅介護の提供を受けられるよう、指定居宅介護の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定するとともに、当該業務継続計画に従い、従業者に対して、必要な研修及び訓練(シミュレーション)を実施しなければならないこととしたものである。なお、業務継続計画の策定、研修及び訓練の実施については、基準第 33 条の2に基づき指定居宅介護事業者に実施が求められるものであるが、他のサービス事業者との連携等により行うことも差し支えない。また、感染症や災害が発生した場合には、従業者が連携して取り組むことが求められることから、研修及び訓練の実施にあたっては、全ての従業者が参加できるようにすることが望ましい。
  • 業務継続計画には、以下の項目等を記載すること。なお、各項目の記載内容については、「障害福祉サービス事業所等における新型コロナウイルス感染症発生時の業務継続ガイドライン」及び「障害福祉サービス事業所等における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」を参照されたい。また、想定される災害等は地域によって異なるものであることから、項目については実態に応じて設定すること。なお、感染症及び災害の業務継続計画を一体的に策定することを妨げるものではない。
    • ア 感染症に係る業務継続計画
      • a 平時からの備え(体制構築・整備、感染症防止に向けた取組の実施、備蓄品の確保等)
      • b 初動対応
      • c 感染拡大防止体制の確立(保健所との連携、濃厚接触者への対応、関係者との情報共有等)
    • イ 災害に係る業務継続計画
      • a 平常時の対応(建物・設備の安全対策、電気・水道等のライフラインが停止した場合の対策、必要品の備蓄等)
      • b 緊急時の対応(業務継続計画発動基準、対応体制等)
      • c 他施設及び地域との連携
  • 従業者の内容は、感染症及び災害に係る業務継続計画の具体的内容を職員間に共有するとともに、平常時の対応の必要性や、緊急時の対応にかかる理解の励行を行うものとする。

    従業者教育を組織的に浸透させていくために、定期的(年1回以上)な教育を開催するととも、新規採用時には別に研修を実施することが望ましい。

    また、研修の実施内容についても記録すること。

    なお、感染症の業務継続計画に係る研修については、感染症の予防及びまん延の防止のための研修と一体的に実施することも差し支えない。
  • 訓練(シミュレーション)においては、感染症や災害が発生した場合において迅速に行動できるよう、業務継続計画に基づき、指定居宅介護事業所内の役割分担の確認、感染症や災害が発生した場合に実践する支援の演習等を定期的(年1回以上)に実施するものとする。

    なお、感染症の業務継続計画に係る訓練については、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練と一体的に実施することも差し支えない。

    訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
準用:第3の3の(26)身体拘束等の禁止(基準第35条の2)
  • 基準第35条の2第1項及び第2項は、利用者又は他の利用者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束等を行ってはならず、緊急やむを得ない場合に身体拘束等を行う場合にあっても、その態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならないこととしたものである。

    なお、緊急やむを得ない理由については、切迫性、非代替性、一時性の三つの要件全てを満たし、かつ、組織としてそれらの要件の確認等の手続きを行った旨を記録しなければならないこと。
  • 同条第3項第1号の「身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会」(以下「身体拘束適正化検討委員会」という。)は、事業所に従事する幅広い職種により構成する。構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の身体拘束等の適正化対応策を担当する者を決めておくことが必要である。

    身体拘束適正化検討委員会には、第三者や専門家の活用に努めることとし、その方策として、医師(精神科専門医等)、看護職員等の活用が考えられる。

    また、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置も可能であるため、事業所の規模に応じた対応を検討すること。

    なお、身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも1年に1回は開催することが必要であるが、虐待防止委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営すること(虐待防止委員会において、身体拘束等の適正化について検討する場合も含む。)も差し支えない。

    指定居宅介護事業所が、報告、改善のための方策を定め、周知徹底する目的は、身体拘束等の適正化について、事業所全体で情報共有し、不適切な身体拘束等の再発防止や身体拘束等を行わない支援方法の検討につなげるためのものであり、決して従業者の懲罰を目的としたものではないことに留意することが必要である。

    身体拘束適正化検討委員会における具体的な対応は、次のようなことを想定している。なお、身体拘束適正化検討委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
    • ア 身体拘束等について報告するための様式を整備すること。
    • イ 従業者は、身体拘束等の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、身体拘束等について報告すること。
    • ウ 身体拘束適正化検討委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。なお、イにより報告された事例がない場合にも、身体拘束等の未然防止の観点から、利用者に対する支援の状況等を確認することが必要である。
    • エ 事例の分析に当たっては、身体拘束等の発生時の状況等を分析し、身体拘束等の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の適正性と廃止へ向けた方策を検討すること。
    • オ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
    • カ 廃止へ向けた方策を講じた後に、その効果について検証すること。
  • 同条同項第2号の指定居宅介護事業所が整備する「身体拘束等の適正化のための指針」には、次のような項目を盛り込むこととする。
    • ア 事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
    • イ 身体拘束適正化検討委員会その他事業所内の組織に関する事項
    • ウ 身体拘束等の適正化のための職員研修に関する基本方針
    • エ 事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
    • オ 身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
    • カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
    • キ その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
  • 同条同項第3号の従業者に対する身体拘束等の適正化のための研修の実施に当たっては、身体拘束等の適正化の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定居宅介護事業所における指針に基づき、適正化の徹底を図るものとする。

    職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な研修を実施(年一回以上)するとともに、新規採用時には必ず身体拘束等の適正化の研修を実施することが重要である。

    また、研修の実施内容について記録することが必要である。なお、研修の実施に当たっては、事業所内で行う職員研修で差し支えなく、他の研修と一体的に実施する場合や他の研修プログラムにおいて身体拘束等の適正化について取り扱う場合、例えば、虐待防止に関する研修において身体拘束等の適正化について取り扱う場合は、身体拘束等の適正化のための研修を実施しているものとみなして差し支えない。
準用:第3の3の(27) 秘密保持等(基準第36条)
  • 基準第36条第1項は、事業所の従業者及び管理者に、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密の保持を義務付けたものである。
  • 同条第2項は、事業者に対して、過去に当該事業所の従業者及び管理者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務付けたものであり、具体的には、事業者は、当該事業所の従業者等が、従業者等でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決めるなどの措置を講ずべきこととするものである。
  • 同条第3項は、従業者が利用者の有する問題点や解決すべき課題等の個人情報を、他の指定障害福祉サービス事業者と共有するためには、事業者等は、あらかじめ文書により利用者又はその家族から同意を得る必要があることを規定したものであるが、この同意は、サービス提供開始時に利用者及びその家族から包括的な同意を得ておくことで足りるものである。
準用:第3の3の(28) 利益供与等の禁止(基準第38条)
  • 基準第 38 条第1項は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等による障害福祉サービス事業者等の紹介が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等に対し、利用者に対して当該指定居宅介護事業者を紹介することの対償として金品その他の財産上の利益を供与してはならない旨を規定したものである。
  • 同条第2項は、利用者による一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等の選択が公正中立に行われるよう、指定居宅介護事業者は、一般相談支援事業者若しくは特定相談支援事業者又は他の障害福祉サービス事業者等から、当該事業所を利用する利用者やサービス提供が終了した利用者等を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない旨を規定したものである。
準用:第3の3の(29) 苦情解決(基準第39条)
  1. 基準第39条第1項にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口苦情解決の体制及び手順等当該事業所における苦情を解決するための措置を講ずることをいうものである。当該措置の概要については、利用申込者にサービスの内容を説明する文書に記載し、事業所に掲示することが望ましい。
  2. 同条第2項は、苦情に対し事業所が組織として迅速かつ適切に対応するため、当該苦情(指定居宅介護事業所が提供したサービスとは関係のないものを除く。)の受付日、内容等を記録することを義務付けたものである。

    また、事業所は、苦情がサービスの質の向上を図る上での重要な情報であるとの認識に立ち、苦情の内容を踏まえ、サービスの質の向上に向けた取組を自ら行うべきである。
  3. 同条第3項は、住民に最も身近な行政庁である市町村が、サービスに関する苦情に対応する必要が生ずることから、市町村が、指定居宅介護事業者に対する苦情に関する調査や指導、助言を行えることを運営基準上、明確にしたものである。
  4. 同条第7項は、社会福祉法上、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会が福祉サービスに関する苦情の解決について相談等を行うこととされたことを受けて、運営適正化委員会が行う同法第85条に規定する調査又はあっせんにできるだけ協力することとしたものである。
準用:第3の3の(30) 事故発生時の対応(基準第40条)

利用者が安心してサービスの提供を受けられるよう、事業者は、利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合は、都道府県、市町村及び当該利用者の家族等に対して連絡を行うとともに必要な措置を講じ、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。

このほか、次の点に留意するものとする。

  1. 利用者に対する指定居宅介護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定居宅介護事業者が定めておくことが望ましいこと。

    また、事業所に自動体外式除細動器(AED)を設置することや救命講習等を受講することが望ましいこと。

    なお、事業所の近隣にAEDが設置されており、緊急時に使用できるよう、地域においてその体制や連携を構築することでも差し支えない。
  2. 事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくことが望ましいこと。
  3. 事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。なお、「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針」(平成14年3月28日福祉サービスにおける危機管理に関する検討会)(外部リンク)が示されているので、参考にされたい。
準用:第3の3の(31) 虐待の防止(基準第40条の2)
  • 基準第40条の2第1号の虐待防止委員会の役割は、以下の3つがある。
    ・ 虐待防止のための計画づくり(虐待防止の研修、労働環境・条件を確認・改善するための実施計画づくり、指針の作成)
    ・ 虐待防止のチェックとモニタリング(虐待が起こりやすい職場環境の確認等)
    ・ 虐待発生後の検証と再発防止策の検討(虐待やその疑いが生じた場合、事案検証の上、再発防止策を検討、実行)

    虐待防止委員会の設置に向けては、構成員の責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の虐待防止担当者(必置)を決めておくことが必要であり、虐待防止委員会の構成員には、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者等も加えるよう努めるものとする。

    具体的には、次のような対応を想定している。

    なお、虐待防止委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。
    • ア 虐待(不適切な対応事例も含む。)が発生した場合、当該事案について報告するための様式を整備すること。
    • イ 従業者は、虐待の発生ごとにその状況、背景等を記録するとともに、アの様式に従い、虐待について報告すること。
    • ウ 虐待防止委員会において、イにより報告された事例を集計し、分析すること。
    • エ 事例の分析に当たっては、虐待の発生時の状況等を分析し、虐待の発生原因、結果等をとりまとめ、当該事例の再発防止策を検討すること。
    • オ 労働環境・条件について確認するための様式を整備するとともに、当該様式に従い作成された内容を集計、報告し、分析すること。
    • カ 報告された事例及び分析結果を従業者に周知徹底すること。
    • キ 再発防止策を講じた後に、その効果について検証すること。
  • 指定居宅介護事業所は次のような項目を定めた「虐待防止のための指針」を作成することが望ましい。
    • ア 事業所における虐待防止に関する基本的な考え方
    • イ 虐待防止委員会その他施設内の組織に関する事項
    • ウ 虐待防止のための職員研修に関する基本方針
    • エ 施設内で発生した虐待の報告方法等の方策に関する基本方針
    • オ 虐待発生時の対応に関する基本方針
    • カ 利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
    • キ その他虐待防止の適正化の推進のために必要な基本方針
  • 同条第2号の従業者に対する虐待防止のための研修の実施に当たっては、虐待防止の基礎的内容等適切な知識を普及・啓発するとともに、指針を作成した事業所においては当該指針に基づき、虐待防止の徹底を図るものとする。

    職員教育を組織的に徹底させていくためには、当該指定居宅介護事業所の虐待防止委員会が作成した研修プログラムを実施し、定期的な研修を実施(年1回以上)するとともに、新規採用時には必ず虐待防止の研修を実施することが重要である。

    また、研修の実施内容について記録することが必要である。

    なお、研修の実施は、施設内で行う職員研修及び協議会又は基幹相談支援センター等が実施する研修に事業所が参加した場合でも差し支えない。
  • 同条第3号の虐待防止のための担当者については、サービス提供責任者等を配置すること。なお、当該担当者及び管理者は、「地域生活支援事業の実施について」(平成 18 年8月1日障発第 0801002 号)(外部リンク)の別紙2「地域生活支援促進事業実施要綱」の別記2-4の3(3)の都道府県が行う研修に参加することが望ましい。
準用:第3の3の(32) 会計の区分(基準第41条)

指定居宅介護事業者は、指定居宅介護事業所ごとに経理を区分するとともに、指定居宅介護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものである。

準用:第3の3の(33) 記録の整備(基準第42条)

指定居宅介護事業者は、従業者、設備、備品及び会計等に関する諸記録を文書により整備しておく必要があること。なお、基準第 42 条第2項により、指定居宅介護事業者は、指定居宅介護の提供に関する諸記録のうち、少なくとも次に掲げる記録については、当該居宅介護を提供した日から、少なくとも5年以上保存しておかなければならないこととしたものである。

  1. 指定居宅介護に関する記録
    • ア 基準第19条に規定する指定居宅介護の提供に係る記録
    • イ 基準第26条に規定する居宅介護計画
    • ウ 基準第 35 条の2第2項に規定する身体拘束等の記録
    • エ 基準第39条に規定する苦情の内容等に係る記録
    • オ 基準第 40 条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
  2. 基準第29条に規定する市町村への通知に係る記録
準用:第4の3の(9) 相談及び援助(基準第60条)

基準第60条は、常に利用者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、常時必要な相談及び援助を行い得る体制をとることにより、積極的にサービスを利用する利用者の生活の質の向上を図ることを趣旨とするものである。

準用:第4の3の(15) 管理者の責務(基準第66条)

指定療養介護事業所の管理者の責務を、法の基本理念を踏まえた利用者本位のサービス提供を行うため、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、従業者及び業務の管理を一元的に行うとともに、当該指定療養介護事業所の従業者に基準第三章第四節(運営に関する基準)の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うこととしたものである。

準用:第4の3の(17) 勤務体制の確保等(基準第68条)

利用者に対する適切な指定療養介護の提供を確保するため、従業者の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意するものとする。

  1. 基準第68条第1項は、指定療養介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表(生活支援員の勤務体制を指定療養介護の単位等により2以上で行っている場合は、その勤務体制ごとの勤務表)を作成し、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にすることを定めたものであること。
  2. 同条第2項は、指定療養介護事業所は原則として、当該指定療養介護事業所の従業者によって指定療養介護を提供すべきであるが、調理業務、洗濯等の利用者に対するサービス提供に直接影響を及ぼさない業務については、第三者への委託等を行うことを認めるものであること。
  3. 同条第3項は、指定療養介護事業所の従業者の資質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該指定療養介護事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することを定めたものであること。
  4. 同条第4項の規定は、基準第33 条第4項の規定と基本的に同趣旨であるため、第3の3の(22)を参照されたいこと。
第3の3の(22)

利用者に対する適切な指定居宅介護の提供を確保するため、従業者の勤務体制等について規定したものであるが、次の点に留意する必要がある。

  1. 基準第33条第1項は、指定居宅介護事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作成し、従業者については、日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係、サービス提供責任者である旨等を明確にすることを定めたものであること。
  2. 同条第2項は、当該指定居宅介護事業所の従業者によって指定居宅介護を提供するべきことを規定したものであるが、指定居宅介護事業所の従業者とは、雇用契約その他の契約により、当該事業所の管理者の指揮命令下にある従業者を指すものであること。
  3. 同条第3項は、当該指定居宅介護事業所の従業者の質の向上を図るため、研修機関が実施する研修や当該指定居宅介護事業所内の研修への参加の機会を計画的に確保することとしたものであること。
  4. 同条第4項は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和 47 年法律第 113 号)第 11 条第1項及び労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和 41 年法律第 132 号)第 30 条の2第1項の規定に基づき、指定居宅介護事業者には、職場におけるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント(以下「職場におけるハラスメント」という。)の防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務づけられていることを踏まえ、規定したものである。

    指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的内容及び指定居宅介護事業者が講じることが望ましい取組については、次のとおりとする。なお、セクシュアルハラスメントについては、上司や同僚に限らず、利用者やその家族等から受けるものも含まれることに留意すること。
    • ア 指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的内容
      指定居宅介護事業者が講ずべき措置の具体的な内容は、事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号)及び事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号。以下「パワーハラスメント指針」という。)において規定されているとおりであるが、特に留意されたい内容は以下のとおりである。
      • a 指定居宅介護事業者の方針等の明確化及びその周知・啓発職場におけるハラスメントの内容及び職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、従業者に周知・啓発すること。
      • b 相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備と。相談に対応する担当者をあらかじめ定めること等により、相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、従業者に周知するこ
    • イ 指定居宅介護事業者が講じることが望ましい取組について
      パワーハラスメント指針においては、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)の防止のために、事業主が雇用管理上の配慮として行うことが望ましい取組の例として、
      ①相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、
      ②被害者への配慮のているので参考にされたいための取組(メンタルヘルス不調への相談対応、行為者に対して1人で対応させない等)及び
      ③被害防止のための取組(マニュアル作成や研修の実施等、業種・業態等の状況に応じた取組)が規定されているので参考にされたい。
準用:第4の3の(19) 非常災害対策(基準第70条)
  1. 非常災害に際して必要な諸設備の整備や具体的計画の策定、関係機関への通報及び連携体制の整備、避難、救出訓練の実施等その対策に万全を期さなければならないこととしたものである。
  2. 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備」とは、消防法(昭和23年法律第186号)その他法令等に規定された設備を指しており、それらの設備を確実に設置しなければならない。
  3. 非常災害に関する具体的計画」とは、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第3条に規定する消防計画(これに準ずる計画を含む。)及び風水害、地震等の災害に対処するための計画をいう。この場合、消防計画の策定及びこれに基づく消防業務の実施は、消防法第8条の規定に基づき定められる者に行わせるものとする。
  4. 関係機関への通報及び連携体制の整備」とは、火災等の災害時に、地域の消防機関へ速やかに通報する体制をとるよう職員に周知徹底するとともに、日頃から消防団や地域住民との連携を図り、火災等の際に消火・避難等に協力してもらえるような体制作りを求めることとしたものである。
  5. 基準第70 条第3項は、指定療養介護事業者が前項に規定する避難、救出その他の訓練の実施に当たって、できるだけ地域住民の参加が得られるよう努めることとしたものであり、そのためには、日頃から地域住民との密接な連携体制を確保するなど、訓練の実施に協力を得られる体制づくりに努めることが必要である。訓練の実施に当たっては、消防関係者の参加を促し、具体的な指示を仰ぐなど、より実効性のあるものとすること。
準用:第4の3の(22) 地域との連携等(基準第74条)

指定療養介護事業所が地域に開かれたものとして運営されるよう、地域の住民やボランティア団体等の連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならないこととしたものである。

準用:第5の3の(6) 健康管理(基準第87条)

利用者の健康管理は、保健所等との連絡の上、医師又は看護職員その他適当な者を健康管理の責任者とし、利用者の健康状態に応じて健康保持のための適切な措置を講じることとしたものである。

準用:第5の3の(9)衛生管理等(基準第90条)

指定療養介護の場合と同趣旨であるため、第4の3の(20)を参照されたい。

第4の3の(20)
  • 基準第71 条は、指定療養介護事業者は、従業者の清潔の保持及び健康状態の管理に努めるべきであり、特に、従業者が感染源となることを予防し、また従業者を感染の危険から守るため、手指を洗浄するための設備や使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備えるなど対策を講じるべきことを規定したものであり、このほか、次の点に留意するものとする。
    • ア 指定療養介護事業者は、感染症又は食中毒の発生及びまん延を防止するための措置等について、必要に応じて保健所の助言、指導を求めるとともに、常に密接な連携を保つこと。
    • イ 特にインフルエンザ対策、腸管出血性大腸菌感染症対策、レジオネラ症対策等については、その発生及びまん延を防止するための措置について、別途通知等が発出されているので、これに基づき、適切な措置を講じること。
    • ウ 空調設備等により事業所内の適温の確保に努めること。
  • 基準第71 条第2項に規定する感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように講ずるべき措置については、具体的には次のアからエまでの取扱いとすること。
    • ア 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会当該指定療養介護事業所における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(以下「感染対策委員会」という。)であり、幅広い職種(例えば、施設長(管理者)、事務長、医師、看護職員、生活支援員、栄養士又は管理栄養士)により構成する。構成メンバーの責務及び役割分担を明確にするとともに、専任の感染対策を担当する者(以下「感染対策担当者」という。)を決めておくことが必要である。感染対策委員会は、入所者の状況など施設の状況に応じ、おおむね3月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。

      感染対策委員会は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。

      ただし、障害のある者が参加する場合には、その障害の特性に応じた適切な配慮を行うこと。

      この際、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」(外部リンク)等を遵守すること。

      なお、感染対策委員会は、運営委員会など指定療養介護事業所内の他の委員会と独立して設置・運営することが必要であるが、関係する職種、取り扱う事項等が相互に関係が深いと認められる他の会議体を設置している場合、これと一体的に設置・運営することとして差し支えない。感染対策担当者は看護師であることが望ましい。

      また、指定療養介護事業所外の感染管理等の専門家を委員として積極的に活用することが望ましい。
    • イ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
      指定療養介護事業所における「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針」には、平常時の対策及び発生時の対応を規定する。平常時の対策としては、指定療養介護事業所内の衛生管理(環境の整備、排泄物の処理、血液・体液の処理等)、日常の支援にかかる感染対策(標準的な予防策(例えば、血液・体液・分泌液・排泄物(便)などに触れるとき、傷や創傷皮膚に触れるときどのようにするかなどの取り決め)、手洗いの基本、早期発見のための日常の観察項目)等、発生時の対応としては、発生状況の把握、感染拡大の防止、医療機関や保健所、市町村における事業所関係課等の関係機関との連携、医療処置、行政への報告等が想定される。

      また、発生時における指定療養介護事業所内の連絡体制や前記の関係機関への連絡体制を整備し、明記しておくことも必要である。なお、それぞれの項目の記載内容の例については、「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」(外部リンク)も踏まえて検討すること。
    • ウ 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修
      従業者に対する「感染症の予防及びまん延の防止のための研修」の内容は、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、当該指定療養介護事業所における指針に基づいた衛生管理の徹底や衛生的な支援の励行を行うものとする。職員教育を組織的に浸透させていくためには、当該指定療養介護事業所が指針に基づいた研修プログラムを作成し、定期的な教育(年2回以上)を開催するとともに、新規採用時には必ず感染対策研修を実施することが重要である。

      また、調理や清掃などの業務を委託する場合には、委託を受けて行う者に対しても、施設の指針が周知されるようにする必要がある。

      また、研修の実施内容についても記録することが必要である。研修の実施は、厚生労働省「障害福祉サービス施設・事業所職員のための感染対策マニュアル」(外部リンク)等を活用するなど、指定療養介護事業所内で行うものでも差し支えなく、当該指定居宅介護事業所の実態に応じ行うこと。
    • エ 感染症の予防及びまん延の防止のための訓練
      平時から、実際に感染症が発生した場合を想定し、発生時の対応について、訓練(シミュレーション)を定期的(年2回以上)に行うことが必要である。

      訓練においては、感染症発生時において迅速に行動できるよう、発生時の対応を定めた指針及び研修内容に基づき、指定療養介護事業所内の役割分担の確認や、感染対策をした上での支援の演習などを実施するものとする。

      訓練の実施は、机上を含めその実施手法は問わないものの、机上及び実地で実施するものを適切に組み合わせながら実施することが適切である。
準用:第5の3の(10) 協力医療機関等(基準第91条)

協力医療機関は、指定生活介護事業所から近距離にあることが望ましいものであること。

準用:第5の3の(11)掲示(基準第92 条)

基準第92 条の規定は、基準第35 条と基本的に同趣旨であるため、第4の3の(21)を参照されたい。

第4の3の(21)

基準第72 条の規定は、基準第35 条と基本的に同趣旨であるため、第3の3の(25)を参照されたい。

第3の3の(25)
  • 基準第 35 条第1項は、指定居宅介護事業者は、運営規程の概要、従業者の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況(実施の有無、実施した直近の年月日、実施した評価機関の名称、評価結果の開示状況)等の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を指定居宅介護事業所の見やすい場所に掲示することを規定したものであるが、次に掲げる点に留意する必要がある。
    • ア 指定居宅介護事業所の見やすい場所とは、重要事項を伝えるべき利用者又はその家族等に対して見やすい場所のことであること。
    • イ 従業者の勤務体制については、職種ごと、常勤・非常勤ごと等の人数を掲示する趣旨であり、従業者の氏名まで掲示することを求めるものではないこと。
  • 同条第2項は、重要事項を記載したファイル等を利用者又はその家族等が自由に閲覧可能な形で当該指定居宅介護事業所内に備え付けることで同条第1項の掲示に代えることができることを規定したものである。

5 共生型障害福祉サービスに関する基準

(1)共生型短期入所を行う指定短期入所生活介護事業者等及び指定小規模多機能型居宅介護事業者等の基準(基準第125 条の2、第125 条の3)

共生型短期入所にかかる共生型障害福祉サービス(以下「共生型短期入所」という。)の事業を行う介護保険法による指定短期入所生活介護事業者、指定介護予防短期入所生活介護事業者、指定小規模多機能型居宅介護事業者、指定看護小規模多機能型居宅介護事業者又は指定介護予防小規模多機能型居宅介護事業者が満たすべき基準は、次のとおりであること。

  • 従業者の員数
    指定短期入所生活介護事業所、指定介護予防短期入所生活介護事業所、指定小規模多機能型居宅介護事業所、指定看護小規模多機能型居宅介護事業所又は指定介護予防小規模多機能型居宅介護事業所(以下この号において「指定短期入所生活介護事業所等」という。)の従業者の員数が、共生型短期入所を受ける利用者(障害児者)の数を含めて当該指定短期入所生活介護事業所等の利用者の数とした場合に、当該指定短期入所生活介護事業所等として必要とされる数以上であること。
    なお、共生型短期入所の管理者と指定短期入所生活介護事業所等の管理者を兼務することは差し支えないこと。
  • 設備に関する基準
    指定短期入所生活介護事業所等として満たすべき設備基準を満たしていれば足りるものであること。

    なお、当該設備については、共生型サービスは障害者、障害児及び要介護者に同じ場所で同時に提供することを想定していることから、障害者、障害児又は要介護者がそれぞれ利用する設備を区切る壁、家具、カーテンやパーティション等の仕切りは、不要であること。
  • 指定短期入所事業所その他の関係施設から、指定短期入所生活介護事業所等が障害児者の支援を行う上で、必要な技術的支援を受けていること。
(2)準用(基準第125 条の4)

基準第125 条の4の規定により、基準第9条、第11 条から第17 条まで、第19 条、第20 条、第22 条、第23 条、第28 条、第29 条、第33条の2、第35 条の2から第42 条まで、第51 条、第60 条、第66 条、第68 条から第70 条まで、第74 条、第87 条、第90 条から第92 条ま
で、第114 条及び前節(第124 条及び第125 条を除く。)の規定は、共生型短期入所の事業について準用されるものであるため、第3の3の(1)、(3)から(7)まで、(9)、(10)、(12)、(13)、(17)、(18)、(23)、(26)から(33)まで、第4の1の(7)第4の3の(9)、(15)、(17)から(19)まで、 (22)第5の3の(6)、(9)、(10)第6の4((7)、(8)を除く)を参照されたい。

なお、基準第123 条第3号の規定について、共生型短期入所の利用定員は、共生型短期入所の指定を受ける指定短期入所生活介護事業所等において同時にサービス提供を受けることができる利用者数の上限とする。

なお、当該利用定員の範囲内であれば、サービスごとの利用者の数に変動があっても差し支えないこと。

(例) 定員5人の場合、利用日によって、共生型短期入所の利用者が4人、指定短期入所生活介護等の利用者が1人であっても、共生型短期入所の利用者が2人、指定短期入所生活介護等の利用者が3人であっても、差し支えない。

(3)その他の共生型サービスについて

生活介護と同様であるので、第5の4の(3)を参照されたい。

5 基準該当障害福祉サービスの基準

(1) 指定小規模多機能型居宅介護事業所に関する特例(第125条の2)

介護保険法による指定小規模多機能型居宅介護事業者等が、その地域において、指定短期入所事業所が少ないなど、指定短期入所を受けることが困難な障害者及び障害児に対して、指定小規模多機能型居宅介護等の宿泊サービスを提供する場合には、当該指定小規模多機能型居宅介護等の宿泊サービスを基準該当短期入所とみなすこととし、この場合の基準該当短期入所事業所として満たすべき基準は、次のとおりであること。

  • 指定小規模多機能型居宅介護事業者等であって、第94 条の2の規定により基準該当生活介護とみなされる通いサービス、第163 条の2の規定に基づき基準該当自立訓練(機能訓練)とみなされる通いサービス若しくは第172 条の2の規定に基づき基準該当自立訓練(生活訓練)とみなされる通いサービス又は指定通所支援基準第54 条の8の規定により基準該当児童発達支援と見なされる通いサービス若しくは指定通所支援基準第71 条の4において準用する指定通所支援基準第54 条の8の規定により基準該当放課後等デイサービスと見なされる通いサービスを利用するために当該指定小規模多機能型居宅介護事業所等に登録を受けた障害者及び障害児に対して指定小規模多機能型居宅介護等のうち宿泊サービスを提供するものであること。
  • 当該指定小規模多機能型居宅介護事業所等の宿泊サービスの利用定員とは、当該指定小規模多機能型居宅介護事業所等の宿泊サービスを利用する者の数と基準該当短期入所の提供を受ける障害者及び障害児の数の合計数の1日当たりの上限とし、通いサービスの利用定員の3分の1から9人(サテライト型指定小規模多機能型居宅介護事業所にあっては、6人)までの範囲内とすること。
  • 当該指定小規模多機能型居宅介護事業所等に個室以外の宿泊室を設ける場合は、個室以外の宿泊室の面積を宿泊サービスの利用定員から個室の定員数を減じて得た数で除して得た面積が、おおむね7.43 ㎡以上であること。
  • 指定短期入所事業所、障害児入所施設その他の関係施設から、指定小規模多機能型居宅介護事業所等が障害者及び障害児の支援を行う上で、必要な技術的支援を受けていること。
(2)準用(第125条の3)

第120条第2項から第6項までの規定は、基準該当短期入所の事業について準用する。

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